令和七年五月十四日(水曜日) 午後一時開会 ───────────── 委員の異動 五月十二日 辞任 補欠選任 小野田紀美君 岩本 剛人君 伊藤 孝江君 杉 久武君 高橋 次郎君 新妻 秀規君 嘉田由紀子君 石井 章君 伊藤 孝恵君 浜口 誠君 五月十三日 辞任 補欠選任 太田 房江君 山下 雄平君 田中 昌史君 森 まさこ君 羽田 次郎君 川田 龍平君 青島 健太君 山口 和之君 石井 章君 松沢 成文君 柳ヶ瀬裕文君 中条きよし君 五月十四日 辞任 補欠選任 赤池 誠章君 梶原 大介君 岩本 剛人君 藤井 一博君 酒井 庸行君 白坂 亜紀君 豊田 俊郎君 長峯 誠君 川田 龍平君 羽田 次郎君 村田 享子君 石橋 通宏君 中条きよし君 金子 道仁君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 片山さつき君 理 事 越智 俊之君 藤川 政人君 藤木 眞也君 青木 愛君 窪田 哲也君 山口 和之君 委 員 赤池 誠章君 岩本 剛人君 梶原 大介君 白坂 亜紀君 末松 信介君 高橋はるみ君 柘植 芳文君 豊田 俊郎君 長峯 誠君 西田 昌司君 藤井 一博君 森 まさこ君 山下 雄平君 和田 政宗君 石橋 通宏君 大椿ゆうこ君 川田 龍平君 古賀 之士君 羽田 次郎君 杉 久武君 竹谷とし子君 新妻 秀規君 金子 道仁君 中条きよし君 松沢 成文君 竹詰 仁君 浜口 誠君 仁比 聡平君 国務大臣 外務大臣 岩屋 毅君 防衛大臣 中谷 元君 副大臣 財務副大臣 横山 信一君 経済産業副大臣 古賀友一郎君 事務局側 常任委員会専門 員 小松 康志君 政府参考人 内閣官房内閣審 議官 岡 素彦君 警察庁長官官房 審議官 石川 泰三君 外務省大臣官房 長 大鶴 哲也君 外務省大臣官房 外務報道官 北村 俊博君 外務省大臣官房 審議官 松尾 裕敬君 外務省大臣官房 審議官 大河内昭博君 外務省大臣官房 審議官 熊谷 直樹君 外務省大臣官房 審議官 高橋美佐子君 外務省大臣官房 審議官 長徳 英晶君 外務省大臣官房 参事官 渡邊 滋君 外務省大臣官房 参事官 三宅 浩史君 外務省領事局長 岩本 桂一君 財務省主計局次 長 前田 努君 経済産業省大臣 官房審議官 浦田 秀行君 資源エネルギー 庁資源・燃料部 長 和久田 肇君 防衛省大臣官房 長 萬浪 学君 防衛省大臣官房 施設監 茂籠 勇人君 防衛省防衛政策 局長 大和 太郎君 防衛省整備計画 局長 青柳 肇君 防衛省人事教育 局長 青木 健至君 防衛省地方協力 局長 田中 利則君 防衛装備庁装備 政策部長 坂本 大祐君 防衛装備庁プロ ジェクト管理部 長 嶺 康晴君 防衛装備庁調達 管理部長 藤重 敦彦君 説明員 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 山崎 健君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 長森浩一郎君 会計検査院事務 総局第二局長 岩城 利明君 参考人 独立行政法人国 際協力機構理事 長 田中 明彦君 独立行政法人国 際協力機構理事 廿枝 幹雄君 独立行政法人国 際協力機構理事 大場 雄一君 独立行政法人国 際協力機構理事 小林 広幸君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○令和五年度一般会計歳入歳出決算、令和五年度特別会計歳入歳出決算、令和五年度国税収納金整理資金受払計算書、令和五年度政府関係機関決算書 ○令和五年度国有財産増減及び現在額総計算書 ○令和五年度国有財産無償貸付状況総計算書 (外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の部) ─────────────
決算委員会
発言 246
○委員長(片山さつき君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の御異動について御報告をいたします。 昨日までに、嘉田由紀子さん、高橋次郎さん、伊藤孝江さん、小野田紀美さん、伊藤孝恵さん、青島健太さん、田中昌史さん、柳ヶ瀬裕文さん、羽田次郎さん、太田房江さんが委員を辞任され、その補欠として新妻秀規さん、杉久武さん、岩本剛人さん、浜口誠さん、山口和之さん、森まさこさん、中条きよしさん、松沢成文さん、川田龍平さん及び山下雄平さんが選任されました。 また、本日、村田享子さん及び酒井庸行さんが委員を辞任され、その補欠として石橋通宏さん、白坂亜紀さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(片山さつき君) 続いて、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の御異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山口和之さんを指名いたします。 ─────────────
○委員長(片山さつき君) 令和五年度決算外二件を議題といたします。 本日は、外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算について審査を行います。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋です。 月曜日に続きまして質問に立たせていただきます。 時間ありませんので、早速質問に入らせていただきたいと思いますが、今日はまず、ODAに、国際協力に関連して外務大臣中心に、あと、今日、JICAの理事長にもおいでをいただいておりますので、併せてお聞きしたいと思います。 昨年の決算委員会でも、当時の外務大臣、上川大臣にいろいろとやり取りをさせていただきまして、そのときにも御答弁をいただいておりましたが、一年たった現状についてのフォローも含めて外務大臣にお聞きしてまいりたいと思うのですが。 御存じのとおりで、実はミャンマーでは四年数か月前に軍事クーデターが発生をし、この四年数か月、国軍が国民に対して武力、暴力の行使、数多くの命が失われて、三百五十万人以上の国内避難民が発生をするという、国民の約四分の一が貧困、飢餓状態に既に陥っているという国連の推計もあるぐらい、極めて深刻な状況になっております。 そんな中で、三月二十八日にミャンマー中部で大地震が発生をいたしました。ザガイン、マンダレーを震源とする大地震で、ザガインでは建物の八割が倒壊、崩壊すると。もうほとんどの住民が避難を余儀なくされているという極めて深刻な状況です。 既に外務省、それからJICAの方でも緊急の支援活動を展開していただいておりますが、既にその中身については資料の一に、皆さんにも共有させていただいておりますが。 今日、外務大臣に改めてお聞きをしたいのは、こうして日本からの支援も、JICAの皆さんを含めて対応していただいているのですが、この震源となったザガインというのは、そもそも民主派がコントロールしている地域が大宗の地域でありまして、このクーデター下でずっとこの四年間、もう国軍がザガイン地域には空爆、焼き討ち、攻撃を繰り返してきた、そういう地域なんです。 そこで地震が発生して大きな被害が出てしまったので、こういう国際社会からの支援に対しても、国軍が、自分たちがコントロールしているところには支援入れるんだけれども、民主派が支援している地域は全部差止めをして支援が入らない、支援隊も入ることができないという状況が現地から報告を受けております。 大臣、日本からの大切な大切な日本国民からの被災地への支援、これ、被災されたのはみんな被災されているわけですから、そういう皆さんにも支援を届けていただかなければなりませんが、外務省としてどのような工夫をして、そういう国軍が妨害をしているような、民主派の皆さんがコントロールしている地域にも多くの被災者がおられる中で、どのようにして支援物資を、支援隊を届けていっておられるのか、そのことについて御説明いただけないでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 日本政府は、ミャンマーにおけるこの度の甚大な地震被害を踏まえまして、苦難に直面するミャンマー国民を支えるとの一貫した方針の下に、ミャンマーの人々に直接裨益する、そういう人道支援を追求して実施をしてきております。 もう委員御案内のとおり、これまで、緊急援助物資の供与、国際緊急援助隊医療チームの派遣、医療資機材等の自衛隊機による輸送を実施するとともに、国際機関を通じて六百万ドルの緊急無償資金協力を決定をしております。さらに、被災地域の学校へ給水タンクやテントなどの緊急支援セットを供与したほか、JICAが防災などの専門家チームを派遣して、現地の被災状況や支援ニーズの調査を行いました。 人道支援のアクセスが難しい地域であることは事実でありますけれども、こういう支援が一人でも必要とする人に届くように、国際機関のみならず、日本や現地のNGOとも連携しながら、今支援を行っているところでございます。 JICAの調査チームが行って復旧復興のニーズを今確認をして精査をしているところでございますので、そういったものに基づいて、引き続き、直接ミャンマーの人々が裨益できるような支援を実施してまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 この点、後でもう一回戻って触れたいと思いますけれども、今日は、せっかくJICA理事長来ていただいております。 JICAも既に専門家チームを派遣をしていただいたり、今大臣からも答弁ありましたけれども、それは、JICAのチームは、先ほど申し上げたザガインの民主派が差配されている、責任持って所管されている地域にも入れているんでしょうか、そこでも支援ニーズのチェック、確認ができているんでしょうか、それだけちょっとお答えいただけないでしょうか。
○参考人(田中明彦君) 今、石橋先生が御指摘のように、JICAの専門家チーム派遣しておるところでございますけれども、具体的に今どの地域に行けるかどうかということについては、この場ではお答えを控えさせていただければと思いますが、できる限り現地の必要が分かるような形で、これまでの、日本がミャンマーに対する支援というのはいろいろ行ってきておりますけれども、その人的ネットワーク等を通して、できる限り広く被災状況を確認してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○石橋通宏君 JICAがお持ちのネットワーク、これまで築き上げてきていただいた、これ極めて大事です。ただ、かねてから指摘していますが、じゃ、JICAがどれだけいわゆる民主派の皆さんとのネットワークを築かれてこられたのかという点は極めて疑問です。この点が、こういったときに大切なネットワークが欠けているのではないかと指摘せざるを得ません。 先ほど外務大臣が、国連機関経由、このクーデター下でも、国連機関経由でこの間るる支援を提供していただいてきました。本当に重要な支援だと思っておりますが、我々も国連機関の皆さんとはずっとやり取りをしています。残念ながら、国連機関の皆さんも、今、ミャンマー国内では、やはり国軍の差配の下でしか活動できないのです。国軍差配の地域にしか物資が届かないという現実も我々聞いております。だから、それだけでは駄目だということで、この間、外務省の担当の皆さんともずっとやり取りをさせていただきました。 是非、外務大臣、改めてこの問題共有いただいて、いかに、さっきまさに言っていただいた、寄り添って支援が必要な方に支援を届けていくんだというところをどう実行していくのか、後でもう一回戻りますけれども、そのことを共有いただければと思います。 先ほど学校への給水云々言っていただきましたが、本当、僕は憤りしか感じないのですけれども、国軍は、この震災があって以降も、この四年間もずっと空爆、焼き討ちを繰り広げてきたわけですが、この大震災があってそれ以降、この被災地、ザガイン地域に対して空爆を続けています。 資料二、これほんの一部の新聞報道を抜かせていただきましたが、この真ん中の下の中心に置いている、これつい月曜日、国軍がザガインの学校を空爆しました。二十人の子供が死にました。二人の先生も死んでいます。五十人ぐらい負傷していると伝えられています。 外務大臣、こういった報告受けておられるでしょうか。受けておられたら、これ聞いてどう思われますか、外務大臣として。
○国務大臣(岩屋毅君) 報告は子細に受けております。 国軍によるこういう無辜の民に対する攻撃については強く非難をしたいというふうに考えております。
○石橋通宏君 これ、絶対に許されてはならない重大な人道危機、僕は犯罪だと思います。中谷防衛大臣も、国際人道・人権問題、一緒にいろいろやらせていただいておりますので、この思いは共有いただけるのではないかと思います。 是非その、外務大臣、今御答弁いただいたこと、行動でもお示しをいただきたいということは重ねてお願いをしておきたいと思います。本当に許されない行為だというふうに言わざるを得ないと思います。 資料の三にも、このクーデター下で、もう本当に残念ながら、もう月々死者が増えて、逮捕、拘禁、拘束、拷問、そしてどこに行かれたか分からない行方不明者、もう本当に増えてしまっております。こういうことを繰り返してきて、そしてこの大震災の被災地、被災者に対して空爆をする、本当、許されないです。 ところが、ちょっと資料の四、これ外務大臣、これも報告を受けていただいていると思いますが、笹川陽平氏、ミャンマー国民和解担当日本政府代表、これ、政府、外務省が任命をしてこの任に当たられているというふうに理解をしております。任期がないので、いつまでたってもその任にあられるというふうに聞いておりますが。 震災後ですよ、こうして国軍が被災地に対する空爆、虐殺行為を続けている中で、笹川氏、この首謀者たる、責任者たるミン・アウン・フライン国軍司令官に対して直接面会をして、そして巨額の支援物資の提供をこうしてにこやかに渡されております。現地の報道にも取り上げられ、まあ、任が日本政府代表ですから、向こうは日本政府からの支援だといって報道しますよね、それは。 外務大臣、これは日本政府御承知で、日本政府の代表なんですか。その任でこういうことをされているんですか。外務大臣も承知されていて、容認されているのでしょうか。これについてどういう見解をお持ちか、是非御説明、ミャンマー国民の皆さんは憤っておられますので、改めてここでお聞きをします。
○国務大臣(岩屋毅君) 日本財団の会長である笹川陽平氏が、三月二十八日にミャンマーで発生した地震に際し、同財団としての支援の実施の調整を行うために四月二日からミャンマー入りし、ミン・アウン・フライン国軍司令官とも会談して、日本財団からの支援等を説明したということは承知をしております。 したがって、委員が今御指摘された今回の笹川氏の訪問は、国民和解担当日本政府代表の立場としてではなく、あくまでも日本財団の会長として行われたものであるというふうに承知をしております。
○石橋通宏君 これ、今回に限らないのです。外務大臣も、御就任されて以降、報告を受けておられると思いますが、この四年数か月にわたるクーデター下で、先ほど申し上げた、これだけ多くの市民が殺されている中で笹川氏は何度となく国軍司令官と面会をされ、そしてそのお立場で、これ聞くたびに、外務省は、いや、それは財団の、日本財団の立場で行かれているものだと、でも、現地の報道は、日本政府代表として報道されるわけです。 もう、であれば、日本財団としてやられることをとやかく言えないのかもしれませんが、であれば、この日本政府代表をすぐに退いていただくべきではないですか、外務大臣。
○国務大臣(岩屋毅君) 繰り返しになりますけれども、今回の氏の訪問は日本財団会長としてのものであると承知をしております。その立場は、必ずしも日本政府の立場と一致しないこともあります。 私が就任直後にこれまでの経緯を聞いて指示をしたことは、その日本政府代表という名称で訪問する場合は、外務省としっかりと連携を取って、私どもの考えに沿った行動をしてもらわなければ困るということは御当人に伝わっていると思います。
○石橋通宏君 大臣、今大事な答弁いただきました。日本政府の立場とは相入れないのであるということをおっしゃった。おっしゃった場合もある行為をされていることは今お認めになった。とすれば、やっぱり日本政府の立場と相入れないことをされることがある方を引き続き日本政府代表として任命し続けるというのは、しかも、任期ないので、解任されない限りはずっとこの任にあられると。そして、重ねてやられるたびに、日本政府代表という肩書が現地の国軍系メディアに引用されて宣伝に使われているという、これゆゆしき事態だとお思いになりませんか。お思いになるのであれば、これ再考された方がいいと思います。この機に強く、大臣、お願いをしておきたいと思います。これ、繰り返されることになります。 その上で、こういった本当に残念な状況が続いておりますけれども、資料の五、資料の六に、このクーデター発生以降も、外務省は、あとJICAの皆さんも、厳しい状況の中でということはあるのかもしれませんけれども、新規のODA供与は停止をされたのですが、既存のODA事業は一部続けておられます。 昨年もバゴー橋の問題等取り上げさせていただきましたし、バゴー橋事業は、開通式に、これまた日本からの支援でバゴー橋が開通したとミン・アウン・フライン国軍司令官が宣伝に使っておりますが、これも日本からの支援で完成したということになって、国軍のプロパガンダに加担をしてしまっております。 大臣、これも大臣も重々御報告を受けておられると思います。今のミャンマー情勢で国軍が支配している中で、国軍系企業が基本的には経済を完全に牛耳っています。ミン・アウン・フラインのファミリービジネスもお聞きになっていると思いますが、主要企業は基本的にミン・アウン・フラインの家族が差配をしていると。つまり、今いろんな日本からの公的な支援、官民投融資も含めて、これ国軍系企業の関与なくにはできないのが実態なんですよ。であれば、日本がこうして、いや、支援だ支援だ、でも、それが結局国軍に流れ、その国軍に流れた資金が、一円たりともですよ、国民を殺す、虐殺するための武器、弾薬に使われていたとしたら、これ絶対あってはならないというふうに私は思います。大臣、どう思われますか。 この実態、私は何度も、外務省、JICAには、ちゃんと把握をして調査をして、一旦事業を止めて把握をして、本来、今、日本国民からの支援に使うべきは、重ねて人道支援に是非使っていただきたいということをお願いしてまいりましたが、いまだに既存の事業が止まっておりませんが、外務大臣、改めてこれ、一旦立ち止まって調べ直して、そして人道支援こそやるべきではないでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 言うまでもないことですが、この国軍による政権というのを私どもは認めていないわけでございます。我が国としては、この国軍が主導する体制との間で新規ODAは行わないということとしております。 その上で、そこには生きとし生けるミャンマー国民がいらっしゃるわけでございますから、この苦難に直面するミャンマー国民を支えるとの一貫した方針の下に、国民に寄り添い、直接裨益するという人道支援を目標にしっかり実施をしていく方針でございます。 クーデター以降、国際機関やNGOなどを経由して、合計約一億九千万ドルの人道支援を実施をしております。これらの支援に加えまして、クーデター前に国際約束を締結した病院や職業訓練学校の整備などの既存のODA事業は、ミャンマー国民の生活向上や経済発展に貢献することを目的としたものでございますので、いずれも国軍主導の現体制を支援するという目的のものではございません。 これらの既存案件については直ちに停止する措置は取ってきておりませんが、ODA事業者の意向等も聞きつつ、個別に適切に対応していきたいと考えております。
○石橋通宏君 これもう常套句で、外務省は、いや、これ、元々決めたのはクーデター前だとおっしゃる。でも、クーデターで全て国軍はそれをぶち壊したわけです、約束破ったのは国軍側ですから。それを、今の国軍支配体制の下で、国軍は、重ねて自分たちの利益、自分たちの権力、自分たちの支配、それを強めるためのプロパガンダも含めて使っている中で、それを、いや、それ前に約束したからって、なぜ日本政府が国軍の支援の一環になってしまうような行為を引き続き繰り返しているのか。それは、外務大臣、改めて認識は変えられた方がいいというふうに強く私たちは思います。 この問題、重ねて、多くの市民団体、民間団体の皆さんも含めて、外務省に再考を促す申入れをされております。外務大臣のところにも届いていると思いますので、引き続きこの問題はまた取り上げていきたいと思いますが、是非、外務大臣、改めて実態についてきちんと理解をされ、そして再考していただくようにお願いしておきたいと思います。 その上で、先ほど来、外務大臣も、ミャンマー国民の皆さんを支えるのであると、直接裨益をする支援をするのであると言っていただきました。重ねて、先ほど、大地震の被災地への支援も民主派が支配しているところには届かないのだ、邪魔されているのだという話をさせていただきました。 この間もずっと外務省とも本当にやり取りをさせていただいて、一定の御努力はいただいておりますが、結局、先ほど、もう三百五十万人以上の国内避難民と言われています。国境を越えていわゆる非正規状態で逃げられている方ももう何人おられるか分からないぐらいになってしまっていますが、こういう国内にとどまって避難されている皆さんの圧倒的多数は、少数民族が支配、差配する地域、そこは安全ですので、そこに逃げ込んでおられるわけです。 つまり、外務大臣、そこには正規ルートでは支援届かないんです。ヤンゴンからの国内ルートでは支援は届きません、国軍が許しませんから。とすると、大臣が言っていただいた、国民に寄り添って、支援が必要な方々に、そして支援物資を届けるのだと言っていただいた場合には、別のやり方でやらないと届かないんです。それはもう国境を越えて届けるしかないんです、それが唯一のルートですから。 この間も多くの市民団体が、時には危険を冒しながらも、国境を越えた物資の輸送を懸命にこの四年数か月やられています。日本の在ミャンマー人コミュニティーの皆さんも、毎週毎週募金活動に立って、そしてそのかけがえのない支援をそういった皆さん経由で届けて、国境越えで支援届けていただいています。 大臣、大臣がここで答弁いただいたことをやっぱり今こういう本当に厳しい状況の中で実行、実践していただくためには、より日本政府としても、そのNUG、ミャンマー国民統一政府ですとか少数民族組織ですとか、彼ら系のNGO、NPO、市民団体ですとか、そういった方々と連携協力をして、そして避難されている方々に、正規ルートでは届かない方々に日本国民からの支援を届けていただかなければならないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) それは非常に大切なことだと思っております。少数民族組織とも担当の者が連絡を取っておりますので、できるだけその地域に支援が届くように、国境を越えての支援、もちろん危険が伴うということもありますので強要はできないわけでございますけれども、そういうルートも含めて、できるだけその少数民族の皆さんがいらっしゃる地域に支援がしっかり届くように、これからも努力をしていきたいと思っております。 一方で、国軍側に対しても、安全で阻害されない人道アクセスというのを認めるように、これも働きかけていかなければいかぬというふうに思っております。
○石橋通宏君 ただ、国軍が、はい、そうですかと言わないので、それはもう重々外務大臣も御存じのとおりです。 この間、現場の皆さんにも努力をいただいて、様々工夫を凝らした支援やっていただいておりますし、私も、昨年まで三年連続して国境地帯の、タイ側しか行けませんが、入って、現地の皆さんと、少数民族の皆さん含めてやり取りをさせていただいて、外務省にもつながせていただいておりますので、是非、外務大臣、今日答弁いただいたことも含めて、また現場の皆さんとやり取りさせていただきたいと思いますので、また御指示いただければと思います。 その上で、この間、人道的な例えば食糧支援ですとか衛生用品、そういったものは引き続き支援が必要なのですけれども、もう四年以上になり、引き続き、これだけ空爆も続いている中で、極めて深刻な、かつ支援ニーズが出てきているのは、昨年のこの委員会で取り上げさせていただきました。 一つは、地雷がもうおびただしい数埋められておりまして、これ残念ながら、国軍が埋めて逃げる、そして少数民族側もやむを得ず埋めてしまうということで、先般も、ミャンマーが今地雷、対人地雷関係では極めて深刻な国の一つになってしまっているという報道もなされています。 市民が戻ろうと思っても、地雷が埋まっているので戻れない。戻って、そして被害に遭うというのがもう相次いでいます。ですので、この地雷除去の支援を、日本、これまで多数の経験がありますので、実績が、是非その地雷除去の支援をお願いできないか。昨年、上川大臣からは前向きな答弁もいただきました。 あわせて、これまた残念ながら、その被害によって、あとは国軍の武力行使によって障害を負ってしまっている若者、子供も後を絶ちませんので、義肢、義足等装具品の支援も、これ実はもう既に現地のメーソットのメータオ・クリニック経由で支援を開始していただいておりますが、数が全然足らないので、その支援の拡大も、これまた昨年の上川大臣の答弁でいただきました。 改めて岩屋大臣にも、この大きな、市民のこれからの暮らし、再建含めて支援していくために、日本からの支援で、本当に必要な支援の一環だと思います。地雷除去、そして義肢、義足等装具品の支援、これ是非、今後更なる展開をお願いしたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 御指摘のとおり、地雷の被害が多く発生しているということを深刻に憂慮しております。 昨年五月の決算委員会、ここにおける委員からの御指摘も踏まえまして、令和六年度補正予算によって、ミャンマーにおいてNGOや国際機関を通じた義肢、義足等の装具の提供や地雷回避教育を実施しております。 この難民を助ける会が実施をしている約三千九百万円のこの補装具の提供などの事業、それから、国連プロジェクト・サービス機関、UNOPSが実施団体の約二・二億円の、これは、水、衛生、医療施設のみならず、地雷回避教育の支援を実施するプロジェクトなどを実施をしておりますが、今後も、決して簡単ではないんですけれども、現地のニーズも踏まえて、引き続き、更にこの分野でどういう支援が可能か、しっかり検討していきたいと考えております。
○石橋通宏君 これまでも一定取組をいただいていることは我々も報告を受けておりますが、重ねて、今やっていただいていることは、やっぱりどうしてもその国軍が中心的な地域にしかできない。私は、重ねて、少数民族地域でやらなければいけない。そうすると、そういったチャンネルを使っての対応が必要になってくるということも含めて、今後も是非また担当の皆さんともやり取りさせていただきたいと思いますので、大臣からまた御指示をお願いしたいと思います。 この件については、まだいろいろあるんですけど、最後に、JICAの理事長にも改めて、今るる申し上げました、三百五十万人以上に及ぶ避難民の皆さんに支援を届ける、そして今申し上げた、こういった地域で若者が手足を失ってしまったり、どうやって再建していこうか、こういった支援も、私、JICAのこれまでの経験、実績を踏まえてできる重大な役割だと思っておりますが、こういう国境越えの支援、若しくは国境外のサイドから、例えばタイだとかインドとか、そういうところからJICAがプロジェクトを考案していただいて、そしてミャンマーのそういった支援が必要な方々に対する支援する。 これ、JICA、できないですか。やっていただけないでしょうか。
