令和七年六月十日(火曜日) 午前十時一分開会 ───────────── 委員の異動 六月六日 辞任 補欠選任 浜口 誠君 田村 まみ君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 柘植 芳文君 理 事 神谷 政幸君 羽生田 俊君 三浦 靖君 森本 真治君 秋野 公造君 委 員 石田 昌宏君 衛藤 晟一君 こやり隆史君 自見はなこ君 比嘉奈津美君 星 北斗君 山田 宏君 石橋 通宏君 大椿ゆうこ君 高木 真理君 塩田 博昭君 新妻 秀規君 猪瀬 直樹君 山口 和之君 田村 まみ君 倉林 明子君 天畠 大輔君 衆議院議員 修正案提出者 井坂 信彦君 修正案提出者 山井 和則君 国務大臣 厚生労働大臣 福岡 資麿君 事務局側 常任委員会専門 員 佐伯 道子君 政府参考人 人事院事務総局 給与局次長 植村 隆生君 こども家庭庁長 官官房審議官 竹林 悟史君 厚生労働省大臣 官房年金管理審 議官 巽 慎一君 厚生労働省健康 ・生活衛生局感 染症対策部長 鷲見 学君 厚生労働省労働 基準局長 岸本 武史君 厚生労働省雇用 環境・均等局長 田中佐智子君 厚生労働省保険 局長 鹿沼 均君 厚生労働省年金 局長 間 隆一郎君 参考人 日本年金機構理 事長 大竹 和彦君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案(閣法第五九号)(衆議院送付) ─────────────
厚生労働委員会
発言 223
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、浜口誠君が委員を辞任され、その補欠として田村まみさんが選任されました。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長間隆一郎君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認めます。さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に日本年金機構理事長大竹和彦君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(柘植芳文君) 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題として、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○こやり隆史君 おはようございます。自民党のこやりでございます。 今日は、年金法改正案につきまして、済みません、確認したいことを確認をさせていただければというふうに思います。 まず、そもそも論になるんですけれども、年金の水準についていろいろ議論がなされるときに、所得代替率であったりとか、そういうのを参考に議論がなされています。高齢化、長寿命化するこの社会において、老後生活、ますますたくさんの人が老後生活を送っていくということになりますけれども、そもそもこの年金水準というのはどのような基本的な考え方に基づいて算定されているのか。特に、社会保障制度全体、生活保護とか様々な社会保障制度が充実していますけれども、そうした全体の社会保障制度の中でこの年金水準というのはどのような考え方で設定をされているのかというのをちょっと確認をしたいというふうに思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 我が国の社会保障制度は、自らの生活を自らで支える自助を基本としながら、国民皆年金、皆保険の下、個人では対処できない人生の様々な不確実性に対しまして共同で備える共助の考え方に立って対応をしております。その上で、自助であったり共助では対応できない状況に対しまして生活保護などの公助で補完をしているような状況でございます。 その上で、この公的年金制度は、老後の生活を支える重要な柱でございますが、それだけで老後の生活の全てを賄うものではなく、現役世代に構築した生活基盤であったり貯蓄などを合わせて生活を送るという考え方に立っているものでございます。
○こやり隆史君 基本的には自助、公助、共助、そうした考え方に基づいた社会保障制度がつくられており、その中でこの年金制度というのが一つの大きな柱として位置付けられており、その柱としての機能を発揮するために年金水準というのが定められているということかというふうに思います。 それで、こうした年金制度をしっかりと国民に広く行き渡らせるために、今回その厚生年金の適用について拡大をしていくという大きな決断をされたわけであります。これは、労働者というか、加入者の皆様にとっては、適用が拡大され、厚生年金の割合が増えていくということはメリットが直接受けられるということで分かりやすいと思うんですけれども、やっぱり負担をする事業者にとっては、いまいちその事業者にとって負担が増えていくということについてなかなか理解がまだ十分に進んでいないし、また理解するのが難しいことだというふうに思っています。 様々、厚労省でも支援制度であったりとか、この適用拡大に当たって措置を考えていただいているということでありますけれども、そもそも、やっぱり、この事業者の皆さんに年金制度、厚生年金というのを拡大していくことが事業者にとっても重要であり、事業者の協力を得ないとこの日本全体の年金制度が機能しない、だから、しっかり社会的責任として事業者も、何というか、負担が増えることについて納得をしていっていただくということが大事かなというふうに思っています。 そのところの基本的な考えを納得していただいた上で必要な支援措置というのを講じていくと。その納得の、この拡大の意義、これについてやっぱり納得感のある説明をしっかりやっていくことが大事だというふうに思っておりますが、その意義についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 適用拡大につきましては、委員御指摘になりましたように、加入者には年金や医療の給付が充実するメリットがあるということでございますが、事業主の皆様にとって、今委員から御指摘のありました日本全体を考えたものというのに加えまして、現在各地で人手不足が大変強まってございます。その中で、労働者の方への年金給付等が手厚くなることで、人材確保、定着の観点からメリットがあるというふうに考えております。この辺は適用拡大が始まった十年ぐらい前の時期と大分雰囲気が変わってきていると。この辺り、関係団体、現場の方、あるいは社労士の方からもそういったお話を聞くようになってございます。 その上で、先ほど委員からも御紹介いただきましたけれども、今回の見直しでは今まで以上に小規模の企業を対象とすることから、企業経営に与える影響や事務負担の増加等も踏まえて、施行までの十分な準備期間の確保や段階的な施行によりまして必要な配慮を行うこととしております。加えて、様々な助成措置等を活用できるよう支援体制を整備することなどにより、円滑に施行できる環境を整備したいと考えております。 また、今回の法案による適用拡大の対象となる中小企業の人材確保の取組を支援する観点から、短時間労働者が被用者保険の適用を回避するために就業調整をすることがないよう、労使折半を超えて事業主が負担した保険料全額を支援の対象とすることとした保険料調整制度を設けております。 今回の適用拡大の意義とかあるいは支援措置などにつきまして、個人事業主を含めました事業主の皆様方に対して関係団体とも協力して丁寧に説明していきたいと、このように考えております。
○こやり隆史君 ありがとうございます。 納得をしていただくということは、なかなか、大変難しいし、労力も掛かることでありますけれども、根本的にこの必要性をしっかりとまず理解をしていただくということが何よりも大事ですし、人材獲得競争というお話がありましたけれども、これまた後でやりますけど、同じ事業所の規模であっても、新たな事業所は適用になるけれども既存事業所は適用にならない、当面猶予されるということになっています。 そうした、そうすると、同じ規模であっても、人材獲得競争がこの社会保障制度がより充実しているか否かによっても起こりますので、そういう意味で、既存事業所も、これからいろいろ検討されるということになると思うんですけれども、やはり、社会全体というか、事業所もそれなりの義務なり意義があって、まずやっぱり、しっかり範囲を拡大していくということが大事なんだということをしっかり理解していただくという努力をしていっていただきたいというふうに思います。また、こうした納得をしていただくには一定の時間が掛かるというのはもうそのとおりであります。 今回の適用拡大、五人まで適用が拡大されるというふうに承知をしておりますけれども、それまでに、施行から大体十年ぐらいを見込んでおられます。通常の、これまでの法改正においてこれほど長い施行期間を設けるということはなかなか今までになかったことかというふうに思いますけれども、今回、この法改正に当たって十年間という異例とも言える期間を設けられた趣旨をもう一度確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回、企業規模要件につきましては、最終的に段階的に撤廃をするということでございますので、従業員の方、一人以上パートの方を雇っておられればそれも適用になっていくということでございます。 この被用者保険の適用拡大につきましては、おっしゃるように対象となる企業に新たな社会保険料を御負担いただくことになりますため、従来より段階的に拡大を進めてきてございます。 今回の改正においては、今まで以上に小規模な企業や個人事業所を対象とすることから、企業経営に与える影響や事務負担の増加等も踏まえて、審議会の議論などにおきましても段階的な適用拡大ということが、配慮が求められておりました。このため、企業規模要件の撤廃を着実に進められるよう、企業規模に応じて四段階ときめ細かに適用を進めることといたします。 適用拡大の段階実施の場合には大体二年ぐらいの間隔を空けてやっていくということを基本としておりますが、今回は従業員二十人以下の小規模な企業もございます。それぐらい小規模になりますと、社長さんが総務やら経理やらと御自身で事務をやっておられるというケースも多いというふうに承知しておりますので、その辺りも配慮して、非常に小規模な場合には間隔を三年としたことから、最長十年の準備期間を設けることとしたものでございます。 その上で、人材獲得競争のお話もございましたけれども、いや、うちは先にやりたいんだというような、任意で、任意包括適用という仕組みがございまして、こうしたようなこともできるところでございまして、こうした取組をする事業主に対しても一定支援を行っていきたいと、このように考えております。
○こやり隆史君 そういう意味では、本当に数百万に上る小規模事業所があると、それの各事業所さんに、先ほどもお話が、議論をしましたけれども、その意義をしっかり理解してもらいながら、負担も軽減していくというか、負担の負担能力を上げていくには時間が掛かるというのはそのとおりかというふうに思います。 他方で、これはメリットがあればデメリットがあるということだと思うんですけれども、今回五十人以下を、先ほどお話もありましたけれども、四段階に分けて、まあきめ細かくといえばきめ細かく施行の段階を変えていくということになっていますけれども、一般的にこの社会保障制度、年金、特に分かりにくい、理解がなかなか進まない分野でもあります。複雑であり、やっぱりできるだけシンプルにするという観点からは、細かく分ければ分けるほどこの導入に当たってやっぱり混乱をするというか、そうしたことが生じかねない。特に十人か二十人か三十五人かとかいうことになると、多分人の出入りが全体の数に影響を及ぼす度合いも高まってきますんで、そういう意味では、あるときは基準にはまりそうになったり、あるときははまらなくなったり、そういう意味では制度全体の複雑性は増すということは確実だと思います。 さらに、先ほども御説明いただきましたけれども、任意の加入制度というのも用意をされるということで、同じような事業規模であっても対象になったり、あるいは実際に入れたりとか、いろんな事業所が出てきますので、そういう意味で、混乱なきようにやっぱりしっかり制度を周知し、そして導入をしていかないといけない。そのためには相応の工夫が必要かというふうに思っておりますけれども、その辺の工夫について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 ただいま委員から御指摘になりましたように、この十年の中で三十五人、二十人、十人、そして十人以下というふうに四段階で段階的に施行することとしております。これがやっぱり円滑に進むためには、全体像を早くからちゃんとお知らせするということが大事ですし、今の人数のところも、常勤の労働者の方の人数でこれは決めていると、パートの方はそこの人数の中には入らないと、しかし、適用したときにはもちろん適用になるわけですけれども。そういったことも含めて丁寧にお伝えすることが必要だと思います。 そういう意味で、あらかじめ関係団体等と協力して、一連のその適用拡大の対象となる事業所に広く施行スケジュールをお伝えして、御自身がどの辺に該当するのかというのをあらかじめある程度御理解いただくということが大事だと思います。その上で、段階施行していく上では、対象となる企業を的確に把握した上で、今回の見直しの狙いや活用できる支援策についてきめ細かく丁寧に説明していきたいと、日本年金機構と協力してやっていきたいというふうに思っております。
○こやり隆史君 ありがとうございます。 いろんな形で工夫しながら周知をしていっていただきたいと思いますけれども、やっぱり一番下の段階の数が少ない事業所さんですと、まあ十年後だと、実際に、ということで、多分、自分事のように把握しようとする努力をするのがなかなか難しいというふうに思います。そういう意味では、そうしたかなり先になる事業所さんの皆さんにやっぱりしっかりと周知をしながら準備をやっぱりしていただかないとこの施行期間を長く取った意味がないというふうに思いますので、そこはしっかり工夫をしながらこれまで以上に努力をしていっていただきたいというふうに思います。 先ほども話がありましたのは、こういう形で十年先を見越して施行をしていくという法律になりますけれども、当面の間は、この新規、新たに事業を起こす新規事業所さんを中心にその適用をしていくということになって、既存事業所と新規事業所の取扱いが変わってきます。既存の事業所の中でも、五人ぐらいの事業所から四十九人まで、要するに猶予されるところの幅がやっぱり大きいので、この既存事業所さんに対するこれからのその見込みというか、この年金保険制度の対象となり得る時期であったり考え方であったりというのを早め早めにその方向性をお示ししていくということは、またこれは大事かなというふうに思っています。 そういう意味で、施行の状況を見ながら検討していくというのは、多分そういうことになるとは思うんですけれども、この施行の状況といっても、これ十年間この完全施行まで期間がありますので、この既存事業所の取扱いについてはどれぐらいのスケジュールでどういう形で検討していくのかというのを見込みがありましたら教えていただければというふうに思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 企業規模要件とはまた別の非適用業種の解消というのは、二〇二九年十月に施行したいというふうに考えております。その際に、今委員から御紹介いただきましたように、新規の開設の事業所から適用して、既存の事業所につきましては、施行日時点で既に開業している個人事業所については、新規事業所と比較し開業時点で予期していなかった適用拡大に伴う事務負担や経営への影響が生じることから、経過措置として当分の間適用対象とはしないということにしております。 その上で、今回の法案におきましては更なる適用拡大についての検討規定も置いてございます。まずは二〇二九年十月の新規の五人以上の個人事業所における施行状況とか、あるいは、既存の事業所の中でも任意適用を選択されるところも出てくるかと思います、今現実にもあるわけですけれども。こういったところの状況も把握しながら今後の対応をしっかり検討したいというふうに思っております。
○こやり隆史君 今言えることは多分それぐらいだというふうに思いますけれども、できるだけ、やっぱりスパンの長い対象になりますので、そういう意味では、早め早めに方向性とか、順次出た段階で周知をしていくことが重要かと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 ちょっと一つ飛ばしまして、在職老齢年金について一つ確認をさせていただければと思います。 今回の在職老齢年金制度の見直しで、所得代替率にマイナス〇・二の影響があるという説明をいただいております。この試算の前提は就労変化を見込まない前提でそのマイナスの影響を試算されているということでありますけれども、そもそもやっぱり健康な方は年齢問わず労働市場に入っていっていただくというのが労働政策としてもその流れになっている中で、この労働市場は恐らく、老齢年金制度を変えるとより高齢者の皆さんも労働市場に入りやすくなるということで、プラスの影響というのが必ず見込まれることになると思います。 そういう意味で、そのプラスの影響を見込まずにマイナスの影響を試算として出しているというのは少しミスリードする可能性もあるかなというふうに思っておりますけれども、その辺の御見解をお示しいただければと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 現在の在職老齢年金制度に対しては、世論調査におきまして、厚生年金を受け取る年齢になったときの働き方に関する質問として、六十代後半の約三割は年金額が減らないように就業時間を調整しながら会社などで働くと回答されています。一定程度、高齢者は、年金が支給停止されないよう、在職老齢年金制度の存在を意識しながら働いている様子がうかがえたところでございます。 高齢者を取り巻く状況は様々で、六十代後半での在職老齢年金制度の就業抑制効果は、令和元年の調査研究では統計的には有意な結果を確認できてはおりません。また、就労の変化を見込んだ具体的な試算は、かなり個人的に、何というんですか、健康状態なんかは多様なものですから、なかなか難しいところではございますけれども、先ほどの元年の調査では結果は確認できておりませんけど、昨今のやっぱり人手不足が強まる中で、様々な業界の皆様から働き方の就業調整の存在が聞こえるところでございます。 その意味で、高齢者を含めた人材確保の必要性が増している中、高齢者の活躍を後押しし、できるだけ就業を抑制しない、働き方に中立的な制度としていくことが大変重要だと考えておりまして、今回御提案を申し上げているところでございます。
○こやり隆史君 精緻な試算ができる状況ではないということかというふうに理解をしておりますけれども、少なくとも、より多くの方に労働市場に参加をしていっていただくための制度の見直しであるということでありますので、試算を示すときに少なくともプラス効果があるんだということはしっかりと説明をしていっていただくということが大事かなというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 次に、標準報酬月額について一点確認をさせていただきたいというふうに思います。 今回の標準報酬月額の引上げ、これは制度全体の安定性に寄与するということで理解をしているところであります。冒頭、社会保障制度全体の中の大きな柱の一つとして年金制度があるというようなやり取りをさせていただきました。やっぱり、社会保障制度、年金制度であったり健康保険制度であったりとか様々な制度があって、それぞれに、例えば健康保険制度であれば標準月額、同じような制度があります。 成り立ちとか歴史とかが違うので、全く一緒にするというのは、いきなりするというのは難しいとは思うんですけれども、やっぱり健康保険制度の標準月額は最高が百三十万程度になっていて、今回引き上げられても大分差があります。 そういう意味で、社会保障制度全体としてはやっぱりシンプルにしていく、分かりやすい制度にしていくということが大事でありますし、負担をいただける皆様には負担をしていただきながら制度全体の安定性を確保していくということが大事かというふうに思っております。 そういう観点から、例えば標準報酬月額についてかなり健康保険制度との乖離がまだ現状大きいというふうに思うんですけれども、その理由と、今後の見通しというか方向性について御見解を教えていただければと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 厚生年金の標準報酬月額上限につきましては、現状の仕組みということですけれども、平成十六年改正におきまして、被保険者間の給付額の差が大きくならないようにするという観点から、当時、標準報酬月額の上限として六十二万円を定めた上で、全被保険者の平均標準報酬月額の二倍に相当する額が標準報酬月額の上限を上回り、その状態が継続すると認められる場合には、政令で上限の上に等級を追加できるルールを設けております。このルールの下で今六十五万円となってございます。 他方で、健康保険につきましては、厚生年金のように納付していただいた保険料が給付の多寡につながるということは基本的にはないということでございますので、厚生年金とは異なり、上限等級に該当する方が占める割合に着目して等級を追加することができるルールを採用しており、現在、最高等級の標準報酬月額は、委員御指摘のように百三十九万円となっております。 その上でですが、賃金も持続的に上がっていくというような時代に入ってまいりましたので、今般は、厚生年金の上限等級六十五万円に多くの方が該当しているという状態が継続していると、男性の場合には一〇%弱ぐらい、男女合わせましても六%強ですね、そういうような状況にあって、男性の場合にはそこが最頻値になって一番多い階層になっているといったことも踏まえまして、この世代内の公平を図るという観点から、上限該当者が負担能力に対して相対的に軽い保険料負担となっていることも踏まえまして、標準報酬月額の上限を段階的に六十五万円から七十五万円に引き上げると同時に、健康保険法の改定ルールを参考にいたしまして、上限等級に該当する方の占める割合に着目して等級を新たに追加することもできるようなルールの変更、見直しも行うこととしております。 こうした企業も個人も一定の予見性を高めた仕組みによりまして、今後は社会経済の状況を見ながら等級の改定について検討していきたいと、このように考えております。
○こやり隆史君 ありがとうございます。 今回、適用拡大を図っていくと。小規模事業者さんの皆さんがたくさんやっぱり新たに参加をしていただくということになりますので、やっぱり数が多くなればなるほど制度の複雑性に対する考慮というのもやっぱり必要になってくるかなと思います。社会保障制度も様々いろんな制度があって、やっぱり全体としてこの社会を支えている制度でありますので、そういう意味では、制度間の、それぞれの制度の理由はもちろんあるんですけれども、と同時に、やっぱり全体の制度の整合性であったり、できるだけ簡素化をしていくという流れをつくっていかないとなかなか理解が難しくなっていきますので、その辺の目くばせもしながらこれから取り組んでいただければというふうに思っております。 今のお話にも関係するんですけれども、これ最後の質問にさせていただきたいと思います。 大臣、ちょっと体調が優れないということで、できるだけ質問避けようかなと思ったんですが、最後一問だけ、一問というか二問目ですかね、お伺いしたいと思います。 今回の改正の経緯、様々、いろんな委員からも議論がありましたけれども、やっぱり国民というか全体として、外から見ていると、やっぱり少し混乱をしていたということがあるかというふうに思います。その大きな要因の、最も大きな要因の一つは、やっぱりこれ、国民年金のここの改正の内容がなかなかやっぱり伝わりにくい、難しい、非常に難しい、細部にわたって非常に難しい内容になっておりますので、改正の意図であったりとか、あるいは、例えば厚生年金から国民年金に流用するとか、いろんな形で極論がいろいろ行き渡ってなかなか冷静な議論がしにくい分野であるというふうに思っています。 そういう意味では、今回衆議院の方で修正をされましたけれども、またこれから今後、新たな財政検証を踏まえて制度の改正が見込まれると思いますけれども、やっぱりその改正の趣旨であったり、どういう方に対する措置であるのか、これはやっぱり国民全体としてどれぐらいのメリットがあるのかということをやっぱり分かりやすく、できるだけ早く情報を発信するということが大事かと思います。 ここ、これ、多分制度が複雑なので、なかなか厚労省としても、簡潔に説明すればするほど正確性が問われてくるんでなかなか一長一短あるんですけれども、やっぱり分かりやすく説明をしていかないと先ほど申し上げましたような極論のようなものが出てきますんで、そういう意味では、冷静に議論するためにも、しっかりと、できるだけ早く、分かりやすく情報発信をしていくということが大事かというふうに思うんですけれども、その決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 今、複雑で分かりにくいという御指摘ありましたが、この年金制度は国民生活に深く関わる仕組みでございまして、国民の方々の関心が高い一方、SNSの利用の拡大も相まって、制度への誤解に基づく情報が拡散される場合がございまして、丁寧に周知、広報を行っていくことが重要だというふうに考えております。 こうした観点から、これまでも、制度であったり、法案の内容、改正の効果などを視覚的に分かりやすく図解した資料の厚生労働省ホームページへの掲載、また若者に人気のユーチューバーと共同で作成いたしました解説の動画の配信、また法案の内容に関する厚生労働省の公式Xによる情報発信など、多様な広報を行ってきたところでございます。 また、公的年金制度につきましては、五年に一度の財政検証を踏まえまして、給付と負担のバランスを保ちながら、老後の生活の安定と経済成長に資するよう、制度の不断の見直しに取り組んでいるところでございます。次期財政検証を踏まえた次回の制度改正においても、より一層丁寧に周知、広報を行いながら、働き方であったりライフスタイルなどの多様化といった社会情勢の変化も踏まえまして時代に合った制度の見直しに取り組んでいきたいと考えています。
○こやり隆史君 ありがとうございます。 この年金制度、本当に大変重要で、冒頭もありましたけど、柱でありますので、やっぱり国民の皆さんの正確な理解をいただいていくことが極めて大事な分野だというふうに思っておりますので、厚労省としても、分かりやすく、できるだけ早く情報を提供していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございます。
○高木真理君 立憲民主・社民・無所属の高木真理です。 通告に従って早速質問してまいりたいというふうに思います。 まず、衆議院で行われた修正案部分についてから伺いたいと思います。 これまでの間も、前回のこの委員会の質疑でもこの修正案部分についての質疑ありましたし、衆議院の予算委員会でも城井議員から、昨日の決算委員会でも塩村議員から、それぞれこの修正案部分について質問をしているので、また重ねてということにはなりますけれども、なかなかやっぱりこの修正案、短期間の間に提出されて参議院に回ってきているということで、まだまだ国民に修正案の方、正しく伝わっていないなということを強く感じています。 そもそも、年金、本当に大事な問題なので、しっかり国民が議論できるように、重要広範なんですから、やっぱり三月の間に出していただくということは本当に必要だったというふうに思います。なので、そこはもう本当に反省していただきたいというふうに思いますけれども、これ、参議院選挙が間近になっているということもあって、この出てきた修正案の方も余計誤解を生むようなことにもなってしまっています。 何で選挙前に自公と組んで出しているのかという臆測から立憲民主党には苦情も来ておりまして、もう近くでこの修正案の提出までの経緯を見てきた者としては、もう純粋に、選挙の損得とかを考えない皆さんが、このまま基礎年金が目減りして次の五年後の財政検証後の改正まで行ってしまったらどうなるんだと、そこまでにプランもないままいったらどうなるんだということで、もういちずな思いで走っているのを私は見ておりましたので、なぜこの状況下で当修正案を出したのかということを改めて修正案提出者に伺いたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 答弁させていただきます。 本日は答弁の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 今の高木議員の質問は本当に胸に刺さるものがありまして、どうしても年金改革法案といいますと政争の具になってしまって、選挙にとって、自分たちにとって有利か不利かという損得の議論になりがちなんですね。しかし、高木議員が御指摘くださいましたように、そういう政争の具とか選挙の損得をある意味で超えて、このままいくと現役世代の厚生年金や基礎年金が最大三割目減りしてしまって、多くの現役世代の方々や若者は気付いておられませんけれど、二十年後、三十年後に大変な老後の苦労をお抱えになってしまうと。 やっぱりそのことに対して、その底上げというか、課題を先送りするのではなく、今私たちがそれに対してブレーキを掛けるという決断をし、法案を成立させる、このことは本当に喫緊の課題だというふうに私たちは感じたからであります。 実際、財政検証の過去三十年投影ケースによりますと、マクロ経済スライドによって、ここ重要なんですけれど、厚生年金加入者も含めた全ての方の基礎年金水準が三割も減ってしまうことが見込まれているにもかかわらず、残念ながら、当初出てきた政府案というのは、そのあんこと言われる底上げが入ってなかったんですね。このままいくと、二十年後、三十年後、多くの現役の世代の方々が老後貧困に陥ってしまうと。これは、ある意味で、今御指摘いただきましたように、何で選挙前に与野党合意しているんだと、何考えているんだというお叱りは受けながらも、それはもう棚に上げて、将来世代のために私たちは今、年金底上げを進めていくという、そういう決断をさせていただきました。 そういう意味では、今も、いまだに誤解が広がっておりまして、厚生年金を国民年金の、積立金を利用することによって現役の厚生年金の年金が減る、就職氷河期世代の底上げのために現役の厚生年金の方々の受給額が減るというような、先ほど福岡大臣が答弁されました、やはり制度への誤解に基づいた情報が拡散しているんですよ。しかし、そうではなくて、今のままでは現役の厚生年金の方々の受給額が減る、それを増やすというのが私たちの修正案の措置でありますので、限られた審議の期間でありますが、このことを将来世代の方々にしっかりとお伝えさせていただきたいと思っております。
○高木真理君 マクロ経済スライドというのが、これが年金が低下をしてしまうということに関わってきているわけですけれども、私も、年金制度難しいという意味では、この国会に来る前の状況でマクロ経済スライドをよくは理解できておりませんでした。これネーミングも分かりにくくて、でも、多分、平たく言うと、物価が上がったからといって年金をそのまま上げてしまうと百年はもたない、いろいろ寿命も長くなったり現役世代が減ったりするから、百年もたせるためには物価どおりには上げないためのスライド入れましょうということだというふうに思いますけれども、これをやっていくと二〇五二年まで過去三十年投影ケースだと続いてしまうということで、そうすると、先ほどの御説明にもあったんですけれども、基礎年金三割カットという未来が待っているということなんですが、それぞれいろんな影響出てきますけれども、この辺り、どういう影響になるのか御説明ください。
○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。 今のままですと、厚生年金を含めた全ての方の年金の給付水準が長期にわたって低下をします。今の現役世代、特に若い世代を中心に大きく影響を受けることになります。 具体的には、令和六年財政検証における過去三十年投影ケースを基にすれば、今のままだと、厚生年金を受給する会社員を含めた全ての方の年金の給付水準の低下が二〇五〇年代まで続くと見込まれております。この給付水準の低下というのは中低所得層ほど影響が大きいため、非正規雇用で働かざるを得なかった方々や女性などが、今後、低年金により生活に困窮をすることが懸念をされます。また、障害基礎年金、それから遺族基礎年金についても、これは老齢基礎年金と同じくマクロ経済スライド調整の影響を受けるため、今のままではこれらの年金を受給している方の給付水準も三割低下してしまいます。 低年金により生活に困窮をする方が増えると、生活保護費の増加により財政が悪化するおそれもあります。また、最悪の場合、生活保護の方がましだと年金保険料払わない方が増えてしまえば、年金制度はあっという間に崩壊をしてしまいます。 今回の修正による年金底上げ措置を実施することで、将来放っておくと三割低下をする見込みだった会社員も含め全ての方の基礎年金の給付水準が八%減で早期に食い止められると試算をされております。先ほど申し上げたような未来を防ぐためにも、衆議院において今回の修正を行ったところであります。
○高木真理君 本当にこれをしないと大変ということで、重要な修正が行われたということを今強く感じております。 続いて、今の御答弁の中にもあったんですけれども、ちょっと特出しで、障害者の方にとって今回の修正案がどのように作用することになるのか、影響のある障害者の方々の人数と金額面と、併せてお答えをお願いします。
○衆議院議員(山井和則君) ありがとうございます。 この参議院厚生労働委員会では天畠先生も御活躍していただいておりますが、やはり私たち厚生労働分野に取り組む議員としては、やはりそれぞれの改革が、どのようにやっぱり障害のある方々を支援することになるのか、あるいはマイナスになるのか、そのことは絶対にこれは考慮、配慮、心掛けるべきことだと思うんですね。 そういう意味では、このあんこの入っていないといいますか、底上げがなかった場合には、今、障害基礎年金一級が今八万四千円なのが二〇五二年度になりますと六・九万円に三割目減りをしてしまいます。また、障害二級は、現行が、今の制度が六万七千円なのが二〇五二年には五万五千円に下がってしまうんですね。これは、残念ながら、今でも、今でも大変苦しい生活をされているのに、ますます、残念ながら、障害のある方が老後生活保護に頼らざるを得なくなるリスクが大幅に増えます。 そうならないために、今回底上げ措置を実施いたしますと、今申し上げました、今八万四千円の一級の方々の基礎年金が、六万九千円に二〇五二年度に下がるのではなく、逆に八万五千円に今よりも増えます。さらに、障害二級の方では、現行では六万七千円の月額が、二〇五二年度に五万五千円に下がるのではなく、これから六万八千円に増えていくわけなんですね。減るどころか二〇五二年度に増えるということです。 そして、重要なのはこの人数なんですね。統計によりますと、障害基礎年金一級の方は約七十万人、障害基礎年金二級の方は約百五十一万人。つまり、二百二十一万人も、本当に最も御苦労をされている方々の年金の三割カットをブレーキを掛けて、ちょっと年金が増えるようにする、そういう非常に重要な効果が今回の私たちの法案にはあると考えております。 加えまして、今回の法案の中では、障害のある方々の子供加算も二割アップというのが入っておりますので、この障害のある方の子供加算の二割アップは、十五万四千人の障害のある方に育てていただいているお子さんたちに恩恵が及ぶということであります。
○高木真理君 今御紹介があった額の方は資料四の方にお付けをしておりますので、御覧をいただきたいというふうに思います。 私も、この委員会の中で、障害年金が今低いがためにいかに苦労していらっしゃる方がいるかという問題を取り上げてまいりました。この額でも決して十分とは言えませんけれども、しかし、ここから下がってしまうというようなことがないようにしっかり食い止めるというのは本当に必要なことだというふうに思います。 後半で、今回、子供がいる方についての紹介もあったんですけれども、今度は厚生労働省の参考人の方にお伺いをしますけれども、この修正案以外の政府提出部分で、障害年金の、子供がいる方にとって、加給年金の創設、それから額の加算という両方で手厚くなる内容が盛り込まれていると承知しておりますけれども、こちらについても詳しく御説明願います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘になられました障害基礎年金等における子への加算につきましては、子を持つ年金の受給者の保障を強化する観点から、今回の法案において御指摘のような拡充をすることとしております。 具体的に申し上げますと、現行では第一子、第二子に比べて低額となっております第三子以降の加算額を第一子、第二子と同額とした上で、加算額を令和六年度価格で、年額でございますが、二十三万四千八百円から二十八万一千七百円と二割ほど引き上げることとしてございます。 この施行は令和十年四月一日を予定してございまして、増額等のプラスの影響を受ける子の数全体では、子の加算全体では約三十三万人でございますが、そのうち障害年金の子に係る加算について、増額等の影響を受ける子の数は、先ほど修正案提出者の先生からもお話ございましたが、約十五・四万人と見込んでいるところでございます。
○高木真理君 障害をお持ちの方は、なかなか就労の場も限られている中で、障害を負った後の年金って物すごく大事なものになってきます。なので、これが目減りがしないように、そして、今回はお子さんがいる方の部分が充実する改正案だということなので、この点については評価をしたいというふうに思っております。 次に、遺族年金について伺います。 これも、これは修正案ではなくて閣法の提案内容なんですけれども、SNSでこれもまた大変誤解が広がっていて、もう年金が後半にあっという間に出てきたので、遺族年金の分まで我が党に批判の矢が向いていて、そこはうちから出したものとは違いますということなんでありますけれども、でも、私、この遺族年金については、閣法の内容を見ていても悪いものだとは全然思っておりませんでした。なので、何でこれがこんな批判になるのかという少々驚きもあったぐらいであります。しかし、なかなかSNS上で発信力のある政治家の方から大幅カットというような書き込みがあると瞬く間に一千万ビューとか行ってしまうらしいので、本当にこういうことへの、詳しい内容をちゃんと伝えていくというのは難しいことなのだなというふうには思っております。 そこで、内容を確認したいというふうに思いますけれども、まず、厚生労働省参考人の方に伺いますが、現在もらっている人には今回の変更の影響はないということでよいか、伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 端的に申し上げれば、施行日である令和十年四月一日より前に既に遺族厚生年金を受給している方については制度改正の影響は生じないということでございます。
○高木真理君 そして、制度変更、この施行日の時点で変更になることによって減ることになるという、今回、有期給付という五年間に生涯もらえるというところから変わるという方がいらっしゃいますけれども、それは三十代の子供のない女性、減るのは三十代の子供のない女性に限られるということかと思いますが、統計から該当すると予測される人数はどのくらいと見積もっておられるでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回の改正につきましては、令和十年度末までに四十歳以上となる女性の方については制度改正の影響は生じませんで、それより若い方について今回の改正が施行されていくということでございます。 それで、人数でございますけれども、今回の年金の見直し施行直後に有期給付の対象となる方につきましては、令和十年度末時点の四十歳未満の女性で、粗い推計で年間約二百五十人と見込んでございます。その後、二十年掛けて段階的に対象年齢を六十歳未満まで引き上げてまいりますので、対象者は徐々に増加していくものと考えております。
○高木真理君 統計によると二百五十人ぐらいは影響が出る方がいるだろうということでありますけれども、やはり今回、男女の働き方などが、この制度ができて入ったときから考えると変わってきているから、今までも二十代の子供のいない女性の方は五年の有期給付だったと、でも、三十代以降は無期給付にはなっていたけれども、今では三十代以上の方が皆、専業主婦でないと暮らしていっていないという状況でもないので、こうした改正を行いつつ、段階を経て二十年掛けて引き上げていくということだというふうに理解をしています。 次に、子供がいて遺族年金を受給することになる人の場合、プラスの要素が大きいというふうに今回の改正では感じたんですけれども、具体的にはどのようで、どのくらいの人数規模の方々に恩恵が行くのか、詳しくお願いします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 遺族年金につきましても、先ほどお答え申し上げました障害年金と同様の、子への加算、子を持つ年金の受給者の保障を強化する観点から、今回の法案において拡充したいというふうに考えております。 子供に着目した改善内容については先ほどと全く同様なんでございますが、改めて御紹介いたしますと、現行では第一子、第二子に比べて低額となっている第三子以降の加算額を第一子、第二子と同額とした上で、加算額を令和六年度価格で年額二十三万四千八百円から二十八万一千七百円に引き上げることとしてございます。こちらにつきましても施行は令和十年四月一日を予定してございます。 この増額等のプラスの影響を受ける子の数は、先ほども申し上げました全体像、老齢、障害、基礎全部、あっ、ごめんなさい、老齢、障害、遺族全体で約三十三万人でございますが、遺族年金の子に係る加算については、この影響を受ける、プラスの影響を受ける子供の数は約十一・七万人と見込んでおります。
○高木真理君 本当に、子供がいて遺族となられてという方の大変なところをしっかり手当てをしていく改正になっているなというふうに感じています。 次に移ります。 今回、修正案において厚生年金積立金を基礎年金に入れていくということが流用というふうに騒がれておりまして、一番この修正案の問題化している、まあ炎上していると申し上げましょうか、そういったポイントになっておりますけれども、これが、正しく理解していただければ流用ではないというところについて質問していきたいというふうに思います。 この昭和六十年に制度変更になって基礎年金ができて、二階建ての形式、厚生年金はなるよというふうになったときから、基礎年金の必要な費用については、二階部分の厚生年金から一階基礎年金部分に移動させるということは行われてきているということであります。 私も、これも与党でSNSの発信力がとても高い議員さんが、こんな今回基礎年金に入れるというような勝手なルール変更が行われていいのかみたいなXへの投稿について、すごい反響だったので、私もこれだけを見たときには、いや、それはこれだけ見た人はみんなひどいと思うだろうなというふうに思いました。でもこれ、今説明申し上げたように制度ができた、このような制度になったときからずっとこの基礎年金部分への移動というのはやるルールになっているということでありますし、実際、行われてきたということであります。 根拠条文をお示しをいただいた上で、これまでに繰り入れてきた金額幾らか、御説明をください。また、この充当ルールが流用というふうにこれまでやってきた中で世間から苦情が来たことがあったか、伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 委員御指摘のとおりでございまして、これまでも厚生年金の保険料や積立金は報酬比例部分だけでなく基礎年金の給付にも充てられてまいりました。 その根拠条文は国民年金法第九十四条の二でございまして、どのように書かれているかと申しますと、「厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。」と、厚生年金保険の実施者たる政府がその基礎年金拠出金を負担すると、こういうふうに定められております。各年度において厚生年金保険料と必要な積立金を基礎年金拠出金として支出してございます。 金額でございますけれども、例えば直近の令和五年度、これ決算が出ているものでございますが、五年度におきましては、厚生年金勘定等被用者年金制度から基礎年金勘定への基礎年金拠出金の額は約九・六兆円となってございます。 また、こうした御批判をいただいていたかということに関しましては、私ども承知している限りではこれまではないというふうに思っておりますが、約四十年前の、これも委員が先ほど御指摘になられましたように、約四十年前の昭和六十年改正で基礎年金を創設した際に、人口構造とか就業構造が変化する中でも全国民共通の基礎年金に要する費用は公的年金加入者全体で支え合うと、こういう考え方に基づいて現行の基礎年金拠出金の仕組みは導入されてございます。 こうした基本的な考え方は、衆議院での修正に基づく措置を講じられたといたしましても何ら変わるものではないというふうに思っておりまして、私どもとしては流用には当たらないと考えているところでございます。
○高木真理君 まさに全体で支え合う仕組みとしてつくってきたし、それでやってきたことで、今まではそれを流用だといって問題にするというような世論が巻き起こったこともないのに、今回だけそういうことで、正確な情報が伝わっていないために流用だということで騒ぎが起こっているということだというふうに理解しました。ありがとうございました。 次に、これは修正案提出者と厚生労働省参考人の両方にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、今回の修正案の適用で厚生年金が減ってしまうというふうに言う、これも事実とは異なるというふうに私は理解をしておりますけれども、厚生年金が減る、もう厚生年金受給者みんな減るというようなことを思っている人がいますけれども、減るのか、伺います。
○衆議院議員(山井和則君) 答弁させていただきます。 今日は、高木委員の配付資料、この二ページがございますが、この二ページの試算を見ていただいたら一目瞭然かと思います。ここにございますように、男性、女性のモデル年金の方の場合は、男性は六十二歳以下、女性は六十六歳以下は、モデル年金の方は、厚生年金の方々、増えるということなんですね。 それで、先ほど答弁ありましたように、厚生年金の積立金を基礎年金に移すのは制度創設の四十年前から、四十年前から行われていて、今までは苦情が来たことは一件もないのに、なぜか今回、今まで既に四十年やってきたことに対して非常に批判が来ている。そして、あたかも就職氷河期世代を支援するために厚生年金の会社員の方々の年金が、現役の方の年金が減るかのような、実際、繰り返し申し上げますけれど、石破総理、福岡大臣が答弁されていますように、五十歳以下の場合は九五%以上の厚生年金の方の厚生年金は増える、三十八歳以下は九九・九%が増えるということになっております。 そして、その点につきまして、一方、一時的に減額になるケースでありますけれど、マクロ経済スライドの調整を継続させる期間、厚生年金を受給する御高齢の方々、高所得の方を中心に一時的に減る方がございますけれど、その方々についても、これはもう事実に基づいてお話ししますと、この二ページ目の表がありますように、最大のモデル年金の方の下げ幅は、七十歳男性の方で、二十年間、生涯二十年間受給している方で二十三万円。二十年間で二十三万円ですからね。ということは、一月八百円ぐらいなんですね。 さらに、加えて、このことに関しましては、私たち衆議院の修正で、このような不利益を受ける者に配慮して、政府はその影響を緩和するために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする規定を設けておりまして、緩和のために最大限の手だてを講じてまいります。 以上です。
○政府参考人(間隆一郎君) 修正案の提案者の先生のお答えに更に足すならばということでございますけれども、基本的にそのとおりでございますので。 これは、一時的には、厚生年金の報酬比例部分の水準が一時的に低下しますけれども基礎年金は増えていくということでございますので、トータルで見ていく必要があるということだと思います。 この考え方でいきますと、この基礎年金のマクロ経済スライドの調整の早期終了を行った場合の効果は、報酬比例部分の年金額が低く、マクロ経済スライドに給付調整が終了した以降に受給する期間が長い方にとって改善効果は大きくなるというふうに考えておりまして、もう少し定性的に申し上げますと、若い世代ほど年金受給総額の増加が大きいということ、それから、同じ世代で見れば年金額が低い方ほど年金受給総額の増加が大きいということ、それから三点目に、一般に女性の方が男性よりも受給期間が長い、長生きでいらっしゃいますので、受給期間が長いため年金受給総額の増加も大きくなる傾向があると、このように考えておるところでございます。
○高木真理君 ということで、皆さんに正しく理解をしていただきたいというふうに思います。 続いて、先ほどこやり委員の方からも指摘がありましたけれども、やっぱりこの年金の問題というのは大変難しい。難しいけれども、一人一人の暮らしに直結するので皆さん敏感に反応もするし、自分に不利かもしれないと思ったら、即座にSNS上などでも、デマであっても何であっても拡散をしてしまうというのが現実かと思います。 この法案が可決、成立した場合に私心配しているのは、今回、修正案出てからも短く、年金の法案そのものも提出から短いので、いろいろ今まで流れた事実と違うことが既にSNS上で拡散をしていって、これが、デマの方が、事実と違うことの方がもう世の中に定着したまんま行ってしまうのではないかということが心配です。それが行き着くと、年金なんかあんまり信用できない、何か、例えば、俺たち流用されているんだからもうそんな制度に付き合わなくてもいいやとか、そんなことになっていっては困るわけでありまして、年金の信頼性にも関わってまいりますし、ますます年金をもう正しく理解しようともしなくなってしまうということになってまいります。 SNSが威力を持つ現代でありますので、厚労省としても、年金の誤情報について、SNS上でAIなどの力も借りて打ち返しをして、誤解を定着しない手だてを打っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘のとおり、制度への誤解に基づく情報が拡散される場合がございますので、丁寧に周知、広報を行っていくことは大変重要だと思います。 先ほども申し上げましたように、分かりやすく図解した資料の厚生労働省ホームページへの掲載であったり、若い方に人気のユーチューバーと共同で作成した解説動画、また公式Xによる情報発信など、様々なことをやってきております。 今御提案といたしましては、この個別の誤情報等に対しまして生成AIを活用して個別に返信してはどうかというような御指摘だったと思います。ただ、この生成AIが参照しておりますネット上の情報が全て正しいものとは限りませんので、生成AIが必ずしも正確な情報を発信できるとは限らないことから、この点については慎重に考える必要があるというふうに考えておりますが、今後ともこの分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○高木真理君 確かに、ネット上の情報で判断しちゃうと、AIが間違った誤情報に基づいて回答しちゃうと大変ですから、そこは技術の進展なども見ながら、今回、選挙に向けて自分の党の政策について正しい理解を届けようとする打ち返しを国民民主党さんでやられるという情報を見ましたけど、公明党さんも取り組むんではないかという今日ニュースを見ました。そういうふうにどんどん技術も進展していきますので、そういったことも研究をしていただきたいなというふうに思いました。 次に、この誤情報などが大変なことになっておりまして、社会保障審議会年金部会の委員を務められたたかまつななさん、衆議院の厚生労働委員会参考人の中でお話になられた中に、いろいろ発信したことを受けて殺人予告も来てしまったというようなお話がありました。 年金のことは、まあ今回も改正案一定まとめられておりますけれども、まだまだ残された課題というのもあるわけですね。今後も見直しの議論は必要でありますけれども、こうした過激な反応が出てきてしまうようでは委員になっていただくのも難しいし、国民的な議論をしようと思っても何かそれを発信したたびに物すごいバッシングを受ける、そんな土壌ではいけないというふうに思います。 こうした過激な反応を招かずにオープンな議論ができる環境をつくるにはどのようなことが必要と考えますでしょうか、お願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 個別の事案についての答弁は差し控えさせていただきますが、年金部会の委員個人への脅迫的な行為というのは決して許されるものではございません。 年金制度は、長生きであったり、障害、死別といった予測が難しいリスクに対しまして社会全体で備える仕組みでございまして、こうしたことを国民の皆様に丁寧に説明し、納得感を持っていただくことは極めて重要だと考えております。 こうした考えの下で、年金部会では、会議における説明であったり議論を幅広く国民の方々が確認し、御理解いただけるように、資料であったり議事録を公開することに加えまして、動画投稿サイトにおいてライブ配信をいたしますとともに、昨年の十一月からは会議終了後に会議音声のアーカイブ配信を試行的に行っているほか、若い世代向けの参加型広報として行っております学生との年金対話集会で寄せられました若者の意見を集約して報告をさせていただいたところでございます。 これまでも、視覚的に分かりやすく図解した資料の厚生労働省ホームページへの掲載であったり、SNSや動画等を効果的に組み合わせた情報発信に取り組んできておりまして、引き続きこの年金制度の分かりやすく丁寧な広報に努めてまいりたいと考えています。