○参考人(田中明彦君) 現在のミャンマーの状況については、先ほど岩屋大臣がおっしゃった認識を私どもも共有しておるところでございますし、紛争が激化する中で、人間の安全保障の観点から、そういった地域への支援の重要性というのは深く認識しておるわけでございます。 その場合に、先ほど申し上げましたように、今現地でも調査をやっておりますし、それから、JICAの現地事務所の職員、これもミャンマー人でございますが、こういう職員の意見もよく聞きながら、どういう形で事業を進めるのがいいか、国際機関との連携というのはもうこれまでもやっておりますけれども、その国境越えの現地NGO等との協力関係というのも、日本政府とよく相談しながら検討してまいりたいと思います。
○石橋通宏君 JICAの担当の皆さんともまた引き続きやり取りさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 JICA含めて、その他まだあるのですが、今日は時間がありませんので、残された、済みません、質問については、別途ODA特別委員会等でまたやらせていただきたいと思いますので、JICAの皆さんはここまでで結構です。委員長、お取り計らいお願いします。
○委員長(片山さつき君) 田中JICA理事長ほか御関係の方は御退室をいただいて結構でございます。
○石橋通宏君 残りの時間で防衛関係やらせていただきたいと思います。 この間も何度となく、辺野古の基地建設事業の課題、問題点については、我々の立場でいろいろ質疑をやり取りをさせていただいてまいりました。 今日、改めて確認をさせていただきたいのは、資料の十、十一、それから十二でるる取り上げさせていただいておりますが、かねてから、既にこの辺野古の基地建設については膨大な予算がこれまでにも投入されておりますし、今の進捗状況を考えれば、これからさらに、膨大な予算、国民の税金を原資とする予算投入していかないといけなくなるのではないかと。しかし、政府は相変わらず、二〇一九年に公表された九千三百億円ということで、新たな試算なりを責任持ってやろうとされておりません。 資料の十二にあります、これは沖縄の現地紙が推計した、今でざっと見積もっても既に九千三百億円どころじゃないと、一・二兆円は少なくとも掛かるであろうと。 今はもう、言うまでもなく、これだけの物価高騰が続いている。人件費の高騰、いや、我々、賃金上げてくれと言っているわけですから、さらに、賃金関係、人件費関係も上がっていくのは当然上がっていくことになろうかと思います。そういったことを勘案すると、とてもじゃないけれども九千三百億円どころじゃない。いや、中谷防衛大臣も、それはもう当然認識をされていると思います。 ここで一旦、本当にこれ幾ら掛かるのかと、今までの進捗状況、これから難関の、皆さんがやろうとされている大浦湾の埋立事業を含めて考えれば、相当な積み増しが必要だと思います。 大臣、ここで一旦立ち止まって、きちんとした試算出して、それを国民の皆さんに説明して、本当にこれやるのか、それ説明されたらいかがでしょうか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(中谷元君) 現在、大浦湾の埋立てを中心に工事が進んできております。この事業費につきましては、既に経費の概略を出しておりまして、当時の工事の進捗状況を踏まえまして九千三百億円とお示しをしたところでございますが、この経費の概略につきましては、その時点での検討を踏まえたものでありまして、今後の検討につきましては変更があり得るというふうに考えております。 その経費の概略については、この工事の進捗等を踏まえつつ検討する必要があるということで、今後の大浦湾側の工事の進捗踏まえて検討してまいるということでございます。
○石橋通宏君 いや、検討してまいるじゃなくて、大臣、一旦立ち止まってきちんとそれを出してから、国民の皆さんにそれを、そして県民の皆さんにそれをちゃんともう一回問うべきだというふうに申し上げているわけです。 代執行で大浦湾の埋立事業が強行的に開始をされました。県民の皆さんが引き続き反対をされている中で代執行という手段を使われた。私たちは、地方自治の観点からも極めて深刻な問題だと思っておりますけれども、昨年、その代執行で工事が始まってから、これ大浦湾のいわゆる九十メートル級の超軟弱地盤があると指摘をされてきたそのB27地点付近で、土質調査を防衛局がやられていると。我々、この間、ずっとそれを、情報を全部出してくれと、一体何でこのタイミングでまた土質調査、何を目的に、どこでどういう形でやっておられるのか、その事業費が幾らでって聞いているんですけど、大臣、一切何も出てこないんですよ。これってありですか、大臣。 我々、今日、これ決算委員会です。国の大事な国民の予算がどう使われたのか、使われているのか、適切なのか、そういったことも含めて、我々、決算委員会、そして予算委員会で責任持って審議をさせていただいております。その下に資料提供をお願いしているのですけれども、出てこないのです。 大臣、改めてこれしっかりと、何を目的に、幾ら掛けて、そしてその調査報告一体いつ出すのか含めて報告いただけないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この経費の概略につきましては、工事の進捗等を踏まえつつ検討する必要があることでありますので、この工事の進捗等を踏まえて検討していくということで、今後、工事計画においては、工事の進捗、現場の状況、気象、海象、警備、米軍のやり取りなどを踏まえて、更に綿密なものとするために不断の検討を行っているわけでございます。今後、更に具体化された工事計画に基づいて慎重に見極めてまいりたいと思っております。
○石橋通宏君 時間が来ましたのでもうこれで追加の質問はしませんが、大臣、これ、事業をやられていることは、既に発注されて事業契約をされているんです。その事業契約をされた事業費を教えてくれといって、それが出せない。いや、これから、詳細、そんな契約がありますか。そんな予算の使い方がありますか。これは極めて重大な深刻な問題だということは指摘せざるを得ないので、それを指摘して、また今後、この問題追及させていただきますので、よろしくお願い申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。 今日はちょっと質問の順番を変えさせていただきたいと思います。時間がなくなってしまうとできないと困りますので、前回のようにならないように。 パレスチナの国家承認について、まず聞かせていただければと思います。 これ、昨年の十二月十七日の予算委員会において岩屋外務大臣は、和平のプロセスが見通せるという状態になって初めて有効な国家承認ということになると考えているという旨答弁されていました。 これ、一九九三年のオスロ合意で大きな役割を果たしたノルウェー国では、これ、和平合意の後に承認を行うという戦略を追求してきましたが、情勢は誤った方向に進んでおり、もはや紛争の解決を待つことはできないとして、昨年五月に承認に踏み切っております。 日本政府もこれは方針転換を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員御指摘のとおり、ノルウェーは昨年五月にパレスチナを国家承認したという事実については承知をしております。 第三国の決定について我が国としてコメントすることは控えたいと思いますけれども、我が国としては、パレスチナ国家の承認については、従来から、当事者間の交渉を通じた二国家解決というものを支持してきております。独立国家樹立に向けたパレスチナ人の希望を理解し、これに向けたパレスチナの努力をこれまでも支援をしてまいりました。 その上で、先般の私の答弁は、和平プロセスというのをいかに進展させるかというのがやっぱり重要であって、それが全く見通しが立たないときに国家承認をするということが果たして本当に有効なのか、最終的な目標に資するということになるのかどうかということはよく考えなければいけないというふうに思っているわけでございます。 和平プロセスにやはり一定の見通しがあることが望ましいという趣旨で先般申し上げたところでございまして、今後、いかなるタイミングでそうした判断を行うことが最も適切、適当かと、これは引き続き総合的に検討していきたいと思っております。
○川田龍平君 総合的に検討していくということなんですが、昨年五月、これ、国連総会において、パレスチナの国連加盟を支持する決議案が、日本を含む百四十三か国の賛成により採択をされました。これ、国連加盟というのは国家にしか認められないことであり、決議案に賛成した日本政府は、パレスチナを国家としても認めてもよいと考えているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員御指摘の昨年五月の国連総会では、パレスチナの国連加盟を再検討するよう安保理に勧告し、国連オブザーバーとしてのパレスチナに国連総会における各種権利を追加的に付与する決議を賛成多数で採択をしました。我が国は賛成をいたしております。 我が国としては、パレスチナが国連加盟に係る要件を満たしているとの認識の下に、この中東和平の実現に向けて総合的に判断して賛成票を投じたところでございます。 他方で、我が国がパレスチナの国連加盟に関する総会決議に賛成をしたということとパレスチナを国家として承認するということとはまた別個の問題だと考えております。 この国家承認については、やはり、先刻申し上げたように、和平プロセスを今後いかに進展させていくかという観点を含めて、引き続き総合的に検討していきたいと考えております。
○川田龍平君 そう外務大臣おっしゃるんですけれども、今国会の外交演説、外務大臣が行った外交演説ですね、その中では、グローバルサウスとの連携を重視する旨を述べられております。これ、パレスチナが加盟するイスラム協力機構には六十近くのイスラム諸国が加盟しています。これ、グローバルサウスとの連携を重視する観点からも、パレスチナを国家として承認すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員御指摘のイスラム協力機構ですけれども、現在五十七のイスラム諸国・地域が加盟する地域機構でございます。中東和平問題のほかに、紛争の平和的解決への取組、貧困削減、反過激主義、宗教間の対話など、多岐にわたる取組を行っていると承知をしております。 この機構との関係強化はグローバルサウスとの連携の観点から大変重要だと思っておりまして、引き続き、この機構やその加盟国であるイスラム諸国との協力をしっかり進めていきたいと思っております。 その上で、繰り返しになって恐縮ですけれども、パレスチナの国家承認については、今後和平プロセスをいかに進展させていくかという観点から、引き続き総合的に検討していきたいと思っております。
○川田龍平君 ちょっと、国家とは何ですか。もう一度ちょっと、国家についてどのように考えているか、お答えいただけますか。
○国務大臣(岩屋毅君) 今、御案内のとおり、ガザでの紛争は残念ながらまだ終わっていないわけですね。一旦は停戦の合意ができましたけれども、それがまた破綻をした状態で現在に至っているわけでございますね。そして、西岸地区というのもございますよね。だから、将来のこのパレスチナというのをどういう形で統治をしていくのかというやっぱり絵姿が見えてくるということが大事だし、そのために国際社会が協力して支援をしていくということが大事だと思うんですね。 だから、そういうものが、見通しが立ってきた段階というのを、やっぱり国家承認に適したその段階というのをよく考えていかなければいけないんではないかというふうに思っております。
○川田龍平君 パレスチナも何度も選挙やって首相も選ばれて、本当にこのまま行くと、もうガザ地区、この今飢餓状態、本当にこのまま行くと餓死する人たちも出てくると、本当にもう危機感が高まっております。そんな中にあって、やっぱりこのイスラエル・パレスチナ和平をしっかり導くためにも、ここはしっかりと政府として、日本政府としても、やっぱりこれはパレスチナを国家として承認していくというプロセスが私は大事だと思っていますので、是非そこは総合的にということですけれども、是非検討をもう一度、更なる検討をしていただきたいと思いますが、よろしくお願いを、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 我が国は一貫して二国家解決というのを支持してきておりますし、その日が一日も早く実現するように、そこを目標にして、これからもできる限りのこの問題への関与、支援というのをやっていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 そこにいる中谷防衛大臣も、本当に人道的な外交をしっかり進めていくということでもやっぱり是非、一緒にやっている議連もありますが、本当にしっかりこのパレスチナ問題、ここは是非、今の石破総理の下で是非解決に向けて、外務大臣、しっかりやっていただければというふうに思っています。 次に、世界のエイズ対策への資金拠出についても先に聞いておきます。 これは、HIV感染者の多く、私もHIV感染していますけれども、このサハラ砂漠以南のアフリカ諸国に大変集中しています。今年八月には横浜でTICAD9が開催予定ですが、長年にわたりアフリカの開発を支援してきた日本として、引き続きこのアフリカを始めとした世界のエイズ対策に貢献していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 我が国は、エイズ対策支援を含む国際保健を外交の柱の一つと位置付けております。人間の安全保障の考え方に基づきまして、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて取り組んでおります。 具体的には、エイズ対策が国際社会にとって重要な課題であるという認識の下に、これまで、世界エイズ・結核・マラリア基金、いわゆるグローバルファンドや国連合同エイズ計画、UNAIDSといった国際機関を通じた支援を実施してきております。このような取組を今後も継続してまいります。 そして、委員御指摘の、この八月横浜で開催するTICAD9につきましては、保健を始めとする社会課題を含む様々な課題の解決策を首脳間でしっかり議論する場にしたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 このサブサハラ・アフリカ七か国、これ九十日間の資金凍結、今大変大きな問題になっておりますUSAIDの問題もあり、本当に今この状況だけでも最大七万四千人の死亡と十万三千人の新規HIV感染が予測され、そしてこの資金凍結が続くことにより、この低中所得国の全体で二〇二五年から二〇三〇年までに最大で、最大ですけれども、二百九十三万人の超過死亡と千七十五万人の新規感染が予測されています。 これは推計ですので、もちろんこれはきちんとサーベイランスなどで評価を続けることが重要ですが、このUNAIDS、先ほどお話にもありましたUNAIDSが、この世界のHIV対策を評価し、政策の方向性を決める上で重要な役割を果たしてきました。国連改革というのが今行われている中でも、そのような重要な機能が失われないようにすることが重要です。また、WHOの調査によると、急激なODAの削減の影響として、既にこの調査対象六十五か国中の三十一か国の四八%が感染症サーベイランス機能が低下したと報告をされています。 本当にこの、今、資金提供が凍結されることというのは大変重要な問題でして、特に、私もHIVの治療薬はずっと使い続けています、抗ウイルス薬飲み続けていますが、こういったウイルス薬が飲めなくなると、体の中で耐性ウイルスですね、薬の耐性ウイルスができてきて、それがはびこってくると本当に薬が効かないということになってしまいます。これは結核も同様ですけれども、こういった薬が飲めなくなるということが新たな感染者を増やしていくことにもつながると同時に、耐性菌や耐性ウイルスができることで、やはりこれが広がっていくことによって新しい薬をまた作らなければいけなくなると、薬が効かなくなってしまうということが大変恐れていることでもあります。そういう意味で、やっぱり是非この資金拠出については、是非このHIVや結核についてしっかりやっていただきたいと思います。 特に、日本は、このグローバルファンドにおいては、これ日本が率先してつくってきたこともありまして、このグローバルファンド、低中所得国では感染対策に資金を提供する機関であり、エイズ対策に取り組む重要な国際的なパートナーシップの一つでもあります。今年の第四半期に増資会合が予定されているところ、日本政府はこの、先ほどもお話ししましたように、グローバルサウスとの連携を重視する観点からもこれ積極的に対応すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) グローバルファンドの次期増資会合が今後開かれるわけでございますが、我が国からの貢献については現在検討中でございます。新型コロナの収束や日本の厳しい財政状況等も総合的に考慮をしつつ、厚労省や関係省庁と連携しながら、できるだけのことをしていきたいというふうに思っておりますので、これからしっかり議論を行っていきたいと思います。
○川田龍平君 いや、もう、この予算についてはもうしっかりと考えていただきたいと思います。 先ほどの薬剤耐性ウイルスの話もしましたけれども、やっぱり今後一番問題があり得るのは、この感染動向が把握できなくなってくると、統計機能が落ちて、本当に大変なことになるまで何が起きているのか分からなくなってしまうと。この資金不足により国際機関の感染動向把握や統計能力、確実に落ちますし、米国のCDCも大変弱体化しているということで、どこで何が起きているのか分からないということにならないようにも、是非しっかりと、ここは日本が果たすべき役割を是非果たしていただければというふうに思っております。引き続きよろしくお願いいたします。 次に、川崎重工の問題について、川崎重工から海上自衛隊の潜水艦乗組員に対する不正な物品提供等が行われていた案件について質問させていただきます。 これ、海上自衛隊は、この保有する潜水艦の修理に係る随意契約を製造元である川重等と締結していますが、昨年十二月に公表された特別防衛監察の中間報告において、川重と出入り業者との間で、遅くとも昭和六十年頃から架空取引が行われていたこと、架空取引によって生じた裏金を原資に、川重から潜水艦乗組員に対し飲食代金の負担や娯楽用品等の私的物品の提供といった便宜供与が行われていたことが明らかとなりました。 防衛費増額に伴い国民に新たな負担を求めようとする一方で、この自らの懐を肥やす不正が行われていたとは言語道断、全くもって許し難い事態です。 まず、今般の事態に対する大臣の受け止めを伺い、あわせて、関係者の処分状況、法令遵守の徹底等の再発防止策の取組状況について伺います。
○国務大臣(中谷元君) 川崎重工業の潜水艦修理契約における不適切事案につきましては、防衛力の抜本的な強化を進める中で、国民の疑惑、不信を招くような行為でありまして、このような行為はあってはならず、非常に深刻に受け止めております。 関係者の処分につきましては、自衛隊員倫理法違反等の違反に当たるかどうかを含めて現在調査中でありまして、今後、調査によって判明した事実に基づきまして厳正に対処してまいります。その上で再発防止策を講じてまいりたいと思っております。
○川田龍平君 これ、予算委員会でも石垣議員から質疑があったということですけれども、これ、中間報告によれば、この架空取引と思われるものの総額が、平成三十年度から令和五年までの六年間だけで約十七億円に上るとのことです。それ以前も含めれば莫大な規模になることが推察されますが、架空取引の総額及びそれらのうち川重から潜水艦乗組員への不正な便宜供与に費やされた金額について、実態解明のこの進捗状況を伺います。
○国務大臣(中谷元君) 委員御指摘のとおり、昨年末の特別防衛監察の中間報告におきまして、平成三十年度から令和五年度までの六年間にわたる川崎重工業の架空取引金額を約十七億円と公表したところであります。 かかる架空取引は遅くとも昭和六十年頃から行われていたものでありますが、平成三十年度より前の金額については、関係資料が断片的にしか残されていないために、具体的な金額や規模感を明らかにすることは困難であると御理解をいただきたいと思います。 また、昨年末の防衛監察の中間報告におきまして判明した事実関係を報告しましたが、実態の更なる把握のため、潜水艦乗組員等に対する聞き取り調査等を現在も継続をしているところでありまして、この実態解明に向けて迅速に対応していく考えであります。
○川田龍平君 この防衛装備品の調達における予定価格の算出については、材料費や人件費等の原価を積み上げ企業の利益を加算する原価計算方式を採用することが多く、この工数等の算出は企業側に依存せざるを得ません。今般の潜水艦修理契約においても、川重が用いる標準工数を用いて予定価格を算出しており、予定価格の中に架空取引の原資を上乗せして計上していた疑いがあります。 防衛省として徹底的に調査を行い、この川重が架空取引によって不当に利益を得ていた場合は返納させるべきと考えますが、対応状況について伺います。
○国務大臣(中谷元君) 今般、川崎重工業と潜水艦修理契約における架空取引に係る調査の中で、潜在的な超過利益の存在が確認されたことですから、防衛省としましては、川崎重工業との間で超過利益となった額等の算定を適切に実施をし、返納を求めるということにいたしました。なお、この架空取引の中には、短期間で手に入れるなどの理由で、契約の履行に必要な物品を代替取引により調達している事例が確認をされております。 このため、返納額の算定に当たっては、架空取引によって調達された物品が契約の履行に実際に充てられたかについては、一つ一つ確認をしていく必要がございますので、現在、確認の作業をしておりますけれども、算定の完了までには相当の期間を要すると考えておりますが、これは速やかに算定等が完了するように努めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非、こういった問題については、本当に長い間行われていた取引だということです。本当に、こういった潜水艦のそういった業務に関わる問題は、なかなか、企業秘密とか機密に関わる問題も多い中で、こういった問題が明らかになっているということもあり、本当にこういった問題の解明をしっかり取り組むとともに、再発防止のために是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、ODA関連で質問させていただきます。 これ、効果が十分発現していないんではないかというODAについて、これ、先日も羽田議員からも質問ありましたけれども、外務省とJICAが実施するこのODAについて会計検査院が調査したところ、検査をしたところ、この対カンボジア王国の有償資金協力、メコン地域通信基幹ネットワーク整備事業において実施条件とされた相手国政府機関の設立が遅れる間に他国の事業者に顧客基盤を奪われ、また、固定電話の普及率が低迷する中、JICAが実施条件の見直し等に係る検討を十分に行わなかったため、本事業による固定電話サービスの利用率が、目標値六一%に対して、令和四年時点で〇・一六%と大きく下回っていたという事態。 また、この対ガーナ共和国の草の根無償、ンクワンクワヌア地区保健センター建設計画においても、贈与資金の範囲内では工事が完了できない状況であることを現地大使館が把握していたにもかかわらず、事業実施機関に対して資金計画等を見直させるなどの働きかけが十分でなかったために、スタッフ宿舎及び深井戸のみ完成して保健センターが完成していない事態などが明らかとなったということなんですが、この大使館、そして及びJICAがこの各事業の進捗管理やフォローアップを十分に行わなかった理由及びその責任の所在について教えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) カンボジアの電気通信規制庁の設立後に事業の施工業者を選定することを調達実施上の条件としていたわけでございますが、カンボジア政府による同庁の設立が後ろ倒しになったために事業が遅延をしたということでございます。 JICAにおいては、当該事業が円滑に進捗するように、当該事業が置かれている状況を確認して、今委員が御指摘になったように、調達実施上の条件の見直しなどの対応を検討することが十分でなかったということでございます。 他方で、カンボジア全土で固定電話の普及率が非常に低迷する状況が続いているものの、JICA事務所から事業実施機関に対して、光ケーブル等が適切に活用されるよう働きかけを行っていると承知をしています。 それから、ガーナの案件ですけど、この草の根・人間の安全保障無償資金協力案件ですが、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢などの影響による事業期間の延長、建築資材の高騰などで資金が不足して、在ガーナ大使館において、贈与した資金内では工事が完了できない状況を認識していたにもかかわらず、被供与団体に対して資金計画を見直させるなどの働きかけが十分ではなかったということでございました。現状、工事の早期完了に向けまして、大使館を通じて関係各方面に働きかけを行っております。 外務省としては、会計検査院からの指摘や関連決議を真摯に受け止めまして、在外公館やJICA事務所において事業の進捗状況の適切な把握や必要な働きかけの実施について周知徹底するとともに、指摘を受けた以外の在外公館なども含めこのことを共有するなど、改善に努めてまいりたいと思います。
○川田龍平君 この一件、二件ではなく、毎年度のようにこういった類似の指摘を受けているということに対する認識や根本原因並びに再発防止の、これ本当にずっといろいろな話が出てくるわけですが、大使館に勤務する人たちとかJICAの職員の人たち、本当に大変だとは思いますけれども、これ分かっていて見過ごしてきたんだとすると、やっぱり大変大きな問題だと思うんですよ。やっぱり結局、官僚制の下で、自分が勤務している間に何も発覚しなければ、問題として何か、何もなかったということで過ごしてしまうという体質がこれあるように感じているんですね。 結局、問題が大きくなってから発覚するとか、ほかから分かって初めて分かるというようなことではなく、早期に、分かったときにこれ進捗管理しておけばよかったものを、やっぱりこういうことというのはどうしたら解決していくのか。本当に、その徹底状況、再発防止の徹底状況について伺いたいと思います。
○政府参考人(長徳英晶君) お答え申し上げます。 ODA事業において問題が発生する場合が確かにございますけれども、その事情は様々でございまして、一概にはなかなか申し上げることは困難でございますけれども、多くの問題に共通する原因としましては、例えば、開発途上国における事業実施で見られる一定の予見困難さが伴うということであったりとか、事業実施のためのガイドラインが現場において徹底されていなかったということが挙げられるかと思います。 再発防止策につきましては、外務省としては、会計検査院からの指摘を真摯に受け止め、在外公館やJICA事務所において所要の措置を現在講じているところでございます。具体的には、実施機関と密な意思疎通をさせていただいて、事業の進捗を適切に把握をしていくこととしております。また、事業完了後の利用状況についても、課題が生じた場合にはその対応についても適切に報告をさせ、必要な措置を講じていくということとしております。 引き続き、現地状況の確認などを通じて再発防止に取り組んでいきたいと考えております。