○高木真理君 いろいろ御努力をいただいていることは伝わってきたので、是非深化させていただいて、お願いをしたいというふうに思います。 続きまして、修正案提出者に伺いますけれども、今回の修正案、就職氷河期世代以降の皆さんに特に恩恵があるという内容になっておりますけれども、なかなかその情報が正しくは伝わっていないんだなというのが、資料十にお付けをしておりますけれども、世代別に回答を書いても、今回の案について、せっかくそうした世代の皆さんが低年金に陥るのを防ぐ対策の一環であるのに、この案を入れるべきだったという回答が、六十代以上は四一・四%が良かったと言ってくれている、でも、四十代から五十代、中年層は三九%、三十代以下の若年層、四四・三%ということで、過半数得られておりません。 という、この修正案の改革に反対が多いという、反対というか評価していないという結果になってしまっているということをどのように受け止めているでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。 この委員の資料十を拝見して、右側の設問を見ますと、やっぱり就職氷河期世代の低年金を救うために会社員の厚生年金の積立てを使うと聞かれれば、これはやっぱり反対される方が私も多くなるだろうなというふうには思います。 今回の修正案により厚生年金を受給する会社員も含めて現役世代と若者の年金総額が大幅に増加をするにもかかわらず、このようなアンケートの結果になっていることは残念に思っております。この世代間格差を是正するという今回の修正の意義と、それから厚生年金も含めて現役世代と若者の年金が増えるという事実と数字を私たちや厚生労働省が分かりやすく丁寧に説明していくことが重要であると考えております。 また、こういうアンケート結果が出た背景には、元々この現役世代や若者が、年金制度とか、あるいはもっと言えば、我々政治家自身に対して非常に不信感がある、高いというのも背景にあるというふうに思います。 私も実際、こういう声も聞きました。もう年金制度もうなくしてほしいと、で、自分でもう貯金して自分で運用するからという御意見もあるんですけど、しかし、その場合は、平均寿命より五年、十年長く生きてしまった、生きてしまったということはいいことなんですが、長生きをしたというときにやっぱり予定外に老後のお金が必要になるということで、やっぱりこういう長生きリスクへの対応というのもこの公的年金の役割としてあるんではないかなと。 こうした意味でも、全ての世代から信頼される持続可能な年金制度の確立を目指していくことが重要であると考えております。
○高木真理君 年金制度への信頼ってとても大事なものなので、こうしたアンケートもマスコミの皆さんには是非聞き方にも注意をして聞いていただけると、正確な制度も伝わるし、それに対して世論形成というのもしっかり正しい情報に基づいて行われていくので、必要だなというふうに思っております。 もう残り時間が僅かなんですけれども、もう一問大臣に伺おうと思っていたのが、先ほどのこやり議員の質問にもありました、今回適用拡大が何と十年も掛からないと最後まで到達しないということの問題であります。 やっぱり五年以内に全てが収まるぐらいではなくてはいけないんじゃないか、十年掛かったら働いている年限の四分の一ぐらい掛かってしまうわけですよ。これ適用されないことですごく不利益になってしまう方いると思いますけれども、周知期間の長さだけではなくて、長さではなくて、事業主への支援をしっかりするということでハードルを下げて前倒しをするということを何とかやっぱりやっていただけないでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 被用者保険の適用拡大に当たりましては、対象となる企業には新たに社会保険料を御負担いただくことになりますことから、従来から段階的に拡大を進めてまいりました。 今回の改正では、五十人以下という今まで以上に小規模の企業が対象となりますことから、企業経営に与える影響であったり事務負担の増加も踏まえた配慮をきめ細かく行うことが求められまして、施行までに最長十年の準備期間を設け段階的に施行することとしております。 その上で、人材確保であったり定着の観点から、施行前に適用拡大を希望する企業もあると考えております。このため、任意適用も可能としておりまして、加えて、本人の保険料負担を軽減する保険料調整制度につきましても、早期に施行することで適用を促進していくこととしております。 また、現在、年収の壁への対応といたしましてキャリアアップ助成金による支援を行っておりますが、令和七年度中には新たなコースを設け、労働者一人当たり最大七十五万円の支援を行うことを予定してございます。 このような保険料調整制度であったりキャリアアップ助成金といった措置を講じることで、任意適用も含め、被用者保険の、あっ、被保険者、事業主の取組を支援してまいりたいと思います。
○高木真理君 任意適用だけじゃなくて、本当はみんながちゃんと入れるようにしてほしいなというふうに強く思うところであります。 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋通宏です。 先週木曜日に続いて、極めて重要な年金法案、大臣そして発議者の皆さんと分かりやすくやり取りをさせていただきたいと思います。 改めて、前回も、大臣、やり取りしました。資料一にも、改めてお配りをしておりますけれども、やっぱりこれだけ高齢女性の貧困率が跳ね上がっている、これ二〇二一年。前回出したのが二千十何年の数字で、それからも跳ね上がっているんですね。この事実、現状はやっぱり改めてしっかり認識しないと、今後の予測では更に高齢女性、とりわけ単身世帯の貧困率はもっと跳ね上がりかねないと。だから、基礎年金の底上げをやらないと本当に、こういった厳しい状況に置かれた皆さんが、もう生活保護に行かざるを得ない、暮らしていけないという状況になるということは、改めて我々みんなで認識をしなければいけないというふうに強く思います。 大臣、改めてお聞きしたかったのですけれども、昨年の財政検証、資料の二でお付けをしておりますが、この基礎年金の底上げ、将来の受給額の底上げ、所得代替率の維持確保、これには大きく三つの施策、対策が極めて有効だと、必要だというのは検証の結果で出ています。それは、今回の調整期間の一致に加えて、適用拡大、さらには基礎年金の四十年を四十五年の納付をしていただくこと、この三つを併せて実施をすれば、実はこれだけ多くの、大きなプラス効果が見込めるというのが出ています。 大臣、これ、よくよく見ると、今回、元々の政府案でいうと、みんな先送りなんですよ。四十五年はさっさと見送った、そして調整期間の一致もあんこを抜いてしまった、そして今議論になったとおりで、適用拡大も十年も先送りにしている。 大臣、本来であればこの三つ即座にやって、将来の皆さんの安心を確保しなければいけなかったのではなかったんですか。なぜ大臣、これをやらないのですか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、今十年も掛かるとおっしゃいましたが、適用拡大、順次進めていきながら、多くの方々に将来の年金水準を底上げする、そういった観点は必要だという観点から今回この法案を出させていただいております。 マクロ経済スライドの一致等につきましては、これは党内の議論等におきましてなかなかそこの議論の集約が図れなかった、そういったことから、今回、早期に提出をする、そういった観点から今回の法案には盛り込まなかったということでございます。 また、その四十五年化につきましては、前回の検証と比べて所得代替率が改善したことを踏まえ、追加的な保険料負担をお願いしてまで給付水準を改善する必要性が乏しいと判断し、今回の改正での対応を見送ることとしたものでございます。
○石橋通宏君 乏しいって誰が決めたんですか、そんなこと。本当に当事者の皆さんの立場に立って議論されていますかね。そのことは強く重ねて、大臣、今回この四十五年化も含めて先送りした、この責任は極めて将来世代に対して大きいと言わざるを得ないと思います。 今日、発議者にもお見えをいただいておりますが、このことはちょっと発議者にも衆議院段階での修正協議も含めてお聞きをしたいのですが、今申し上げたとおり、これ、修正の中身の中で、もっと適用拡大を政府案より早くやることとか、先送りされてしまった四十五年化とか、こういったことも修正協議でやってもよかったのではないかなと強く思うのですが、発議者に改めて、今回このマクロ経済スライドの調整の一致に絞って修正が行われた理由をお聞きできればと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、私たちも、国民年金の四十五年化、そして厚生年金の適用拡大スピードアップ、これも是非本当はセットでやりたかったという思いはやまやまなんです。ところが、残念ながら、先ほどから議論ありましたように、法案提出が非常に遅くて、そして、十分な審議期間を確保しつつ、先送りすることなく、私たち今を生きる議員の責任として今国会で成立させるためには、衆議院の参考人でお越しになった駒村参考人、明日もこちらでお話しくださると聞いておりますが、駒村参考人もおっしゃったように、これはやっぱり、基礎年金の三割減っていく所得代替率を回復させる一番効果が大きい方策がこの調整期間の一致であったということであります。 改めて具体的に申し上げますと、今日の石橋議員の、これですね、配付資料の資料九がございますけれど、やはり、これを見ていただきましたら分かりますように、例えば五十歳の男性の方では、この底上げをしないと、この底上げによって、男性五十代の方は百七十万円年金が会社員の方で底上げになる。そして、女性の方は二百十九万円。つまり、御夫妻モデル世帯でいきますと三百八十九万円。このグラフは底上げになっていますけれど、裏返せば、今回私たちがこの法案を通さなければ五十歳のモデル世帯の御夫婦は三百八十九万円今よりも年金が減ってしまうということなんです。 ですから、私たち強調させていただきたいのは、現役の会社員の方々の年金が大幅に減ってしまう、これに何とか歯止めを掛けるのが今を生きる議員の責任だということで、今回最優先課題として取り上げさせていただきました。 しかし、非常に皮肉なことに、先ほど高木議員もおっしゃいましたように、私のところにも、サラリーマンの男性の方から、何で会社員の積立金使って就職氷河期の国民年金の人に使うのだ、俺たちの会社員の年金減らすなといって怒られるんですね。 しかし、先ほど言いましたように、五十歳の方だったら、その方には私、表を見せて、今回の改正であなたの場合は百七十万円、御夫婦だと三百八十九万円ぐらい会社員の方々の年金増えるんですよと説明したら、その方きょとんとされて、いやいや、いろいろインターネット見たら会社員の年金損すると流れているけれど、いや、違うんですか、違いますよと、会社員の方々の厚生年金を底上げするのが今回の趣旨ですよと言うと、あっ、知りませんでしたと、こうなってしまうんですね。 そういう意味では、今も重要な質問していただきましたけれど、会社員の方々の目減りをする厚生年金を底上げする、これが最優先課題なので、今回マクロ経済スライドの調整期間の一致を最優先とさせていただきました。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 山井発議者にちょっと今の点で確認なんですけれども、今回、調整期間の一致に焦点を絞って修正いただいた、これはもう極めて、全ての将来、とりわけ将来世代の年金受給額の底上げ、大きな底上げ、恩恵を受けていただけるということ。 ただ、適用拡大の問題、そしてまた四十五年化の問題、これは今後の積み残された課題ということになりますが、今回こうして与野党で協議をいただいて修正を実現していただいた、これは、さっきも少し議論ありましたけれども、こういう大事なものを政争の具とか政局のネタとかにするのではなくて、やっぱり与野党で将来世代のために真摯に社会保障の在り方、年金制度の在り方、議論して一致点を見出して、そして改革をしていく、こういう将来の議論にもつながる今回の修正が衆議院段階で行われたと私は理解しておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○衆議院議員(山井和則君) 今後、超党派で全ての政党が入って年金協議会というのを立ち上げて、今おっしゃった国民年金四十五年化とか厚生年金適用拡大のスピードアップ、こういうことも議論できればいいのではないかと私は思っております。 それで、一般の年金に詳しくない方々が会社員の年金が減るんだといって不安になられるのは、私は百歩譲って理解できるんです。でも、やっぱり国会議員として、会社員の年金、厚生年金が大幅に増えるというのを分かっているはずの国会議員の方々が、あたかも会社員の厚生年金が減るんだといって、やはり意見を拡散していかれるのは、私はやっぱり、今おっしゃったように、まあ私も過去いろいろ暴れたことがございますので、自らの反省も含めて言うのであれば、やはり、この大切な将来世代の年金を増やすやっぱり年金改革は与野党合意で、対立じゃなくて合意でやっていく必要ありますので、そういうことは、私自身の反省も含めてこの場で答弁させていただきたいと思います。
○石橋通宏君 大事だと思います。私も是非もう一度、社会保障と税の一体改革を超党派で、与野党挙げて真摯にやるべきだという立場で党内外で発信もしておりますので、是非今後につなげる今回の取組にしなければならないということだと思います。 先ほど来からある、例えば資料の七、これ前回も資料としては配付をさせていただきましたけど、この基礎年金の財政構造、先ほど高木委員とのやり取りにもありましたが、この基本的なメカニズムもやっぱり御理解いただけていないんですね。こうして、入口の厚生年金財政、そして国民年金財政、そこからそれぞれの応分で基礎年金財政に拠出金をいただいているという、このシステム、これ、実は国会議員の皆さんの中でも知らない人いるんですよ、いたんですよ。だから、やっぱりこういうことをきちんと理解をしていただいて、正しくこの基礎年金、そして将来の受給額の議論をしていかないといけないので、これも併せて今後の議論につなげていければと思いますが。 発議者の皆さんに改めて、先ほど、高齢女性の貧困率が大きく上昇してしまっている、今後も上昇しかねないという問題について共有させていただきましたけれども、これやっぱり、この三十年の雇用の非正規化、不安定化、そして低賃金化、その最もマイナス影響を受けてこられたのはやっぱり女性、女性の多くが非正規雇用で、被用者年金に入れず、そして国民年金、でも国民年金は定額の保険料でなかなか保険料が納められない。お一人で一生懸命お子さん育てておられる方々なんか余計に、負担ができずに猶予措置をとられたり、結果的に、老後を迎えられても、残念ながら低年金にあえいで苦しんでおられる。 そういう意味では、やっぱり非正規雇用の方々、そういう女性の方々の将来の安心を守るためにも、今回の修正は必要だった、やらなければならなかったということだと思いますけれども、そういったメッセージも含めて、改めて教えていただけないでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。 委員が本当に長年、非正規の方とか、あと女性の老後の貧困とかにもう本当に長年取り組んでこられたこと、よく存じ上げておりまして、敬意を表します。 今回の修正は、会社員、厚生年金の方も含めて現役世代と若者の年金を大幅に改善をするものでありますけれども、特にやはり低所得、低中所得の方ほど効果が大きく、また一般に女性の方が男性よりも平均余命という意味で受給期間が長くなりますので、女性の方が効果が大きくなる修正案であります。 具体的に数字で申し上げますと、この試算のモデル年金を受給する場合、現在六十歳の男性では、マクロ経済スライド早期終了によって年金受給額への影響はプラス二十六万円、これは一生涯ですけど、なのに対して、六十歳女性の場合はプラス七十三万円となっております。同じく五十歳の男女で比べますと、男性、これは厚生年金の方でありますけど、男性がプラス百七十万円なのに対し、女性はプラス二百十九万円ということで、受給額についてもいずれも女性の方が男性より多くの金額が増加をします。 また、現在五十歳の世代で、報酬比例部分の給付が高い方の影響額はプラス三十万円なのに対し、報酬比例部分の給付が低い、いわゆる低年金の方の影響額はプラス二百二十三万円になります。 このように、やっぱり今回の修正による底上げ効果は、男性よりも女性、そして高年金の方よりも低年金の方にプラス効果が大きいため、委員が取り組んでこられた非正規の方、そして女性の老後の貧困を何とか緩和をしたいということに資するものと考えております。
○石橋通宏君 御説明ありがとうございます。このこと、是非広く国民の皆さん、とりわけやっぱり女性の方々、非正規雇用で本当に一生懸命頑張っていただいている、でも老後が不安だと思っていただいている方々にこそ知ってほしいと思うんですね。 私も元々労働組合出身で、この間、労働組合の皆さんも、非正規雇用の皆さんの組織化だとかいろいろ処遇改善だとか取り組んでおられるけど、なかなか非正規雇用の皆さん労働組合に入れない、入っていただけない、恩恵をなかなか受けていただけないというのもあるんですけれども、こういった将来の老後の安心を確保する取組についても労働組合としても広く働く者の皆さんに周知いただいて、共有いただいて、そして御理解いただいて、応援いただけるように、私たちも一緒に取り組んでいければなというふうに思っております。 今日は本当にありがとうございます。発議者の皆さんへの質問はここまでですので、委員長、お取り計らいをお願いします。
○委員長(柘植芳文君) 山井衆議院議員、井坂衆議院議員の先生方は御退席願って結構でございます。御苦労さまでございました。
○石橋通宏君 あとは、続けて大臣始め厚労省の皆さんにお聞きしたいと思いますが、今、非正規雇用の皆さんへの将来的なメリット大きいという質疑もさせていただきましたけれども、やっぱり今回のマクロ経済スライドの調整期間の一致は必要なのですが、先ほども触れた被用者保険の適用拡大、これはやっぱり前回も言いました、もっと早く、もっと大規模にやらないといけない。 今日もこの資料の三、早期の適用拡大が大きいということ。今回は適用拡大も限定的なんです。ここで言うと、②のところまでしか適用拡大が行われないということになっています。資料の四に、もう少し細かく今回の適用拡大の対象と、今回でもさらになお適用拡大にならない、引き続き被用者保険に入ることができない、そういう方々もここに示されておりますけれども。 大臣、改めて、今回なぜここにとどめたのですか。さっきから、いや、十年掛けて、いや、五十人以下の皆さんって言われるけれども、でも、それによって結局、本来被用者年金に入っていただける方々、入っていただいて将来の安心を確保いただける方々を十年も待っていただいて、とすると、その恩恵が受けられるのは何十年後、先ですか。年齢によってはその恩恵をフルに受けられない方々もおられる。 大臣、なぜこれもっと早くやらない。さっきの言い訳はもういいです。なぜ政治の判断でやらないのか、さっき高木委員も言った。そういう中小零細のところにはちゃんと支援策を打っていただいて、でも労働者の立場に立って、労働者のメリットを考えればすぐにでもやるべきだと。違いますか、大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) これまでも順次適用拡大を行ってきた、そういう中で、今回適用となるその五十人以下というのは、これまで以上にその企業体力等も考えたらきめ細やかな配慮が必要だという観点から、最長十年間の準備期間を設けさせていただいたところでございます。
○石橋通宏君 何年掛けるんですか、大臣、順次といって。いまだにこれだけ多くの被用者の皆さんが被用者年金に入れていない。前回もやりました。で、また十年も掛ける。 そして、今回は二十時間未満の労働者への適用を見送った。大臣、何でですか。二十時間働いておられる方と、十八時間働いておられる方と、なぜ労働者を差別、区別するんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 週の所定労働時間を二十時間以上とする労働時間要件につきましては、被用者保険の適用対象としてふさわしい被用者としての実態を備えているためにはどの程度の労働時間が必要かという点であったり、また、当時の雇用保険の適用基準が週二十時間以上とされていたことも参考にしながら設定されたものでございます。 この労働時間要件につきましては、年金部会の議論におきましても、仮に見直した場合に、事業主の保険料や事務負担が増加することであったり、また、被用者保険が適用されずとも国民健康保険であったり国民年金というセーフティーネットがあることなどから更に議論を深める必要があるといった意見などがあったことを踏まえまして、今回の法案では見直さないこととしたものでございます。 その上で、今回の法案には被用者保険の適用範囲についての検討規定も盛り込んでございまして、ほかの制度の在り方などにも留意しながら、国会での御議論も踏まえて引き続き議論を深めていきたいと考えています。
○石橋通宏君 大臣もう重々御存じですよね。この問題、もうずうっと議論して、ずうっと先送りにされてきた。一体いつまで、いつまで検討検討検討続けるんですか。それによって、当事者の方々、被用者保険に加入できない方々、安心がどんどんどんどん損なわれている状況が続いて、だからさっきのような、特に女性の方々の貧困率が跳ね上がっている。 これ、歴代政府が放置してきた、先送りしてきた、その責任はどう考えるんですかと言っているじゃないですか。で、また先送りにする。もし、大臣がおっしゃるような様々なほかの施策があるから、じゃ、何でこんなに貧困率が跳ね上がるんですか。それが効果を発揮していないからこんなに貧困状態にあえいでおられる方々が増えてしまっている、生活保護受給者の過半数が高齢者、施策が効いていないでしょう、大臣。そのことを我々は言っているんです。 だから、責任放棄のような発言を是非ともやめてほしいと思うわけですよ。これ、是非今後速やかに、もう検討検討検討でこれからまた何年も何年も費やすのをやめていただきたい。速やかに適用ができるように整えてほしいということは重ねて申し上げておきたいと思いますし。 今回、常時五人以上を使用する既存の個人事業者の非適用事業者、これ解消が行われるのですが、これでいうと、さっきの資料の四でいうと、右の真ん中の辺、二十万人というね。でも、これ、経過措置として当分の間適用しないとされているんです。 これ何で期限切らないんですか。何できちんと、いつまでに適用する、だからそのために準備もしていただきたいし、国としてもちゃんと支援するから、早く適用しようと、大臣、何でやらないんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 今回の法案では、五人以上の従業員を使用する個人事業所につきましては、非適用業種の解消に伴いまして、短時間労働者のみならず、いわゆる正社員も被用者保険の適用対象となります。 こうした事業所のうち、施行日以降に開業する新規事業所につきましては、法律の施行を前提とした対応が可能であると考えられますことから、開業後に五人以上の従業員を使用することとなった時点で被用者保険に加入していただくこととしています。 一方で、この施行日時点で既に開業している個人事業所につきましては、新規事業所と比較いたしまして、開業時点では予期していなかった適用拡大に伴う事務負担であったり経営への影響が生じますため、当分の間は適用対象とはせず、まずはこの新規事業所における施行状況も踏まえて今後の対応を検討することといたしたわけでございます。 被用者保険の適用対象となる企業を段階的に拡大しながら、被用者保険のメリットを活用したい企業については、任意で加入できる制度の利用を後押ししていくことが重要だと考えております。
○石橋通宏君 結局、大臣、皆さんは常に事業主の立場にしか立たない。事業主への配慮、事業主への配慮、さっきからずっと質問していますけど、労働者の立場に立ってくださいよ、労働者の立場に。ずっと除外、排除され続けてしまっている労働者の立場に立てば、違う結論が出たでしょう。何でそれをやらないんですか。今回も、じゃ、既存事業主の皆さんにも、いつまで、一定の猶予は持つけれども、いつまでにはやってください、そのために国は支援しますと、労働者のためですと言っていただければいいじゃないですか。 本来は、日本の国内において人を雇っていただく、極めて大事なことですよ、事業主の皆さんに。事業主が人を雇っていただく以上は事業主として従業員の安心、安全確保する。だから雇用保険がある、だから労災保険がある、だから社会保険があるんじゃないですか。みんなが雇っていただく以上その責任を果たしていただく、その当たり前のことをやってこなかった歴代政府の責任どこに行っちゃったんですか。大臣、それを大前提にすべきですよ。人を雇っていただく以上はその従業員の皆さんに責任を持っていただく。当たり前でしょう。大臣、どうですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員おっしゃいましたように、事業主の方ばかり向いているのではなく、働く方、そして雇っていただく方、その双方に目を向けて当然制度設計をしているということでございます。 今回のことにつきましても、先ほど申し上げましたように、まずはその新規事業所における施行状況も踏まえながら、しっかりその状況を見定めつつ、今後の在り方については検討を進めてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 いや、全くそういうふうな答弁、姿勢に思えません。大臣、改めて、大臣、政治家として、労働者の立場に立って、いろんな政策、制度、とりわけこういう大事なそれぞれの皆さんの将来の安心、老後の安心に関わる、それが損なわれている、この実態、もっとちゃんと見てくださいよ、政治家として。そのことは、今回の質疑通じてちょっと残念な答弁続いているので、改めて、大臣、そのことは強くお願いをしておきたいと思います。 本来、先ほどちょっと触れた、今回なぜ四十五年化を見送ったのか、あと国民年金の三号の問題についても少しやり取りをしたかったのですが、時間も限られておりますので、ちょっと残りの時間あれば戻りますので。 一つ、先ほど高木委員から改めて遺族年金の今回の問題についてやり取りをして、改めて説明をいただいたわけですけれども、本当にちょっと、一部のメディア報道等を、僕らもうびっくりするんですよ、余りにミスリーディングな、余りに極端な言いっぷりで。それを皆さん、やっぱり、制度ちょっとやっぱりよく御理解なかなかいただけていない中で、ええっという驚きや批判が出てきてしまっているというのは極めて残念なのですが、これ、事前に厚労省の皆さんにも見ていただいて確認いただき、資料の十六を今日配付をいただいております。 これ、某雑誌の記事なのですけれども、これすごくセンセーショナル的に、こんなに今回の遺族年金の見直しによって、物すごい、その遺族年金、有期給付の後はもうみんななしになってしまって、こんだけ減額になるというようにしか見えない、これが引用されるわけですが。これ、局長でも結構です、これ事実ですか。これ、みんななしになるような、こういう記述って正しいのですか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 事実でないことがたくさん書かれているというふうに思っています。 今回、委員がおっしゃりますように、遺族年金における、六十歳未満の方についての遺族年金の男女間格差を、これをなくしたいと、解消していきたいと、男女とも受給しやすい仕組みにするということが改正の本来の趣旨でございます。その中で、今三十歳までの方、配偶者が亡くなったときに三十歳までだった方、女性については有期給付なわけでございますが、これをまず四十にして、そして二十年掛けて段階的に引き上げていくわけでございますが、そこには様々な配慮措置といいましょうか改善も行っていくということでございます。 一つには、有期給付につきましては、これまでは配偶者の老齢厚生年金の四分の三という水準でございましたが、それを四分の四にするという、一・三倍にするということが一つ。それから、今委員御指摘になられましたように、五年、じゃ、受給した後に、いや、やっぱりなかなか生活再建できていないよといった場合につきましては、その所得状況に応じまして最長六十五歳まで継続的な給付をさせていただくと。これにつきましても、現在の所得状況、受給者の所得状況を勘案しますと、そうですね、五年を終わった後も大体七割ぐらいの方は継続給付をお受けになるのではないかというふうに思っています。 そして、じゃ、六十五歳までって、じゃ、その後どうなるんだということでございますけれども、婚姻期間中に配偶者の方が築かれた厚生年金の記録につきまして、死亡分割と申しまして、残された配偶者の方の方に言わば記録を付け替えて、その方の老齢厚生年金を将来受給していただけると、こういった改善もしているところでございまして、こうしたことも併せ持って時代の変化に対応するものだということを御理解いただけるように私どもも努めて説明してまいりたいと、このように考えております。
○石橋通宏君 今御説明いただいたとおり、三十代の方々で、有期、これまで無期だったものが有期になる方々が確かにこの制度改革でおられる。ただ、収入がない方々、収入が低い方々についてはそのまま継続給付を受けていただけるということがなかなか御理解いただけてないのかなというふうにも思います。 もう一つ、今日るる御説明いただいたとおり、今、やっぱり多くの女性の方々が社会進出をされたり就労されたりしておられます。さっき、高木委員のやり取りでも、遺族年金って、今回底上げ、修正によって底上げはされるのですけれども、しかし、額だけ単純に見ると、今回の加算があったとしても、やはり低水準だね、生活厳しいと思いますよ。 むしろ、今回、三十代の方々、女性の方々、とりわけね、ついても、これ男性も今回同じになりますけれども、やはり、むしろ、就労されれば御自身で被用者年金に加入いただいて、そして被用者年金に加入いただければ、これから先々、給付期間、納付期間にもよりますけれども、将来、老後に御自身の被用者年金を受け取っていただけるというメリットはあるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○政府参考人(間隆一郎君) 御指摘のとおりと思います。 今の若い女性の就業状況を考えますと、そして、今回の見直しの対象になる方は十八歳未満のお子さんのいらっしゃらない方ということでございますので、そうすると、通常、配偶者亡くされた場合に、働き続ける、あるいは今まで働いていなかったかもしれないけど働こうかしらというふうに思われる方は多いんだろうというふうに思います。その生活再建のための期間がまず基本五年ですが、そうはいっても、なかなか、じゃ、すぐにフルタイムで働けるかどうかとか、いろんな御不安もある中で、この継続給付を行うと。 しかし、そこはやはり、その間も、人生長いですから、その間についても働いて厚生年金に加入していただくと。そして、老後はその御本人の老齢厚生年金をしっかり受け取っていただく。そこに、先ほど申し上げました婚姻時の死亡分割の部分が上乗せされると。こういった仕組みでその方の人生をお支えしたいと、このように考えているところでございます。
○石橋通宏君 そういったことも是非御理解をいただけるように、引き続きしっかりと周知をしていただければというふうに強く思います。 その上で、今日、時間が、残りの時間で、今日いろいろ適用拡大について話をさせていただいて、かつ、大臣にも、本来やっぱり全ての労働者が被用者年金、被用者保険入れるべきだし、入っていただくべきだし、人を雇っていただく人たちは、全て、雇う労働者についてはきちんと被用者保険に入っていただけるようにすべきだというふうに思うのですが。 今日、実は一つ極めて重要な事例、資料の二十一、二十二、二十一御覧をいただければと思うのですけれども、恐らく多くの皆さん御存じないと思うのですが、国内には多くのいろんな国々の在外公館、外国公館が設置をされておりまして、もちろん本国から来られる外交官の方もおられるんですけれども、多くは実は国内で雇っておられる日本人の方々、若しくは日系人の方々だったりします。その在外公館に雇われている多くの労働者の皆さんが、何と社会保険の適用がされていないと、八割以上という数字が出ています。 まず、大臣、事実としてこんな実態があるって御存じでしたか。
○国務大臣(福岡資麿君) 現在、その四十六の外国公館が任意適用により健康保険、厚生保険の適用を受けていますが、それ以外については受けていないというふうに承知をしています。
○石橋通宏君 大臣、知っていましたか。今回初めて知った、それとも知っていましたか。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員かねてからこの問題、問題意識をお持ちだったというふうに認識しておりまして、そういう意味では、このタイミングじゃないですけど、少し前に承知をしたということです。
○石橋通宏君 いや、前回取り上げたのは随分前だから随分前の話だと思いますけど、大臣覚えていただいたのであれば、この間どんな取組をされてきたのか聞きたいところですけれども、いまだに改善されていないんです、大臣、この問題。もう僕らも初めて知ったのって五年ぐらい前だと思いますけど、この間、厚労省も、担当の皆さん、やれ頑張ります、いろんな話しますと言いながら、一ミリも動いてないんですよ、大臣。なぜ一ミリも動かないんですか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、委員とは問題意識は共有させていただいています。 我が国の被用者保険においては、適用事業所に使用されている方を被保険者としておりまして、御指摘の我が国に置かれました外国公館は、被用者保険に関する事業主としての義務を遵守する旨の覚書が取り交わされることを条件として、個々の外国公館からの申出に基づきまして、任意適用の事業所として取り扱っているところでございます。 この取扱いにつきましては、国際的な慣習及びウィーン条約上、外国公館は不可侵と定められ、また立入調査であったり差押えが免除されていることによりまして、国内法を強制適用する実効性が担保されないという特殊性に鑑みたものでございます。 この取扱いを変更する場合におきましては、各国と調整する必要があることに加えまして、国際条約上、外国公館への立入り等が禁止されている中で、仮にその保険料の未納等があった場合にどのように監督権を行使するかといった課題があるというふうに承知をしています。 ただ、委員のその問題意識を受けまして、その国際条約との関係であったり保険料の徴収等の実務課題も踏まえながら、外務省を始め関係方面と調整を進めてまいりたいと考えています。
○石橋通宏君 今いろいろ言い訳されましたけど、大臣も既に、まあ確かにこれまで国際条約、国際法上では主権免除の原則とか、今ウィーン条約の外交官特権の話もされましたけれども、既に国連の国家免除条約、日本は批准していますよね。ということは、この労働者に関わる労働契約等については、主権免除の原則は既に見直されているはずです。これ、裁判もできるんですよ。 大臣、これもういいかげんそんな言い訳めいた話はやめて、直ちに強制適用にする。強制適用にしていただければ、もう随分古く出された厚生労働省の通知、昭和三十年の通達、これが口実にされちゃっている。大臣、もういいかげんこの通達撤回して、もう強制適用だと、全ての労働者、使用者の皆さんはちゃんと社会保険入ってくださいと。そうすれば、必ず在外公館の皆さんはそれに応じて対応してくれます。 厚生労働省、政府の判断です。大臣、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 重ねてでございますが、委員と問題意識は共有をさせていただいております。その上で、様々な論点があって、そこは整理が必要だと考えておりますが、速やかに検討は進めさせていただきたいと思います。
○石橋通宏君 ごめんなさい、再度突っ込んで申し訳ない。様々な論点、何ですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 実務上の例えば課題といたしましては、被用者が厚生年金保険者としての資格を満たしているかどうかを日本年金機構が確認しようとしても、使節団の長の同意がない限り、接受国の官憲、又は外国公館に立ち入ることが認められないので、日本年金機構が被用者の賃金であったり労働時間を確認することができないといったことであったり、また、余り想定されづらいと思いますが、外国公館が保険料を滞納した場合であっても、年金事務所の職員による差押え等の強制執行を行うことができないので保険料の納付義務を履行させることができないといった点が課題としては挙げられると思います。
○石橋通宏君 大臣、在外公館、信用していないんですか。これ、むしろ外交上失礼ですよ。ちゃんと強制適用にして、皆さん入ってくださいと言っていただければ、入っていただけますよ。ちゃんと保険料納めていただけますよ。だって、一部の在外公館はちゃんと雇用保険とか労災保険には入っているんですよ。入っているんですから、そういう保険には。だったら、社会保険もきちんと適用して、入れてくださいと、ちゃんと強制適用にすれば、やっていただけますよ。 大臣、速やかに厚生労働省、政府としてきちんと議論して、検討して、早期に強制適用にする、大臣、約束してください。
○国務大臣(福岡資麿君) 先ほども申しましたように、国際条約との関係であったり、またその保険料の徴収などの実務課題、こういったことについて、外務省を始め関係方面としっかり調整を進めた上で速やかに進めてまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 しっかり調整した上で速やかに進めていきたいという最後答弁でした。答弁聞きましたから、ちゃんと速やかに進めていただけるように努力をしていただきたい。 もう時間が来ましたので質問終わりにしますけれども、ちなみに、雇用保険や労災保険にすら入れていない労働者もたくさんいるんです。雇用保険に入れなければ、女性の方々、育児休業給付まで受けられない。こういった問題もあることも含めて、大臣、しっかりやってください。 そのことをお願いをして、今日のところは質問終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(柘植芳文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○新妻秀規君 まず、障害年金の課題整理に向けた対応方針について、これは福岡厚生労働大臣に伺います。 公的年金の障害給付には重度に応じた等級がありまして、障害基礎年金の二級の年額は約七十八万円で、これが唯一の収入では相対的貧困ラインである年百二十七万円を大きく下回ります。さらに、障害国民年金のみの加入の障害者には障害厚生年金のような三級の年金がなく、三級程度の軽度の障害、例えば片目の失明とか軽度の聴力障害などでは年金が支給されず、保険料の納付要件の不足では無年金になるなど、制度の谷間も存在をいたします。 今回の法改正では、障害・遺族年金の保険料納付要件に関する、いわゆる直近一年未納なしの特例の適用期限が二〇三六年まで延長されまして、一定の救済措置が図られました。また、遺族年金の見直しに際し、我が党の提案で、障害年金受給者を有期の給付対象から除外をする配慮も盛り込まれて、制度の隙間を埋める一定の改善がなされております。 それでもなお障害の程度や加入歴によって受給額の差は大きく、障害者の生計を支える最低保障の強化には積み残しの課題があると考えます。障害者団体からは、今回の改正がまだまだ不十分との声も上がっております。 障害のある方々の生活と自立を支えるため、今後どのように課題を整理し対応していくのか、大臣に伺います。
○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金につきましては、今回の法案では、今御紹介ありましたように、いわゆる直近一年要件と呼ばれます初診日前の直近一年間に保険料の未納がなければ障害年金の受給を可能とする時限的な特例について、障害年金の受給につながるケースがあること等を踏まえ、十年間延長することとしております。 その他の障害年金に関する論点につきましては、昨年末の年金部会の議論の整理において、制度上又は実務上の観点から引き続き検討すべきであるとされました。 例えば、初診日が加入資格喪失後であっても支給を認める初診日要件の論点については、社会保険の原理との関係で整理が必要とされたところでございますし、また、認定日以降に重症となる場合に認定日に遡って支給する事後重症の論点につきましては、様々な障害がある中で認定判断に客観性を担保し、認定判断を画一的で公平なものとする必要、さらに、障害年金と就労との関係については、障害年金の目的であったり、認定基準の在り方、他の障害者施策との関連について整理が必要とされたところでございます。 こうした点も踏まえまして、引き続き丁寧に検討を進めてまいりたいと考えています。
○新妻秀規君 今後のこの年金制度に関する議論において、丁寧に、しかし結論を出すような議論を是非ともお願いをしたいと思います。 続いて、障害年金と就労の両立について、これは厚生労働省の参考人にお伺いをいたします。 障害者の就労の促進に向けた社会の流れがある一方で、障害年金制度との整合性に課題があるとの指摘もございます。多くの障害者が働いたら障害年金が打ち切られるのではとの不安や誤解を抱えており、それが就労意欲を損ないかねない状況でございます。 特に、二十歳前に障害を発症した方の場合には、所得が一定額を超えると障害基礎年金が受給停止となるという制度上の基準があり、自立を目指して働くほど生活保障を失うというジレンマを抱えております。事実、障害年金の受給者の就労率は、精神障害で三四・八%と、身体障害の四八%に比べて低く、制度への不安が就労の大きな妨げとなっていることがうかがえます。 障害者が安心して働きながら生活も支えられるよう、障害年金の受給停止基準の緩和や段階的な支給減額措置の導入、就労と年金の両立に関する周知徹底など、制度の改善が必要との声がありますが、政府は今後どのように取り組むお考えでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 就労と障害年金との関係について御質問ございました。 おっしゃるように、就労しながらでも障害年金の受給はもちろん可能でございますので、こういうことを請求時を含めてしっかりとお伝えするように努めていきたいとまず思っております。 それから、御指摘の二十歳前傷病による障害基礎年金の所得限度額、これは年金制度に加入する前に障害をお持ちになった、例えば先天性の何らかの障害であったりとか、そういった場合の方については、無拠出だということで一定の所得制限があるわけですが、この今の現行の基準で申し上げますと、所得では四百七十二万一千円ですね、年額。これを収入ベースにしますと六百九十万円弱ぐらいということでございます。これにつきましては、受給権者の前年の所得が平均的な伸びであった場合にも引き続き受給できるように順次引上げなど対応してきているところでございまして、こういった点についても御理解賜りたいと思います。 その上で、制度の、どういうふうにしていくのかというのについては、今し方大臣の方からお答え申し上げたとおりでございまして、かなり広範な議論をしたけれども、かなり、その根の、何というか、根本に触れるような大きな課題だというような議論になりまして、まだ更なる議論が必要であるとされたところでございますので、まずどのような課題について議論を深めるかを整理することが必要でありますので、障害年金の議論の在り方を含めて、今後もよく検討してまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 根本に関する議論だからこそ、当事者の声もしっかりと聞いていただきながら結論を出すという方向で是非ともお願いしたいと思います。 続きまして、午前中、こやり先生からもございましたけれども、特に若年層の年金制度への信頼確保と制度理解の促進、深化について、これは大臣に伺います。 少子高齢化の中で、自分たちは年金をもうもらえないのではないかとの不安が若年層に広がり、公的年金制度への信頼低下が指摘をされているところであります。 実際、ある調査では、老後の生活設計で公的年金を主に頼ると答えた割合が六十歳から六十九歳で八七・六%だったのに対し、十八歳から二十九歳では五五・五%にとどまっており、若い世代ほど年金への信頼度が低いことが浮き彫りとなっております。SNS上でも、どうせ年金は破綻するといった否定的なそうしたツイートが拡散をしたり、また保険料の未納、未加入にも、こうした状況を放置するとつながりかねません。 将来世代が年金に希望を持てるようにするためには、制度の持続性や給付見通しについて正確な情報発信と教育が欠かせません。政府はこれまで、年金財政検証で長期見通しを提示し、またねんきん定期便やねんきんネットで個人の受給見込みを通知するなどの取組を行ってきました。しかし、若者の不信の払拭には十分と言えず、学校教育や広報の面でも更なる工夫が求められると考えます。 今回の法改正の意義については、年金制度に懐疑的な若年層に伝えるには、年金の構造や用語が難しいこともあり、かなりの工夫が必要だと考えます。文字による政府広報では振り向いてもらえないのではないか、また、インフルエンサーの活用や動画などによる発信などに取り組む必要も更にあるのではないかと考えます。 ここで、若年層への年金制度の周知と信頼醸成のため、政府は今後どのような政策や広報、教育施策を強化していく考えか、大臣に伺います。
○国務大臣(福岡資麿君) 公的年金制度について国民の方々に丁寧に説明をして御理解いただくことは大変重要なことだと思います。 特に、若年層に向けてということでございますと、厚生労働省や日本年金機構においては、高校、大学等における学生との年金対話集会であったり、年金セミナーの開催、また若者に人気のユーチューバーと共同で作成した解説動画であったり、これを活用した中高生向けの教育教材、またSNSを活用したショート動画など、多様な方法による広報の取組を進めさせていただいています。 今後とも制度への信頼感を高めていくため、今回の改正案を含めまして、SNSや動画等を効果的に組み合わせながら分かりやすく丁寧な広報により一層努めるとともに、学校の授業とも連携しながら年金教育の充実に取り組んでいきたいと考えています。
○新妻秀規君 是非お願いいたします。 続きまして、基礎年金の底上げに向けた三党の修正案における所得再分配機能の強化と高齢者間の格差の縮小について、厚生労働省の参考人に伺います。 今回の修正案では、公的年金の所得再分配機能の強化が図られることになります。基礎年金の給付水準の底上げ策では、現行制度では将来大幅な低下が見込まれた基礎年金を引き上げるものでありまして、結果的に将来、年金受給者の九九・九%が、この措置が発動された場合、従来より多くの給付を受けられる見通しと試算されております。特に、終生、人生を通した受給額で見ると、この底上げ策によって女性や若い世代ほど受給総額の増加幅が大きくなる傾向が明らかとなっておりまして、低所得、長寿の層への恩恵が大きいと考えられます。 公的年金の所得再分配機能は今回の措置によってどのように強化され、高齢者間の所得格差縮小に寄与すると見られるのか、政府の見解をお聞かせください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 委員御指摘のように、衆議院における修正が実施されますと、基礎年金の給付水準が低下が見込まれる場合に基礎年金のマクロ経済スライドを早期に終了させますので、将来の幅広い世代の基礎年金の給付水準の確保が可能になると思っています。 その上では、これも委員御指摘になりましたように、年金額の低い方ほど生涯の年金受給総額の増加が大きくなると。つまり、低額である基礎年金の部分の比重が高まってまいりますので、そういう世代内の所得格差の縮小にも寄与するだろうというふうに考えております。 具体的に一例で申し上げますと、財政検証を基に平均余命まで受給すると仮定して機械的に試算をいたしますと、現在三十歳の女性の例で申し上げますと、生涯の年金受給総額の改善は、報酬比例部分があって上位二〇%の方、基礎年金と報酬比例足して二十万円ぐらいの方の場合には百三十二万円、総額でですね、と計算され、基礎年金のみの方の場合は四百一万円というふうになります。また、男性、同じ現在三十歳の男性の場合で申し上げますと、同じく報酬比例部分があって基礎年金と報酬比例足して二十万円の年金を受給される方の場合には改善分が百十万円となりますが、基礎年金のみの方の場合には三百三十四万円というふうになっております。 このように、同世代でいくと、所得のより低い方、そして男性と女性で申し上げれば、長命でいらっしゃる、一般的にいえば長命でいらっしゃるので女性の方が受給期間が長いので、女性の方の改善分が大きくなると、こういう傾向があるだろうというふうに考えております。
○新妻秀規君 次に、三党の修正案における世代間のバランスと将来世代への保障について、これも厚生労働省参考人に伺います。 年金制度の改革に当たっては、世代間のバランスにも十分な配慮が求められます。今回の基礎年金の底上げ策は、将来世代の年金水準の急落を防ぎ一定の給付水準を確保する点で、現役世代、若年世代の安心につながるものです。特に、就職氷河期世代が老後に直面しかねなかった低年金リスクに対応し、公平性を高める意義は大きいと考えられます。 一方で、この底上げに必要な財源確保の方法として、厚生年金の積立金の活用による国庫負担増、将来的には税や保険料による負担に依存し過ぎると将来世代に過度なツケを回すとの指摘もございました。こうした負担と給付の調整によって、世代間の公平を図りつつ、将来世代の年金水準の向上と制度の持続性を両立させることが本改正の狙いですが、この世代間バランスの確保について政府はどのように評価しているのか、伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 まず、今回の改正の基になっている今の公的年金の財政フレームは二〇〇四年改正ででき上がったものでございますけれども、これ、大事なことは、やっぱり将来世代の負担が過重なものとならないように、保険料の上限を固定した上で、その収入の範囲内で給付を行うマクロ経済スライドの仕組みを導入して負担と給付のバランスとか世代間の公平性に配慮した持続可能な仕組みにしたということでございます。 ただ、この肝腎のマクロ経済スライドが長引くデフレなどの中で発動しないケースもあり、基礎年金と報酬比例部分の調整終了期間が大幅にずれてきたと、こういう状況に対してどうするのかという課題でありまして、衆議院での修正はこれに答えを出していこうというようなことだというふうに受け止めております。 こうした中で、基本的に持続可能性を保ちながらも、世代間のバランス、もちろん将来的には国費も必要な、安定財源必要になりますけれども、全体として所得再分配機能を利かせる、で、将来世代の幅広い世代に対する改善を図っていくということは世代間の公平にかなうものではないかというふうには思っております。 そういうものがある上で、今回の改正法におきましては、それだけではなくて、被用者保険の適用拡大、やっぱり、働いて収入を増やしてまた年金も増やすといったことを応援していくこと、あるいは在職老齢年金制度の見直し、iDeCoの加入可能年齢の上限の引上げといった、将来の受給者の給付も充実させつつ現在の受給者の年金も増額させることで、世代間、こういった意味でも、今回、法案の修正部分を除いた部分につきましても世代間の公平にも配慮した改正事項を盛り込んだというふうに考えているところでございます。