○川田龍平君 ちょっと次の、JICA職員による入札に関する秘密情報の漏えいの方に移りますが、これ、JICA職員によるこの入札に関する秘密情報の漏えいの問題、これ、令和六年七月にこれは懲戒処分したということを公表したということで、ただ、公表までに、これ令和五年五月に実はこの問題処分していたにもかかわらず、この公表が遅れたという事案です。 この問題については、こういったJICA職員による入札情報漏えいという我が国のODA全体への不信を招きかねないような事案が発生したことに関する認識と責任についてお答えください。
○国務大臣(岩屋毅君) 外務省としては、本件漏えい事件を、事案を重く受け止めております。JICAに対して、事実関係の確認と再発防止の取組を進めるよう指示をしてきたところでございます。 今般の事案を受けまして、御指摘の責任の所在を含めて、現在、JICAが設置した検証委員会を通じた事実関係の再検証及び更なる再発防止策の検討が行われております。 外務省として、今後、この検証委員会による報告を踏まえつつ、今回の事案の再発防止にとどまらず、国民の信頼に基づくODAの実施のために、JICA組織全体の不断の改革に取り組んでまいりたいと思います。
○川田龍平君 これ、先ほども申しましたように、就業規則運用細則で、懲戒処分は原則として処分の都度、対外公表すると定めているにもかかわらず、約一年二か月にわたり公表しなかったと。公表時も、漏えい情報がODAに関するものであることすら明らかにしなかったということです。 これは、理由は聞きましたけれども、JICAから当該建設コンサルティング会社への天下りなど、情報漏えいの動機となり得る事象や組織的な関与の有無を、これ検証委員会に徹底させると、調査させるということなんですが、この検証委員会の委員にJICAのプロパー職員であるJICA監事を選任したこと、これはもう第三者委員会とは言えないわけですね。これ、第三者委員会でやっぱりこれ設置して検証する必要があるんではないかと。 これ、多分、いろいろとこの監事という役割について説明されると思うんですけれども、私はもう、前回、羽田議員からも聞かれているので、答弁は同じものは要りません。 このJICA関係者を排除した形で第三者委員会設置して検証委員会をするべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(長徳英晶君) お答え申し上げます。 委員から御指摘がありましたとおり、JICAが設置した検証委員会の委員のうち一名はJICAの監事でございます。JICAの元職員でもございますけれども、本事案における検証委員会設置前のJICAの内部調査には一切関与はしておりません。 監事ですけれども、独立行政法人通則法に基づきまして中立な立場が定められておりまして、役職員に対する事務事業の報告を求める法令上の権限を有しているということから委員に加えることとしたという報告を受けております。
○川田龍平君 これは通常、一般では第三者委員会とは言わないということを羽田委員からも指摘があったとおりです。やっぱり、本当にこれ、第三者委員会でしっかりやるべきだということを、やっぱりこういった形でやること自体が不誠実ではないかなと思います。 これ、五年五月に交換公文の署名、交換が行われたこのフィリピン共和国向けの円借款、首都圏鉄道三号線改修計画の第二期に対する影響はどうなっているのかを教えてください。
○参考人(田中明彦君) まずもって、この情報漏えい事案について、このような事態が発生したことを重く受け止めて、御心配、御迷惑お掛けしていることを深くおわび申し上げたいと思います。 その上で、御質問、この情報漏えいの件と、それから首都圏鉄道三号線の改修事業第二期への影響ということでございますけれども、これは、私どもの認識では全く影響がないということでございます。
○川田龍平君 次に、このJICAの案件と、これ今、JICAとADBの関係するツツバンとマロロス事業、ツツバン―マロロス鉄道の事業ですね、それとその延伸事業について。 このツツバン―マロロス路線のことについてはJICAが関係している、そしてこの延伸事業についてはJICAとADBと関わっているということなんですけれども、この最初のマロロス―ツツバン事業におけるJICAで取り決めた決め事、このルールが、このガイドラインやルール、ステップ事業に関わるガイドラインやルールがそのままADBの方にも適用されているということですが、こういったことについて、この今の事業の進捗、そしてこれについての監督、そういったものがJICAがしっかりできているのかどうか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(廿枝幹雄君) お答え申し上げます。 ただいま委員から御指摘のあったフィリピン南北通勤鉄道事業、それから延伸事業でございますけれども、こちらは、マニラ首都圏のマロロス―ツツバン間の南北通勤鉄道の建設、それからそれを延伸する事業でございます。 これ、この延伸事業の方の土木工事はアジア開発銀行の融資対象でありますけれども、土木工事以外は本邦技術活用条件の円借款の融資対象であります。安全性や定時性の高い鉄道システムや軽量で省エネ効果の高い車両など、日本の技術が導入されております。 本事業の進捗でございますけれども、フィリピン側の実施機関が全てのこの延伸事業につきましてはパッケージにつきまして契約を締結済みでございまして、工事が進捗している状況でございます。 引き続き、JICAとして、本邦技術を活用して、安全性や定時性の高い鉄道システムの構築に向け、事業促進を図ってまいります。
○川田龍平君 これ二〇二四年ですかね、これ、二〇二三年の二月に岸田総理と、そして当時のマルコス大統領とこれ結ばれている、特にこの延伸事業についての方ですが、ここをしっかり進めていくということの中で、やはり日本にとって、やっぱり本当にこういった日本の鉄道が輸出されていくというところで、フィリピンの人たちにとっては日本の鉄道の質が大変見られていくということですので、その土木工事の部分も含めて、やっぱりしっかりとこれ日本のものだということで、つつがなく修理が、修理じゃない、工事が進むようにすべきだと思いますが、いかがですか。
○参考人(廿枝幹雄君) お答え申し上げます。 この延伸事業の土木工事につきましては、これはアジア開発銀行の融資対象でございますので、その調達もアジア開発銀行の融資契約それから調達ガイドラインにのっとって行われます。 他方で、それ以外の、土木工事以外は本邦技術活用条件の円借款ですので、こちらでは、本邦技術を活用した契約が結ばれているということでございます。
○委員長(片山さつき君) お時間が来ております。
○川田龍平君 はい。 先ほども申し上げましたように、やっぱり効果とか十分発現するようなODAになるようにするためにも、しっかりこれ、外務省、大使館と、それからJICAの方でしっかりと見ていただいて、進捗管理も含めしっかり行っていただくようによろしくお願いします。 ありがとうございました。
○新妻秀規君 先ほど石橋先生また川田先生からもございましたが、私からも、ODAにおける効果未発現についてまず取り上げようと思います。 会計検査院の決算検査報告で、このODAにおいて当初想定していた効果が発現していないという指摘がほぼ毎年続いております。私が調べた限り、一番古い指摘は昭和六十三年度、一九八八年度でありまして、今回の検査報告、令和五年度までの三十六年分の報告調べたところ、指摘金額は、背景金額を含めて合計すると七千億円弱、指摘がなかったのは平成元年度と令和二年度の二回だけでした。単純計算で毎年二百億円ほどの指摘を受けているということになります。 資料一、御覧ください。これまでの検査院の代表的な指摘を示します。 令和五年度の決算検査報告でも、先ほどもございましたが、まず、ナンバー一、カンボジアの光ファイバー案件では、約十一年の事業遅延中に他国企業に顧客を奪われ、二〇二二年時点での利用率僅か〇・一六%と目標の六一%を大きく下回り、また、ナンバー二、ネパールの水力発電所の改修事業では、約十一億円を投じ改修を完了したものの、電力供給先の変更で需要が減少して、運転実績が目標を大幅に下回りました。 また、資料二、御覧ください。裏面です。 財務省も、この令和六年度予算執行調査において、無償資金協力のうち一つの類型、草の根また人間の安全保障及びNGO連携の施設案件で長期にわたって事業が未完了というのが散見されていることを踏まえて、案件の進捗、また事後のフォローを一覧的に把握する仕組みが欠如していたと指摘をしております。 ここで、ODAにおいては、案件をつくるときに事前評価を行うんですけれども、少なくとも私が調べた限りの公開情報からは、何をどのような基準で確認しているのか分かりません。会計検査院、財務省は、共に事前のスクリーニングを厳しくすべきと指摘をしております。こうした指摘を踏まえ、事前評価の段階で重要事項を確実にチェックするためのリストを整備をして、ODAの無償、有償の資金協力、技術協力など全ての類型に適用すべきと考えます。 じゃ、何をチェックするのかということにつきましては、この材料は過去の検査院の指摘が活用できるんじゃないかと思います。ここで資料一にまたお戻りください。 ここで一番の右側の列に示したのが、チェックリストに反映すべき項目です。まず一つ目、このナンバー一のカンボジアの光ファイバー整備におきましては、技術進展が早い分野かどうか、当てはまる場合には、実施中に状況を確認し、競合環境の変化に応じて柔軟な計画変更を。 そして二点目、ナンバー二、ネパールのこの水力発電の案件におきましては、この人口動態や需要予測を定量的に検証した上で、チェックリストの一番右側ですね、供給先や需要前提が変わったのか、当てはまる場合には速やかに計画を再評価し、不要な設備投資を回避する。 そして三点目、ナンバー七、フィリピンのこの給水システムでは、水、農業の案件においては、自然条件、雨量や水源容量等の十分な現地調査を行う。 そして四点目、ナンバー四のフィジーの小学校の校舎の建設、ここにおきましては、支出前の使途の確認を徹底すること、中間報告の徴収を行うこと、現地視察、また資金流用発生時の早期把握、是正措置を行うこと。こうした案件、こうしたことを盛り込むことが考えられます。 ここで、外務省の見解を伺います。
○政府参考人(長徳英晶君) お答え申し上げます。 外務省及びJICAのODA事業におきましては、無償資金協力、有償資金協力、技術協力といった協力形態にかかわらず、案件の形成、事前評価の段階において評価項目を定めております。この中で、事業実施国における状況とか、あと定量的な事業効果、それから過去の類似案件の教訓などをちゃんとチェックをして確認をし、必要な場合には、事前調査も行った上で案件を実施するということにしております。 効果の発現がなされないというリスクを減らすことの重要性については、委員御指摘のとおり、私ども十分承知を、重要性を承知しておりますけれども、今回会計検査院からも種々指摘を受けておりますが、こういった指摘を踏まえて、我々のその案件形成、事前評価段階の評価項目、これを適切に不断に見直しをしていきたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 是非お願いをいたします。 続きまして、計画が良くてもモニタリングが不十分なら、効果が未発現に終わるリスクが高まります。過去の事例でいいますと、このナンバー三、資料一です。このタンザニアのNGOによる女子寮の建設では、契約後十八年を経ても一棟が未完成、もう一棟もトイレ未設置という異常な遅延となりましたが、これは、現地実施団体の遂行能力不足に対し、適時に契約見直し等の措置が講じられなかったためです。ナンバー四、フィジーの小学校建設案件では、中間報告が提出されていないのに在外公館が現地確認や原因究明を怠り、施工業者による工事放棄を見抜けず資金が無駄になりました。 さらに、事業完了後のフォローアップも課題です。ナンバー六、トルコ。この学校改修の案件では、完了後に利用状況を確認しなかったため閉校という結果を把握できず。ナンバー七、フィリピンの給水事業でも、給水不能の箇所が放置されておりました。 こうした状況に鑑み、全てのODA案件において進捗状況と成果を確実に把握し、問題発生時には速やかに対処する体制を強化すべきです。そのために、以下を提案いたします。 まず一つ目に、進捗モニタリングのルール化。在外公館やJICAの事務所による定期的な進捗報告の徴収と、報告が未提出や内容に懸念がある場合の現地確認、視察を義務付けることです。とりわけ、いつ何を確認するのかを明確に定義するべきです。ナンバー八、ガーナのこの橋梁の建設案件では、資料三に示すように、何とボルトがちゃんと入っていなかったというとんでもない案件もありました。平成十九年の事業です。 実はこの平成、これ人命に関わる重大な事態ですが、この同じ十九年にベトナムの円借款の案件で、道路整備事業に係る橋脚の崩落事故が発生しまして、死傷者が多数、死者五十五名、負傷者七十九名、こうした被害が出てしまいました。こうした事態を二度と起こしてはなりません。 それ以外にも、二つ目、問題発生時の対応方針の明確化、三点目、事後フォローの徹底、四点目、モニタリング人員、手段の確保、こうしたことが重要と考えます。 モニタリング強化と進捗管理の徹底について伺います。
○政府参考人(長徳英晶君) 委員御指摘のとおり、ODAの案件、実施中のODA案件のモニタリング、極めて重要な問題だというふうに認識しております。 在外公館の関係者による視察ですとか、被援助国政府の実施官庁、それから事業関係者から定期的に進捗を確認するとともに、事業完了から一定期間を経た後の事後評価も通じまして利用状況をきちんと確認をするということとしております。また、不幸にも事業において何らかの問題が生じた場合には、在外公館、JICA、現地事務所から外務省本省、JICA本部に遅滞なく報告してもらうということにしておりまして、その上で、個別事情を踏まえつつ、できるだけ速やかに対処方針を決定し、現地に指示をするというふうにしております。 いずれにしましても、委員御指摘の各案件についての教訓も十分きちんと踏まえつつ、より適切なモニタリングの在り方について、引き続き状況確認ができるように不断の改善措置を講じていきたいと思います。
○新妻秀規君 ここで、資料二にお戻りください。無償資金協力に係る一元管理システムの活用について伺います。 この資料二、無償資金協力のうち草の根無償などにつきましては、在外公館主導で実施される小規模な案件において、本省で個々の案件の進捗や問題発生状況をリアルタイムに把握する仕組みがなく、財務省は、無償資金協力全体の計画と執行を明確に管理する必要があると指摘をしました。 この指摘を踏まえ、外務省は、無償資金協力全体について事業を包括的に管理するシステムを令和八年度から運用する予定ですが、横断的に問題を早期に把握し、教訓の共有を進め、システムをJICAと外務省で運用できるよう、課題を整理した上で進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(長徳英晶君) 御指摘のシステムにつきましては、無償資金協力案件に関する情報をデータベース等に一元集約、一元管理した上で、事業管理や予算管理などの機能を併せ持つシステムをつくる方向で今進めておりまして、令和八年度から運用すべく、現在準備をしているところでございます。 委員から御指摘ありましたJICAとの情報共有に関しましては、その意義は十分私どもも理解をしております。技術的な課題などがございまして、それを考慮する必要がございますけれども、今後できることについて検討をしていきたいというふうに思います。
○新妻秀規君 是非前向きに検討をお願いしたいと思います。実現してください。 そして、最後に、外務大臣、また田中理事長に伺います。 ODA事業において効果未発現との指摘を繰り返さないため、過去の失敗の教訓を、チェックリストやマニュアル、データベースなど、仕組みにビルトインして、属人的ではない形でODAの各類型を横通しして再発を防止すべきと考えます。外務大臣、またJICA理事長に見解を伺います。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員の御指摘を重たく受け止めたいというふうに思います。 ODA事業を実施していくに際しまして、いわゆるPDCAサイクルの強化は非常に重要だと認識をしております。開発協力大綱においても、開発協力の政策立案、実施、評価、改善のサイクルにおいて戦略的な一貫性を確保すると明記されているところでございます。かかる観点から、委員御指摘のとおりに、過去の教訓をガイドライン等に取り入れて、ビルトインして、そして属人的でない形で再発を防止する仕組みを構築することは極めて重要だというふうに考えております。 これまでも、過去の事例を踏まえて、案件の形成、事前評価段階における評価項目等を見直してきたところではありますけれども、検査院からもたくさんの厳しい指摘をいただいているところでございまして、今後も引き続き不断の制度改善を行って、個別の事業の効果がしっかりと発現されるように努めてまいりたいと思います。
○参考人(田中明彦君) まずもって、JICAが実施した複数の事業について、過去の会計検査で効果未発現との指摘を受けていることを真摯に受け止め、指摘事項や得られた教訓を今後の事業に生かしていきたいというふうに思っております。 具体的な取組としては、JICAとしても、これまでも、事後評価をしっかりする、モニタリングをしっかりする、いろいろやっておりますけれども、今後私として重視しなきゃならないということを、ポイント申し上げますが、第一に、やはり過去の指摘事項については知見を教訓として蓄積し、組織内に周知し、案件形成、実施、モニタリング、評価の各段階で確実に生かしていきたいというふうに思います。 第二に、特に案件形成時には、これまでに実施した事業の事後評価を参照し、過去の類似案件からの教訓を計画に反映させる仕組みを構築して、PDCAのサイクルを回していきたいというふうに思っております。 それから三番目に、教訓を生かして、現場にやはり赴いて、案件の事後モニタリングにも取り組んでいきたいというふうに思っております。 JICAとしては、JICA職員一人一人がこうしたPDCAサイクルを意識した案件形成や実施、管理ができるように、組織を挙げてより一層意識的に取り組んでまいりたいと思います。
○新妻秀規君 是非リーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいと思います。 ここで、岩屋外務大臣始め外務省の皆様、また、田中理事長始めJICAの皆様には、質疑終わっておりますので、委員長、退席についてお取り計らい願います。
○委員長(片山さつき君) 岩屋外務大臣、JICA田中理事長及び御関係の皆様は御退室をいただいて結構です。
○新妻秀規君 次に、防衛大臣に、契約数量が使用実績について変動する場合の払い過ぎに係る指摘について伺います。 令和五年度の決算検査報告では、海上自衛隊の潜水艦に搭載した鉛主蓄電池の充電に係る契約金額が過大との指摘がありました。海上自衛隊の横須賀と呉の両地方総監部は、潜水艦搭載の鉛主蓄電池の充電を事業者に行わせている、両総監部は予定どおりの、予定電力量のとおり充電が実施されたものとして契約金額どおりに払っていましたが、契約のうち十五件では実績電力量が予定電力量を下回っておりまして、実績電力量に基づく契約変更を行っていれば八千百三十二万円を節約できた。要は、本来払わなくていい充電代を余分に払っていたということであります。 ここで、今回と全く同様に、契約数量が使用実績によって変動する場合に、実績に基づいて契約変更して、使用した分だけ支払えばよかったのに、そうせずに、当初契約どおり払って無駄遣いしたとの指摘が過去にもあります。似た例として、契約する前に必要な数量をきちんと把握せずに不必要に多く発注し、無駄遣いをしてきたとの指摘もございます。どちらも実績をちゃんと確認しておけば防げた無駄遣いであり、その意味で、過去の蓄積を生かしていないというふうに考えます。 契約後の確認不足について二つ挙げます。 一つ目が、令和三年度の決算検査報告で、弾薬等の技術支援に係る請負契約おいて、仕様書などで指定していた業務内容に対して実際に実施された業務内容が下回っていたのに、契約の変更を適切に行うことなく契約額をそのまま支払っていたという海上自衛隊補給本部に対しての指摘であり、三千二百三十五万円の無駄遣い。 二つ目が、平成二十七年度決算検査報告で、海上、航空両自衛隊の基地での電気代について、前年度の最大需要電力の実績を十分考慮せずに契約を結んでいたために、無駄に多く電気代を支払ったという海上、航空両幕僚監部、海上、航空両自衛隊七基地等への指摘で、実に一億九百十四万円の無駄遣い。 契約前の確認不足、一例。平成三十年の決算検査報告の指摘で、携帯無線機に使用する電池の調達に当たって、部隊などにおいて不足した数量を十分確認せずに発注したことによって、発注した電池三万三千八百個のうち、実に七割に当たる二万三千二百四十五個が本来発注しなくてよかったという陸上監部への指摘で、実に二億七百四十五万円の無駄遣い。誠にお粗末です。 これらの指摘に対しては是正措置が当然とられているんですけれども、決算検査報告上読み取れるのは、組織の縦割りの中で、指摘を受けた契約についてのみにとどまっております。本来、防衛省の組織の縦割りを超えて横断的に是正を取るべきでありまして、非常に残念です。 ここで、これまでの会計検査院の指摘を生かして、本来、契約数量が変動する全ての契約について同様のものがないか確認をし、優先度を付けつつ是正をすべきと考えます。例えば、今走っている契約を優先して、①同種の契約をピックアップする、②そのような契約について、仕組みにビルトインした是正まで行う、③予算や作業の要求元の部門には、使用実績や現場での在庫を確認することをルール化した上で、適正な数量のみ要求するように改めて徹底してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これらの指摘につきましては、誠に遺憾に存じております。 防衛省では、調達要求段階及び精算段階において使用実績を確実に反映させるように、確認体制の整備、また周知徹底を図るとともに、省内会計監査においてもこれらの点について重点的に監査を行いまして、再発防止に努めてきたところであります。 引き続き、使用実績に基づき適切な支払がされるように周知徹底するとともに、省内の会計監査等において不適切な事例が確認された場合には、確認体制の整備や支払要領の変更を含めて必要な是正を図るなど、厳正な会計経理に努めて再発防止の徹底を図ってまいります。
○新妻秀規君 是非お願いします。 続きまして、技術基準や設計要領の不備や確認不足による指摘への根本是正について伺います。 まず、令和五年度の決算検査報告での指摘を確認します。 地方防衛局等が発注する給水管、つまり水道管、又は汚水排水管、つまり下水管、これを両配管といいます。両配管の埋設工事では、下水管からの漏水によって上水の汚染を防ぐために、上水の設計要領において、この両配管が平行又は交差して埋設される場合の位置関係等に関する条件を定めています。この条件を満たさない場合には、上水管、水道管ですね、を保護することとされています。 しかし、下水の設計要領に位置関係などについての条件に係る規定がなくて、上水設計要領には、今度は逆に具体的な保護方法が明記されていないと。こうしたことによって、六地方防衛局の十五契約三十四か所、工事費千四百十九万円において、位置関係等の条件を満たしていない、その水道管の保護が行われておらず、上水が汚染されるおそれがある状態になっていた、こんな指摘です。 ここで、根本的な問題は設計要領の不備です。副次的な問題は、上水と下水の配管が位置関係の条件を満たしていないことは、少なくとも上水の設計要領と設計図面を照らし合わしてみれば分かるはずなのに、設計図面の確認を行う担当官は何らの対応も取らず、スルーしてしまったことです。 技術基準の理解不足、現場への徹底不足という点では、平成二十七年度の決算検査報告、海上自衛隊が管理する火薬庫の不適切な管理でも同じような指摘を受けております。 すなわち、火薬庫に係る技術基準は、火薬庫出入口部の外側に更に防爆壁を設けて爆風が直接外部に漏れないように求めています。しかるに、ある航空基地の火薬庫においては、火薬庫の出入口外側の防爆壁の位置が離れているために爆風が直接外部に漏れる状況となっていまして技術基準に適合していなかった、こんな指摘です。 技術基準の担当官、現場への不徹底は、隊員や国民の命に関わります。令和五年度のこの配管も、平成二十七年度の火薬庫もこの意味で同類です。 ここで私が特に問題視しているのは、技術基準や設計基準そのものの不備です。防衛省の持つ技術基準、設計要領には、今回のように施設に関するもの、また、防衛装備品、すなわち戦車などの特殊車両、航空機、艦船、ミサイル、宇宙機など数多くのものがあります。 私は、今回の上水、下水の配管に関する設計要領の不備への指摘を端緒として、防衛省が持つあらゆる技術基準や設計要領について不備がないかを確認すべきだと考えます。もちろん、多種多様な基準がありますので、要領がありますので、網羅的に全てをやるというのは現実的ではありません。 ここで、施設の場合には、図面の確認を行う担当部門や設計コンサルタントや施工業者からの問合せ、また、防衛装備品の場合には、設計、製造の事業者からの問合せが不備に気付く端緒、発端になるということはあり得るんじゃないかなというふうに思います。 ここで、設計要領や技術基準におやっと思うような箇所がある場合には、設計を確認する担当部門や作業部門、また設計、施工を行う発注先、委託先から省内の技術基準担当部門や設計部門などに問い合わせることを徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(茂籠勇人君) お答えいたします。 令和五年度の決算検査報告において、会計検査院から防衛省の定める技術基準の規定を満たしていない給水管及び汚水排水管の設計、施工が行われている事態は適切ではない旨の指摘を受けたところでございます。 この指摘を受けまして、不明瞭であった関連基準を改正するとともに、防衛省が定める各基準等に基づき適切に実施するように、関係職員や受注者等に周知をしたところでございます。 これまでも技術基準や設計要領につきましては、関係法令などの改定のほか、関係職員からの問合せや、あと関係団体、防衛関連企業との意見交換などを踏まえ、適宜改正を行ってきているところでございますが、他方で、委員が御指摘しているとおり、受注者からの問合せや、各基準の不備や不明瞭な部分について、各基準の不備に気付く端緒となると考え、各基準等に不備や不明瞭な部分がある場合には防衛本省の方に問合せをするよう、関係職員のほか、関係団体、防衛関連企業にも周知を行い、今後このような指摘を受けることがないように再発防止に取り組んでまいります。