○新妻秀規君 続いて、厚生年金の非適用業種の個人事業者への周知と加入率向上への対応方針について、これは福岡大臣に伺います。 現行の厚生年金制度では、飲食業、理美容業などの個人事業主が非適用業種として制度の適用対象外とされておりまして、従業員が五人以上いても厚生年金に加入できない仕組みでした。 今回の法改正では、この業種制限を撤廃し、常時五人以上の従業員を使用する全ての個人事業所に適用を拡大することになります。これは、業種による不公平感を是正し、被用者保険としての一貫性を持たせる重要な改革ですが、対象となる個人事業所には制度の存在自体が十分認識されていない場合も多く、届出や加入が進まない懸念がございます。 政府は、こうした事業所に対して厚生年金制度の概要や義務をどう周知し、制度加入を確実に進めていくのか、加入率向上のための実務的な指導、支援方針について伺います。
○国務大臣(福岡資麿君) 今回の法案では、常時五人以上を使用する個人事業所の非適用業種を解消することとしておりまして、令和十一年十月以降、これまでは対象外であった業種においても、新たに開業する事業所が適用事業所となるため、委員が今御指摘いただきましたように、そうした事業所へ分かりやすく丁寧に周知、広報を行う必要があると考えています。 制度の仕組みであったり改正内容等について分かりやすい資料を事業者と労働者向けにそれぞれ作成し、業界団体とも連携しながら広く周知しますとともに、日本年金機構において、対象と見込まれる個別の事業所へのお知らせの送付であったり訪問を行うことなどによって円滑な加入手続につなげてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 是非お願いいたします。 続きまして、厚生年金の非適用業種に対する自発的な加入促進策について伺います。 法案の附則では、現に存在する非適用業種の個人事業所に対して当分の間制度適用を猶予する経過措置が設けられております。 これは、新制度の即時適用による中小個人事業者の経営負担への影響を考慮した配慮と理解をしておりますけれども、一方で、制度の公平性や一貫性の観点からは、同規模でも旧制度下の事業所が適用を免れ続ける状況を放置することへの疑問の声もございます。当分の間という不明確な期限設定が長期化すれば、制度の信頼性にも影響しかねません。 政府は自発的な加入促進策をどのようにしていくのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今、ただいま委員御指摘になられましたように、今回の法案では、五人以上の従業員を使用する個人事業所については、非適用業種を解消するということに伴いまして、短時間労働者のみならず、いわゆる正社員も被用者保険の適用対象となります。 その上で、施行日時点で既に開業している個人事業所については、新規事業所と比較して開業時点では予期していなかった適用拡大に伴う事務負担や経営への影響が生じるため、当分の間適用対象とはしない経過措置を設けてございます。 実際に、こういう個人事業所の方々のお話を伺っておりますと、様々でございますけれども、やっぱり中には、やはり若い人を雇いたいと思ったら社会保険適用じゃないとなかなか厳しいよねというようなお声も一部いただいたりしているところでございまして、なかなか一律に全部ばっとというのが難しいかもしれませんけれども、こういう人材確保に積極的なところがこういう社会保険、任意の適用というものを選択できるようにしていくということが非常に重要だというふうに思っています。 こういう強制加入とならない既存の事業所については、被用者保険に加入することによっては加入者には年金、医療の給付が充実するというメリットがあること、事業主にとっても、先ほど申し上げたような人材確保や定着というメリットがあると、最近そういうふうに認識されるようになってきたということから、こういうメリットや、例えば任意適用を選択した事業所の具体的な事例を関係団体などと協力してお知らせをしていくと。要するに、良かったよという話があるのであれば、それをお伝えするなど、周知、そういうことを周知、広報しつつ、事務手続等の必要な支援、できるだけ簡便に、例えば今回、お忙しいですから、皆様、そうすると年金事務所にお越しいただくというのもなかなか難しいというのであれば、もう電子申請をスマホでできるようにするとか、そういう改善を図るとか、あるいは、いろんな書類も日本年金機構の方であらかじめほぼ記入して、これでよろしいですかといって確認のサインいただいて送り返していただくとか、ターンアラウンド方式と申しますけど、そういったような支援も行うことで任意で加入できる制度の利用も促していきたいと、このように考えております。
○新妻秀規君 企業年金の情報公開、見える化とその効果について伺います。 企業年金制度のこの運用状況が加入者にとってはブラックボックスとなっていることへの懸念が広がる中、今回の制度改正では、厚生労働省が、企業年金、確定給付も確定拠出もですけれども、その運用実績、利回り、手数料、商品構成などの情報を集約、公表する見える化の仕組みが導入されます。これによって加入者が自らの年金制度のパフォーマンスを把握をして、他社との比較を通じて事業主やまた運営機関に改善を求めるインセンティブが働くことが期待されます。特に、手数料が高く運用利回りの低い制度への警鐘を鳴らす効果や、若年層の企業選択において福利厚生制度の透明性が評価軸となることも考えられます。 こうした公表情報は、誰がどのような手段でアクセスできるのか。また、どの程度の粒度で公開されるのか。例えば、個別企業単位なのか、業種別なのか、制度類型別なのかなど、実務的な設計が重要です。政府はこの制度の導入によって企業年金の運用の質をどう高めようとしているのか、制度改善の方向性を伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 御指摘の企業年金の運用状況の見える化については、おっしゃるように、企業年金の加入者そして実務担当者の方々が個々の企業年金の運用情報や運用商品などの比較分析を可能とすることで加入者の利益に資する企業年金の運営改善につなげていく観点から行いたいというふうに考えています。 その意味では、具体的な設計は、情報を出していただいて、それを厚労省関係のインターネットのサイトにおいてそれぞれの企業年金別に企業年金の運用実績や加入者が選択できる運用商品などの事項について、サイト利用者、つまりそれは加入者であったり実務担当者ということになりますけれども、分かりやすく集約して開示することを想定してございます。 この具体的な項目などについてはユーザー目線で考えていきたいと思いますが、その具体項目、全ての事業所に、あっ、企業年金にそれを義務として求めなければいけないものですから、その詳細についてはよくよく検討していきたいというふうに思っています。 こうした見える化を通じまして、例えば企業年金の実務担当者が自社の企業年金の見直しや投資教育にその情報を活用することが期待されますし、加入者の方も自社の企業年金への理解を深めることや企業型DCの商品選択の見直しに活用することなど、実務担当者、加入者双方にメリットのある形を目指していきたいと、そのために検討を進めていきたいというふうに思っております。
○新妻秀規君 続いて、企業年金加入者の意見の反映の体制と他省庁との連携方針について伺います。 企業年金の見える化が進む中で、その情報が実際に加入者の意思決定に反映される体制の整備が不可欠と考えます。現在でも確定給付の企業年金には加入者の代表が代議員会を通じて意思表示をする仕組みが存在しますけれども、制度が複雑で多くの加入者にとって実態を理解しづらく、実質的に意見が反映されにくいという課題があります。 こうした状況の中で、政府が推進する資産運用立国の戦略とも連動して、金融庁が進める運用機会のフィデューシャリーデューティーの強化の動きとも連携しつつ、企業年金制度の透明性と説明責任の向上を図る必要があると考えます。 厚労省として、企業年金の運用評価と改善要請を行うための加入者参加をどう強化するのか。また、金融庁など他の省庁とも連携したガイドラインの整備や企業年金自身の自己評価を行うことが重要と考えますけれども、どのような取組を行っていくのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 労使合意に基づいて企業年金を運営する上では、やはり加入者御自身が加入する企業年金について理解を深め、その運営に参画していくことが重要だと思っています。ただ、おっしゃるように、いろんなその仕組みの中でどこまでできるのかというのはそれぞれ御理解の程度にもよると思いますが、まずはやっぱりその情報をちゃんと開示していくことというのが非常に重要かなというふうに思っています。 先ほど委員から御指摘のありました見える化など、今回の法案でも盛り込んでおりますけれども、こうした取組を通じて、事業主や基金に、加入者への自社の企業年金に関する情報提供をそのサイトだけじゃなくて、そもそもまず自社の企業年金についての情報提供をより促していくという、とともに、加入者の関心を高め、企業年金の加入者参画に資するように見える化の方も取り組んでいきたいと思っています。 その上で、資産運用立国のお話がございました。本年一月に運用機関の定期的な評価などについて改訂した確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインの周知、つまりフィデューシャリーデューティーの話になるわけですけれども、あれの、そういう運営側にとってもそういう責任があるんだよということをしっかりお伝えしていくことも大事ですし、受益者のために、やはり何といっても加入者のための企業年金ですから、受益者のための資産運用を行う上で共通の原則として昨年策定されましたアセットオーナー・プリンシプルの企業年金における受入れ促進などに、厚労省としても関係省庁と連携して取り組んでまいりたいというふうに思います。
○新妻秀規君 続いて、年金に関する子の加算、子加算の創設と配偶者加給年金見直しの狙いについて伺います。 今回の法改正では、老齢年金、障害年金、遺族年金に対して新たに子加算が創設される一方で、配偶者加給年金の支給額が見直されます。 子加算は、十八歳未満の子を扶養する高齢の年金の受給者に対し年額二十八万円を支給する制度で、少子化対策や晩婚化、高齢出産の実態を踏まえた家族支援策として評価をされておると考えております。 一方で、これまで高齢者の夫婦の所得補完として支給されてきた配偶者加給年金は、従来の四十一万円から一〇%引き下げられます。この変更は、年金制度における子育て世帯への再分配強化との性格を有していると考えますが、専業主婦世帯などにとっては実質的な減収となるため、一定の経過措置や生活影響の検証が必要ではないかと考えます。 ここで伺いますが、この制度変更の狙いは何か、また、この制度変更、つまり、子加算の創設、また、配偶者加給の減によって受給者への影響をどのように考えているのか、伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 まず、今回、子加算の方ですけれども、今回の法案では、子を持つ受給者の保障を強化する観点から、その扶養実態に着目して加算額を拡充するなどの見直しを盛り込んでございます。 具体的には、現行では第一子、第二子に比べて低額となっている第三子以降の加算額を第一子、第二子と同額とした上で、加算額を令和六年度の価格で年額二十三万四千八百円から二十八万一千七百円に引き上げることとしております。この改正については令和十年の施行を予定しておりますけど、そのときから一斉に上げていくと、改善をするということを考えております。 また、配偶者加給年金につきましては、昨年十二月の社会保障審議会年金部会の議論の整理で、社会状況の変化等によりその役割が縮小していることを踏まえ、将来的な廃止も含めて見直す方向性についてはおおむね意見が一致したとされておりまして、社会状況の変化を踏まえた一定の見直しが必要であるとされたところでございます。 年下の配偶者にだけ出る加算という特殊な加算だということでございます。他方で、この配偶者加算を前提に生活設計している方が相当程度いらっしゃいますので、こういう方々への配慮も必要だというふうに考えています。 今回の見直しでは、既に受給されている場合の加算額は維持をしますと、その上で、見直しの対象者は施行後に新たに年金の受給権を得る方に限定をし、かつ、加算額の一〇%程度の見直しにとどめることといった配慮をすることとしたものでございます。
○新妻秀規君 終わります。ありがとうございました。
○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。 年金の今回の改正については、賛成とか反対とかいろんな意見あるのはあっていいと思うんですね。そして、中身を深めていけばいいんだけれども、ここだけ皆さん一つ共通してこれ問題なんじゃないかと思っていることがあると思うので、これ超党派できちんと整理整頓していきたいなと思っているんですね。それが第三号被保険者制度の問題点です。 まず、資料一ですけれども、(資料提示)第三号被保険者の保険料を誰が負担すべきかという検討が、もう大分前からやっているんですけど、二〇〇一年に行われたときの女性年金報告書という厚労省の説明資料を、これは第一生命経済研究所がフローチャートにしたものですが、少し古いんですけれども、分かりやすかったのでこれ使っています。 この初めのところ大事なんですけど、全体で収入に応じ負担する応能主義と、第三号被保険者の配偶者のみで負担する応益主義と、これ二手に分かれています。当時はいろんな案が検討されていますけれども、現行制度は左から二番目で、これは応能負担ということで分けています。 そこでまず確認したいのは、我が国の年金制度の基本的な考え方は、応益主義なのか、それとも応能主義なのか。福岡大臣、この点、まず基本原則、確認したいんです。
○国務大臣(福岡資麿君) 我が国の年金制度は、全国民が対象の国民皆年金の下で、収入に応じて保険料を負担する応能負担の考え方を基本として運営をされております。 厚生年金制度では、報酬に比例した保険料負担という応能負担の仕組みとなっておりまして、直接的な保険料負担のない第三号被保険者につきましても、被扶養配偶者を有する第二号被保険者と共同してこの応能負担の保険料を負担するものとなっております。
○猪瀬直樹君 本当に応能負担になるのかですね。国民年金は所得によらず一定金額の保険料を納めるのが応益主義ですけど、それに対して、厚生年金の方は保険料が所得に比例するので応能主義ということになりますが、第三号被保険者の妻は、夫の収入が幾ら高くても保険料を納めずに一定額の基礎年金が受け取れることになっています。共働き世帯や単身世帯も含めた第二号被保険者全体でこれを応能負担で支えているというのは、彼らから見ればやはり不公平に感じるのは当然じゃないでしょうか。 続いて、資料二ですが、これですね、これは厚労省が不公平だという指摘に対して、いや、そうじゃないと、そういう言い分に使っている年金部会の資料なんですけど、冒頭に、一人当たりの賃金水準が同じであればどの世帯類型でも一人当たりの年金額は同じと書いてある、この赤いところ、囲ったところですね。その下に、夫のみ就労の世帯と共働き世帯とがイコールで、さらに共働き世帯と単身世帯もイコールで結ばれている、この赤く囲った、イコールになっていますね。 これ、おかしいなと思うんですよね。確かに、こういうふうに書かれると間違いじゃないのかなとは思うけど、おかしい、何かおかしいと思う、何かトリックがあると。 それで、あえて僕の方で加工して比較の仕方を変えてみましたのが次の資料三なんですけど、これですね。これは、夫のみ就労の夫婦の世帯とシングルマザーなどの一人親、単身世帯と比べたものなんですけど、そうすると一目瞭然で、賃金は同じ四十万円で支払う保険料も同じですが、受け取る年金額は妻がいる方がその基礎年金は多くなるんですね。これの方が分かりやすくないですか。 最初の方の厚労省の資料は、共働きや単身者の批判をかわすために作ったトリッキーなものに思えてなりません。そうでなくて、ちゃんと不公平が存在しているということを認めた上で制度自体をどうするかを考えていくという正直な姿勢が必要なんじゃないでしょうか。厚労大臣。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 委員配付してくださった資料の二枚目にありますように、我が国の公的年金制度においては、夫婦一方のみが就労する世帯、夫婦共働き世帯、単身世帯とも、一人当たりの賃金水準が同じであればどの世帯類型でも一人当たりの負担、給付は同じとなる構造としています。 一方で、この委員が配付してくださった資料の三ページにありますように、世帯の構成員それぞれの賃金水準のみに着目した場合には、世帯の合計金額が同じでも夫婦世帯と単身世帯では基礎年金一人分の年金額が違うじゃないかということで、不公平だという指摘があることは承知をしております。 そもそもこの第三号被保険者制度は、被扶養配偶者の基礎年金権を確保するために昭和六十年の改正でできたものですけれども、そのときには、実は、配偶者、まあ大抵の場合は夫だったわけですが、夫の厚生年金のところから定額分の一部を切り出してきて、その奥さんの、奥さん御自身の名義の基礎年金にしたと、こういう制度的な経緯もございまして、夫の、二号の被保険者が負担する形で三号の分も給付すると、こういう仕組みになってきたわけでございます。 ただ、その後も、共働き世帯が増加するなど社会状況も変わってまいりました。社会保障審議会年金部会においても、適用拡大を通じてこの三号被保険者の範囲を縮小するという方向は一致しておりますけれども、様々な状況の、子育て、介護、その他病気であるとか様々な属性の方がいらっしゃることも踏まえて、将来的な見直しの方向性については意見がまだまとまっていないところでございます。
○猪瀬直樹君 今おっしゃるのは、経過措置みたいな言い方にはなる。で、経過が長い、いつまでも経過措置であるみたいな話になってくるんだけれども。 続いて、じゃ、諸外国ではこういう変則的な、似たような制度あるのかなと。これも、次に資料四なんですけど、厚労省が年金部会で使ったものなんですが、この赤い線引っ張ってありますけれども、諸外国の年金制度の適用範囲は稼働収入のある者に課されるのが一般的であると、こういう赤い線引っ張っているね。つまり、これはアメリカは配偶者保険給付という似たようなものあるんだけど、それ以外の国では、働いて収入のある人が保険料を払い、このドイツとかイギリスとかフランスとかスウェーデンの例をこれ厚労省の年金部会で作っているわけですから、それを、そういうのが給付を受けるというのは当たり前のやり方だということで説明されています。それなのに、なぜ日本では現在も諸外国と異なる独特の制度を維持しているのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) ありがとうございます。 今引用いただいたこの資料にも実は、一行、二行目ですか、書いてございますけれども、委員御案内のように、我が国は、働いている方はもとより、無業の方とか扶養されている配偶者とか学生も含めて年金制度の対象とし、老齢、障害、死亡というライフイベントに対応する国民皆年金の仕組みになっております。その意味で、その点が一般的な欧米諸国とも異なっているというふうに考えています。 その上で、三号被保険者の話は、先ほどもちょっと申し上げましたように、昭和六十年の年金制度改正におきまして、それまで任意加入となっていた被扶養配偶者についても自分名義の基礎年金を確保するために設けられたものでございます。 こうした経緯の中で、先ほども申し上げたように、そうはいっても共働き世帯の増加や家族形態の多様化もあって、三号被保険者制度の将来的な見直しに言及する意見は年金部会でも多かったわけでございますけれども、その上で、方向はまだ定まっておらず、様々な属性の方が混在する中で、その在り方については実態を精緻に把握しながら検討すべきという宿題をいただいていると、こういうことでございます。 国民皆年金という仕組みを前提とした中でのこういう三号被保険者制度であるというふうに考えております。
○猪瀬直樹君 年金局長おっしゃるように、昭和六十年に始まった話ですからね。それが何年たっているかということだよね。四十年ぐらいたっているよね、もう。そういうふうなことで、状況もどんどん変わってきている。 で、年金局としては一生懸命やっているんだけど、多分、政治が決断しないからこれは動かないんだろうと思うけれども、やっぱり時間がたって状況が変わって、やっぱり、資料も見ていただくと、この資料五ですけど、第三号被保険者の数は、一九九五年度の千二百二十万人から二〇二一年度では七百六十三万人にまで減っています。さらに、これ、この資料にないけど、直近の二〇二三年度では六百八十六万人にまで減っている。つまり、一九九五年度は三十年前、三十年前の今半分、千二百万から六百万になって半分になっているということですよね。 今回の適用拡大でまた数十万人規模の減少を見込んでいますけれども、でも、この三号の人がゼロに近づくには、これ今の、年金局長、一九八五年からの話続けていくと、更にまた数十年掛かるよね。つまり、自然になくなるのを待っているんだったらね。 だから、次、資料六ですけど、二〇〇三年に年金部会でこの制度をどうしていくかという検討をしたのがこの資料六ですけど、四つの方法が見直し案として出されて、そのうちこの、赤い星のマークちょっと付けたんですけど、目印に、一番下ですね、第三号被保険者縮小案というのに決まって現在に至りますね。今回のように被用者保険の適用拡大によって徐々に三号の人数を減らしていくと、こういうやり方なんですけど、一番下ですね、これ、何だか絶滅種になるようなそういうことをやって、これは何十年も掛けてやっていくということなんですかね、意思決定しないで。 このときにも決めても既に二十年、二〇〇三年にこれ決めているわけですから、既に二十年たっているんですね。その間に確かに徐々に減ってきていますけれども、第三号被保険者を何か動物の絶滅種みたいに言うのは失礼かもしれないが、そうやって滅びるのを待っているみたいなやり方で、それで、このままだったらだらだらだらだらしていくわけで、ゼロにしていくめどが立たないんじゃないですか。これ、一体いつになったら、どんな状況になったら廃止に踏み込むのかということを福岡大臣にお答え願います。
○国務大臣(福岡資麿君) 第三号被保険者制度につきましては、昨年末の年金部会の議論の中では被用者保険の適用拡大を進めることによって対象者を縮小していくことが基本とされたと、これは委員御紹介いただいたとおりです。で、将来的な見直しの方向性については引き続き検討することが求められ、意見がまとまらなかったところでございます。 御承知のとおり、三号被保険者には様々な属性の方が混在しておりまして、まずは丁寧に実態を把握した上で検討する必要があると考えておりまして、今回の法案ではその実態調査であったり制度の在り方に関する検討規定を設けていることから、国会における議論も踏まえながら適切に検討してまいりたいと思います。
○猪瀬直樹君 いや、よく分からないな。 だって、検討しているんだから、期限とかというか、めどというのはどのくらいまで考えて、めどとして考えているのかというところを、全然ニュアンスが伝わってこないんだけど。
○国務大臣(福岡資麿君) よく申し上げていますように、その三号の中には御病気の方とか子育て中の方とか、そういった様々な方がいらっしゃいます。どういった方が現にいらっしゃるのかというまず実態調査をする必要があると考えておりまして、その調査を踏まえ適切な判断をしていきたいということでございます。
○猪瀬直樹君 病気の人だって、どこだっているよ、そんなの、三号じゃなくたって。言っていること分からないよね、はっきり言って。 次に、資料七ですけど、実態調査の一つでありますから、第三号被保険者の就労状況です。 その右の方に右肩下がりの折れ線グラフありますけど、一九九五年に働かない人が六九%だったのが、二〇一九年には四三%まで減っている。直近だと恐らくもっと減っています。つまり、現状は、第三号被保険者となっている女性の中でも、実際には半分以上が就業している。病気の人もいるよ、それは。そういう話しているんじゃなくて、どのくらいの人が働いているかという話をしているんですよ。 いいですか。つまり、現状は、第三号被保険者となっている女性の中でも、実際は半分以上が仕事やっているんです。これは、当初の専業主婦を想定した制度はもはや形骸化しているということを物語っているデータなんです。足下では人手不足が深刻な状況なんだから、この人たちがもっと働く時間を増やしてくれれば助かりますよね。これでまた二十年以上たてば世の中はどんどん変わっていくんですけれども、こういった変化を踏まえて、徐々に減らしていくという従来の考え方を改めて、廃止に向けて具体的にかじを切る時期に来ているんじゃないかと。それがこのデータですよ。 これは、やっぱり、厚生労働省の役人の方たちはやっぱりいろんなデータ出して、やっぱり詰め将棋のようにやっていっているんですよ、あとこれしかないはずで、こうなるはずだと。それをやっぱり政治家である大臣が、そろそろ自分が大臣の時期に何か言わないといけないんじゃないですか。ある程度決めないと。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員がお示ししていただいているように、働く女性の方々が増えていらっしゃる、そのとおりであります。そういった方々については、今回もその被用者保険の適用拡大図っているように、その被用者保険の中にどんどん加入していただけるような流れをつくっていく。 そんな中でも、その三号をいきなり廃止することがなじむかどうか。三号の中には、先ほども申し上げましたように、病気であったり、育児、介護などの理由で働けない方など、様々な属性の方々がいらっしゃいます。ですから、どういった方々がいらっしゃるのか、まずはその実態を把握した上で適切な対応を取りたいということでございます。
○猪瀬直樹君 特性を踏まえればいいんですよ。 次の資料八ですけど、今回の改正案の附則部分を抜き出しました。ここに、第三号被保険者の実情に関する調査研究を行い、その在り方について検討を行うとあります。そういうふうに、赤い線引っ張ってありますけれども。 ここで言わんとしているのは、まさに、だから、いつ頃までにどのような調査研究と検討を行うかということなんですね。この調査研究と検討を行って結論を出すまでは廃止の議論は先送りにするつもりなんですかと、そういうことを聞きたいわけ、参考人にも。これ期限がなくて、期限がなかったらまた訳分からないじゃん、これ。五年なのか十年なのか二十年なのか、絶滅するまで待っているのか。 ここのところは参考人にも確認したいんですけれども、よろしくお願いします。