○新妻秀規君 往々にしてよくあることなんですけれども、おやっというふうに思ったとしても、その場の判断で対応してしまって、本来であれば改善すべきこの設計要領の不備とか技術基準の不備がスルーされてしまうということは本当によくあることなんですね。なので、こうした指摘とか問合せ、特に重なる部分についてはきちんと確認ができるようにちゃんと記録を付けること、ここから始めるべきだというふうに思います。 そうした指摘が重なっているところについてはやはり何かが必ずありますから、そうした目で、この膨大な数の設計要領、技術基準をしっかり確認をして、二度とこういうような、これは隊員の健康に関わるものですから、今回の施設の指摘は、装備品だったらなおさらですので、現場判断でスルーしないように、まずはこの問合せのデータベース化、記録を付けるところから是非とも始めていただきたいと思います。 そして、最後に防衛大臣に伺います。 今回の指摘のような技術基準や設計要領の不備をなくすために、例えば、先ほどの質問で触れたような、問合せの記録を付けて蓄積するところから始めて、問合せが重なるような案件については、技術基準や設計要領に不備、誤り、不明確な記述がないか確認してほしい。その上で、技術基準や設計要領の改定などの必要な対応を取ることで不備をなくし、二度とこのような隊員の健康、生命、また国民の生命に関わるような指摘を受けないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省の定める技術基準等に不備があった旨の御指摘を受けたことについては、大変重く受け止めております。 御指摘のとおり、各基準の不備は、隊員はもとより、国民の生命、財産に影響を及ぼす可能性があるため、問合せがあった内容を蓄積をし、各基準等の不備や不明瞭な点を分析をした上で必要な改正を行うなど、会計検査院の指摘を繰り返し受けることがないように再発防止に万全を期してまいりたいと思います。 委員の御指摘のように、おやっと思ったときに記録を付ける、そしてデータベース化をいたしまして、その基準等の不備等の不明確な点をしっかり分析をしていくということは非常に大事だなというふうに受け止めております。
○新妻秀規君 是非中谷大臣のリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 質疑を以上で終わります。ありがとうございました。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 二〇〇四年度から、最初ODAに関する質問でございます、参議院では各国にODA調査団を派遣しておりまして、二〇〇三年の参議院改革協議会の提言を受けてのことなんですけれども、参議院の独自性、そして決算審査にしっかり資するという、そういう目的でやっておりまして、私も、昨年八月末から九月にかけまして、ベトナムとマレーシアとタイに行ってまいりました。その折の意見交換とか視察とかしてまいりましたので、それを基に質問をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 初めに、マレーシアでの海上保安分野での我が国の協力の問題でございます。 御承知のとおり、マレーシアは海上の要路でございまして、海洋国であります日本にとりましても非常に重要なところでございます。ですので、当然、日本としても協力を非常に重要視をしているというふうに理解をしておりますけれども。 海上法令執行庁に行ってまいりました。日本の海上保安庁に当たると思いますけれども、現地の幹部の皆様、それから日本から派遣をされているJICAの長期派遣員の方とも意見交換をしてまいりましたけれども、現在、日本の協力で、鑑識技術、海上捜索救助等の分野での研修が進んでおりまして、日本が重視している第三国支援、そうしたものもアジア、アフリカ中心に進んでいるということでございました。 この同国からの日本への期待も非常に大きいわけですけれども、我が国としても、自由で開かれた、法に基づく、法の下に基づくそういう海洋秩序を保っていくと、そういうためには、マレーシアとの海洋保安分野での協力が非常に重要だと考えております。 基本的な姿勢について伺いたいと思います。
○政府参考人(長徳英晶君) お答え申し上げます。 我が国にとって、シーレーンにおける航行の自由の確保、これは重要な問題でございます。こうした観点から、地政学的な要衝に位置し、地域の平和と安全に重要な役割を担っているマレーシアとの海上保安分野での協力を重視しております。 こうした考えの下、我が国は、二〇一六年にマレーシアに対して二隻の巡視船を供与しております。そのほか、これまで専門家派遣ですとか研修を通じ、同国の海上保安能力の向上を継続的に支援をしてきております。また、アジア、アフリカ諸国の海上保安官を対象とした第三国研修もマレーシアと共同で実施をしているところでございます。本年一月に日・マレーシア首脳会談ございましたけれども、この場でも、海上保安分野での協力の重要性について確認をいたしました。 今後も、こうした協力を通じ、マレーシアとの連携を強化していきたいと考えております。
○窪田哲也君 現地でも非常に日本の技術協力というのは高く評価されておりますし、我が国にとっても非常に重要な分野ですので、引き続き協力強化、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、ODA案件の進捗の遅れ、原因調査、対応ということについて伺いたいと思います。 先ほど新妻委員の方からは、無償資金協力に対しての会計検査院の指摘について、PDCAサイクルをしっかり回していくと、仕組みをつくっていくということでございましたけれども、ベトナムで日系企業の皆様と意見交換をさせていただきました。特に、円借款で進められております工事の、事業の工期が大幅に遅れているという指摘がございました。 ベトナム初の地下鉄でございますホーチミン・メトロ一号線については、我が国の政府としましても、二〇〇七年から二〇二三年に二千億円の政府開発援助を決定しまして、現在、多くの日系企業が工事に携わっているところでございます。ところが、工期の延長による追加費用、この支払をめぐって、現地の日系企業が裁判所に仲裁を申し立てるという、そういう事態になっております。 もうベトナムでは昨年法改正が行われまして、これまで手続が煩雑であったところ、地方政府への権限移譲が進んでいるとは聞いておりますけれども、このようにODA事業案件の進捗に明らかな遅れがある場合、その原因を調査をして、必要に応じて事業の早期実施、手続の簡素化、迅速化、これらを相手国にしっかり働きかけていく、そういう必要性があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(長徳英晶君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、ベトナムにおきましては、ODA案件の実施に当たって時間を要する事例が生じております。御指摘のあったホーチミン都市鉄道もそのうちの一つでございます。ベトナム側との追加費用などに関する合意形成に時間が掛かっているということがその要因でございます。 問題の解決に向けて、我が方のハイレベルからベトナム側に対して繰り返し働きかけを行ってきております。今年三月の宮路外務副大臣のホーチミン訪問の際におきましても行いましたし、また、四月の石破総理のベトナム訪問の際にも、ベトナム側との会談について、本件に関し働きかけを行いました。また、現地においても、駐ベトナム日本大使からベトナム首相などに対して直接働きかけを行い、問題解決に向けて日々努力をしているところでございます。 引き続き、ベトナム政府に対しての問題の早期の解決の働きかけを続けていきたいというふうに思います。
○窪田哲也君 どうかしっかり働きかけを続けていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、JICAの協力隊員の帰国後の支援ということでございますけれども、今回の視察の中で、JICAの海外協力隊員等の皆さんとも様々意見交換をさせていただきました。深い使命感の下で、現地で専門的な知識を生かしながら経験を積んでいらっしゃる、とても尊いことでございますし、我が国に対してのその信頼性確保という意味でも非常に大事なことだというふうに思っております。この経験は、我が国に戻ってきていただいてからの地方の創生、そうしたことにも十分生かしていただけるのではないかと、我が国の発展にとっても非常に重要なものだと思っております。 グローカルプログラムというのがあるようでございまして、地域連携で、派遣前に国内の課題、様々関心がある、そうした皆さんが、一定期間地方に住んでいただいてそこで活動していただくと。それで、現地での対応能力を培っていただいて、現地に行って、再びまた戻ってきていただいて地方創生に御活躍いただくという、そういうグローカルプログラムもあるというふうに伺っておりますけれども、こうした連携も、地域おこし協力隊としてのそういう連携も非常に重要だと思っておりますけれども、この皆さんの帰国後の支援、就職、起業、大学院進学、そうしたものについて国は最大限の努力を行っていくべきだというふうに感じております。答弁を求めます。
○政府参考人(長徳英晶君) 委員御指摘のとおり、隊員の帰国後の就職、キャリア支援、これは非常に重要な課題というふうに認識をしております。 キャリア支援としましては、派遣中も参加可能なオンラインでの起業支援の各種セミナーをやっておりますし、また研修、それから帰国後のキャリア相談、国連ボランティアの推薦制度の活用、それから専用ウェブサイトを通じた求人情報の提供、大学院進学のための奨学金、資格取得手当など、様々な措置を講じて隊員に対するキャリア支援を行っております。 また、経団連や日本商工会議所に対しても会員企業による現職参加制度の導入の働きかけも行っておりますし、帰国隊員の雇用促進を念頭に、JICA海外協力隊の事業も紹介をしているところでございます。 さらに、委員からも御指摘がございましたグローカルプログラム、それから地域おこし協力隊との連携も進めているところでございます。実際に、青年海外協力隊を経験した人が、その後、地域おこし協力隊の隊員になって地方で活躍するという事例も出てきておりますので、こういった動きをどんどん推進していきたいというふうに思います。 今後も、帰国隊員や社会のニーズに応えた就職、キャリア支援を充実させていくべく努力をしていきたいと思います。
○窪田哲也君 JICAの協力隊員の皆さんは非常にスキルも高いですし、社会貢献への使命感、そういう貢献していく心も強く持っていらっしゃいますので、やはりそうした人材を、国内の、日本の発展、そして地域の再生、そうしたものに生かしていくことはとても大事なことだと思いますので、そしてまた、それ以外にも、大学院だとか起業だとか、キャリアアップのためにしっかり応援をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 外務大臣に伺いたいと思います。 もちろんODA、我が国の外交の重要なツールでありまして、大事なものですけれども、予算は当然年々減少傾向。一九九七年度の一・二兆円をピークに、二〇一一年度以降、五千億円台ということでございます。国連の目標である国民総所得比〇・七%に対して、現状〇・三%から〇・四%と。今日のこの財政状況の中ではなかなか国民の理解を得ていくのは簡単ではないと思いますけれども、やはり日本の重要なツールでございますので、しっかりやっていかなきゃならないと。 ODA大綱でも、国際的目標を念頭に置くとともに、厳しい財政状況を踏まえつつ、様々な形でODAを拡充していくというふうに書かれております。改正JICA法でも、民間資金の投入ということも書かれておりますけれども、それらを通じた国際目標の達成、そしてまた、国民の理解促進に向けての大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) おっしゃるとおりでございまして、開発協力大綱では、ODAの量はGNI比で〇・七%とするという国際目標を置いているわけでございますけど、現行〇・三九ぐらいだと思います。総額でいっても往時の半分以下になってしまっているわけでありまして、現在の我が国の厳しい財政状況に鑑みれば、直ちにこの目標を達成するという見通しを立てることは困難ですけれども、様々な形でODAを拡充すべく、必要な努力を行っていきたいと思います。 委員御指摘のように、改正JICA法も民間資金も有効に使えるようにということでお願いをさせていただいたわけでございます。ODAの目的は、もちろん、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の下で、平和で安定し、繁栄した国際社会の形成に資するということでございますけれども、我が国と国民の平和、そして安全の確保、経済成長による繁栄といった我が国自身の国益の実現にも寄与することであります。まさに、情けは人のためならずであると思います。 そういう中で、いかに国民の皆さんの御納得と共感が得られるかということが、ODAを拡充していくためにはもう必要不可欠だと思いますので、丁寧かつ分かりやすい広報、今、この情報環境を踏まえて、広報の仕方ももっと工夫をしなければいかぬというふうに思っていますけれども、しっかり丁寧な分かりやすい説明に努めて、国民の御理解をいただいて、拡充に努めてまいりたいと思います。
○窪田哲也君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 ここからは、戦略的な対外発信ということについて伺いたいと思います。 初めに、我が国を取り巻く偽情報の傾向と対処の方針について伺います。 ウクライナ情勢、パレスチナ問題に象徴されますとおり、認知領域における情報戦、この対応が我が国の命運、国運を決するという、そういうところまで来ていると私は理解をしております。最近では、東京電力福島原発ALPS処理水の問題、放出問題ですね、そうしたことについての偽情報あるいは誤った情報の拡散が我が国の国益を大きく損ねている、また国の政策決定を左右しかねない、そういう事態に発展しかねないと、危険性はらんでいると私は思っております。 国家安全保障戦略に基づいて、情報、政策、発信部門の連携、そして情報戦に対する収集、分析、発信能力の強化が急がれております。現下の我が国を取り巻く偽情報の傾向と対処方針について伺いたいと思います。
○政府参考人(北村俊博君) お答えいたします。 まず、現状認識でございますけれども、委員御指摘のとおり、地政学的な競争が激化する中で、偽情報の拡散など、情報操作による国際的な情報戦が恒常的に生起をしております。情報空間におきましても、我が国の外交政策等に悪影響を及ぼす、あるいは外国における我が国の信用を毀損するナラティブ、それを浸透させるような動きが見られるところでございます。そうした中で、偽情報の拡散を含む情報操作の試み、これに対処する必要性というものが一層高まっているというふうに認識をしております。 そうした中で、基本的な対処方針ということでございますが、今委員引用いただきました国家安全保障戦略にも書かれておりますように、情報部門、政策部門、そして広報部門、これが連携をしまして我が国の重要政策に関する認知領域等での動向の情報収集及び分析を行いまして、その結果を踏まえた効果的な戦略的な発信、それを適時適切に行うように努めているところでございます。 特に、国際情勢が、我が国の、国際情勢に関する我が国の基本的な考え方、あるいは日本の政策や取組についての正確な情報、これを、発信のターゲットとなる層に着目しまして、その関心を踏まえて積極的に発信すると、そういうことを通じまして情報操作の余地を狭めていくということが重要であると考えているところでございます。
○窪田哲也君 具体的に伺いたいと思います。 最初に、外国メディアを通じた誤情報、偽情報対策であります。 我が国の外交政策、取組、立場について、在外公館を含む我が国政府が主体となって発信をして、国際社会そして他国の国民の理解を得ていくことがとても大事だと思っております。特に、先ほども触れましたような看過できない事実誤認あるいは我が国の立場とはもう全く相入れない報道、そうしたものがなされた場合には、もう速やかに外国メディアを通じて反論投稿そして訂正記事の掲載、そうしたものを求めて進めて、他国国民の正確な理解を得ていくことが大事だと思っております。 反論の投稿など、外国メディアを通じた誤情報、偽情報対策は現在どのように進んでいますでしょうか。
○政府参考人(北村俊博君) お答えいたします。 外務省は、我が国の外交政策や取組、立場につきまして、国際社会からの理解と支持を得るべく、まさに委員御指摘の外国の報道関係者、そういう方々を通じた情報発信ということに努めているところでございます。特に、今御指摘のありました看過できない事実誤認あるいは日本の立場とは相入れない報道がなされた場合には、速やかに当該メディアに対して申入れや反論投稿等を行うことによりまして、正確な事実関係と理解に基づく報道がなされるように努めているところでございます。 具体的な外国メディアに対する取組の事例といたしましては、ふだんから外国メディアからの照会や取材に対しては十分な協力をしてきておりますし、いろいろなブリーフィングというものも日常的に行っているところでございますが、例えば、総理大臣や外務大臣が外国を訪問する機会を捉えまして、現地のメディアに対して寄稿を行ったり、あるいは書面でのインタビュー等に対応したり、さらには現地のメディアに対してブリーフィングを行ったりというような取組を行っているところでございます。 また、日本に対する理解を深めていただく観点から、外国メディアを日本に招聘したり、あるいは、東京に駐在しております外国メディアの方々に地方を視察していただいて取材をするというようなことの協力もしております。
○窪田哲也君 今、直接的な対外発信ということで御説明をいただきましたけれども、若干触れていただきましたが、有識者あるいはメディア招聘、そうした取組もとても大事だと思っておりまして、第三者の知見を生かして、専門的で客観的な発信が有効な場合も当然あろうかと思います。有識者、メディア関係者等を招聘することによって、我が国の政策、それから価値観、そうしたものに理解を深めていただいて、メディア等を通して情報発信をしてもらうということはとても効果的だと考えております。 有識者、メディア招聘の取組状況について伺います。
○政府参考人(北村俊博君) お答えいたします。 委員今御指摘のとおり、海外から発信力のある有識者あるいは報道関係者というものを日本に招聘して、政府関係者あるいは有識者と、日本の政府関係者あるいは有識者との意見交換をアレンジしたり、あるいは日本の各地を視察をしていただくということは、非常に日本の理解を深めていただく上で重要だと思っておりますし、外務省としましては、そういう取組を積極的に行っているところでございます。 特に、具体例としまして、令和六年度でございますけれども、この場合、二十二か国から二十五名の有識者と、また十九か国から計二十四名の外国メディアを日本に招聘して、先ほど申し上げたような取組を行ったところでございます。 今後とも、こうした取組を通じて、日本の政策や立場、政策等について、国際社会の理解、支持を得ていきたいと考えているところでございます。
○窪田哲也君 どうか、あらゆるそういう取組を通して、我が国の立場、政策について理解をいただけるように引き続き努力をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 次は、AIを含む新興技術を活用した情報力の抜本的強化でございます。 最近話題になって関心を生んでいることに、パブリックコメント、パブコメに対して数万件規模の大量投稿が相次いでいて、これは総務省でございますけれども、事務処理負担軽減のためにどうやっていくのかということで今議論をしているということですが、そのような形で世論がゆがめられるというか、偽情報によって我が国の政策が左右されるという、そういうことはあってはならないことだと思っています。 このAIを活用すること、とても大事であると思います。情報戦が激化をする中で、継続的に対処能力を強化していく必要があります。情報空間における各国の動向、意図、これらを的確に分析をして、効果的な発信をしていくことが大事であります。在外公館など多様な情報源を用いて情報収集能力、これを高めていかなきゃならないですけれども、一方で、AIを含む新興技術を活用して、効果的に情報を収集、分析していくことがとても大事だと考えております。 AIを活用した情報力の抜本的強化へ向けた取組を伺います。
○政府参考人(高橋美佐子君) お答え申し上げます。 国際情勢が不確実性を増す中、偽情報の拡散等を通じた情報戦が恒常的に発生し、情報戦対応は喫緊の課題となっていると認識しております。 このような中、二〇二二年、令和四年末に決定された国家安全保障戦略では、人工知能、AI等も活用し情報分析能力を強化すること、及び認知領域における情報戦への対応能力を強化することとされております。 外務省としましては、国家安全保障戦略等も踏まえまして、インテリジェンスにおける公開情報の活用が情報戦への対応のためにも極めて重要であるとの考えの下、AI等を活用した情報収集・分析能力の強化に取り組んでおります。 具体的には、AIを活用した公開情報収集、分析のための予算について、令和六年度当初予算の二億円から大幅に増額し、令和七年度では約七・三億円を計上し、必要な能力強化を推進しております。 新興技術の進歩は日進月歩であるところ、今後も技術動向の変化等も踏まえつつ、機能の充実に努めていく所存であります。
○窪田哲也君 アメリカの国務次官に指名をされましたジェイコブ・ヘルバーグ氏が、フロントエンドということとバックエンドということを言われておりまして、サイバー空間における情報戦ということで、フロントエンドというのがSNS、ニュース、アプリを通じた情報操作、バックエンドというのは通信インフラ、基盤技術をめぐる競争でありまして、このいずれも大事なことだと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ジャパン・ハウスについて伺いたいと思います。 我が国の魅力を積極的に発信をしていく戦略的対外発信拠点としてのジャパン・ハウス、現在、サンパウロ、ロンドン、ロサンゼルスの三都市に開設をされておりまして、現地企画展、巡回展、これらの開催のほか、講演、セミナー、ワークショップ、図書、物販、飲食、伝統文化、芸術、これらを発信しております。累計七百三十万人がこれまで来館をされたということで、我が国に対しての理解を広めていく大きなきっかけになっていると思います。知日派、親日派の裾野拡大に大きな力になっていると私は考えております。 これまでジャパン・ハウスが果たしてきた役割、成果について伺いたいと思います。
○政府参考人(北村俊博君) お答えいたします。 今委員から全て御指摘のあったとおりでございますけれども、このジャパン・ハウス、親日派、知日派の裾野を拡大するための戦略的発信の拠点としまして、伝統工芸から現代アート、そして食、ファッション等の様々な展示を行っております。それに加えまして、講演会やセミナーなどを通じた政策的な広報、あるいは地方公共団体を含む関係機関等と連携をしましたビジネスのインバウンド事業、そういうものも取り組んでいるところでございます。 設置からこれ八年を経まして、最新の統計では総来館者数が七百四十万人に達しているところでございまして、私どもとしましては、着実に成果が上がっているというふうに認識をしております。 引き続き、このジャパン・ハウス、各拠点の特性を生かしながら、日本の多様な魅力、様々な政策、取組を発信するための拠点として、その事業の更なる拡充を図っていきたいと考えているところでございます。
○窪田哲也君 更なる拡充ということで今お答えいただきましたけれども、私はASEAN地域にも必要だというふうに考えておりますので、是非御検討をお願いしたいと思います。 最後に、大臣に伺いたいと思います。 これまで戦略的な対外発信強化ということについてるる質問をさせていただきました。情報、政策、発信部門が連携をし、情報戦に対する対応能力、我が国は着実に今進めていっているところであると理解をしております。国民の理解を得つつ、人的、物的基盤の強化を図っていかなければなりません。情報操作への懸念を共有する国々が連携をして対処していく必要性もあるというふうに考えております。 各国との連携による情報収集、分析、そしてまた、我が国独自としての戦略的な対外発信に向けての大臣の御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) 非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。 地政学的な競争が非常に激化しておりますし、委員御指摘の偽情報の拡散を含む情報戦、認知戦が恒常的に生起している中で、外交安全保障を含む我が国の政策、取組に対する理解や支持を得ていくことは非常に重要だと考えております。 今後も、国際社会において客観的事実に基づく正しい認識が形成されるように、在外公館を含む外務省全体で、AIなども活用しながら情報収集、分析を行って、適切な、適時適切な発信につなげていきたいと思っております。 特に、やっぱり今はもう紙媒体よりもネットの中の情報量の方が圧倒的に多い時代になりましたので、若年世代を含む幅広い層の理解を得るべく、ショート動画であるとか、インフォグラフィックス、図なんかを使った広報ですとかも活用して、SNSの発信にも積極的に取り組む考えであります。オールドメディアと言うと怒られますが、各国のメディア関係者や有識者の積極的な情報提供もしっかりやっていきたいと思っております。 偽情報については、多くの国で今問題意識が高まっているところでございますから、これまでもG7の多国間、あるいは日米の間で情報共有や対応能力の強化に向けた協議を行ってきていますが、引き続き、様々な国との協力を進めて対応能力を一層強化していきたいと考えております。
○窪田哲也君 終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(片山さつき君) この際、委員の御異動について御報告いたします。 本日、川田龍平さん及び岩本剛人さんが委員を辞任され、その補欠として羽田次郎さん及び藤井一博さんが選任されました。 ─────────────
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。 ちょっと通告の数が多いので、簡潔に、両大臣、答弁をお願いします。 まず、中国在留日本人の拘束事案についてです。 これまで、中国国内でスパイ行為に関わったとして拘束された日本人は何名いるんでしょうか。そのうち、現時点でもなお拘束されている人数と実刑判決を受けた人数を教えてください。あわせて、拘束時の具体的な容疑についても説明してほしいと思います。
○政府参考人(岩本桂一君) 今お尋ねの点でございますが、二〇一五年五月以降、合計十七名の日本人が拘束されたことを確認しております。現在、引き続き拘束中の日本人の方の数は五名、そして、そのうち四名が実刑判決を受けておられます。 これらの事案につきましては、中国の刑法、そして反スパイ法に違反したとして拘束されておりますが、それ以上の具体的な容疑については、拘束の段階では明らかになっておりません。