○政府参考人(間隆一郎君) 委員御案内のように、年金制度は五年に一遍財政検証を行っております。その上で、それを踏まえて、必要な改正について、大抵の場合には財政検証の翌年に法律改正を、法律案を提出していると、こういう状況でございます。今回の法案にこうした検討規定も入れておりますので、次の改正に向けてどういうことなのかというのをしっかり検討する必要があるというふうに思っています。 その意味では、この調査研究とありますけれども、委員が御紹介いただいたようなその就業形態、あるいはその年齢階級別人数など、既存の統計で分かるものもあります。ただ、例えば三号被保険者の、じゃ、具体的に、就業が、働いていますと言うんだけれども、じゃ、どれぐらい働いているんですか、どれぐらいの賃金で働いているんですか、健康状態どうですか、あるいはその方を、三号被保険者の方を扶養している配偶者の所得はどうですかとか、あるいは三号被保険者制度と育児、介護といった家庭事情との関係など、詳細が直ちに把握することが現状すぐにはできていないものがあります。 こうした実態を踏まえることが今後の議論のために必要と考えておりまして、この調査に当たりましては、どういった方法でどこまで把握すれば制度の在り方の検討に資するかなど、まず調査方法、調査内容について、今いただいているような国会での御議論も踏まえて速やかに検討したいというふうに考えております。
○猪瀬直樹君 そんなに調査掛かると思わないんですよね。僕だったらすぐ調べますけどね。これ、調査って簡単なんですよ。当たり前だけど、方法論あるんだから。やっぱり、あと五年後とかおっしゃっているけど、期限を付けて、別に五年後にもう一回年金のあれがするという話じゃなくて、一年でも二年でも研究調査すればいいわけで、そしてそれをまた議論すればいいんでね。 こうしたことで、適用拡大による就業抑制の問題について質問していきますが、今日はこども家庭庁の方にも来ていただいておりますので、資料九ですね、保育園の待機児童数の推移ですけれども、皆さん御記憶のとおり、二〇一六年に有名な、保育園落ちた日本死ねというSNSでの訴えがあって、これ国会でも取り上げられて、待機児童問題が一段とクローズアップされました。グラフを見ると、この日本死ねってやったときのグラフの、これ一六年ですね、二〇一六年、そこから急速に待機児童は減少して、現在ではほとんどもう、二千五百人程度、ほとんどないと言っていいと思うんですけれども、ピーク時の十分の一以下になって、これだけ改善が進めば、このグラフでがくっと落ちましたよね。これ、徹底的にやっていけばいいわけです。女性の就労促進にかなり影響を与えたんだと思うんですね。 この検証を行っているのかどうかということで、具体的にどの程度これが就労促進に役立ったのかという、これを定量的に把握すべきと思うんですけれども、そのような調査はこれまで行ってきたのでしょうか。また、もしまだなら今後是非やっていただきたいと思いますけれども、そういう予定はおありなのか、こども家庭庁の参考人からお答えをお願いいたします。
○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、保育所の待機児童解消に向けて取り組んでまいりました。平成二十五年度以降、待機児童解消加速化プラン、子育て安心プラン、新子育て安心プランの三つのプランに基づきまして、具体の数値目標を定めて保育の受皿整備を進めてまいりました。 この間、その受皿の増加に伴いまして、保育所の利用率につきましては、平成二十五年の三五・〇%から令和六年には五四・一%に上昇しております。この時期、二十五歳から四十四歳の女性の就業率につきましても、平成二十五年の六九・五%から令和六年には八一・九%に上昇しております。保育所等の利用率とそれから女性の就業率の間には、一定の相関関係が見られるものというふうに認識をしております。 ただ一方で、女性の就業率につきましては、社会情勢の変化、あるいは働き方改革や共働き、共育ての推進の取組のような、様々な事情あるいは政策にも影響されるものと考えられることや、鶏と卵の関係と申しますか、女性の就業率が上昇したことに対応するために保育の受皿を整備を進めてきたといった側面もあることから、待機児童対策が女性の就業促進に与えた影響について、先生がおっしゃっているように、定量的にという意味では直ちに明らかにすることは難しいと考えております。実際、このような定量的な調査について、こども家庭庁では承知をしていないところでございます。
○猪瀬直樹君 まあ、だけど、保育園が入りやすくなれば、それは就業率が高まるということはある程度分かることですね。 こども家庭庁の方、ありがとうございました。結構ですよ。 資料……
○委員長(柘植芳文君) 済みません。こども家庭庁竹林審議官は御退室願って結構でございます。
○猪瀬直樹君 続いて、資料十ですけれども、共働き世帯がどのくらい増えてきたのか、一九八五年と二〇二二年を比較したものであります。 共働き世帯増えました。それで、当然、子供がいて働く機会もなくて、チャンスがうまくつくれなくて、保育所がなくてと、そういう人たちもみんな働けるようになりました。大分状況変わったんですね。だから、この資料十で見てお分かりのとおり、紫色の方ですけれども、共働き世帯は六六%増えているんですが、ただ、実際にその増加分のほとんどは妻が週三十五時間未満で就業しているパートタイムなんですね。これがこっちの端の方のグラフですけど、これが二〇〇%、三倍以上増えています。このパートタイムで働く妻がより多くの時間働いたり、あるいはフルタイムに移行したりすれば、これもまた人手不足解消に非常に有効なんです。 この人たちがもっと働く時間を増やしたいと思ったときにどんなことが障壁になっていると考えますか。もし障壁が存在するのなら、それを責任持って解消していくのが政治の役割だと思いますが、三号の人が働き方の手控えを、控えているということはあると思うんですけれども、とにかく、みんなが労働市場に出てくることによって働く環境が良くなって、人手不足も解消できるんじゃないかと、こう思うんですけれども、福岡大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(福岡資麿君) 様々な御事情でパートタイムなどの非正規雇用で働いていらっしゃる方がより長い時間働くことを希望している場合に、そうした働き方が実現できるような環境整備に取り組んでいくということは大変重要だと考えております。 厚生労働省におきましては、男女共に仕事と育児、介護を両立しやすい環境の整備であったり、また同一労働同一賃金の遵守徹底による非正規雇用労働者の処遇改善、また希望する非正規労働者の方々への正社員への転換支援などの様々な対策を講じ、働く方のキャリアアップを支援してございます。 また、いわゆる年収の壁を意識して就業調整を行っている方々につきましては、年収の壁・支援強化パッケージにおける取組を通じまして、年収の壁を意識せずに働くことのできる環境づくりを後押しをしております。 引き続き、誰もが希望する働き方の実現に向けた取組を進めてまいります。
○猪瀬直樹君 るる言われましたが、大臣、最大の障壁は第三号被保険者制度そのものなんだと思いますよ。 次の資料十一ですけれども、これ第三号被保険者の所得分布を示したものなんですが、これ年金部会の資料です。これ見ると、一番ピークは百万円前後のところなんですね。明らかにここに壁があります。 それから、この百万円の辺りにピークがあるということをちょっと認識していただいた上で、次に資料十二に移りますが、これは、前回の令和四年十月に行った適用拡大の際に、対象となる人がどういう行動を取ったのかを調べた調査結果です。 この右側の、右下の赤く囲ったところをちょっと見ていただきたいんですけれども、その前に一番上の青い四角の中で赤く囲ったところで、第三号被保険者であった者について四八%が回避したと答えたと。 それで、この下の方の赤い四角で囲ったところを見ていただきたいんですけど、四八%が、じゃ、どういうふうな考え方をしているかというと、とにかく時間を短縮して加入を回避するということで、対象者の半分は加入しなかったんですね。適用拡大に伴い、被用者保険に加入すると。加入を回避した短時間労働者の内訳と書いてあるんですけど、その赤いところですけれども、理由は、手取りが減少する、配偶者控除が受けられなくなる、健康保険の扶養から外れる、加入するメリットが分からないと、こういうことを理由にしています。 〔委員長退席、理事三浦靖君着席〕 何か、自分の足で立って物考えるという、そういうことを何かしないような方向で、何か人間を駄目にしていくような感じがするんだよね、こういうことって。 つまり、壁の正体というのは、扶養から外れて社会保険料が発生して手取りが減ってしまうということなんですよね。先ほどの、もう一個戻って資料十一で、この百万円辺りにピークがあるというのはね。だから、前回に実に半分の人が労働時間を減らして適用から回避したんだから、今回の適用拡大でも相当数の人が同じ行動を取ると、これ予測できるんですね。 ここで質問なんですけど、エビデンスがここまで明白にしてきたんですから、ここは、これって悪法だと思うんですよ。だから、今回どのぐらいの人が回避の行動を取ると考えているのかということ、そういう人を減らすために被保険者の支援を行うということですが、どういう対策なのか、具体的に説明していただきたい、大臣に。お願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) 被用者保険に加入することで、将来受け取っていただくその年金につきまして、基礎年金に加えて厚生年金が終身で支給されるというメリットがありまして、健康保険におきましても傷病手当金であったり出産手当金が受け取れるといったメリットがございますため、まずは、こうしたメリットの周知、広報に取り組み、被用者保険の加入を促してまいりたいと思います。 その上で、過去の調査におきまして適用拡大の際に就業調整を行ったと回答した方が一定数いらっしゃったことを踏まえまして、今回の適用拡大に伴って就業調整を行う方がいらっしゃることも考えられます。 このため、年収の壁への対応として実施しておりますキャリアアップ助成金に令和七年度中に新たなコースを設けまして、労働者一人当たり最大七十五万円の支援を行うとともに、今回の法案では、労働者本人の保険料負担を軽減する保険料調整制度を設けておりまして、こうした制度も御活用いただいて円滑な加入につなげていきたいと考えています。
○猪瀬直樹君 そういうややこしいちょっと対策に聞こえるんだけど、それで回避行動ってどのくらい妨げられると考えていらっしゃるんですかね。具体的な数字の試算ありますか。
○政府参考人(間隆一郎君) にわかに試算というものがあるわけではございませんが、例えばそのキャリアアップ助成金などにおきましても、これまでの年収の壁・支援パッケージの中で、三十万人を超える労働時間延長等の利用の申請があったところでございます。こういった意味の御利用をいただければ、そこの壁を乗り越えて、むしろ手取りを増やすような方向に動いていただいているということになるのではないかと思います。 また、保険料調整制度については、これから適用拡大になる方々、企業規模要件の撤廃などでそこで働いている方が適用になったときに対象にしていくものでございますが、今委員がお配りいただきました資料十二にありますように、三号被保険者におきましても一号被保険者におきましても、本来一号被保険者であれば保険料負担が二号になれば減るはずなんですけれども、こういった加入を回避するといったような行動をされる方もいらっしゃいます。こういった方々に、いや、そうではなくて、こういう制度的にも支援しますからどうぞ働き続けてくださいと、同じような働き方若しくは労働時間延長するような働き方をしてくださいということを促していきたいと。 これについて、もくろみみたいなものが、今これだけというものはありませんけれども、極力、その適用になった、企業規模要件が廃止になっていくときに、そこで働いていた方がお辞めにならないで済むように、労働時間が少なくて、短縮しなくて済むように、関係者にもよく説明をしていきたいというふうに思っております。
○猪瀬直樹君 もうややこしいんだよね。 次の資料十三で、これも厚労省のホームページから取ったものなんですけど、今回の適用拡大で新たに対象になる人たちに向け説明しているんですけれども、一番上に赤く印付けた所定労働時間数についての説明があるんですけど、ここに週の所定労働時間が二十時間以上三十時間未満とあって、それで、一番上ね、その下の赤枠のところに、契約上二十時間に満たない場合でも、実労働時間が二か月連続で週二十時間以上となり、それ以降も続く見込みのときは三か月目から加入対象となりますと書いてあるんですけれどもね。 これ確認ですけれども、例えば、ふだん二十時間未満に抑えているけど年末年始の繁忙期にはもう少し働いてもらうような場合に、その繁忙期が二か月を超えてしまうと加入対象になってしまうとかということなんですよね、これ。それ、よく分かんないんです。それで、翌月からまた二十時間未満に戻る場合には一旦加入したものはすぐにやめて資格を喪失するということが可能ということなんですか。ちょっと説明分かりにくいんだよね、これね。
○政府参考人(鹿沼均君) お答えいたします。 社会保険加入に関わる労働時間の要件につきましては、法律の規定に基づきまして、まずは、その就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が週二十時間以上か否かをまずは判断基準としております。 その上で、就業規則や雇用契約書等で定められた労働時間が週二十時間未満であったとしても、二か月連続で週二十時間以上となり、かつ、引き続き同様の状態が続く見込みの場合には、実態として週二十時間以上の契約が締結されているものと同視できると考えられることから、実際の労働時間が週二十時間以上となってから三か月目の初日に被保険者の資格を取得するものとして取り扱っております。 今先生おっしゃっているのは、その年末の繁忙期というのがどのくらいの期間なのかにもよりますが、要するに、二か月がまずあって、その上でその状態が引き続き続くのか、それともそれがたまたまなのかというところはそれぞれ個別に見させていただいて判断をしているということでございますので、そういった形での対応をさせていただいているということでございます。
○猪瀬直樹君 時間が少なくなってきましたのでまとめに掛かりますけれども、要するに三号被保険者は、これは絶滅危惧種なんだったら、どこかできちんと示しを付けるべきで、で、石破総理は、日本のGDPを一千兆円にすると、こう言ったんですよ、昨日だかおととい言っていましたよね。その場合に絶対労働力不足に決まっているんですよ、これ、日本は。だから、働く気のある女性は労働市場に出ていく、保育所も完備して、そしてきちんとそれぞれが自分の負担に応じて年金をいただくようにする、そういう、三号被保険者制度なんていうのをやめてしまえばもっともっと社会は活性化すると、僕はこう思っています。 そういうことで、GDP一千兆円を目指す、そういう方針であるならば、三号被保険者制度について、福岡厚労大臣も、先ほどからもちろんいろいろと御答弁いただいていますけれども、何かちょっと前向きなことをおっしゃっていただいて僕の質疑を終わらせていただこうかと思っているんですけど、よろしくお願いします。
○理事(三浦靖君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(福岡資麿君) 私、ずっと後ろ向きなことは言っていないつもりでありますが、先ほどからおっしゃっているように、働く女性の方々を支援していく、大切なことです。そういった方々に被用者保険に加入していただいて、それに応じた年金を受け取っていただく、そういう環境を整備していく、それは大事なことだというふうに思っています。 その中で、三号は様々な方いらっしゃいますから、どういう方がいらっしゃるか、しっかり調査をした上で適切に対応してまいりたいと思います。
○猪瀬直樹君 どうも、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いいたします。 まず、福岡大臣にお伺いします。 この間、本会議で質問させていただきましたけれども、それ以外にも、衆参の年金法の審議の中で、総理や厚生労働大臣、福岡大臣は、政府として、まず賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指し、年金の給付水準が将来も維持できるよう努めてまいりますというのをいろんな質疑の答弁のときにも表現されております。政府として成長を、経済成長を志向するということ自体は私も当然だというふうに思いますし、総理から答弁あることも理解できるんです。 一方で、年金の制度所管である厚労省の責任者である福岡大臣が公的年金制度は国民の老後の安定した生活を支えるセーフティーネットであると位置付けているからこそ、成長型経済を目指しという前提、これを付すんではなくて、過去三十年間の投影ケース、こういうような難しい状況のモデル、こういうことを前提にやっぱり国会の議論や答弁に臨むというのが、国民が年金を信頼して安心した制度設計をしてもらえているんだというふうに私はなるというふうに考えているんですけれども、厚生労働大臣として私の今の見解について御意見いただければと思います。
○国務大臣(福岡資麿君) 委員の御指摘は受け止めさせていただいた上で、財政検証については、幅広く四つのケースを想定して検証を行っております。その上で、まず、中庸的なケースということで、その一番上と一番下じゃなく真ん中の二つ、その中庸的なケースを基に検討することといたしまして、成長型経済移行・継続ケースや御指摘の過去三十年投影ケースを念頭に制度改正を行うこととしているものでございます。 こうした中で、成長型経済移行・継続ケースでは将来の給付水準がおおむね維持される見通しとなっておりまして、公的年金制度の観点からも、政府の目指す成長型経済を実現させていくことが重要だと考えています。 一方で、長期の社会保険制度であります年金制度の将来を見通すに当たりましては、より保守的な経済前提における給付水準も見る必要があることから、過去三十年投影ケースについても併せ踏まえることとしておりまして、今回のこの制度改正に当たりましても、将来の姿について幅を持って捉えていくこととしているものでございます。
○田村まみ君 制度改正する前の捉えるという意味でいけば、その保守的な経済のモデルケースからプラスの成長型の経済ケースまでというのはいいんですけれども、最初の制度設計をして、決断をして国会に提出するというところの中で、今回のマクロ経済スライドの先延ばしというのは、私はある意味、成長型のところであったりとか、むしろ楽観的な視点の中で判断をされたとしか捉えようがない、だから、こういう法改正をいろいろする前提として、そんな国会の議論に私たちの年金、老後の生活を託していいのかという国民のそもそもの疑問であったり不安が私はにじみ出ているのが、様々な切取りで誤解とかいうふうに言っていますけれども、正直、誤情報というよりかは、切り取ってそこの部分だけを出されれば、事実、そこは事実なんだと思うんですけれども、そこがクローズアップされがちになるんだというふうに思っています。 私たち国会議員も含めて、どのような形で国民の皆さんに、まず、議論を託すべき信頼できる役割なんだというふうにまず信任してもらわなきゃいけないし、その先の議論の中で、やっぱり厚労大臣としての姿勢というところを、やっぱり政府の中で総理が目指すところと、じゃ、厚労大臣が年金制度を議論するときにどういうスタンスなのかというところが、私は、今回の法改正する前の、最後の、提出する法案、そしてマクロ経済スライドを抜く抜かないみたいなところの議論の中での判断で私は見られていたんだというふうに思っています。 そこを私はお聞きしたかったわけですよね。どう捉えるかじゃなくて、やっぱりあそこを抜いてしまったというところは、私は、総理の判断というよりかは、厚生労働省として、私、常に答弁いただきました、なるべく早く国会に出せる形でというふうに福岡大臣が私に発言して、答弁いただいていたからあえてこの質問しているわけですよ。その中で、やっぱり私は、楽観的な経済状況を前提として私は抜くという判断をしたんだというふうに思っています。そこをやっぱり改めてもらわないと、私はやっぱり国民に理解してもらえるような制度提案、そして議論になっていかないというふうに思うんですよね。 〔理事三浦靖君退席、委員長着席〕 もう一度、今の私の、もう本当に意見です、多くのこの年金の議論、年金の議論が始まって、本当に地域回ったりとかしている中で言われている声を受けての私の率直な意見を聞いて、もう一度大臣として答弁をお願いいたします。
○国務大臣(福岡資麿君) 今回の年金法については、被用者保険の適用拡大だったり在老の話とかもありますから、そういった意味では、この法案の重要性を鑑みまして、何度も答弁して恐縮ですが、なかなか、そのマクロ経済スライドの一致につきましてはその事前審査をしていただく与党の中でなかなか議論がまとまらなかった、そういう中で、ほかの、この制度も重要な部分たくさんありますから、そういった観点から今回提出をさせていただいたということでございます。 その上で、その見方ということについては、先ほども申しました四つのケースの中で、極端なケースは除いた中で、ある程度その現実的なところを想定して今回も様々な試算をさせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
○田村まみ君 理解はできないんですけれども、この後水掛け論になると思いますので次の質問行きたいと思いますが、ちょっと順番、済みません、変えさせてください。かぶるところがあるので、どなたもやっていない配偶者手当、家族手当の件についてちょっとお伺いしたいと思います。 年金制度とセットで今日も議論されているいわゆる働き控えのところの話でいきますと、年金受給額が相対的に低くなる女性の人生に大きく影響するこの税の壁、社会保障の壁、これはこれまでも議論され続けてきたんですけれども、家族手当の壁、ここも私何度も、もう数年前から予算委員会、厚労委員会の場で指摘をしてきました。 改めて、現状の確認をさせてください。参考人にお伺いします。 この企業、民間企業における家族手当、廃止に向けて働きかけしかできないのは重々承知しておりますので、そこの点については答弁大丈夫です。民間企業における配偶者への扶養手当、家族手当の現状、減少しているのか、推移のみ答弁いただければと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 配偶者手当の実態につきましては、人事院の調査によりますと、配偶者の収入制限を設定している家族手当を支給している事業所の割合は従前よりは減少しておりまして、平成三十一年五四・二%が平成六年四七・〇%というふうになっております。 厚生労働省といたしましては、配偶者の働き方に中立的な賃金制度となるよう、労使で話合いを進めていただくための様々な資料などの作成をしているところでございます。
○田村まみ君 何か言い忘れたのか、間違えたらしいので、私譲りますので、何かあればもう一言どうぞ。
○政府参考人(岸本武史君) 申し訳ございません。 ただいまの御答弁の中で平成六年四七・〇%と申し上げましたが、令和六年の誤りでございます。訂正いたします。
○田村まみ君 令和六年ですね。 今、五四・二%から四七・〇%って、これ減ったという感覚を皆さんお持ちでしょうか。私は、この間これだけ、年収の壁・支援強化パッケージ、壁、壁、壁という話している割に、全く民間企業のこの家族手当、収入要件付きの家族手当の制度改正が進んでいないというふうに思っています。 そんな中で、これ予算委員会でももう一個指摘させていただいたんですが、公務員の状況についても確認させてください。 二〇二四年度の人事院勧告によって、国家公務員や地方公務員においても配偶者に関わる扶養手当は二〇二五年から段階的に廃止の制度変更がされていくというような認識を私はしておるんですけれども、その上で、警察官や自衛官も同じなのかどうか、ここについて政府参考人、お答えください。
○政府参考人(植村隆生君) お答えいたします。 先生からお話ございました警察官などの公安職を含む一般職の国家公務員について申し上げますと、配偶者に係る扶養手当につきましては、近年の社会全体での配偶者の就業に関わる制度の見直し、あるいは官民の配偶者に係る手当の状況の変化を踏まえまして、昨年の人事院勧告におきまして二年を掛けて段階的に廃止することとしたところでございます。これにより、令和八年度以降は完全に廃止されることとなります。
○田村まみ君 ありがとうございます。 これで公務の方も完全に廃止に向けて動いていくというところが確認できました。 なぜこれを聞いたかというと、民間の中小企業はやっぱり公務のところの人事制度を見て改正をしていくという、どちらかというと法改正というよりかはそういうところをよく見ているというのは、結構この労働法制を見ているところだったり制度を見ているところでは通説です。なので、早くやはり、ただなくすではなく、恐らく子育て支援等々に回されていたはずなんですけれども、そういうような形で、いわゆる配偶者というところだけの家族手当というのはやっぱり時代の変化に合わせて変えていくべきじゃないかというところで、人事院勧告も出て、変わっていきます。 これ、私、大変重要だと思うんですけれども、一方で、この家族手当がなくなっていくということは分かったんですけれども、大臣にお尋ねしたいと思いますが、この年収の壁・支援強化パッケージ、特にキャリアアップ助成金の特例措置、扶養の範囲内で働こうとするパート、非正規に対して、この壁を越えるための一つの一時的な対策だというふうに私も認識しているんですけれども、そんな中で、今回も令和七年に向けて拡大していくという答弁もるるありました。それであれば、私、この家族手当の壁である要因であるこの配偶者への扶養手当の制度を残している企業、これがこのキャリアアップ助成金等々の制度を使えるというのは、私はおかしいと思うんですよ。 自分の会社の働いている雇用労働者に、あなたのパートナー働かなかったら家族手当払いますと言いながら、その企業の中で収入要件設けるのを越えさせるために助成金下さいなんと言うのは、私、矛盾していると思うので、これ、前回、元々これ入れるときにも提案したんですけれども、この制度利用するところにちゃんと家族手当、要は収入要件付きのいわゆる配偶者への家族手当というところはないということを確認してから利用してもらう、これお願いしたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、前段といたしましては、民間企業の家族手当のうち、特に配偶者の収入要件があります配偶者手当につきましては、働き方に中立的な制度となるように労使でより一層見直しを進めていただきたいと考えております。 他方で、年収の壁への対応として実施しておりますキャリアアップ助成金は、労働者に新たに雇用者保険を適用し、労働時間の延長や賃上げを通じて労働者の収入を増加させ、キャリアアップにつながる取組を行う事業主を支援するものです。 御指摘がございましたこの配偶者への扶養手当を設けていないことをこの助成金の支給要件とすることにつきましては、そのような要件は労働者本人の働き方とは直接関係するものではなく、労働者のキャリアアップにつながるとは言えないため、要件として追加することは困難ではないかと考えております。 厚生労働省としては、広く事業主にこの助成金を利用していただくことで労働者のキャリアアップにつなげてまいります。
○田村まみ君 残っている中小企業四七%のところに対してこれまで促しをしていくというので、このスピード感なわけですよ。で、このキャリアアップ助成金の財源というのはそのほかの、きちっと、年収超えるといっても、両方が労使折半で保険料払っているところも、同時に納めている雇用保険のその財源のところから使っているわけなんですよね。だったら、せめてきちっとそのほかの要件ですよね。 私も現場を回っていて聞くんです。パートナーの家族手当があるから、やっぱりパートナーから労働時間延ばしてくれるな、収入増やしてくれるなと言われているから、私、パートナーに言われるからこういう働き方しているんですと、今週も何人からも聞きましたし、さっきあえて自衛官と警察官聞いたのは、これ今週の中で私、三人に具体的に言われました。警察官って特殊らしいから、うちの夫から働くなと言われているんです。自衛官も同じように。何が特殊なんでしょう。もう本当に、もちろんいつ何どきというような特殊性があるのかもしれませんが、物づくりのところで三交代で働いている方だって時間不定期だし、そんなの一緒だというふうに思います。 そういう中で、今回、実質的には公務がそういってなくなっていく中でいけば、やっぱりこの民間の家族手当のところの在り方も、三号の国の仕組みを見直すのもそうなんだけれども、同時にやはり社会の理解が得られないと私も三号被保険者の議論って進まないというふうに思いますので、そういう意味でいけば、私はもっと積極的に、具体的に進める手段考えるべきだというふうに思いますので、そのための一つの提案ということで、やれない理由じゃなくて、今言ったような、制限掛ける方法をちょっと考えていただきたいということをもう一度検討していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) ちょっと繰り返しになりますが、その配偶者手当は働き方に中立的な制度となるように労使でより一層見直しを進めていただきたいという思いは一致しています。 ただ、このキャリアアップ助成金というものの趣旨から鑑みますと、ここの要件として委員御指摘のところを加えるというのは困難だということを申し上げたということでございます。
○田村まみ君 ただ、誰の財源、誰が納めている財源を誰に使っているのかって考えたときの公平性というところをもう少し議論いただきたいというふうに思います。 じゃ、元に戻りまして、二ポツの適用拡大等の方に行きたいと思います。 これ、本会議でも質問しました。厚生労働大臣に今度は答弁求めたいと思いますが、今回の被用者保険の適用拡大について、この先十年も掛けて企業規模要件を撤廃するのは一体誰のためなんでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 被用者保険の適用拡大は、労働者にとって就業調整の基準となるいわゆる百六万円の壁を撤廃するとともに、より手厚い年金を受けられるようにするという意義を有するものでございます。 対象となる企業には新たに社会保険料を負担いただくことになることから、前回改正時に五百人超の企業から五十人超の企業まで対象を拡大した際も、四年程度の期間を掛けて段階的かつ丁寧に進めてきたものでございます。 今回の法案では今まで以上に小規模の企業であったり個人事業所が対象となることから、企業経営に与える影響であったり雇用機会の確保、こういった観点にも留意しながら、事務負担の増加等も踏まえた配慮をよりきめ細かく行うことが求められておりまして、施行まで最長十年の準備期間を設け段階的に実施することとしたものでございます。
○田村まみ君 企業経営への影響、雇用確保、要は平たく言うと、そういう今度適用対象になる中小企業の経営者のためとしか捉えられない答弁でした。 六月四日の本会議では、企業規模要件の見直しについては、今まで以上に小規模、今答弁いただいたことを総理が答弁いただきました。 改めてこれもお尋ねしますが、最長十年間の準備期間を設けると、この中小企業は社会保険料の負担に耐えられるだけの企業体力ができるという理屈なんでしょうか。十年あれば計画できて見通しが立つ、そういう意味でこの十年という期間設けられているんでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 先ほども申しましたように、今回の法案では今まで以上に小規模の企業であったり個人事業所が対象となることから、施行までに最長十年間の準備期間を設け段階的に実施することとしたものです。これによりまして将来的な適用拡大を前提とした中長期的な企業経営の見通しが立つようになるというふうに考えられ、事業主にとっては一定の効果はあるというふうに考えております。 その上で、この適用拡大に際しましては、キャリアアップ助成金を労働者一人当たり最大七十五万円拡充することを予定しているほか、経営や事務に対する様々な事業主の支援を講ずることとしております。また、生産性の向上であったり価格転嫁の促進を通じた賃上げの強力な支援も進めておりまして、関係省庁とも連携し、中小企業を始めとした事業主の稼ぐ力の向上に係る支援にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。 こうした様々な支援を通じて、この改正案の着実な実施につなげていきたいと考えています。
○田村まみ君 余り今の答弁で、じゃ、十年でそれができるのかどうなのかというのは分かりませんでした。 なぜ私がこういう少しひねくれた質問、意地悪な質問をしているかというと、年収の壁の支援強化パッケージができた理由って、急遽、小規模事業者が対象になるときに、このままじゃ経営成り立たないって、あの適用されるという半年前に急に騒ぎになって、慌ててキャリアアップ助成金の制度をつくって、強化パッケージだというふうに提案されたわけですよね。準備期間設けても、目の前にならないと御本人たち何の意識もしなかったというのが、もうつい一年前に証明されているわけなんですよ。だから、計画をするも何も、本会議でも提案しましたとおり、早くサポートする支援考えて早く適用する方が、具体的に何が困っているかということも出てくるわけなので、こんな時間掛けて計画待っているのじゃ、とてもじゃないけど、また十年後、ここにいらっしゃる皆さんが何人いるか分かりませんけれども、同じ話をするというふうに私は確信があります、本当に。 なぜここまで言うかというと、私は、二〇一六年、平成二十四年の改正のときに現場にいて、要は適用拡大の対象になるパートタイマーの人たちを説得して回ったわけですよ、現場で。どうかどうか頼むから、生涯年収増えるし、今後、皆さんの社会保障としての負担は増えるかもしれないけど、プラスになるんだからといって。で、それしないと結局変わらないわけなので、それを始める時間を早くしなければもう絶対に進まないという確信があるんです。ただの気休め、先延ばしにしかならないという確信があるんです。議事録に残しておきます。 もうだから、私はもうこれを半年前、一年前からずうっと定期的に委員会、予算委員会でも取り上げてきました。本当に私はこれ大きな問題だというふうに思っています。 で、次の質問なんですけど、なので、是非、私やっていただきたいのが、働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会で実施された各種団体へのヒアリングで、厚生労働省が管轄の全国生活衛生同業組合から、中小零細であることを理由として、適用拡大については反対の見解が出されています。 参考人にお伺いします。今回の適用拡大の対象の範囲の中で、生活衛生関係業、これはどの程度を占めているのか、お答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 特に常時五人以上を使用する個人事業所に係る非適用業種の解消について、お答えしますと、適用拡大対象となる個人事業所のうち、生活衛生関係業に限った正確な割合は把握しておりませんけれども、令和三年の経済センサスを基に粗く推計しますと、この常時雇用者五人以上の個人事業所で非適用業種である事業所のうち、生活衛生業関係は約九割程度あるのではないかと、いらっしゃるのではないかと、このように考えております。
○田村まみ君 十年掛けるということがこのままだと成立します。せめて厚労省管轄のここの事業者の皆さんの実態を詳細に把握して、任意適用がここが先行的に進むという事例がなければ、ほかの業界、業種のいわゆる任意適用の案って私進まないと思うんですよね。 なので、精緻な分析であったりとか、状況を把握しながらというふうに今後の適用拡大のときのいろんな答弁をされていますけど、まずは厚労省管轄のここの業種、しかも人数の少ない個人事業主の方多いわけなので、ここの把握と、ここの任意適用の、私、進捗が大きくほかの適用拡大に影響するというふうに考えていますので、まあ助成金つくるのもいいんですけど、この先の活用も含めて問題把握を積極的にここの協同組合のところで取っていただいて、任意の適用進んでいくように私はお願いしておきたいというふうに思います。 ちょっともう時間がなくなったんで、最後一問だけさせていただきますけれども、就業調整の先ほど来言っている緩和措置、保険料調整に、キャリアアップ助成金ではなくて、就業調整の緩和措置である保険料の調整についてもお伺いします。 この短時間労働者の就業調整の抑制、ひいては被用者保険への加入を促進する被用者保険制度全体の持続可能性の向上につながるものだということで、保険料の免除を考えていらっしゃるというふうに伺っておりますが、この財源を保険料から拠出するということに対して、審議会での議論があったのか、保険料拠出者からの意見は聞いたのか、また支援を受けない被保険者との公平性、この観点から、保険料の安易な使途拡大、まあ目的外使用ではないかというふうに私は考えるんですけれども、この点について参考人いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 保険料調整制度につきましては、年末以降、法案化の過程で関係者の意見も聞きながら具体化していったものでございます。 この仕組みを含め、今回の年金制度改正について、与党の審査段階で労使団体からのヒアリングも行っていただいております。その中では、適用拡大の方向性や保険料調整制度の財源についての御懸念を示すような御意見はなかったものと承知しております。 また、保険料調整制度は、今回の適用拡大の経過措置として対象となる比較的小規模な企業で働く短時間労働者の就業調整を抑制することで、ひいては被用者保険の持続可能性の向上につなげるものであり、対象となる企業を適用拡大の対象となる企業に限ることは一定の合理性があるというふうに考えております。 加えて、今、安易な保険料の使途拡大ではないかという御不安、助長することないように、適用拡大の対象となる企業に限りつつ、就業調整を行う可能性のある短時間労働者を対象に、それぞれの事業所ごとに三年限定で特例的、時限的に実施することとしてございます。 なお、現行制度におきましても、これ、委員御案内のように、被用者保険では、次世代育成の支援の観点から、また制度の持続可能性を高めるという観点から、育児休業中の保険料について免除して、これ保険料財源で皆で支え合うという仕組みになっておりますので、それとはどう、恒久制度か時限制度かという違いはもちろんありますし、全くパラレルではありませんけれども、そういう意味で、制度の持続可能性を高めるという意味で一定の合理性があると、このように考えているところでございます。
○田村まみ君 今日はここまでにします。ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 本法案で先送りになったその一つが障害年金だと思います。無年金障害者の実態について見ますと、二三年度の障害者数、これ推計ですけれども、千百六十万人と人口の九・二%を占め、一一年度比で一・五倍に増加しているという数字出ています。そのうち障害年金受給者は二百二十二万人にすぎません。つまり、八割が無年金に置かれたままとなっていると。 そこで、確認したいんですけれども、二三年度分の年金の請求者数、障害年金ですね、新規裁定で何件あるか、そのうち非該当の件数はどうか、及び再認定の請求件数、支給停止件数、それぞれ何件になっているか、数字でお答えください。
○政府参考人(巽慎一君) お答えいたします。 二〇二三年度分、令和五年度分の障害年金の決定件数は、障害年金業務統計によれば、新規裁定が十四万二千二百九件、うち非該当件数は一万一千九百四十七件、再認定が二十三万二千八百五十件、うち支給停止件数は二千五百三十七件でございます。
○倉林明子君 障害者数全体から見ますと、非常に数少ないですよね。その上、この新規の裁定で見ますと、新規裁定件数、非該当と合わせたうちで、非該当の件数見ると八・四%ということですから、支給停止の分、再認定のところの支給停止も含めると、十二人に一人というような高い不支給、非該当ということになっているんですね。 今回の大量不支給事案というものが起こりました。この発端は、今年三月の、共同通信社が社労士の協力を得て二千件を超えるサンプル調査をしたことで明らかになったというもので、精神、発達では二倍、全ての障害で一・六倍に不支給が増加していったというものでした。 提出いただきました資料をいただいているわけですけれども、これで見てみますと、確定前の数字との断りはあるけれども、不支給、却下の件数が三万三千七百二十五件、二三年度の一・四倍に増えているということが明らかだと思うんですよ。 年金機構の理事長に来ていただいております。この問題を理事長が認識したのはいつか、そして受け止めはどうだったのか、そのときの、そして具体的な指示はいつどんな内容で出したのか、具体的にお答えください。
○参考人(大竹和彦君) お答えをいたします。 本年三月の不支給が増えているという報道、これを踏まえまして、不支給処分、これをするときはより丁寧な審査をするように、本部の担当部署において、私にも報告、相談の上で指示をいたしました。これを受けまして、その時点で不支給と見込まれた審査中の事案につきまして、より丁寧に審査を行うという観点から、障害年金センターにおられます常勤医師による確認を行ったところでございます。 いずれにいたしましても、今般、厚生労働大臣から六年度における障害年金の認定状況の実態把握のための調査をするようにと御指示をいただきましたので、厚生労働省と連携の下、今作業を鋭意進めているところでございます。その結果を踏まえまして、必要な対応は行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○倉林明子君 報道で知ったということですから、三月の報道でお知りになったと思うんですけれども、指示出したのはいつかということは確認させていただきたい。そして、今御説明があったように、処分前のもの、不支給と見込まれた分ですね、まだ決定はされていないけれどもということだと思うんですね、処分前ということだと。つまり、一体、今回のサンプル調査の以前に指示を出してやっていたものがどれだけの規模だったのかということ知りたいんですよ。 処分前のもので不支給と見込まれた分、これについて、センターの医師に何件の確認をしていただいたのか、そのうち支給となったものについてはどれだけあったのかというのは確認できますか。(発言する者あり)
○委員長(柘植芳文君) 巽年金管理審議官、どうぞ先に。
○政府参考人(巽慎一君) 先ほどの調査の中で、それも含めて御報告したいと思います。
○委員長(柘植芳文君) 大竹理事長、よろしいですか。
○参考人(大竹和彦君) 指示をいつ出したかということでございますけれども、当然ながら、報道で知ったわけですから、その直後の打合せの後にそういうより丁寧な審査をするようにという指示を出したということでございます。
○倉林明子君 引き続き、数については併せての報告をいただけるということです。十分な審議と、これ徹底解明が要ると思っているんですね。そういう点では、質疑を重ねていきたいと、確認もさせていただきたいと思います。 そこで、二〇一八年、大量の障害年金不支給問題が、これやっぱり大きな問題になりました。当時、支給停止は三年間で五千三百四十二件に及びました。今回は桁違いになり得るということで、大量不支給事件と言うべきものではないかと受け止めております。いまだにまともな説明もないということです。報告は間もなくされることかと思います。 そこで、これ、年金行政に対する国民の信頼を損なうというだけでなくて、これ、障害者に対する大変差別的な扱いにもつながっていく問題だと受け止めているんです。改めて大臣の認識を問いたい。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、一連の報道については、年金行政の信頼に関わる問題でありますことから、しっかりと対応していく必要があるというふうに考えています。 そして、その報道が本当にそのとおりなのかどうかも含めて今まさに調査を行っている最中でございまして、今この国会中の、今月中旬を目途に公表すべく今作業を進められているということですから、その結果をしっかり見て、必要な対応を取っていきたいと考えています。
○倉林明子君 実際に、これ障害年金の専門窓口を持っておられる社労士さんの実感でもあったということなんです。以前であれば認定されていた請求、これ不支給となる、返戻が増えると。とりわけ目立ったのが三級十四号、この相次ぐ支給停止が多かったというんです。で、眼瞼けいれん、これの給付を受けていた人たちが次々と支給停止になったという具体的な指摘が既に上がっているんですね。 二〇一八年当時、加藤元厚労大臣は、この不支給者全員の再調査を約束しました。そして、障害が明らかなら、支給を停止した月から払うと、遡って支払いますという答弁をされて、その後、二千件余りで不支給は取り消されるということになりました。 私、事件の全容解明、報告を待ちますけれども、あわせて、サンプル調査をやっているということです。サンプル調査にとどめたらあかんと思うんですよ。不支給者全員、ここについて再調査を行って、不適切な判定がされていた場合については、同様にですね、前回の事案と同様に遡っての支給、ここまできっちりやるべきだと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 今、この個別の事例について適正に審査が行われているかを速やかに確認するために、サンプルによる抽出の調査を行っているところでございます。この調査の結果については、今月中旬を目途に、今、公表すべく作業を進めている。その結果をしっかり見極めた上で必要な対応を取っていきたいということでございます。
○倉林明子君 必要な対応ということでいえば、前回に倣った対応にならざるを得ないと思うんですよ。そういう支給、不支給という案件で誤りがあった場合、しっかり、支給の対象と同等だということであった場合は、当然、遡った対応ということで支給、ふさわしい支給、認定に従った支給が要るんだということは重ねて申し上げたい。続きはまたやらせていただきたいと思います。 そこで、多くの無年金者が生み出される要因に、私は認定基準そのものに問題があると思っています。 そこで、今日資料を入れておりますけれども、これは国民年金法施行令別表、一ページ目です。 これは、見ていただきますと、赤で囲っておるところは、前各号に掲げるもののほかということで規定しておりまして、何と、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度、物すごい古い言葉遣いになっているし、二級の十五号見ていただきたいんですけれども、長期にわたる安静を必要とする病状、それぞれ出てくるんですけれども、これよく分かりません。 どんな状態を指しているのか、改めて、認定基準の基本的事項における例示というものがあります。ここで御紹介いただきたい。
○政府参考人(巽慎一君) お答えいたします。 障害認定基準におきましては、障害の状態の基本として次のとおり記載しているところでございます。 一級の日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものであります。例えば、身の回りのことは辛うじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られているものでありまして、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものでございます。 また、二級の日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものでございます。例えば、家庭内の極めて温和な活動はできますが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものでございまして、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものでございます。
○倉林明子君 ありがとうございます。 一級の九号ということは、つまり、ほぼ寝たきりという状況を規定しているのかと思います。二級でいいますと、十五号は外出不可。これ、してはならないものという規定ぶりからして、まるで結核療養のその時代のままではないかと思われる規定ぶりです。 二〇一九年、厚労省の調査で、障害等級別に、一人でできる割合、この実態を調査しておりますけれども、一級でも、移動三二%可能、排せつ四五%可能、入浴三三%一人でできると。二級で見ますと、移動が六二%一人でできる、排せつ八四%一人でできる。つまり、多くの障害者の実態と認定基準、これは乖離していると、そのまんまだという指摘をしたいと思うんです。 基本的事項の例示、本当古いと。基本的事項の例示については、例示に書いてあるということがそもそも認定されないという理由にもなっているんですよ。これは廃止し、認定基準を障害者の実態に合わせて抜本的に見直すべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(福岡資麿君) 議員御指摘の障害認定基準におけます例示につきましては、あくまで障害の状態の一例を示したものでございます。個々の障害者の置かれている状況は様々でありますことから、障害の程度については、個別の障害に係る認定基準により認定を行っております。 その上で申し上げますと、この認定基準につきましては、最新の医学的知見を踏まえ必要に応じて見直しを行ってまいりたいと考えています。
○倉林明子君 この例示が要るんですかということなんですよ。これ、規定されたのは一九六〇年ぐらいだったと思うんですけれども、弁ずることを不能ならしめるという表現ぶりからして、これ置いといたままにあることが、認定されないと、不支給になるということにもつながっているというのが、現場際で再審査、再申請した場合についてもこれ障害になっているという声があるからこそ申し上げているんですね。古いし、実態に合うてないし、こういう乖離というのは直ちに廃止の方向で見直していくべきだというふうに思います。不認定増える、不支給が増えるということにつながっているということを指摘したいと思います。 認定基準で更に見直すべきだというものが、疾患の診断種別、これで大きく認定状況に差があるという問題なんです。 これ、二枚目に入れている資料です。 全国心臓病の子どもを守る会が策定された資料です。これを見ていただきますと一目瞭然で、全体の認定の状況から見まして、明らかに呼吸器、循環器疾患で際立った認定率が低いという状況、これ続いているんです。 認定基準が医学モデルであり、異常所見検査が厳しいと、先天性疾患では出てこない所見が多いということを、この全国心臓病の子どもを守る会からも声が上がっております。 こういう認識、実態、疾患別で格差があると、認定に、こういう認識はおありでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金の認定に当たりましては、主治医の診断書のみならず、御本人や御家族が記載する申立書を基に、障害の状況や日常生活の影響等について、障害認定医の意見も踏まえながら、認定基準に当てはめ、個別に判断を行うこととしております。 この認定基準につきましては、障害の状態を適正、公平に判断できるように、障害の分野ごとに専門家による会合を開催し、医学的な知見を踏まえつつ策定したものであり、合理的であるとは考えておりますが、この認定基準につきましては、最新の医学的知見を踏まえ必要な見直しを行ってまいりたいと思います。
○倉林明子君 先天性の心疾患を持つ子供たちというのは、成人になっても根治することがないというんです。障害者雇用で就職できても一般雇用の人と同じ条件では働けないと、退職に追い込まれることも少なくないわけです。それでも年金は不支給が六五%と、出ているとおりです。体調を理由に働けていないという人であっても四割以上が非該当となっているんです。個別いろいろ状況聞きながら判断しているということなんだけれども、結果としてこういう結果がずっと続いているんです。 見直しを否定されませんでした。時代遅れの認定基準が説明の付かない不支給、納得できない不支給につながっていて、再審査も、障害年金一番多いですよね、再審査請求も。 本会議では不断に見直すと、今もおっしゃったとおりですが、答弁ありました。障害者権利委員会からの勧告も踏まえて、認定基準を医学モデルから社会モデル、人権モデルと、いわゆる社会生活を送る上での障害の程度というところですね、ここしっかり反映していくようなモデルに転換していくべきだと思うんですよ。これ、改めて答弁願います。