○松沢成文君 大臣、二番抜かして三番に行きますけれども、これ、反スパイ法に違反したと、あるいは刑法というのも出てきましたが、これだけなんですね。容疑明らかにしないんですよ。これ、一方的に拘束するというのはもう明らかに人権侵害。私は中国による拉致だと考えますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 政府としては、身体の拘束等に当たっては、適正な司法手続の下で基本的人権に十分配慮することが重要であると考えておりますので、これまでも中国側に対しましては、様々なレベルや機会を通じて司法プロセスにおける透明性の確保、そして邦人の早期釈放を強く求めてきております。 三月の日中外相会談におきましても、私から王毅外交部長に対しこの点について改めて申し入れておりますが、引き続き適切な対応を求めてまいります。
○松沢成文君 日本も中国に対して、人権侵害であるということはしっかりと言った方がいいと思います。 それで、この二国間関係における恣意的拘束の利用に反対する宣言というのがカナダを中心にこれ出されていまして、これもう八十一か国が支持しているんですね。これに基づいて、不当拘束は人権侵害であるとの方針を私は国家として明確に位置付けて、こうした危機感を共有する同志国がいるわけですから、中国とバイで交渉したってらち明きません、これ。ですから、こうした国と連携して中国に働きかけるということをやるべきではないのかと。必要であれば、これを協定や条約にまで発展させてもいいと思うんですよ。 あわせて、これ、国連があるわけですから、国連の人権理事会にも申立てを行うべきだと考えますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員が今御指摘になった二国間関係における恣意的拘束の利用に反対する宣言、これを我が国も支持を表明しております。 中国における邦人拘束事案については、関係国と様々な形で情報共有や意思疎通を行ってきておりますが、人権理事会においては、例えば二〇二四年、昨年一月に実施された中国に対する普遍的・定期的レビューの機会に、公正な裁判や透明性のある法的手続の保障を求めております。 今後とも、関係国としっかり連携をして、邦人の早期釈放に向けて最大限の外交努力を行ってまいりたいと思います。
○松沢成文君 話を日本国内の情勢に進めていきたいと思いますが、政府委員の方、今世紀に入って、我が国において中国における諜報事件は、それ何件ぐらい摘発されているんでしょうか。象徴的な事件としてはどんなものがあるんでしょうか。
○政府参考人(石川泰三君) お答えいたします。 警察におきましては、これまで、中国による対日有害活動と見られる事案を今世紀に入ってからも複数検挙しているところでございます。 この事案の中には、例えば、SNSを通じて接触を受けた中国企業の社員に対しまして勤務先の技術情報を提供したとして、令和二年十月に、大手化学メーカーの元社員を不正競争防止法違反で検挙した事例でありますとか、あるいは、フッ素化合物に関する研究データを中国に所在する企業のメールアドレス宛てに送信して開示したとして、令和五年六月に国立研究開発法人の中国人研究員を不正競争防止法違反で検挙した事例などがございます。
○松沢成文君 国家防衛機密どころか、経済事案にどんどんどんどん広がっちゃっているんですね。 さて、大臣、六番もちょっと抜かしますから、次、七番用意してほしいんですが。これ、中国には国家情報法という法律があって、これすごいんですよ。国内外の組織や個人が国家情報活動を支持し、協力する義務を負うんです。だから、日本にいる中国人も、国から指令があったら、情報収集してそれを本国に報告しなさい。これ、そういう組織じゃないと思いますが、孔子学院というのが各大学にできたり、あるいは中国は海外の警察拠点まで置いているんです。 今、日本では、経営・管理ビザを使って多数の中国人が入ってきて滞在しているんです。これ、国家情報法によれば、いざというときはそういう人たちがみんな、まあスパイとしてとは言わないけれども、情報収集して国に報告しなさいと、こういう恐ろしい法律まで作っているんですね。 さあ、大臣、日本は、不名誉なレッテル貼りかもしれませんが、スパイ天国と世界からやゆされているんですね。これ、どこに原因があると思いますか。
○国務大臣(岩屋毅君) スパイの防止に係る法制度の在り方については、今は我が国にはそういう特化した法律はないわけですけれども、議員も御案内のとおり、様々な議論があると承知しております。 外務大臣の立場からその個々の見解について包括的に申し述べることは控えたいと思いますけれども、国の重要な情報の保護を図ることは極めて重要であると認識をしております。引き続きそのために努めてまいりますけれども、国会においても大いに御議論をいただければ有り難いというふうに思っているところでございます。
○松沢成文君 日本がなぜスパイ天国とやゆされちゃうかというと、私は、幾つか私なりに考えると理由があると思うんです。それは、日本には包括的なスパイ防止法がない、何やってもほとんど捕まらない。それから、最近はいろんな法律ができていますが、セキュリティークリアランスの制度が遅れていたと。それからもう一点は、機密情報管理体制というのができていない。強いて言えば、強力な諜報・防諜機関がないと。こういうことから、もう日本は甘いよと、スパイ行為やり放題、これが世界の評価だと思います。 さて、具体的に伺いますが、日本でも、一九八五年、中曽根政権時代に、国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案、当時もスパイ防止法と呼ばれていましたが、これが自民党により国会に提出されて、しかし、審議未了のまま廃案になりました。 これは、防衛機密を対象とした法律なんですね。ですから、防衛大臣に伺いたいんですが、このスパイ防止法、防衛大臣はどう評価しますか。なぜ廃案となってしまったんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これは、もう四十年前の議論でございましたが、当時は議員立法で提出をされていたために、政府としてはこの評価、廃案となった理由をお答えすることは差し控えさせていただきますが、その後、防衛秘密とか特定秘密とかできまして、幾分この手の議論は進んできたというふうに思っております。
○松沢成文君 幾分進んできた。その中に、今幾つかの法律を挙げましたけれども、第二次安倍政権は、国家の情報保全体制を強化するために、二〇一三年に特定秘密保護法を制定したんですね。これができたので、スパイ防止法の代わりじゃないかという誤解をしている方が多いんですが、私は、この法律は、いわゆる包括的なスパイ防止法とは法体系が異なるものだと思っておりますけれども、これ、外務大臣、認識を伺いたいと思います。これ防衛大臣かな。まあいいや、政府委員、どうぞ。
○政府参考人(岡素彦君) 特定秘密保護法には、防衛、外交、スパイ活動等の防止及びテロ防止の四分野の重要情報を特定秘密として指定するための要件及び手続、秘密取扱者の適性評価を含む秘密保護のために講ずべき措置などが規定されております。また、秘密の漏えいや外国の利益を図るなどの目的で行われる秘密の不正取得行為などについて処罰する規定も置かれております。 委員がイメージなさっている包括的なスパイ防止法に必要な規定がここにどの程度含まれているかは分かりませんけれども、以上の限りにおいてではありますが、本法は、外国の影響下で行われるスパイ活動の防止と取締りに資する法律であるというふうに認識をしております。
○松沢成文君 これ、機密保護のための法体系が違うんですよね。 特定秘密保護法、最近では重要経済安保の保護活用法というのもできましたけれども、こうした保護法は、秘密を特定して、その秘密に関わる人をセキュリティークリアランスを掛けて、そういう人が漏えいした場合に罰するという法律なんですよね。一方、スパイ防止法というのは、スパイ行為者を、そのものを逮捕、処罰する法体系なんですね。 スパイ防止法は、したがって、かなり重罰が掛かっています、各国で。ただ、この重罰があるがゆえに予防効果が大きい。下手にスパイ活動をやると捕まって一生ブタ箱だと。死刑を掛けている国もありますからね、それだけ厳しいんですよ、諸外国は。でも、だからこそ予防効果があって抑止力があるわけですね。日本はそれがないから、本当にスパイ天国になってしまっているんです。 ですから、日本の警察は大変ですよね。このスパイ防止法がないために、もうスパイで怪しい人たちも、必死に既存の法律に引っかからないかって待つわけです。例えば、経済事案だったら不正競争防止法だとかあるいは外為法だとか商法だとか、あるいは防衛事案だったら自衛隊法違反にどうにか引っかけられないか、刑法違反にならないかと。でも、警察はすごい努力してどうにか捕まえているんです。でも、刑罰軽いですから、起訴猶予になったり、あるいは有罪判決でも、もう数年で出ていって、はい、さようなら、また次の機会に入ってきますって、これが実態なんですよね。 さて、大臣、私は、外務大臣、日本にも新たな包括的なスパイ防止法を作るべきだと思います。どういうものかというと、スパイ行為を定義して、スパイ活動そのものを取り締まって違反者に重罰を科すこと、そして、もう昨今の情報化の社会、グローバル化社会を見越して、この情報の保護対象を拡大することです。 以前のスパイ防止法は防衛機密を対象だったんですが、外交機密、政治、政策に関する情報、経済安全保障に関する情報などの重要性が増してきています。ですから、この保護対象とすべき重要情報の範囲も拡大して、スパイ行為そのものを処罰する包括的なスパイ防止法を早急に制定すべきと考えますが、外務大臣の見解を伺います。
○国務大臣(岩屋毅君) 以前からずっとある議論でありますけれども、実際、じゃ、スパイ防止法を作るとなったときに、スパイ行為の定義、その刑罰、保護対象の範囲といったことについて相当の議論が惹起されることになるんだろうというふうに思います。 したがって、この種の立法に当たりましては多角的な観点から慎重に検討されるべきだと。かなり私の個人的な考えも入っておりますけれども、国民の十分な理解が得られることが望ましい。何となれば、やはり、知る権利を始め、国民の基本的な人権に関わる場合もあり得るという立法形態になろうかと思いますので、だからこそ多角的な観点から慎重に検討されなければならないのではないかと思います。 その意味で、国会でも大いに議論していただきたいというふうに申し上げたんですけれども、一方で、言うまでもなく、国の国家運営のための重要な情報の保護を図ることは極めて重要でありますので、引き続き、必要な取組の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○松沢成文君 大変難しいので慎重な検討が必要だと、これずうっと言い続けているんですけれども、この包括的なスパイ防止法によるスパイ行為の厳しい取締りというのは、今や世界主要国の常識となっています。 そこで伺いたいんですが、G7の国々、クアッドの国々、AUKUSの諸国、これ日本の同志国、同盟国であります、こうした国々で、包括的なスパイ防止法がない国は日本以外にありますか。
○政府参考人(大鶴哲也君) ただいま委員御指摘された国の中の幾つかは、スパイ行為を取り締まる独立した法律を有しているというふうに承知しておりますけれども、他国の国内法の規定内容、範囲などにつきまして、我が国政府としてコメントすることは適当ではないと考えております。 政府としましては、カウンターインテリジェンスに係る必要な取組をいかに充実強化させていくのかということについて検討する中で、こういった諸外国の法制度につきましても、引き続き必要な知見を深めてまいりたいと考えております。
○松沢成文君 スパイ行為そのものを取り締まる法律をきちっと持っていないのは、恐らく日本だけだと思います。これ、是非とも研究を重ねていただきたいんですが。 さあ、この同盟国、同志国との連携を強化するためには、安全保障上の情報管理の信頼性を高めることが不可欠であり、急務であると思います。 そのためにも、日本は、包括的なスパイ防止法を制定して、カウンターインテリジェンス、つまり防諜体制を強化しなければ、私は、同盟国や同志国との情報管理、情報共有、これに支障を来すんですよ。日本は諜報機関もない、防諜体制もしっかりしていない、セキュリティークリアランスも十分ではない。日本にはこれ、秘密情報一緒に共有できないなと、漏れるぞ、危ないぞといって、私はオミットされてしまう、仲間外れにされてしまう危険すらあると思うんですけれども、外務大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 我が国も、平成二十年、内閣情報調査室にカウンターインテリジェンス・センターを設置いたしまして、官房長官の下でこのカウンターインテリジェンス、CI、CI推進会議を様々なレベルで開催をいたしております。また、外国のCI機関との情報交換や研修等を実施をしております。また、この間、先ほど委員も御指摘のあった様々な情報保護関連の法律も制定をしてきたところでございます。 今後とも、このカウンターインテリジェンスに関する取組をしっかり強化をしてまいりたいというふうに思いますが、スパイ防止法の制定の必要性については様々な御議論がありますので、多角的な視点から議論がもっともっと重ねられていくことが必要ではないかというふうに考えております。
○松沢成文君 私は、外交防衛委員会で前上川大臣にも指摘したんですけど、この包括的なスパイ防止法を制定して中国やロシアのスパイ容疑者を捕らえておけば、日本も、両国で、両国が考える不当拘束されている日本人容疑者と、ある意味でスパイ交換をすることも私は可能となってくる可能性があると思っているんです。これ難しいですよ。 近年、例えば中国、カナダの間、あるいはアメリカ、ロシアの間でも大型のスパイ交換ありました。ファーウェイの副会長、これ中国は取り戻したい。で、中国が反スパイ法でカナダ人の記者かな、二人をすぐ拘束して、じゃ、これを交換しましょう。これ、解放されたんですね。アメリカの有名なプロバスケットボールの女性の方が、ロシアで多分麻薬か何かで捕らえられて、ロシアの武器商人、アメリカは持っていたんですね。これ交換ですよ。 これ、ただ、非常に難しいのは、相手のある外交交渉ですし、じゃ、法的手段がそれ許されるのか、手続ですね。あるいは、そういう交換できる対象となる人がちゃんといるのかと。あるいは、これやり過ぎると報復のエスカレーションになっちゃうんじゃないかと。怖いところたくさんありますよ。ただ、私は、不当拘束されて、日本人がですよ、それも五年、十年とずっと牢屋にいるわけですよ。この人たちの人生どうなるんですか。そうであれば、ある意味で、どんな手段を使っても取り返そうじゃないかと。 私は、スパイ交換ができる体制をつくっておくのも一つの国家の安全保障だと思うんですけれども、大臣の見解を伺います、スパイ交換について。
○国務大臣(岩屋毅君) これは、委員が自ら今おっしゃいましたけれども、いわゆるスパイ交換ということに関しては、司法制度の異なる第三国との事例と単純に比較することは困難であると思います。 いずれにしても、我が国としては、邦人の早期釈放に向け、引き続き最大限の外交努力を行ってまいりたいと考えております。
○松沢成文君 最後に、諜報機関に対する考え方を伺います。 皆さん御承知のとおり、世界の主要国にはしっかりとした諜報機関があります。アメリカのCIA、中国のMSS、イギリスのMI6、ロシアのFSB、あるいはイスラエルのモサドなんかも有名ですけれどもね。大臣は、こうした諜報機関、情報機関の活動をどのように認識して評価をされていますか。
○国務大臣(岩屋毅君) 国際情勢が不確実性を増している中でありますので、同盟国、同志国を含めて、各国の情報機関はそれぞれの国益にかなう情報の収集や機能強化に努めていると承知をしております。現下の情勢踏まえますと、国際情勢に関する情報収集、分析能力の重要性はますます高まっていくと思いますので、外務省としても、引き続き、情報収集、分析能力の一層の強化を図る考えでおります。 大臣の立場を離れて申し上げますと、自民党の中でもこれ一回真剣に勉強したことがありまして、町村調査会、委員会といって、私もその主たるメンバーでありました。対外情報収集に特化した機関というのは果たして日本で成り立ち得るのかというような議論を一度行ったことがありますけれども、やはり、これについても国民の皆様の御理解を得なければなかなか難しい課題だと思いますので、こういったことも含めて、国会においても是非大いに議論をしていただければ有り難いと思っております。
○松沢成文君 国家安全保障を考える上で、機密情報の管理というのは極めて重要です。私は、是非とも両大臣が中心となって、実は、自民党の方の検討会も石破総理に、何かあれ、スパイ防止法の制定について提言を出すみたいですよね。私はいい機会だと思いますので、政府内において是非ともこれ検討会つくっていただいて、包括的なスパイ防止法と諜報機関、防諜機関、日本でしっかりつくって、国際社会に対応できる、情報戦に負けない国をつくるという方向で検討を進めていただければ有り難いと、そのことを両大臣にお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(片山さつき君) この際、委員の御異動について御報告いたします。 本日、中条きよしさんが委員を辞任され、その補欠として金子道仁さんが選任されました。 ─────────────
○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。 本日は、岩屋外務大臣にこのような機会で初めて御質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 私も、決算委員会、年に一回させていただく中で、継続的に同じテーマで、経年経過というんでしょうか、確認させていただきたいと思っておりまして、昨年も質問させていただいたテーマですが、ODA事業について、残念ながら、今年度も効果が発現していないODAということで、資料の一を御覧いただけますでしょうか。 会計報告でも、有償協力一件、無償資金協力一件、草の根二件について、援助の効果が十分に発現していないであろうという指摘がなされました。 私の事務所の方で通番を通しまして、緑色のところはもう既に昨年までに確認させていただいたところで、この白が今回上に新たに追加させていただいた、検査年度令和五年度のものを追加させていただき、比較検討してみますと、やはり発生原因、非常に類似していると。 昨年も、この発生原因共通しているんではないですかということについて、外務省からは二つの回答をいただきました。一つは、現地の大使館が事業の状況を十分に把握できていなかった、もう一つは、実施団体との連絡調整について十分な対策が講じられていなかったという御答弁を頂戴いたしました。 今年のものも見させていただきますと、やはり大使館が事業の状況を把握していなかった、また、把握していても実施団体との連絡調整が十分に行われなかったということが繰り返されているような、そのような発生原因ではないかというふうに考えております。 これは、残念ながら、ある一部の組織の問題というよりも、やはり我が国の開発協力の実施体制、構造的な問題ではないかというふうに考えております。是非、大臣には、この実施体制の見直しについての考え方をまず最初にお伺いします。
○国務大臣(岩屋毅君) 外務省としては、この会計検査院からの指摘を深刻、真摯に受け止めております。今、在外公館や在外事務所において所要の措置を講じているところでございます。 具体的には、もう既に委員から御指摘ありましたが、実施機関との密な意思疎通を通じる、事業の進捗を適切に把握する、事業完了後の利用状況や課題が生じた場合の対応について適切に報告をさせる、そして必要な働きかけを行うということを周知徹底しているところでございます。国民からいただいたこの大切な予算を使ってやる事業でございますから、これを周知徹底させていかなければいけないというふうに思っております。 事業完了後も正しく評価されるためのフォローアップを行い、いわゆるPDCAサイクルにおいて一貫性を確保すると、これはもう開発協力大綱にもそう書いてあるわけでございますので、このことをしっかり踏まえて効果的なODAの実施に努めてまいりたいと存じます。
○金子道仁君 ありがとうございます。 もうこの資料を見ていただくと分かると思うんですが、実施国、カンボジア、ネパール、タンザニア、ガーナ、いずれも大使館としましては規模が小さい。大使館の方々が手を抜いていると、全くそう思わないんですね。忙しい中で非常に多忙な、そして多種にわたる業務の中でこのODAの案件をしっかりカバーする、そこに無理があるんではないかというふうなことを考えております。 〔委員長退席、理事藤木眞也君着席〕 二〇二三年の六月にODA大綱改定されて、DAC平均のGNI比〇・七%、現在のODAの約二倍まで増やしていくという目標が、目指すということで指針は書かれました。ただ、まだ、今その道半ばというか、まだまだこれからだと思います。額ありきではなく、やはり質の高いODAをいかに積み重ねていくことによってODAのこの規模を拡充していく、そのためにこういったことを御質問させていただいているわけです。 今、岩屋大臣からもPDCAサイクルしっかりやっていくべきだということをおっしゃられましたけれども、このPDまでも大使館がやるということに、マンパワーに限界があるんではないかと。私は、特にその草の根無償のような、細かくきめ細かい案件発掘をしてフォローするようなところに関しては、PDは民間に任せてCだけを、チェックだけを外務省がやると。ちゃんとやったところに関してはもうちょっとやれよと、やっていないところに関しては、いや、もうおまえさんとはできないよというような、そのようなチェック機能だけを大使館がしていくような、そのような、官民連携ではなく官民分業というような形をすべきではないかというふうに昨年質問させていただきました。 昨年の決算委員会では、市民社会への連携や民間へのアウトソーシング等を含め適切な方法を検討するというふうに御答弁いただきましたが、その後、検討はいかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 民間といいますか、市民社会との協力というのは非常に大切だと思いますけれども、委員がおっしゃるように、民間へのアウトソーシングをしてチェックだけをするということでありますと、国民の税金を原資とするODAの実施に当たりましては、政府としての説明責任ということがしっかり果たされなければならないというふうに思っているところでございます。 外交ツールとしてODAを活用する観点からも、案件の形成や実施の各段階において、やはり在外公館が一定のしかるべき役割を担うことが必要不可欠なのではないかと考えているところでございますが、委員の御示唆も参考にしながら、在外公館の業務量の適切な管理ということもありますので、御示唆も参考にしながら、責任がしっかりと持てる効果的かつ効率的なODAの実施ということを追求してまいりたいと考えております。
○金子道仁君 ありがとうございます。 政府の説明責任はそのとおりだと思います。是非、政府は関与しながら、ただ、案件形成とかそのフォローであるとか、非常に手間の掛かるところ、丁寧にやるべきところは民間にアウトソーシングするというのは非常に、前回の答弁でアウトソーシングという言葉をいただきましたので、是非その辺り、御検討を続けて、重ねていただいて、このような連携不足によって会計検査院の指摘がずっと同じようなものが続いていくことのないように、是非改善を図っていただきたいと思っております。 次のテーマに移ります。 国際機関への拠出金に係る透明性向上の必要性について御質問させていただきます。 昨年も、なぜこの国際機関の拠出金の評価シートを作っているのかという質問をさせていただいたときに、国民への説明責任、ODAをどのように使っているかという説明責任及び国際機関に対する効果的な、また効率的な拠出に貢献するためにこの評価を行っていると、そのような御答弁をいただきました。 今年確認したところ、平均以下のB評価の評価をいただいている国際機関に対して、それが大体三十件あるんですが、三十件中二十三件が、三年連続でB評価以下にもかかわらず、その拠出総額は増えていると。つまり、平均以下の評価を出しても日本は拠出金を増やすという、そういうプラクティスが起こってしまっているわけです。これは、国民に対しても説明が付きませんし、国際機関に関しては、ああ、日本はどんな評価をしても結局お金をくれるんだと、日本のチェックというものは余り重視をしないというような、そのようなメッセージにも取られかねない、そのように懸念をするわけです。 是非、評価が下がればその拠出も下げる、評価が上がれば拠出も上げるというふうな、評価と拠出のめり張り付け、そういった運用をすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大鶴哲也君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘いただきました、評価の下がったものと予算との関係、若干、済みません、これまで御説明させていただいたところに足らざるところあったかと思いますけれども、先ほど御指摘ありました二十三機関、確かに外務省から八月の段階で予算要求をさせていただいたときには多少増額をして要求をしておりましたけれども、最終的には、令和六年度の拠出額との比較におきまして、二十二機関、二十三のうち二十二機関で減額査定という結果になっております。 これは、なぜそういうことになっているかと申し上げますと、時間的なずれといいましょうか、評価ができてそれを予算要求に反映させるところに約一年間のギャップがございます。したがいまして、先生御覧になっていただいている部分の評価が下がった部分とその予算の増額、減額の部分に若干のタイムラグがあるということであろうと思います。 ただ、いずれにしましても、国際機関評価との関係も含めまして、めり張りのある拠出額の実現というのは御指摘のとおり重要だと思いますので、国民への説明の部分を含めまして一生懸命取り組んでいきたいと思っております。
○金子道仁君 御答弁ありがとうございます。 具体的に、今日は資料二にありますUNRWAを国際機関の一つの例として、評価について御質問させていただきたいと思っております。 この資料にもありますように、皆さん御存じのとおり、一九五〇年から活動を開始し、七十五年続いて、約十一億ドルという額の拠出が日本政府からガザに七十五年続いてしまっている。援助がいつまでも続いている、援助を受けた世代が七十五歳の世代までずっと続いている、そのような国際機関になっているわけです。 その中で、二三年の十月に、御存じのとおり、テロ攻撃によって人質がとらわれた。昨日一人解放されたそうですが、いまだに五十八人の人質の方々が二年近く拘束されている。即時解放を求めると同時に、恒久的な停戦が速やかに行われ、恒久的な和平、そして二国家解決という我が国の外交方針が速やかに実現すること、そしてそのために我が国の援助が有効に用いられることを是非実現していただきたいと思っております。 二〇二四年一月に、このテロ攻撃にUNRWAの職員が関わった、関与したんではないかという疑惑が起こって、国際社会が一遍にUNRWAに対する資金提供を止めた、我が国も止めました。それに対して我が国は、その後、四月に資金提供を再開したわけなんですね。 そのような経緯もあってか、令和五年のときのUNRWAの国際評価シート、ごめんなさい、評価シートはAマイナス、令和六年、最新はBプラスということで評価が下がっています。ただ、評価は下がっているんですけれども支出額は増えているという、そのような状況で、先ほど大鶴官房長からもありましたように、そのタイムラグがある、だから今は上がっているように見えるんだということだと思うんですが、大臣、来年は、じゃ、下がるんでしょうか。
○政府参考人(長徳英晶君) お答え申し上げます。 先ほど答弁にもありましたように、国際機関のその評価と予算にはタイムラグございまして、前年度に行った国際機関評価を参考として使用して当初予算の要求をしております。 その予算と国際機関評価が機械的に連動することではないんですけれども、御指摘がありました令和六年度の国際機関評価、UNRWAに対する評価はこれBプラスということで、その前の年度からは下がっているところでございます。ただ、様々な考慮の結果、これを踏まえて、令和七年度、つまり翌年度の当初予算は前年度から減額をしたということになります。これは、機械的、まあ機械的に連動するわけではないと申し上げましたが、国際機関の評価も下がりましたし、当初予算も下がったということになります。 来年度の予算どうするかについては、同じように、国際機関評価も始めとして総合的に検討して考えていきたいというふうに思います。
○金子道仁君 評価に応じて拠出をしっかり考えていくというのは、我が国として国際機関の運営をしっかり見ているよというメッセージになりますので、是非そのような、評価が下がれば拠出を下げるという形は取っていただきたいと思っております。 資料の三に、これ何度か使わせていただいていますが、UNRWAが運営しているパレスチナの学校でハマスのテロリストを称賛するような内容が教えられている。このことを昨年、予算委員会また決算委員会で当時の上川大臣に御説明させていただいて、その点について、上川大臣、当時の大臣から、教育の中立性についてUNRWAにしっかりと申し入れてくださったということを感謝いたします。 申入れはしました。ただ、実際にそれがちゃんと反映したかどうかというところは少し疑問があるんですね。我が国は四月の二日にUNRWAへの資金拠出を再開しました。なぜ再開したのかというと、コロンナ元フランス外務大臣の報告書を基にして判断しているというような御答弁いただくんですが、コロンナ・レポートの発表は四月の二十日、我が国の拠出は四月の二日で、レポートの発出前にもう既に拠出を再開している。これはちょっと矛盾しているんではないか、しっかりと我が国の要望に対してUNRWAが回答した、示したから再開したというんであれば国民に説明が付くんですが、申し入れただけで再開したというのは矛盾があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(長徳英晶君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、昨年四月に資金拠出を再開したわけでございますけれども、それに際しましてUNRWA側より、ガバナンス改善のためのUNRWAの取組として、全ドナー向けのアクションプラン、改革のためのプランでございます、これが説明されました。並びに、日本との間の追加的な措置として、日本・UNRWAプロジェクト管理・モニタリングメカニズムを設置をして、日本によるその拠出がきちんと使われているか、ちゃんとモニターしていくという方針が示されたところでございます。 これを踏まえまして、昨年四月二日、我が国の支援によるプロジェクトの適正性の確保を図りつつ拠出の一時停止を解除したというのが経緯でございまして、その後、四月二十日にコロンナ・レポートが発表されておりますが、コロンナ・レポートの発表をベースとして我が国は拠出の一時停止を解除したわけではございません。 〔理事藤木眞也君退席、委員長着席〕
○金子道仁君 昨年の予算委員会で当時の岸田総理から、我が国のODAが仮にテロ活動に使われる、そんなことがあっていいんでしょうかという質問をさせていただいたとき、総理からも、一般論として、国民の税金などが、我が国の資金がテロ活動に使われる事態、これは断じて看過できないという御答弁をいただきました。そして、コロンナ・レポート等が出てきたので拠出金を再開したと。 じゃ、二つお伺いしたいんですが、そもそも拠出金を停止したのは、テロ攻撃にUNRWAの職員が関与したという疑惑が起こったからなんですけれども、その疑惑は解消したんでしょうか。つまり、その点について、日本政府としては、UNRWAの職員はテロに関与しなかったということを確認したんでしょうか。 そしてもう一つは、私もこだわっているんですが、教育の中立性ですが、これはもう既に改善したんでしょうか。それとも、やりますという、そのような段階で止まっているんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(長徳英晶君) 御指摘のとおり、UNRWAをめぐる様々な疑惑を受けて我が国はその資金の拠出を一時停止したわけでございますけれども、その後、UNRWAのリーダーシップの下、UNRWAのガバナンス改善のためのアクションプランというものが示されました。この中には、問題の発端となったそのUNRWAによる教科書が偏向しているという問題についてもきちんとちゃんと是正して取り組むというようなアクションも含まれております。 その後も、UNRWAは、このアクションプランをきちんと実施していくということを強くコミットして実施を進めているというところでございます。国連の基準に照らしたレビューを行い、不適切とされた記載について、現場において用いないように教師に強く指示をしていると。補助教材もきちんとしたものを用いるという取組をもう既に行っており、我が国の拠出再開の判断をした際にも、彼らのこういうコミットメントを確認した上で判断したものでございます。
○金子道仁君 先ほど外務省から答弁いただいたコロンナ・レポートですけれども、残念ながら、コロンナ・レポートはその疑惑に関しては触れていないんですね。これは調べられないということで、結局疑惑は残っているわけです。つまり、日本の資金がテロ活動に使われた可能性というのを排除したわけではない。だから、アメリカは引き続いてまだUNRWAにはお金を出していないという中で、我が国はそこを曖昧な状態で出しているということに対して非常に懸念を持っております。 確かに今回、日本・UNRWAプロジェクト管理・モニタリングメカニズム、新しいのできました。でも、既にもう一九七五年から、そのUNRWA諮問委員会、UNRWA諮問小委員会、財政作業部会等のメンバーとして、日本はそのUNRWAに口を挟むそういう組織を持っていたにもかかわらず、そういったことが起こり、そして、それにまた屋上屋を重ねるような新しい組織をつくったから大丈夫というのは、やはりちょっといかがなものかと思います。しっかりとその辺り、疑念を払拭した上で資金を再開していくということを外務省に対しては是非検討していただきたいと思っております。 私は、このガザの問題に対して、お金を出すなということを言っているわけでは全くありません。そうではなくて、UNRWAしかないという、UNRWAだけにしかお金を出さないということになれば、UNRWAとしては、もう日本は絶対お金を出してくれるんだから、やりますといって実際にこの成果を出さなくても拠出金は止まらないという、そのような緩い緊張感になってしまうんじゃないかということを懸念しております。 資料の四を御覧いただきたいんですが、例えばEUであれば、UNRWAだけではなくて、国際赤十字、赤新月社等々を通して、フィフティー・フィフティーぐらいの資金拠出をする。それによって、UNRWAしかないんじゃない、その援助をするチャンネルを複数持つことによってお互いの援助の質を上げていく、どちらがより、我が国の二国家解決という外交目標に向かっていいものなのかということを考えて支出をしていく、これがまさに国民への責任であり、国際拠出に対してのめり張りだと思っております。日本政府も是非その点について考えていただきたいんです。 評価シートを見ますと、UNRWAは、不可欠な、ガザ支援に対して不可欠な外すことのできないというような評価が書かれています。確かに非常に重要であることは間違いないと思いますが、あなたしかいないんだよと言ってしまったら、UNRWAからすれば、ああ、もう日本は私一人ですね、じゃ、ほかのところは大丈夫ですねと改善しなくなってしまうと思うんです。 是非、我が国であればジャパン・プラットフォーム等々に所属しているNGOが今ガザに入ろうとしてくださっています。支援の多様化、複線化を図りつつ、また我が国のその顔の見える支援をしっかりやっていく。そのようなために、様々な多様な国際機関、それぞれが持っている強みを生かして効果的な人道支援、その相乗効果を発揮していきたい、そのように前回も大臣から答弁いただきました。 その後、ガザ支援に対しての複線化、多様な支援の在り方、その辺り、進展はいかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) パレスチナの難民支援におきましては、UNRWAだけしかないとは申し上げませんが、やはりUNRWAが必要不可欠な役割を果たしているということは事実だろうと思います。一方で、多様な国際機関、それぞれが強みを活用して効果的な人道支援を実施していくことが重要だと考えております。 例えば、令和六年度補正予算におきましては、ガザの人道状況を踏まえまして、UNRWA、WFP、UNDP、WHOなどの国際機関や、委員御指摘のNGOとも連携しつつ、保健衛生、医療、食料、瓦れき除去、廃棄物処理といった多岐にわたる分野において、約百三十五億円の支援を決定して実施をしております。 我が国としては、関係国、機関とも緊密に連携しながら、今後の中長期的な復旧復興支援においても、何といいますか、多層的な機関と連携をしながらその役割を果たしていきたいと考えております。
○金子道仁君 ありがとうございます。 是非その支援の多層化、様々な機関の強みを生かしたその複線、複合的な支援をすることによって、我が国が目指すその二国家解決進んでいただきたいと思います。 あと、外務省の皆さんには是非、このUNRWAがしっかりと約束したことを守っているかどうか、我々の目で、我々の目で是非そこは確認しながら進めていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。よろしくお願いいたします。 岩屋外務大臣と外務省に、ODAについて質問させていただきます。 一九五四年に日本のODAが開始されて、今七十年超たったところであります。この一九六〇年から八〇年代は日本のODAの拡充の時代というのがありましたし、九二年にODA大綱というのが初めて出されました。二十一世紀に入りましてからは、SDGsあるいは気候変動対策が新たな課題となる一方で、多様性や価値観の相違なども重要なテーマとなってきたと認識しております。 我が国のODAは、開発途上国の経済発展や人材育成に大きく貢献していることは間違いございませんが、この国際開発の環境が大きく変化しており、援助から共創の時代、共創というのは共に創るという時代に転換が求められていると言われております。 この我が国のODA、援助から共創へと言われる中、これからの我が国のODAの在り方、外務大臣、どのような方向性をお考えなのか、教えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) 私も、昨年の十月就任して以来、あっという間に十二回海外出張させていただきました。特に、開発途上国と言われた国であっても、行ってみると、首都はもうどこもビルが林立して大都会になっているところ、まあ一部例外もありますが、まさに委員御指摘のように、このグローバルサウス、開発途上国というのは、もう支援の対象から、国際社会をこれから担っていくパートナーになりつつあるなということを強く感じております。したがって、ただ単に経済成長をやるというだけではなくて、我が国とも共通の社会課題の解決を共にやっていくというパートナーにだんだんとなってきていると思います。 二〇二三年に改定された開発協力大綱では、こうした状況の変化に着目をして、開発途上国を始めとする様々な主体を巻き込み、新たな解決策を共に創り上げていく、共創ということを基本方針として掲げたわけでございます。この方針に基づいて、日本の強みを生かした魅力的なメニューを作って積極的に提案していくオファー型協力ですとか、先般施行された改正JICA法の下で、課題解決力を有する多様な主体との連携強化に取り組んでいきたいと思いますし、この八月の来るTICAD9も、共に創り上げていくというような会議にしたいなというふうに思っております。
○竹詰仁君 大臣、詳細に御説明ありがとうございました。 今、共創という言葉の中で、私は、共創ができていない国が一つあると思っているのが中国であります。このODAの視点で見ても、この中国による開発援助は、中国経済及び外交政策として一気に増えてきていると思っておりまして、この中国の援助は、援助の押し付けあるいは中国のための援助という批判もあり、債務のわなと言われる被援助国では深刻な状況も現れていると思っております。中国はDACに加盟しておりませんので、中国がどの国に何をどの程度の支援を行っているのか、明確なデータ、統計がなく、また、真に被援助国の経済社会の発展に貢献しているか不明と言わざるを得ないと私は思います。 この中国による援助は被援助国において様々な問題を起こしていると考えているんですけれども、日本政府として、国際的な連携も含め、中国にどのような対応をしていくのか、大臣の見解を教えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) そこは委員御指摘のとおりだと思っております。 中国は、OECD開発援助委員会、DACのメンバーではありません。したがって、我が国と同様に国際的基準にのっとった援助データの報告を行っておりません。中国政府の開発協力に関する発表は詳細な情報を明らかにしておらず、不透明な点が多いと思っております。 昨今、このグローバルサウスの存在感がどんどん増していく中で、中国を含む新興ドナー国による支援の実態を正確に把握することは、我が国を含む既存のドナー国による支援の効果的な実施の観点から必要不可欠だと思っております。 この点を踏まえまして、今や世界第二位の経済大国となった中国による支援が、国際的な基準や取組と整合的な形で、透明性を持って、公正性を持って行われることが重要であると考えておりまして、引き続き、バイ及びマルチの枠組みを通じて、中国に対して責任ある援助について働きかけていきたいと考えております。
○竹詰仁君 御回答ありがとうございます。 私、この二月に、参議院のODA調査派遣としてセネガルとコートジボワールに行かせていただいたんですけれども、その際も、中国からの援助は、質、量、そして援助の条件など、様々な問題が起きているということを現地でお聞きしました。 今大臣からもありましたように、我が国のODAの、我が国がせっかく援助しているのに、それが打ち消されてしまうかのような援助も行われているということを拝見しましたので、是非今の、バイ、マルチでの働きかけを行うと今言っていただきましたので、是非そのことを取り組んでいただきたいと私からもお願いさせていただきたいと思います。 今申し上げたセネガルとコートジボワールのODA調査で、セネガルで活動しているJICAの協力隊の皆さんとの活動の様子を伺い、あるいは意見交換の場を設けていただきました。大変苦労している中でもやりがいを感じているということが伝わりました。 一方、コートジボワールは、二〇〇二年から内戦が発生し、二〇一一年に国際社会の介入を受けてようやく終結したようでありますけれども、以来、JICAの協力隊の派遣が中断されていると聞いております。このコートジボワールでも協力隊を再開できることを期待しておりますので、これは要望として外務省に受け止めていただきたいと思います。 一般社団法人協力隊を育てる会の方々からも、協力隊に関する様々な状況や課題を教えていただいております。先ほど窪田委員からの御指摘もあったんですが、ちょっと私も重なるところあるんですけれども、現役の協力隊やOB、OGの方からお聞きすると、協力隊の退任後の就職あるいは生活というのが課題だというふうに聞いております。 協力隊自体は大変やりがいもあり、自分自身の成長につながっていると思う一方で、日本の多くの企業が新卒一括採用のために就職がしにくい、あるいは、会社を辞めて協力隊になると同じ会社に戻れない、あるいは転職先が見付かりにくいというような声も聞きました。 このJICAの協力隊退任後の就職支援について、外務省の取組を教えてください。
○政府参考人(長徳英晶君) 委員御指摘のとおり、青年海外協力隊の帰国後の就職、キャリア支援、大変重要だと認識しております。 キャリア支援といたしまして、現在様々な取組を行っておりまして、派遣中の隊員向けの各種セミナーの開催ですとか、あとは研修、それから帰国後のキャリア相談、国連ボランティア推薦制度、専用ウェブサイトを通じた求人情報の提供、大学院進学のための奨学金、資格取得手当など、様々な措置を講じております。 また、経団連や日本商工会議所に対しても協力を求めております。会員企業による現職参加制度の導入の働きかけ、それから帰国隊員の雇用促進を念頭に、JICA海外協力隊の事業を先方に紹介をしているところでございます。 このように、帰国隊員のキャリア支援のために、引き続き支援を充実していきたいと考えております。
○竹詰仁君 私も、今の御回答もそうだったんですけど、事前にもお伺いしたときに、私が心配し過ぎたというか、いろんなことをやっていただいているというのはよく分かりましたので、是非その協力隊の人たちが戻ってから困らないというか、それが不安にならないように、是非強力な支援をお願いしておきたいと思います。 そして、外務大臣にもう一度またお伺いしますけれども、私は、唯一と言ってもいいんじゃないかと思っています、我が国で、建設的かつ健全な労使関係や労働者の安全対策、あるいは労働環境の改善、労働者の権利や人権などについて途上国に赴いて現地セミナーを開催したり、日本に招聘して日本で学ぶプロジェクトを実施している公益財団法人国際労働財団というのが、財団がございます。 国際労働財団、通称JILAFというふうに言いますけれども、この国際労働財団の活動は余り目立たないのかもしれませんけれども、途上国の発展に貢献するだけでなく、諸外国に進出している日本企業において、労使紛争を防いだり、生産性を向上させたりして、我が国の発展にも多大な貢献をしていると私は認識しております。 この国際労働財団、JILAFが、今、NGO連携無償資金協力プロジェクトということの対象になっているんですけれども、大臣、このJILAFの具体的なプロジェクト、御存じかどうか、教えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) 正直に申し上げまして、この度委員からこの質問をいただくということで、それまではよく認識しておりませんでした。 国際労働財団は、連合により、労働分野における国際交流と協力を推進する組織として設立され、今委員おっしゃったように、国内外でセミナーの実施や招聘事業、人材育成事業等様々な活動を行っていると報告を受けました。心から敬意を表したいというふうに思います。 今後も、この国際労働財団の活動について理解を深めてまいりたいと思います。
○竹詰仁君 大臣がきっと御存じないんじゃないかと思って、こういうところで取り上げればきっと大臣も覚えていただけるし、こういったインターネットとかも通じてこの審議中継を見ている方も多いと思いますので、繰り返しですけど、私が知る限りはきっと唯一なんではないかと思うんですね。 私も以前、タイの大使館で勤務させてもらったときあるんですけれども、大臣も御案内のとおり、タイは日本企業がたくさん進出しているんですけれども、その日本企業でいろいろ労使紛争が起きたり、時にはストライキもあったりして、それが、結局工場が止まったりしてということが起きてその影響を大きく受ける。なので、日本の建設的な労使関係だとか、あるいは生産性プロジェクトだとか、そういったことを現地の人に教えたり、あるいは日本に来てもらって工場を見学してもらったり、あるいは連合の人と意見交換してもらうとか、いろんなこと、取組をしているので、是非この機に大臣にもこの国際労働財団ということを覚えていただけたら有り難いと思います。 この国際労働財団、JILAFは、先ほど石橋委員がミャンマーの話をしていただいたんですけれども、実はこの国際労働財団は、ミャンマーとタイの国境のタイ側の町でミャンマー難民やミャンマーの国籍労働者の支援などを行っております。ミャンマー労働者の多くは、労働者の権利や人権、あるいは安全衛生などの知識がございませんので、まさに、働くとか生きるとか、人の根幹に関わる支援を行っていると承知しております。 JILAFは、ODAの一つである、先ほど申しました、外務省のNGO連携無償資金協力、これが承認されて、資金協力をいただきながら現地での活動を行っていると聞いております。 このミャンマーとタイの国境で活動している国際労働財団の活動をどのように評価し、どのような成果を期待しているのか、外務省にお伺いいたします。
○政府参考人(長徳英晶君) JILAFでございますけれども、外務省からNGO連携無償資金協力をしておりまして、委員御案内のとおりでございますけれども、これは、タイで働くミャンマー人労働者に向けて様々な支援を行っております。労働者の権利や人権に関する研修、三年間で延べ七百五十名に実施する予定でございます。現在、第一年目の事業を実施中であるというふうに聞いております。これ、三か年計画で行われて、金額としては千三百万円ほどのNGO無償資金協力ということになります。 外務省としましても、この研修により、必ずしも恵まれた環境にないミャンマー人労働者が、労働者の基本的な権利や人権について意識を高めてくれることを期待しております。これによって健全な労使関係の構築、質の高い労働者ということにつながっていくことを外務省としては目指しております。現在一年目の事業の最中ですけれども、本事業の二年目、三年目の活動の在り方について、JILAFともよく協議の上、検討していきたいというふうに考えています。
○竹詰仁君 このNGO連携無償、今のプロジェクトはまさに三年ということで、非常に意味深いというか、やはり、よく一年のプロジェクトというのもあるんですけれども、やっぱりこういった労働者の働く権利とか人権とかに関わることですので、私はこの三年のプロジェクトで御支援をいただいているというのは非常に意味深いことだと思います。 今、七百五十名程度とおっしゃったんですけど、恐らく、私、決して、プロジェクトのことを何か邪魔するというよりはむしろ応援者なんですけど、もっといっぱいいると思います。私も、タイにいるときにミャンマーの国境って何回も行ったんですけれども、もう全然数が数えられないぐらいたくさんの人がそこに押し寄せてきてしまっているので、きっと、一度現地を御覧いただいて、どんな様子なのかも外務省の皆さんにも見ていただければ有り難く思います。 繰り返しですけど、このJILAFは、国際、この労働者、あるいは労働者の権利とか、いろんな労働に関わる活動をしていただいています。もう一度ちょっとミャンマーの話に戻りまして、先ほど石橋委員からミャンマーに対するODAのことを御質問されておりました。私も、国軍が主導するこの体制の中で、今もう新規のODAはされていないというふうに承知していますし、これはやるべきではないというふうには私も思います。ただ一方で、困っている人がいるということも事実ですので、この人道的な支援というのは私は必要だと思っております。 改めて、このミャンマーに対するODAの見解、そして人道支援について大臣としてどのようにお考えなのか、教えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) 先刻もお答えいたしましたけれども、基本的に、我が国はまず、国軍が主導する体制との間では新規ODAは行わないこととしております。 その上で、苦難に直面されているミャンマーの国民の皆さんを支えるという一貫した方針の下に、これまで国民が直接裨益する人道支援ということを追求して実施をしてまいったところでございます。クーデター以降は、これも申し上げましたが、合計約一億九千万ドルの人道支援を実施しておりますし、三月の地震の際には、緊急援助物資の供与や国際緊急援助隊医療チームの派遣など様々な支援を行い、緊急無償資金協力六百万ドルも行いました。 その国軍が仕切っている体制の中でいかにして国民が裨益する支援を届けるかというのは、そう容易なことではないところがあります。したがって、一部国軍とも連絡をしなければいかぬということもあります、安全な人道アクセスを確保するためにですね。しかし、外からNGOの力を借りて支援を入れるという方法もあるでしょう。様々工夫を凝らして、国民が直接裨益する人道支援ということを目指して、しっかりこれからもやっていきたいと思っております。
○竹詰仁君 まさに私は、思い切って言うと、国軍は私は信じられないと思っています。私もタイにいたときに、ミャンマーの支援っていろいろやったんですけど、最終的に裏切られたような経験をたくさんしているので、今どうしてもそこを通さなきゃいけないということは私も理解しますけど、私は基本的には信じられないと思っているので、是非大臣にも慎重に、そして直接国民に、ミャンマーの国民に支援、届く支援をお願いしておきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 今日は、岩屋大臣、中谷大臣、よろしくお願い申し上げたいと思います。 まず、最初のテーマは、先ほど松沢委員の方からありましたスパイの防止への対応ということでお尋ね申し上げたいと思います。 今資料もお配りいただきましたので、委員の先生方も資料を見ていただいて。一九八〇年代に、スパイの防止の国会での議論というのもかなり活発化しておりました。その発端は、この資料にありますが、当時の防衛庁の秘密文書の漏えい事件、これが起こって、自民党の中で、昭和五十五年から五十九年にかけて、第一次案から第三次案、いわゆるスパイ防止法案といったものが議論されていたということです。で、昭和六十年、一九八五年に一度議員立法でこのスパイ防止法案が提出をされましたが、この法案は、結局審議入りしないまま廃案になったということです。 さらに、一九八六年に、もう一度自民党の方からスパイ防止法の修正案というのも出そうということにこれなったようですけれども、結局、当時の中曽根総理も、修正して再提出やりますというところまで行ったんだけれども、結局は提出されずに、その後、このスパイ防止法というのは日本の中には存在していないというのが今の状況です。 こうした中で、やはりこれ、今のスパイ活動を防止するために、今、現行法で対応しているということになっています。まさに、外為法とか不当競争防止法とか刑法とか、いろんな現行法でやっているんですけれども、現行法の中で対応するのにはやっぱり限界があるのではないかなというふうに思っておりますが、岩屋大臣、そして中谷大臣にも、今のこのスパイの活動を防止する日本の体制について、十分なのか不十分なのか、お二人の大臣の現状についての見解をまずはお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) 御党がこの課題を今研究しておられるということは承知をしておりまして、関心を持って注目をさせていただいておるところでございます。 政府という立場で申し上げますと、我が国において、外国の情報機関による情報収集活動が行われているという認識に立って、カウンターインテリジェンスに関する取組を強化するなど、必要な対策を講じてきているところでございます。もう詳細については申し上げません。 ただ、スパイ防止法ということになりますと、先刻も申し上げましたとおり、スパイ行為というものを、じゃ、どう定義するのか、罰則をどう定義するのか、保護対象となる情報をどう定めるのかといったところで、本当に様々な議論が起こってくるんだろうというふうに思いますし、そのことをまた国民の皆さんに御理解をいただかなければいけないと思うんですね。 大臣の立場をちょっと離れて申し上げれば、特定秘密保護法も私自身は妥当な立法だともちろん思っておりましたけれども、それでも大変な国会での議論も行われました。多くの反対意見もございました。そういうこと等を考えると、やはり国民の基本的人権に関わる部分も出てくるであろう立法については、やっぱり多角的な観点からしっかり議論をしなければいけないのではないかと思っているところでございます。