○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金につきましては、個人の心身の機能障害に着目する医学モデルか、社会における障壁に着目する、あっ、医学モデルか社会モデルかという二者択一ではなく、主治医が作成する診断書に加えて、本人や家族が記載する申立書を提出していただくことにより、機能障害のみならず、日常生活の状況等を詳細に把握した上で障害等級の認定を行ってございます。この具体的な障害認定基準につきましては、今後も様々な御意見を伺いながら不断の見直しを行っていきたいと考えています。
○倉林明子君 いつまでにやっぱりやっていくのかという見通しを持って進めていくべき課題だと思うんです。抜本的な見直し要ると思っているんだけれども、これ、入口なんですよね、障害年金の、認定されるか、非該当になるか、再申請ではこれ不支給になるかどうかということでいいますとね。だから、本当にそういう意味で納得できる認定基準になっていないんですよ。 で、現状、二者択一というお話しされましたけれども、二者択一を迫っているんじゃないんですよ。その病理モデルでは拾い切れない、こういう差も生まれていると。だからこそ、発展させるべきだと言っているんですよ。そこは踏まえて、時期もしっかり見通して、早急な見直しをしていただきたいと思います。 で、障害のある人の暮らしの実態どうかということなんですけれども、きょうされんが二三年に障害のある人五千八百九十一人に対して地域生活実態調査ということで調べておられます。八割が相対的貧困に置かれ、年収二百万円以下で暮らす人は九七・二%だったという結果に、私、本当に驚きました、改めて。生活保護の受給率で見ますと、全体との比較で七倍を超えているんです。年収が低いほど親との同居率が高いという結果も明らかになりました。 政府として、こうした障害者の生活実態をきちっと把握すべきだと思います。同時に、障害年金の引上げ、これ、今々の課題になっているということを認識すべきだと思うけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘がありました民間団体による調査についてはコメントを差し控えさせていただきますが、厚生労働省が行った令和四年生活のしづらさなどに関する調査におきましても、十九歳から六十四歳の障害者の方々の月収について、八万円以上十五万円未満が二三・〇%と最も多く、次いでゼロ円が一八・七%、次いで三万円以上八万円未満が一五・七%となっているところでございます。引き続き、こうした調査を通じて障害者の方々の生活実態の把握に努めてまいりたいと考えております。 その上で、この障害年金は、通常は加齢に伴って起こる稼得能力の喪失が現役期に障害状態となって早期に到来することに対応するものでございまして、老齢年金と同水準であることを基本としているものでございます。したがいまして、障害年金の給付水準のみを切り分けて考えることは難しいと考えておりまして、老齢、障害、遺族年金の制度全体で一体的に議論していく必要があると考えています。
○倉林明子君 現在の障害者年金は、障害のある人の社会保障上の権利と、こういう機能をしていないということは明らかだと思うんです。 少ない年金、少ない工賃で働く障害者が、給料が増えたら缶コーヒーを買いたいとおっしゃったと回答にありました。年金で足りない分を家族に支援してもらっていると、利用者アンケートに寄せられた声なんですね。求められる水準、これは親に依存せずに自立した生活が送れること、切望されております。 障害者年金の見直しは、これ、今回の先送りだけじゃないですよ。先送りされ続けているんですよ。制度上の喫緊の課題を解決することはもちろん、制度を抜本的に見直すために、当事者、専門家、これ集中した議論を今すぐ開始すべきだと、私、本会議でも質問しました。それに対して、論点整理をしていくんだという答弁でした。 じゃ、論点整理はいつまでに出していくのか。これ、論点整理しないと次に進まないという御説明でもあったかと受け止めましたけれども、いつまでに出すのか、そこをはっきりさせていく必要があると思います。どうでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 社会保障審議会年金部会では障害年金に関する広範な事項について議論されましたが、いずれの事項も、障害年金の目的であったり認定基準の在り方、他の障害者施策との関係整理などについて更なる議論が必要とされていたところでございます。 今おっしゃった、いつまでにとおっしゃいましたが、そのいつまでに整理ができるかということは予断を持ってお答えできませんが、その論点の整理であったりというのの着手は早く行いたいというふうに考えています。
○倉林明子君 速やかな着手をお願いしたいと思います。 障害年金の改革は待ったなしと、これ以上の先送りは許されないと指摘をして、終わります。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 制度は百年安心と政府は言うけれど、我々は不安ばかりです。代読お願いします。 失われた三十年という表現をよく聞きます。世界経済が成長し続ける中で、日本は経済成長を失速させ、私たちの賃金も上がらなくなってしまった、我々国民が苦しんだ三十年です。 通告なしですが、初めに福岡大臣に伺います。 この三十年間であなた方政府は大きなものを失いました。それは何でしょうか。福岡大臣の個人的見解をお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) ちょっと質問の意図がよく分かりませんので、お答えしかねます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 もう一度聞きます。代読お願いします。 失われた三十年という表現の中で、この三十年間で政府が失ったものが何であるかというところについて、福岡大臣の個人的見解をお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) ちょっとその私の個人的な見解ということについて申し上げることはあれですが、その三十年ということでいいますと、ちょうど三十年前に私は大学を卒業して社会人になったということでございます。よく就職氷河期と言われていますけれども、ちょうどバブルが崩壊して以降、非常にその厳しい経済状況が続いていた時期の中で私たちは生活をしてきたと、そういった状況だったというふうに認識をしています。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 政府への信用、そして将来への安心を失ったと思います。代読お願いします。 昨年夏、NHKは、厚生労働省の国民生活基礎調査で生活が苦しいと回答した世帯がその前年から八ポイント余り増え、五九・六%に上ったことを報じています。六割もの方が生活が苦しいと答えています。長期に苦しい生活を送りながら政府を信用し続ける人など、そういないでしょう。 資料一を御覧ください。 今年、世論調査会社イプソスが公表した幸福感調査では、世界の中で断トツで日本の人々は、人生は良くないし、良くなることはないと考えていることが分かります。こちらの調査は、世界三十か国、計二万三千人以上が参加し、日本からも約二千人が回答したそうです。 大臣、これは大問題です。経済というものは、信用や安心感といった心理的要素が大きな影響を与えます。生活が苦しく不安な状態で、消費が拡大し、景気が上向くはずがありません。長期間失われている信用や安心感を回復させるのは容易ではなく、大きな変化や長い期間が必要となります。大臣、三十年間も信用できなかった相手を再び信用できますか。それがどれだけ難しいことか、お分かりになるはずです。今回の年金改革法案は、いよいよその信用や安心感を回復させるチャンスだったんです。 しかし、残念ながら、マクロ経済スライドという仕組みは次回財政検証まで温存され、年金の底上げ案として基礎年金のマクロ経済スライド適用の早期終了の可能性が示唆されながらも、それは今のところ十年以上先のことです。年金の水準は、このマクロ経済スライドの適用により、物価上昇と見合わないことが確約されてしまっています。高齢者を含め貧困が広がり、低年金、無年金の方も多くいらっしゃる中で、抜本的な対策がないまま時を過ごすことになります。 それでは、大臣、通告のとおり、改めて国民年金法の第一条を読み上げてください。
○国務大臣(福岡資麿君) 先般の質疑で、大椿議員からのお求めで同じものを読んでいますが、お求めでございますので再度読ませていただきます。 国民年金法第一条には、国民年金制度の目的として、「国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」と規定されてございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 では、月二万円で国民生活の維持向上に寄与していると言えるでしょうか。代読お願いします。 国民年金のみに加入している方について、厚労省の事前回答によれば、受給資格期間が二十五年以上の方の平均年金月額は五万八千円、受給資格期間が二十五年未満の方の平均年金月額は何と二万円です。女性については、二十万人もの方が該当し、その平均年金月額は一万九千円です。これに対し、事前に総務省によって示された総務省家計調査二〇二四年の単身世帯一世帯当たり一か月の支出金額平均結果では、住居費を除いても十四万六千百七十四円との額になっています。持家がなければ更に支出は大幅に上がる可能性があります。 大臣、国民年金のみに加入している方の平均年金月額と単身世帯の平均消費支出額を比較してみてください。つまり、住居費を除いて約十五万円の消費に対して年金額が六万円を切ったり二万円だったりする現状に対し、国民年金法第一条の国民生活の安定が損なわれていることが起きていないと明確に言い切れるでしょうか、年金が健全な国民生活の維持及び向上に寄与できていると言えるでしょうか。大臣からお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) 老齢基礎年金を含めた公的年金制度はそれだけで老後の生活の全てを賄うものではございませんが、年金給付は高齢世帯の所得の約六割を占めておりまして、国民生活の維持及び向上に一定程度寄与しているものと考えています。 年金額は現役時代の保険料の納付実績を基にして計算されることから、個人によって基礎年金や厚生年金の額は様々であり、それぞれの年金額に現役時代に構築した生活基盤であったり貯蓄などと合わせて老後の一定生活を可能にするという考え方で設計をされています。こうした現行の仕組みは、健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とするという国民年金法の目的に沿ったものでございます。 その上で、様々な事情により低所得であったり無年金、低年金となっておられる高齢者の方々に対しましては、公的年金のみならず社会保障制度全体で総合的に支援をしていくことが重要でありまして、年金生活者支援給付金の支給などによりまして経済的な支援を行ってまいりたいと思います。
○天畠大輔君 代読します。 資料二を御覧ください。 厚生労働省には年金制度の仕組みという大変分かりやすいウェブページが用意されており、そちらにも公的年金は老後の所得保障の柱としての役割を果たしているとの記載があります。 住居費を除いても単身で約十五万円の生活費が掛かる時代です。基礎年金の絶対額が低過ぎます。老齢基礎年金が六万円を切ったり二万円だったりする現状に鑑みて、一体どの辺りを指して年金が老後の所得保障の柱と言えるのでしょうか。こんな頼りない柱で何が安定でしょうか。将来、所得の柱があると約束されているのなら、冒頭に示したとおり、どうして国民の六割が生活に困り、世論調査会社イプソスが示しているように、日本の人々は、人生は良くないし、良くなることはないなどと考えているのでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) お示しいただいた資料で、この老後の所得保障の柱ということを書いてございますのは、先ほども申し上げましたように、年金給付は高齢世帯の所得の約六割を占めておりまして、国民生活の維持及び向上に一定程度寄与しているという状況について書かせていただいているものと承知をしております。 その上で、この年金額につきましては、保険料のその納付実績を基にして計算をしてございます。ですから、そういう意味でいうと、その納付実績によって、所得が、低年金の方とかがいらっしゃる方も確かでございますが、そういった方々に対しましては、先ほども申しましたように、社会保障全体、社会保障制度全体で総合的に支援をしていくということが大切だと考えているということでございます。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 やはり柱の認識が違います。代読お願いします。 資料三を御覧ください。 こちらも厚労省ウェブページの説明です。実質的な価値が保障された年金を受給できるとあります。これはおかしくないでしょうか。少なくとも正確ではありません。 物価や賃金の上昇率から被保険者の減少率や寿命の延び率などを加味したマクロ経済スライドによる調整分を差し引く、それが現在の年金です。つまり、年金の給付水準は少子高齢化の傾向がある中において物価の伸びより抑制されます。 令和七年度に関しては、前年度の物価上昇率は二・七%でした。ところが、それより低い賃金上昇率二・三%からマクロ経済スライドによる調整分〇・四ポイントを差し引いた上で基礎年金を一・九%引き上げたとしているのです。しかし、物価上昇率と比較すれば、〇・八%分抑制されています。これは、国民からすれば実質的な目減りです。 厚労省が実質的な価値が保障された年金を受給できるとの説明は大うそになります。国民をミスリードしていると思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 毎年度の年金額の改定ではマクロ経済スライドによる給付調整を行っておりますが、これは将来の給付水準の確保のために長期的な年金財政の中で期間を定めて実施している措置でございまして、賃金であったり物価の変動に基づき年金額を改定することが基本であることから、そうした制度趣旨を紹介しているものでございます。 その上で、マクロ経済スライドが早期に終了し、賃金や物価に基づく本来の年金額改定が行われることは重要であると考えておりまして、政府といたしましては、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を目指すとともに基礎年金の給付水準の確保に努めてまいりたいと考えています。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 財政検証によれば、マクロ経済スライドの終了は十年以上先の見通しですよね。それでも大丈夫というのなら、国民に安心してくださいと言ってくれませんか、大臣。制度説明以外で答弁をお願いします。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、今回法案審議を行うに当たってお願いさせていただいているこの財政検証、昨年行いました財政検証では、女性や高齢者の労働参加の進展であったり好調な積立金の運用などによって、前回検証と比べて年金財政が改善したということが確認されたわけでございます。 一方で、この実質ゼロ成長の過去三十年投影ケースのような今後経済が好調に推移しない場合には、基礎年金のマクロ経済スライドによる調整が長期間に及び、将来的な基礎年金水準が低下する見通しとなることも明らかになったものでございます。 このマクロ経済スライドは、年金額が物価や賃金が上昇しプラス改定となる場合にその伸びを抑制するものでございまして、平成十六年の財政再計算以降、デフレ経済が続く中で想定どおり発動されなかったため、その分、将来にわたってマクロ経済スライド調整を継続する必要が生じたものでございますが、従来から申し上げておりますように、成長型の経済を志向するということの中で、できる限り早く、また今調整期間の一致も御議論いただいていますが、そういった措置によりまして一刻も早くこの調整期間が終えられるように取組を進めてまいりたいと考えています。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 この法案で国民は安心できるということですか、大臣。時間がないので、はいかいいえの二択でお答えください。
○国務大臣(福岡資麿君) まず、マクロ経済スライド等によって将来にわたってこの年金が給付される、そういった制度とさせていただいています。 その上で、今回、被用者保険の適用拡大など年金額の底上げ、今回また三党によって御提案いただいています調整期間の一致などによりまして受給水準を維持する、そういった措置が盛り込まれているというふうに認識をしておりまして、そういった意味では皆様方の安心につながる法案の内容になっているというふうに認識しております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 国民が安心できるために、国民の生活を見てください。代読お願いします。 新日本出版社の月刊経済において、社会保険労務士の吉田務氏が計算したところによると、二〇〇五年から現在までに物価が一三%上昇したのに対し、このマクロ経済スライドにより年金は四・四%しか上がっていないことが示されています。つまり、この二十年間の間に、年金は八・六%目減りしたと指摘されています。だから、老後の生活は物価と合わないと言われ、どんどん苦しくなっているのです。制度にばかり目が行き、生活者の実態が視野に入らなくなっているということを改めて指摘します。 今回の年金改革法では、年金の底上げが議論の的になりました。それは、二〇二四年の財政検証の結果を受けています。就業する人の数や賃金上昇のペースが鈍いと想定した過去三十年投影ケースにおいて、基礎年金の大幅な給付水準の低下をもたらす可能性があるとのことで議論がなされたものと認識しています。 大臣に改めて伺いますが、この大幅な給付水準の低下の要因をお答えください。要因にはマクロ経済スライドが含まれるかも教えてください。お願いいたします。
○国務大臣(福岡資麿君) 昨年の財政検証では、女性や高齢者の労働参加の進展や好調な積立金の運用等により、前回検証と比べて年金財政が改善したことが確認されました。 一方で、実質ゼロ成長の過去三十年投影ケースのような今後経済が好調に推移しない場合には、基礎年金のマクロ経済スライドによる調整が長期間に及び、将来的な基礎年金水準が低下する見通しとなることも明らかになったところでございます。 このマクロ経済スライドは、年金額や物価が賃金が上昇しプラス改定となる場合にその伸びを抑制するものでございまして、平成十六年の財政再計算以降、デフレ経済が続く中で想定どおりに発動されなかったため、その分、将来にわたってマクロ経済スライド調整を継続する必要が生じたものでございます。
○天畠大輔君 代読します。 平成十六年以降、デフレ経済が続いたことの責任は政府にあります。経済見通し想定を外したのも政府です。つまり、マクロ経済スライド調整を継続する必要性を生じさせたのも政府です。 今回の年金給付底上げ案というものは、その失策が誰の目にも明らかなくらいに露呈する際に、ようやく諸悪の根源であるマクロ経済スライドを終了させるという案なのです。国民の生活を考えたものではなく、失策を覆い隠そうとするものだとも考えられます。 事前に厚労省から回答された情報をまとめます。 将来の基礎年金の満額は、令和六年度財政検証で実質ゼロ成長を見込んだ過去三十年投影ケースの場合、二〇五〇年時点で月額約五・六万円、二〇七〇年度時点で月額約五・七万円となる見通し。所得代替率で見ると、二〇五〇年度で二七・六%、調整終了年度である二〇五七年度以降は一定で二五・五%となる見通し。また、仮に基礎年金のマクロ経済スライド調整の早期終了を実施した場合、二〇五〇年度時点の基礎年金は満額で月額約六・七万円、二〇七〇年度時点で月額約七・四万円となる見通し。所得代替率で見ると、調整終了年度である二〇三六年度以降、一定で三三・二%となる見通しとのことです。二〇二四年度の基礎年金の所得代替率は三六・二%です。マクロ経済スライドを早期終了しても、所得代替率は三ポイント低下します。 一般の国民視点では何が底上げなのか分かりません。政府も国会も、この法案が底上げ案だとどうして言えるのでしょうか。全ては政府の失策であること、今回の底上げ案でも所得代替率が低くなること、大臣はどう受け止めていますか。
○国務大臣(福岡資麿君) 公的年金制度におきましては、物価等の変動に応じて毎年度年金額を改定することを基本としながら、マクロ経済スライドにより年金の伸びを調整することで、将来世代の給付水準を確保しつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保しております。 基礎年金は、現役時代の所得水準にかかわらず一定額の年金を保障する全国民共通の給付でありまして、その給付水準を将来にわたって確保することは重要だと考えています。 このため、政府といたしましては、まずは成長型経済への移行を目指すとともに、今回の法案では被用者保険の適用拡大など基礎年金水準の向上に資する事項を盛り込んでいるところでございます。 今後の社会経済情勢の変化も見極めた上で、次の財政検証の結果も踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えています。
○天畠大輔君 代読します。 成長型経済に移行しなければならないことは大前提です。今回の底上げ案は、成長型経済に移行できなかった場合の給付水準低下への対処であり、その場合、底上げ案をもってしても十分な所得代替率を確保できない見込みを問題視し、指摘をしました。 ここで、青山学院大学の申惠ボン教授の指摘を紹介したいと思います。 資料四を御覧ください。 雑誌「現代の理論」のウェブサイトにおいて、次のような主張がなされています。 日本は、一九七九年に国連社会権規約を批准しており、社会保障や教育の権利などの実現に向けては利用可能な資源を最大限利用して施策を行う義務を負っているにもかかわらず、防衛費増大の一方で、社会権規約上の義務を踏まえた人権の視点が予算措置において全く見られない。日本は社会権規約違反のそしりを免れることはできない。このように批判をしています。 社会保障を所管する大臣として、この批判をどのように受け止めていますか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘の見解の具体的な内容については承知をしておらず、個々の研究者の見解に対するコメントは差し控えたいと思います。 その上で、我が国の公的年金制度は、憲法第二十五条第二項に規定する理念に基づき、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定が損なわれることを国民の共同連帯によって防止し、健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的としており、一九七九年に国連の社会権規約を批准した際も当該規約に整合的な制度として整理され、現在においてもその整理は維持されていると承知をしております。
○委員長(柘植芳文君) 天畠君が発言の準備をいたしておりますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君 いいえ、整合的との認識はずれています。代読お願いします。 繰り返しますが、単身世帯の一月の消費支出が約十五万円のところ、基礎年金の給付実態が六万円だったり二万円だったりすることは、国民年金法の目的と整合が取れていません。また、このような悲惨な状況を見過ごし、一方で多額に防衛予算を積み増しする状況が社会権規約違反だというのです。 二〇二五年度の防衛予算案は過去最大の八・七兆円とされています。僅か五年間で年間防衛費が三兆円も増えています。三兆円あれば、一千万人に年間三十万円提供できる計算です。もし、基礎年金のみしか受給できていない人を仮に五百万人とすれば、その方々に月に五万円提供することすらできます。こうしたことこそが、あるべき年金の底上げではないでしょうか。 なお、全日本年金者組合では、今年度にマクロ経済スライド適用を即刻終了した場合に今年一年で必要となる額を約四千四百億円と見積もっていました。三兆円あれば、この四千四百億円も十分に賄えたのです。 以上から、マクロ経済スライドを即刻終了することもできるはずですが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 公的年金制度においては、物価等の変動に応じて毎年度年金額を改定することを基本としながら、将来世代の負担が過重にならないようマクロ経済スライドにより長期的な給付と負担のバランスを確保することで、将来にわたって持続可能な仕組みとしています。 仮にマクロ経済スライドを行わないこととした場合には、その分、将来世代の年金の給付水準の低下につながることとなりますため、現行の仕組みの下で確実に給付を行っていくことが重要だと考えています。 なお、御提案の防衛費を削減して年金給付の財源とすることにつきましては、他の省の予算に対して厚生労働大臣として申し上げる立場にはございません。
○天畠大輔君 代読します。 まとめます。 年金制度について国民の生活実態と余りに懸け離れた議論がなされていることに強く抗議をしますとともに、国民年金法第一条と国連社会権規約の理念を守れと改めて申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(柘植芳文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十一分散会
この記録を確かめる
S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #526 観測 2026-06-06 05:47 JST改ざん検知用の値
6d64e570…390f7c(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #1854 まで
- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
- まとめの値
- 57ef6754…cd6246
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。