○国務大臣(中谷元君) 諸外国から我が国の国益を害する情報収集活動、これは行われるおそれが十分ありますので、そのために重要な情報を保護するという努力は続けております。 具体的には、カウンターインテリジェンスに対する情報の収集、共有、そして意識の啓発、また、職員に対する外国情報等の不審な動向があった場合には組織的に対応する等も含めました。 かつて、在アルジェリアの邦人に対するテロ事件が発生したときに、外国の関係機関から我が国に秘匿性の高い情報を得るために、特定秘密保護法、これが必要となりまして、これの成立のために国会での議論をいたしまして、この特定秘密の不正取得行為等を処罰する規定も置かれておりますので、これも一定の効果があると、抑止効果があるというふうに考えております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 今、両大臣から今の御見解を伺いましたが、やはりスパイ防止法という包括的な法体系が日本にはない中で、やはり現行法で本当に抑止力が担保できているかというと、いろんな指摘もあります。 先ほどの議論にもありましたが、他の外国においてはかなり厳罰化して、本当、死刑も規定しているところもあれば、十四年、十五年の懲役を科しているような、そういういわゆる懲罰をもって抑止力を高めている、こういう国もあります。 G7全体で見ると、やっぱり日本以外のG7各国はこのスパイ防止法を持っているというのが今の実態だと思いますので、まさに我が国も、特定機密保護法は制定されていますし、外為法とか不当競争防止法とか刑法とか、様々な法律で、現行法でも対応しているというふうに思いますが、これは岩屋大臣にお伺いしますけれども、今の現行法で本当に抑止力が担保できているというふうにお考えかどうか、その点を確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) その抑止力が担保できているかどうかということに直接お答えするのはちょっと控えさせていただきたいと思いますが、やはり国家運営上極めて重要な情報がしっかり保護されなければいけないということは、もう委員御指摘のとおりだと思っております。 したがって、政府全体として、今ある現行の法律等ももちろん全部活用する中でしっかりと情報の保護を図っていかなければいけない、またカウンターインテリジェンスの能力も高めていかなければいけないというふうに思っておりますが、いよいよスパイ防止法ということになりますと、繰り返しになりますが、やはり国民の基本的権利に関わるところも出てくる問題であろうと思いますので、是非、国会においても活発に御議論いただいて、問題の所在あるいは課題みたいなものを明らかにしていっていただけると有り難いなと思っております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 ちょっと事務方に再度確認ですけれども、このスパイ防止法を過去も、先ほど一九八〇年代の議論を御紹介しましたけれども、いろいろな議論があって議員立法も成立しなかったということですが、政府として、このスパイ防止法の効果と課題、どのように受け止めておられるのか、この辺を、事務方の立場でも結構ですので、整理してお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(大鶴哲也君) お答え申し上げます。 いわゆるスパイ防止法、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたとおり、その範囲ですとかどういうような罰則を設けるか、そういったところによりまして、その効果、及ぶ範囲、こういったものが変わってこようと思います。 したがいまして、一義的に外務省的な立場から有権的なお答えを申し上げるというのは困難でありますけれども、いずれにしましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、カウンターインテリジェンスに対する取組の強化、これについては必要だというふうに考えておりますし、そのためにどういったやり方が一番ベストなのかということは、関係行政機関でも連携しながら、今後の取組の在り方、これについて検討を行っていくことが必要かと考えております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 今回この質問をするに当たって質問通告したときに、外務省の皆さん、防衛省の皆さんと意見交換したんですけれども、どの省庁も、うちの担当ではありませんと、内閣府も、いや、私の担当じゃありませんということで、はっきり申し上げて、当事者意識が外務省の皆さんにも防衛省の皆さんにも内閣府の皆さんにも本当あるのかなと、もうすごく心配したんですね。本当に、いやいや、うちじゃないなともうみんな黙ってしまって、じゃ、もう政治家同士の意見交換にしますみたいな形で質問通告終わったんですけれども。 大臣、どうですかね、もう当事者意識が本当に政府の中で、いや、いろんな議論があっていいと思うんですけれども、やっぱりこの日本の機密情報を守るという観点で、やっぱり国家としてしっかり取り組んでいかなきゃいけない重要なテーマだと思うんですけれども、その点に対して政府側の皆さんが本当に、法案と言われちゃうとちょっとうちじゃみたいな感じの受け止めだったんですけれども、この点どのようにお感じになられるでしょうか。大臣としての所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) スパイされないように保護しなければならない情報ということになりますと、あらゆる省庁に多分またがってくるんだろうと思います。もちろん、外務、防衛というのはその主たる官庁になるとは思うんですけれども、そうなりますと、なかなかどの省庁が所管になるかというのはやっぱりなかなか難しくて、省庁横断でやっぱり考えなければいけないということになっていくんではないかなというふうに感じております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 特定秘密保護法は内閣府でやっていますので、そこは明確に担当ということで所掌されているというふうに思いますけれども、やっぱりこのスパイ防止については、やはりどの省庁が本当に主体的に対応するのかというようなところも含めて、政府内でもいろんな考え方あると思いますけれども、我々、我が党としても、この日本の情報を守るというのが、これだけ安全保障環境が厳しくなってきている中で大変重要な分野になってきているというふうに思っておりますので、しっかり我が党は我が党で提案していきたいと思いますが、政府側も、本当にこの問題をどう考えて、政府のどこの省庁が主体的に取り組んでいくのか、一度そんな議論も是非お願いしたいなというふうに思っておりますので、その点改めて求めておきたいと思います。 何か御意見あったらお願いしたいなと。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員の御意見は御意見として受け止めて、とにかくこの情報保護ということはしっかりやっていかなければいけない、それから、カウンターインテリジェンスという能力を高めなきゃいけないということはもう必要不可欠なことだと思っておりますので、しっかり政府としてもその取組を強化していきたいと思っております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 では、続きまして、次のテーマに移りたいと思います。 これは、防衛省、中谷大臣にお伺いしたいと思います。 防衛装備品の移転円滑化基金ということで、令和五年からこの基金できておりますが、はっきり申し上げて、令和五年、令和六年、それぞれ四百億円この基金に積立てされていますけれども、非常に執行率が低いと。令和五年は二百二十九万円しかないですね。四百億入れたのにもかかわらず、二百二十九万円しか執行されていないと。 令和六年、今日確認したいんですけれども、どのぐらいの執行率になっているのかどうか確認するとともに、なぜ執行率が低いのか、その要因、これ事務方で結構ですので、まずはお伺いしたいと思います。
○政府参考人(坂本大祐君) お答えを申し上げます。 防衛装備移転は、我が国にとりまして望ましい安全保障環境創出のための重要な政策的な手段の一つでございまして、我が国としてはこれを官民一体で進めているところでございます。 この委員御指摘の防衛装備移転円滑化基金は昨年の三月に新たに造成をいたしました。これも装備移転を円滑にするというまさにその名前のとおりの目的でございますけれども、令和五年度は一か月しか期間がございませんでしたので、管理費一か月分の二百二十九万円の支出にとどまったというところでございます。 六年度につきましては、一年分の管理費といたしまして約二千七百万円を支出してございます。また、事業費といたしましては、インドへの艦艇、船に搭載いたしますアンテナ、ユニコーンと呼んでおりますけれども、この移転に関しまして約十五億円の計画を認定をし、そのうち約一億円を支出をしたところでございます。結果、合計の支出額は約一億三千万円となってございます。 装備移転案件の形成や進捗につきましては、移転先の候補となる国の事情、調整状況に左右されますので、具体化する時期は流動的でございますけれども、今後とも、相手国政府との調整を着実に実施をいたしまして、執行実績を積み重ねてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 次、財務省に聞きますけれども、要は、令和五年度、六年度で八百億円積んだにもかかわらず、執行したのは約一・三億円ということで、極めて低いですね。財務省として、この予算措置、本当に適正だったというふうに考えておられるのかどうか。余りにも乖離額が大き過ぎますので、財務省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(前田努君) お答え申し上げます。 防衛装備品の海外への移転につきましては、これは我が国にとって望ましい安全保障環境の創出等のため重要なものと、これは財務省としても認識をしてございます。このような認識の下、今先生御指摘のございました防衛装備移転円滑化基金でございますけれども、令和五年度、六年度において合計八百億円の予算措置をしたところ、今御答弁ありましたように、執行実績が少額にとどまっているという事実はございます。 他方、これは今防衛省の方からも御説明ございましたが、本基金の造成が令和六年三月であったという時期的な問題、そして何よりも、防衛装備移転というものは、移転先の候補となる相手国政府等との調整結果によって大きく左右されることなどから、この予算措置が不適切なものであったというふうには考えてございません。
○浜口誠君 財務省は不適切ではなかったという見解ですけれども。 中谷大臣にお伺いしますが、令和七年度も四百億これ積んでいるんですね。本当に執行実績からすると、一・三億円の執行実績に対して一千二百億円積んでいるということになって、本当に適正な規模なのかどうかと。今後いろんなその移転についての計画はあるのかもしれませんけれども、その点どのようにお考えなのかというのを、大臣のお立場から見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 現在、オーストラリア政府に対して、次期汎用フリゲート艦十一隻、これを本年度中に選定が行われるということが見込まれておりまして、これに対応するための設計変更、そして試験等を行うために経費が必要となっておりまして、この経費を積み上げた結果、本件を含む一部の大型装備移転案件だけでも一千億円を超える規模に達するなど、令和七年度までに約千二百億円程度が必要な見込みであります。残高八百億円では不足が生じるために、令和七年度予算に四百億円を計上いたしました。 引き続き、相手国政府との調整を着実に実施をしまして、執行実績を積み重ねてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 では、このオーストラリアの十一隻、これでほとんど、今の計画でいうと一千二百億円までこれだけで積み上がっていると、そういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、防衛力整備計画におきましては、この円滑化基金として五年で二千億見込んでおりますが、各年度予算においては、各年度ごとの予算編成の過程で相手国政府等との最新の調整状況を踏まえて改めて精査の上、必要な経費を計上してまいります。 この令和七年度予算につきましても、予算編成過程におきまして、令和七年度中に見込まれる約十件の移転案件の仕様等の調整に必要な額の見積りなどを経まして精査したところ、円滑な装備移転に支障を来さない規模として千二百億円程度の基金が必要と見込まれることから、四百億円を計上しております。 八年度以降にも、相手国政府との最新の調整状況を基に十分精査した上で必要な経費を要求してまいりますが、オーストラリアに向けましての汎用のフリゲート艦、これの獲得に必要な金額等もまた要求してまいりたいというふうに思っております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 最後に委員長にお願いです。 国会法第百五条に基づいて、この円滑化基金に対しての会計検査を求めて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○委員長(片山さつき君) 理事会において協議をいたします。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 資料を今お配りをしていますけれども、F35Bという戦闘機があります。二〇一二年以降、アメリカ海兵隊の岩国基地に配備をされまして、現在約二十四機が常駐するという戦闘機ですけれども、このうち一機が、三月二十五日に、飛行中に警告灯が点灯したためとして高知龍馬空港に予防着陸をいたしました。 このF35Bというのは度々墜落事故を起こしてきた機体ですけれども、日本政府からアメリカ側に対して、いつどんな警告灯が点灯したのかという問合せをしてきたと思うんですけれども、防衛省、米軍から回答はありましたか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 御指摘いただきましたF35Bでございますが、三月二十五日、高知龍馬空港に予防着陸をしております。 この原因につきまして私どもから問合せをしておりましたところ、米側からは、飛行中に警告灯が表示したためとの説明を受けているところでございます。 これ以上の詳細につきましては、米軍の運用に関する事項のため、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、日米の関係当局の間では、適切にやり取りが行われているということでございます。
○仁比聡平君 四月二十五日に、私どもの高知県議団や住民の皆さんと一緒に防衛省にお尋ねしたときに、回答があるかないかも含めて調整中だというお話でした。 F35Bというのは、コンピューターの塊というか電子機器の塊ということになっていて、たくさんのインジケーターや警告灯があるだろうと思うんですよ。 どんな警告灯がいつの時点で点灯したのか、これについても回答はないんじゃないですか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 繰り返しになりますけれども、今般の予防着陸の原因について、私どもから御指摘のように問合せをしておったところですが、米側からは、飛行中に警告灯が表示したため予防着陸を実施したとの説明があったということでございます。
○仁比聡平君 つまり、回答はないんじゃないんですか。 資料の六枚目に、以降、三月二十六日から五月の七日まで、飛び立ったのが五月の五日ですけれども、支援輸送機が、C130、C12、合わせて十三回、高知空港に飛来したと。 こうして修理などを行っているわけですけれども、元々F35Bというのはハイパワーのエンジンで、すさまじい爆音を発しながら、ノズルですね、噴射口、これを下側にも向けて短距離離陸や垂直着陸ができるというのが特徴とされている機体なわけですが、この間、高知空港でそのエンジンとノズルを丸ごと総取替えするというような作業や、それからエンジンテストも目撃をされてきました。にもかかわらず、大臣、一か月を超えても飛び立てなかったわけですよね。 一体、何が原因で一か月超えても飛べないのかと、これ米軍に聞いたんですか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 先ほどから申し上げてございますとおり、私どもから本件について、米側に対しての問合せを行っております。 この予防着陸というものは、御指摘いただきましたように、警告灯が表示された際には、安全を確保するために至近の飛行場に着陸をして、その後、必要なそういう点検整備というものを行った上で、安全が確認をされたらまた帰投をするという、そういう手順になってございます。 そうした中で、米側の方からは、飛行中に警告灯が表示をされたために予防着陸を行った、こうした御説明を受けているところでございます。
○仁比聡平君 予防着陸をして数日で安全に帰投できたというんだったら、こんな大問題にはならないわけですよ。重整備をして、それでも飛べないという事態の中で、高知を始め全国的に大問題になってきたわけです。 米軍は、にもかかわらず説明をしないし、政府が聞いてもいないのではないかということなんですが、もう一個だけ確認しておきますが、この機体は爆弾は積んでいなかったんでしょうか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 この予防着陸の関係につきましては、日米間の関係当局の間で様々なやり取りが行われております。 他方、個別の米軍機における弾薬の搭載等につきましては、まさに米軍の運用に係る詳細に当たります。こうした件についてはお答えを差し控えなければならないということは、御理解をいただければと思います。
○仁比聡平君 そうした中で、県民の不安が大きく広がるのは当たり前じゃないですか。 この五月五日の離陸まで四十二日間と、これ居座り続けたということですけれども、これは過去最長ですね。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 過去最長かということにつきましては、比較できる資料について限度がございますが、過去五年間ということで申し上げさせていただきますと、四十二日間というのは最も長い期間というふうになってございます。 令和三年に、UH1Yというヘリコプターがございます、これが百里基地の方に三十一日間滞在した事例というものはございます。 以上です。
○仁比聡平君 大臣、お読みになったかどうか、高知新聞の五月九日付けの社説でこういうふうに述べています。 今回、重要なのは、情報提供を求める地元の声がほぼ無視されたことだ。県は防衛省中国四国防衛局を通じて米軍に早期離陸や情報提供を求めたが、回答はやはりなかった。続けてこうなんですね。こうした対応は、本県上空での米軍機訓練飛行をめぐっても繰り返されてきた。墜落事故の発生や飛来回数の増加を背景に、県は超低空、夜間の訓練中止や事前の情報提供を求めてきたが、改善が見られたことはほぼない。 これ、大臣、御地元ですし、高知龍馬空港はその選挙区のど真ん中にありますけど、情けないと思いませんか。
○国務大臣(中谷元君) 米側には、自治体等からいただいた御意見は適切にお伝えをしていたところでございます。 そして、米軍機の運用に際しましては、安全確保が大前提でありますので、無理に飛ばしたりせかしたりすれば事故がつながるわけでございますので、十二分にきちんと整備をした上で飛び立っていただきたいというふうに考えているわけでございます。 また、運用等の状況につきましては、先ほどお話ししたとおり、相手国の運用の関係上、それについてはお答えを差し控えていたということでございます。
○仁比聡平君 いや、せかすんじゃなくて、飛べないんだから、なぜ飛べないんですかって聞くし、それなりに答えるというのが当たり前じゃないですか。 全く説明をしないというその姿勢に対して、この五月九日に、県知事の政府に対する要請書が出ていますよね。予防着陸に至る経緯や整備作業の進捗見通しなどについて、中国四国防衛局を通じて問合せを重ねてきたにもかかわらず、十分な情報提供のないまま駐機が長期化し、県民の皆さんの中で不安感が広まる結果となったことは残念に思っております、的確な情報提供と説明に努めることを米軍に求めるよう要請いたします。これが当たり前でしょう。 にもかかわらず、資料の四枚目を見ていただくと、この問題についての中谷大臣御自身のフェイスブックの発信が大問題になっています。 ここで大臣が何と書いておられるかといいますと、市民団体が現場に押しかけ、高知空港の軍事利用は許さない、なし崩し的に民間の空港が使われるのを許さないと早期に立ち去るよう求めました、異国で飛行機材トラブルで命からがら高知空港に着陸し、修理を求め、燃料補給を必要としている人に対して、こんなことを言う人たちは心ある人とは思えません、困っている人を前に、ここぞとばかりに自分たちの主義主張を売り込む、反基地運動をするよりも、飛べない事情を理解し、助けてあげるべきですという発信ですけれども、この事態が長期化すればするほど県民に不安を与えている。 これまでもずっと米軍は説明してこなかったんだから、低空飛行の問題でも。だから、なし崩し的に大事な高知龍馬空港が軍事利用されていくんではないかと声を上げるの当たり前じゃないですか。そちらの方が当たり前、市民の危惧こそ当然なんであって、言わば、大臣、こうした住民の声を敵視されるというその姿勢こそ心ないのではありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 米軍機の運用に関しましては、安全の確保が大前提でありますし、また、我が国で飛行する上においては、事故などを起こさないようにしっかりと修理をし、整備をして飛び立つべきでございます。 私がフェイスブックに書きましたのは、今回は危険の未然防止という予防着陸の性格に鑑みまして、地元の皆さんに御理解をいただきたいという考えからでありますし、また、米軍の航空機は、日米地位協定に基づいて我が国の飛行場に出入りすることが認められておりまして、通常、我が国の安全又は防衛のために日米の共同で飛行運用等をしているわけでございます。 したがいまして、米軍の円滑かつ効果的な活動を確保し日米安保条約の目的を達するためには、私はちゃんとした飛行をさせるということが重要なものだと認識をしております。
○仁比聡平君 私も、それから高知の多くの方々も、安全が確認されないまま飛べなんて言っているわけじゃないですよ。そうじゃなくて、なし崩しじゃないですかと。今のお話だって、住民の不安や生活よりも米軍の運用を上に置く、憲法よりも日米地位協定を上に置くという、この米軍言いなり、アメリカ言いなりというのが本当に染み付いているんじゃないんですか。 大臣のこのフェイスブックの投稿の中で、命からがら着陸というこの表現も、問題というか話題になっておりまして、私、率直に、大臣が当時の状況を自分なりに拝察したんだというふうな釈明をされたときに、やっぱり墜落の危険があるような重大な不具合ではないかと感じたんではないかと思ったんですよね。だって、そう感じて当然なんですよ。F35Bというのは、アメリカで墜落事故を度々起こしているからです。 その資料の中で七枚目に、私の方でその経過をまとめた時系列ありますけれども、二〇一八年の九月に、サウスカロライナ州でF35が墜落をしました。その問題についてアメリカ政府の監査院が報告書を出していて、その中で部品の製造上の欠陥だということが指摘をされています。 それ以降も、二〇二〇年の九月にはカリフォルニア州で、二〇二二年の十二月にはテキサス州で、ここでは垂直着陸の失敗をして墜落しているんですね。二〇二三年の九月にはサウスカロライナ州、そして二〇二四年の五月も、およそ一年前ですけれども、ニューメキシコ州で墜落をしていたということが報道されている。度々墜落しているじゃないですか。だから、命からがらだったんじゃないかって大臣思われたんじゃないんですか。 この一連の墜落事故の原因というのは究明をされたのか。米側からはどういう報告を受けているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回、飛行機が着陸したというのは、警告ランプが点灯したからなんですね。この予防着陸というのは、パイロットが飛行中に飛行機の何らかの通常と異なることを示す兆候を察知した場合に、危険の未然防止のために必要な手段として行う着陸でありまして、これは安全確保の手段の一つでございます。したがいまして、今回の着陸に際しましてはその必要性があると認識をしておりますし、また、しっかりと修理をした上で、安全を確認をして飛び立つのが大事であると私は考えておりました。 それから、米軍の航空機のお話がございましたが、二〇一八年のサウスカロライナ州のビューフォート海兵隊の航空基地所属のF35B、これが墜落した事故があったと承知はしております。ただし、パイロットは安全に脱出して、一般の方々の負傷もなかったと承知しております。 この事故に関しましては、二〇一九年五月に、米国会計検査院、GAO、これが発表した報告書によりますと、調査の結果、製造過程における欠陥により、飛行中にエンジンの燃料配管に亀裂が生じてエンジンの出力が失われたと判断をしていると承知しております。また、その後、二〇一八年末に、交換すべき同型の燃料配管が取り付けられた機体を特定して、大半の機体で交換が行われたということも記載をされていたと承知をしております。 今後とも、米国防省に必要な確認を行い、導入していたこのF35Aのエンジンの燃料配管についてもまた確認をいたしますが、安全性につきましてもまた再度確認を行っていきたいと思っております。
○仁比聡平君 そうおっしゃるけれども、去年も墜落しているわけですよ。私は、この米軍F35B、同型機は少なくとも飛行中止を求めるべきだと思います。 このF35Bが日本の航空自衛隊にも導入をされると。全体で四十二機の配備を宮崎県の新田原基地に行うという方針なわけですが、この問題について、お手元の資料の十三ページに、この新田原基地が所在する宮崎県の新富町の町長さんが、この三月の三日、町議会で冒頭行った施政方針の演説を御紹介しています。 まず、私の令和七年度施政方針を申し上げる前にという特別の重みを持って、この度、防衛省から示された新田原基地に配備される戦闘機F35Bの訓練内容の変更について申し述べさせていただきます。 この訓練内容の変更というのは何かと。少しおめくりいただいたところに、県知事と西都の市長と新富町長の連名の要請書がありますが、その右側、令和三年の配備の説明のときには、新田原基地においては、緊急時などを除き、通常、垂直着陸訓練を行うことは考えていない、垂直着陸訓練は、今後整備する馬毛島で行うことを想定しているという説明を受けており、今回の大きな方針転換はとても認められるものではありませんと。 こういう方針転換を行ったわけですね、参考人。
○政府参考人(青柳肇君) お答えいたします。 我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増す中で、F35Bはその能力を最大限発揮する、このためには、実際の任務に即した場所で訓練を行うことが必要であると考えております。 そのため、練度向上のための垂直着陸訓練について、その多くは馬毛島で実施することとしつつも、引き続き一部を実際の任務遂行の拠点となる新田原基地で実施させていただきたいと考えておりまして、こういうこと等を新富町にお伝えしたところ、新富町の小嶋町長を始め地元の皆様からは、特に夜間の垂直着陸につきまして現在の計画の見直しを求められるなど、厳しい御指摘をいただいたというところでございます。
○仁比聡平君 せめて、聞かれたら、どういう説明を四年前にはやって、この二月、それとは違う説明をしているんですと言って当たり前じゃないですか。 時間がないので私がかいつまんでポイントだけ言いますけど、つまり、馬毛島の施設整備が遅れているから、馬毛島でやると言っていた垂直着陸訓練をこの新田原でやりますというわけですよね。しかも、昼も夜もやる。合わせて月およそ百回やる。しかも、馬毛島ができた後も、約八十回は練度維持のためにやりますと。垂直着陸だけじゃなくてスローランディングもやりますと。さらに、機体数は説明のときよりも更に増えて一・五倍、四十機から六十機に増えますと。 こういうやり方をいきなりやってくるから、その次のページに読売新聞の記事がありますけれども、話が違う、後出しじゃんけんだと。地元区長のお一人は、最初から垂直着陸訓練をやると言えば反発が大きいと思って、などと説明したのではないか。 これ、まるで米軍みたいじゃないですか。本当にひどい。だから、これまで基地との共存と考えておられた方々も、もう噴き上がる怒りでもう抑えようがないということですよ。だから、町長、体張って阻止すると言っているじゃないですか。その下で今年度の配備なんてあり得ないと私は思うんですけれども。 この問題について大臣にお尋ねしたいと思いますが、小嶋町長は先ほどの施政方針の中で、続けてこう述べています。夜間訓練も伴う垂直着陸訓練による騒音のすさまじさは、居住環境の許容を軽く超えるであろうと容易に想定でき、著しく増大する騒音が将来にわたり継続することになる訓練受入れは、子供の将来に禍根を残しかねないと考えます、これまで本町は、町民の皆様とともに、人口対策や町づくり政策など未来につなげていくために、長期的な戦略による各種施策の一つ一つに思いを込めて実現してまいりました、しかしながら、この訓練の受入れによっては水の泡になりかねませんと。 大臣、この悔しさが分かりませんか。
○国務大臣(中谷元君) 少し背景を説明させていただきますけれども、当初は馬毛島で垂直着陸訓練を行うということで計画をいたしておりました。ただし、この工期、工事が遅れましたということで、令和三年当時、新田原基地における垂直着陸訓練については、地元に緊急時などを除いて基本的に実施しない旨を説明していたところでありますが、具体的にどのような訓練を馬毛島で実施をし、どのような訓練を新田原において実施するということになるかということにつきましては、当時お示しをすることができませんでした。 今後、具体的な訓練の在り方については御説明をしたところでありますが、地元からすると、令和三年に御説明した内容と違うと受け止められることもあるのは当然でございますので、この点につきましては率直におわびを申し上げたいというふうに思います。 ただし、自衛隊のこの飛行訓練等につきましては、やはり我が国の安全保障上、この能力を最大限発揮するために、実際に任務に即した場所で訓練を行うということが必要でございますので、実際、その任務遂行の拠点となる新田原基地で実施させていただきたいと考えておりますが、現在、町長始め皆様から厳しい御指摘をいただいておりますが、今後、訓練の在り方につきましては、御指摘も踏まえまして、改めてどのような負担軽減が可能か、真摯に検討を行ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 結局、日米一体で自衛隊の南西シフトを進めていくと。そのために地元の意向を酌むこともなく、とにかく配備とそれから運用を行おうなんということは許されないということなんですよ。 実際、これまでの新田原の爆音、これは裁判が闘われて、最高裁で確定して、受忍限度を超える違法な爆音だと。皆さん、賠償責任は果たしておられるでしょう。だったらば、この爆音を解消することこそが国の責任であり、更に耐え難い爆音を増やすなどあり得ないと。この垂直着陸訓練は中止をする、F35Bそのものの配備を中止するということを強く求めて、今日は質問を終わります。 ─────────────
○委員長(片山さつき君) この際、委員の御異動について御報告いたします。 本日、赤池誠章さん及び豊田俊郎さんが委員を辞任され、その補欠として梶原大介さん及び長峯誠さんが選任されました。 ─────────────
○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみでございます。 質問の機会、誠にありがとうございます。 まず、防衛大臣にお伺いをしたいと思います。 先ほど私に届いた情報によりますと、本日十五時頃、愛知県犬山市の入鹿池に自衛隊機が墜落したとの情報があるところでございますが、大臣におかれては、情報はつかんでおられるのでしょうか。お分かりになる範囲で御報告を願いたいと存じます。
○国務大臣(中谷元君) 本日十五時頃、空自所属のT4中等練習機が一機、小牧基地を離陸した後、愛知県犬山市の入鹿池周辺に墜落をしたと報告を受けております。 事故発生を受けまして、私から、当該自衛隊機の状況把握と速やかな捜索及び救難の実施、そして、周辺地域の被害状況の確認並びに関係自治体との迅速な情報提供、以上三点を指示をいたしました。 自衛隊の回転翼機UH60二機及び固定翼機U125一機が既に現場に到着をしまして、捜索救難に当たっております。T4の乗務員、搭乗員二名の安否や周辺の状況等につきましては、引き続き確認中でございます。 引き続き対応に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 今段階では何より人命の救助が重要だと考えるところでありますが、世界かんがい施設遺産にも登録されているこの地域は、地域農業にも大変重要な施設と聞いているところであります。しっかりとした説明、原因究明、そして再発防止に努めていただきたいと考える次第であります。 さて、私の地元北海道も、自衛隊の施設、多く存在をしているところでございます。今日は、地元の課題を中心に、防衛大臣、そして外務大臣に御質問してまいりたいと思います。 北海道では、陸上自衛隊北部方面隊を中心に各自衛隊が活動を行っているところであり、北海道の自衛隊施設面積は全国の四二%、演習場に限って見ますと、全国の四七%と約半分を占めているところでございます。 我々は、地元としてこうした自衛隊の方々の活動を盛り上げようと、道内全百七十九市町村と北海道で構成される北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会、駐連協といっておりますが、を組織し、道内自衛隊関係者との交流や中央要請など様々な活動を行っているところでございます。 しかしながら、こうした中、自衛隊定員の低充足の状況は大変厳しいものがあります。全国九割、それに対して北海道は約八割という報告を受けているところでございます。 それに対応するために、地元でもイメージキャラクターを活用して、イメージアップ、採用の拡大に努めるなどいろいろやっているところではございますが、やはり隊員の処遇改善、これは差し迫った課題であると、このように考えているところでございます。 北海道は、御案内のとおり、ほぼ全域が亜寒帯に所属するところでありまして、気候は厳しいです。そういった中における任務や訓練には大変厳しいものがあるわけでありまして、かつ広大で生活の利便性が必ずしも高くない地域に所在する駐屯地等が大変多いわけであります。かつ、こういったところで道外出身の隊員の方々も多いところでありますので、冬季に必要となる衣服あるいはマイカー備品など、隊員の負担を考慮した手当措置が必要と考えるところでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 北海道の隊員の皆様方におかれましては、寒い中、また寒冷地や遠隔地で勤務に当たっていただいておりまして、本当に御苦労さまであると認識しております。 処遇改善におきましては、令和七年度において三十を超える手当等の新設、金額の引上げを行うことといたしておりまして、北海道で勤務する自衛官に対して新たに支給される手当の一例は、まず、降雪時の環境下で行われる冬季遊撃訓練に参加する場合には支給されるレンジャー作業手当、そして、矢臼別演習場など大規模演習に参加する場合に支給される野外訓練演習従事手当、そして、九州、沖縄方面から北海道に異動した場合に支給される作戦環境等順応手当、そして、千歳空港等で航空管制業務に従事する場合に支給される航空管制官手当などなど、防衛省としましては、現場の自衛隊員の皆さんが厳しい任務に安心して従事できますように、引き続き、処遇や生活環境改善のために全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 また、駐連協からは、自衛隊が行う各種契約や発注等における事業者の選定において、地元事業者への特段の配慮を求めているところでございます。この点については、防衛力整備計画などにおいても、地元への、地元経済への寄与という方針も示しておられるところでありますが、現状どのようになっているんでしょうか、お答えを求めます。
○政府参考人(茂籠勇人君) お答えいたします。 防衛省が発注する中小規模の建設工事につきましては、工事種別の分離又は工事範囲の分割するなどの競争性を確保した上で適切な発注規模を設定するほか、総合評価落札方式を採用する中で、北海道においては、本店所在地や地元における施工実績等を加点評価する地域評価型を適用するなど、地元企業の受注機会の確保に努めているところでございます。 また、物品等の調達につきましては、地元経済に寄与する観点から、経済合理性等を踏まえつつ、発注品目の分離又は発注数量の分割などの取組を行い、特に少額随契を行う際にはその地元の中小企業等を可能な限り見積先に含めるなど、北海道の地元企業の活用に努めているところでございます。 防衛省といたしましては、北海道の地元企業の皆様のお力をお借りすることが必要不可欠だと考えており、今後も引き続き努力してまいります。
○高橋はるみ君 よろしくお願いをいたします。 今の御答弁で、地域評価型の導入など前向きなこともお伺いをできて大変うれしく思う次第であります。 次に、先ほど大臣の御答弁の中でも触れていただきました矢臼別の演習場について質問を進めてまいります。 矢臼別演習場は、南北約十キロメートル、東西が約三十キロメートルで、総面積が約一万六千八百ヘクタールとなっており、日本一大きな演習場であります。比較をいたしますと、大阪市のほぼ四分の三に相当するだけの広さがございます。射程が十八キロの長射程射撃が可能との報告を受けております。 同演習場の所在する別海町、厚岸町、浜中町及び隣接する標茶町の四町と北海道は、矢臼別演習場関係機関連絡協議会を組織し、様々な情報共有なり活動を行っているところでございます。 この同演習場におきましては、昭和三十八年の使用開始後の様々な形で活用が進んでいるというふうに地元からも報告を受けているところでありまして、自衛隊のみの訓練、演習、あるいは日米の共同訓練、さらには米軍単独の訓練など、それぞれ多数の訓練が行われているというふうに承知をいたしているところでございます。 全国には五つ演習場があるというふうに理解をいたしておりますが、いわゆる沖縄県道百四号線越え実弾射撃訓練の負担軽減、分散実施、これを矢臼別は最も多く引き受けさせていただいていると理解をするところであります。特に最近は、大隊規模の訓練、ここ五年間ぐらいは毎年行われていると報告を受けているところでございます。 そうした中でありますが、この地域は、道内有数の、そして、道内有数ということは全国でも有数の酪農地帯であります。乳牛というのは、やっぱり音なりいろんなことのストレスを多く受けるということも、これはもう農業の関係の方では当然のこととして理解をいたしておりますし、また住民生活への影響なども気になるところでございます。 そうした中、先ほど申しました四町からの地元要望に関連して幾つかお伺いをしてまいりたいと考えているところでございます。 まずは、演習や訓練に係る情報、これは住民の方々のなりわいをしておられる酪農への影響も含めて大変に日々の生活に密接に関連するものでございますが、地元に対する情報提供というのは迅速かつ十分に行っていると御認識をしておられるんでしょうか。
○政府参考人(大和太郎君) お答え申し上げます。 防衛施設の安定的な運用のためには、周辺の皆様の御理解、御協力を得ることが重要だと考えておりまして、訓練の実施に当たって必要な情報の提供について、適時適切に実施するよう努めてきております。 矢臼別演習場における訓練の実施に当たりましては、引き続き、関係自治体の皆様に対して丁寧に説明を行ってまいりたいというふうに考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 酪農地帯であるこういった地域で、演習訓練の時間、何時までやっているのか、あるいは搾乳の時間はどうなのか、あるいは曜日はどのようになっているか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(大和太郎君) 私の方から、乳牛の搾乳に配慮してこういった運用をしているということをちょっと申し上げたいと思います。 矢臼別演習場での自衛隊の訓練の実施に当たりましては、乳牛の搾乳に配慮いたしまして、午前五時から八時三十分及び午後四時三十分から七時までの間は航空機の飛行高度について制限を設けております。また、土曜、休日や早朝、深夜における訓練につきましては、任務遂行に必要な練度維持の観点から訓練の実施が必要となる場合もございますが、実施に当たり、今後とも、周辺住民の皆様の生活環境に最大限配慮してまいりたいというふうに考えております。
○高橋はるみ君 この点も反復継続的に地元からの要請が防衛省さんにも上がっていると思うわけでありまして、引き続きの御配慮を心からお願いをいたします。 そして、長年にわたる演習訓練による騒音あるいは振動等の障害を最小限にするための防音工事なども不可欠と考えるところでありますが、住宅防音工事、これをどのように進めていっていただけているのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省としましては、演習場周辺における砲撃音等の騒音軽減は重要な課題であり、周辺住民の方々の御負担を軽減をするための演習場周辺の住宅防音工事に対する助成に努めております。 このため、矢臼別演習場周辺でも、平成九年度から住宅防音工事の助成、これを行ってきており、また今年度からは、地元の御要望も踏まえまして、防音サッシや空調機器の機能回復、復旧のための事業を開始したところであります。 引き続き、地元の皆様から御理解を得られますよう、騒音また障害の実態等を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをいたします。 騒音問題以外にも、矢臼別演習場における演習訓練が多く行われることによりまして、周辺住民の生活環境には影響が出ているところでありまして、特定防衛施設周辺整備調整交付金、この拡充が必要と考えるところでありますが、いかがでしょうか。 特に、演習場に近く様々な影響が懸念されるものの、演習場が所在しないことにより交付対象となっていない、四町の中でいえば標茶町でありますが、こういったところへの配慮なども含めてどのように取り組んでいただけるのでしょうか、お答えを求めます。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 委員御指摘の標茶町でございますが、御指摘いただきましたとおり、矢臼別演習場の敷地が所在しているわけではございません。そういったことも勘案いたしまして、特定防衛施設周辺整備調整交付金、この交付の対象ということには現状なってございません。他方、矢臼別演習場の周辺における、先ほど大臣から御答弁ありましたけれども、砲撃音等の騒音、こういったものが発生していることは事実でございます。地元の皆様の御負担を軽減していくということは極めて重要であるというふうに思っております。 このため、これまでも、矢臼別演習場に係る障害の実態等を踏まえまして、標茶町において、防音工事の助成など、防衛施設周辺整備法に基づきます各種の施策を実施してきたところでございます。 引き続き、地元の皆様の御負担を可能な限り軽減できるよう努めてまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございました。 この六月からも同演習場を使用するということをお伺いをいたしているところでありまして、これからも地元の配慮、よろしくお願いをいたします。 私から防衛大臣あるいは防衛省の皆様方への質問はこれで終わりますので、委員長、御配慮いただければと思います。
○委員長(片山さつき君) 防衛大臣及び防衛省の方においては、御退室をいただいて結構でございます。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 次、JICAについてでありますが、JICAは、海外でもちろん展開しているわけでありますけれども、全国、国内に十五か所、地域の拠点を持っておられます。そして、日々の様々な業務を進めながら、地域と途上国の結節点として、地元自治体、市民、NGO、民間企業等々との連携強化を図っているところであります。そして、私の地元は北海道、広大でありますので、この十五のうち二つのセンターが札幌と帯広に展開をしているところであります。 そこでお伺いをいたしますが、北海道に所在するこの二つのセンター、それぞれの活動の現状、またその意義についてどのように捉えておられるのか、お答えを求めます。
○参考人(小林広幸君) お答え申し上げます。 札幌及び帯広の拠点では、北海道開拓百五十年にわたる開発、開拓の経験、知見を活用しつつ、研修員受入れ事業等を中心に事業を実施しております。 具体的には、札幌では地域総合開発計画、水道や道路における寒冷地技術等の分野で、帯広では畜産と畑作の連携による循環型農業等の分野でそれぞれ研修を行っております。また、自治体、NGOがその知見や経験を生かし、開発途上国でプロジェクトを実施いただく草の根技術協力事業や、道内企業の優れた技術、ノウハウを途上国で活用、ビジネス展開いただく民間連携事業も積極的に展開しております。さらに、海外協力隊の募集や帰国後の支援も行っております。 今後も、開発協力大綱で示された共創と環流の考えに基づき、途上国の開発、課題解決に加え、北海道の地域発展に貢献を目指してまいりたいと思います。
○高橋はるみ君 ありがとうございます。 道内では、この二か所のJICA北海道のこれまでの活動を通じまして、それを契機に、道内の他の地域でも途上国との草の根レベルの交流や協力が広がりを見せているところであります。また、地元からは、JICAが持っておられる、海外の現地ネットワーク網を構築しておられる、アジア、アフリカを含めたグローバルサウスにおける外国人材獲得に向けた活動支援の充実を望む声なども出てきているところであります。 こうした地元の期待への対応も含め、今後のJICA地域拠点の活動をどのように展開しようと考えておられるのか、お答えを求めます。
○参考人(小林広幸君) ありがとうございます。お答え申し上げます。 外国人材の受入れは重要な課題と認識しておりまして、外国人材の適正な受入れと、外国人材が安心して暮らし、働けるような多文化共生社会の構築に向けた取組を進めております。 北海道では、道内四か所に国際協力推進員を配置し、地域住民と外国人材との交流、外国人の方々に必要な地域の防災活動や除雪活動への参画支援などを行っております。また、途上国におきましては、途上国の労働政策の助言やビジネス人材育成支援を行い、現地の経済発展を後押しするとともに、我が国を含む人材の送り出し環境の整備も支援しております。 引き続き、かかる取組を推進し、途上国と日本の双方の発展に貢献してまいりたいと考えております。
○高橋はるみ君 ありがとうございました。 次に、釧路に所在する釧路コールマイン、これは、現存する日本最後の坑内掘り炭鉱であります。太平洋の下を掘っております。同炭鉱は、何より保安が重要と保安第一をスローガンとし、今も石炭の生産を行っているところであります。 この釧路コールマインの場を活用し、産炭国への石炭採掘、保安技術の移転研修事業、こういったものを日本の途上国等への経済的な協力の一環として行われていると承知をいたしております。 そこで、この事業の現状とその意義についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。 まず、御指摘の釧路コールマインにおける事業でございますけれども、国内の優れた石炭の採掘や保安の技術を産炭国に移転をすることで、産炭国の生産効率の向上、それから生産量の拡大を図りまして、我が国への海外炭の安定供給を確保することを目的として実施をしているものでございます。 本事業の内容でございますけれども、まず、産炭国の産炭技術者を国内に受け入れる国内受入れ研修事業、それから、我が国の炭鉱技術者を産炭国へ長期派遣をする海外派遣研修事業などを実施をしているところでございます。 それから、意義ということでございますけれども、これ、事業開始をしたのが平成二十四年でございますが、当時と令和三年を比較いたしますと、本事業における研修の対象となった産炭国におきまして、労働者一人当たりの生産効率が大幅に向上したということが確認をされてございます。 引き続き、我が国の技術の移転、それから海外炭の安定供給の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
○高橋はるみ君 現在、こちらの技術移転事業の新事業として、石炭採掘後の坑内埋め戻し技術の開発と、その東南アジア諸国等への技術移転に向けての事業が行われていると承知をいたしております。 こうした技術は、坑内掘り炭鉱での安全確保及び生産性の向上と併せて、途上国において、坑内埋め戻しに関連して、CO2の排出抑制あるいはその活用についての技術移転も可能とするものと考えるところでありますが、今後どのように取り組まれる御予定でしょうか、お答えを求めます。
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。 まず、産炭国からのニーズを踏まえまして、石炭火力発電所において生じる石炭灰、それから二酸化炭素と水を混合したものを坑内に充填をいたしまして鉱物化させることによりまして石炭の採掘跡の安定化を図るとともに、二酸化炭素の削減につなげる技術の実証を令和三年度から釧路コールマインで実施をしてきております。 また、先ほど答弁申し上げました研修でございますけれども、その中でも、石炭採掘後の坑内埋め戻しの技術実証に関する内容をカリキュラムに盛り込みまして、研修事業が充実するよう取組を継続しているところでございます。 令和七年度におきましては、技術実証事業と研修事業を継続いたしまして、産炭国に対して、排出量を抑制しつつ安全に炭鉱を行うための技術移転が適切に行われるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○高橋はるみ君 こうした技術は世界の温暖化対策にも資するものであると理解をいたしますので、継続を希望するものであります。指摘とさせていただきます。 最後に、外務大臣にお伺いをいたします。 我が国の国際社会におけるプレゼンスを高めるため、国際機関における日本人職員、とりわけ幹部職員を増員していくことが重要と考えるところでありますが、現状どのようにこのことに取り組んでおられるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) 国際機関の職員はもちろん中立的な存在ではありますけれども、やはり日本人職員が活躍するということは国際機関との連携強化につながるものでございまして、外務省としては、日本人職員の増加を重視しております。 今、国際機関に勤める日本人約千人ぐらいのうち、幹部職員九十一名ぐらいだと思いますけれども、先般、私、ニューヨークを訪問した際に、国際機関に勤務する日本人職員と面会をいたしまして、日本人職員の昇進への支援の在り方について意見交換を行いました。また、グテーレス事務総長とお目にかかって、優秀な日本人職員をできるだけ幹部に登用してほしいという話もしてきたところでございます。 外務省では、国際機関に若手人材を派遣するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、JPO制度というのをつくっておりまして、これまで約二千人を送り出しております。将来の幹部候補となり得る職員派遣、候補者の競争力向上のための研修などに努めてきておりますが、今後とも、国際機関において日本人がトップを含む幹部ポストを獲得することは重要でございますので、その点からも幹部職員の増加に取り組んでいきたいと考えております。
○高橋はるみ君 今の大臣のお答えの中に一部入っておりましたが、私はこのことは、さらに今後戦略的に日本国として、日本政府として取り組んでいくべきと思うわけでありますが、どのように取り組んでいかれるのか、御質問を申し上げます。
○国務大臣(岩屋毅君) やっぱり幹部職員になるというからには、若い頃から国際機関で経験を積むことが重要だと思います。 そこで、先ほど申し上げたJPO制度というのを大いに活用し、そして各種広報活動にも引き続き努めていきたいというふうに考えております。 国際機関において日本人職員がトップを含む重要な幹部ポストを獲得できるように、また優秀な人材を積極的に輩出できるように、内閣官房と外務省が共同議長として開催する関係省庁連絡会議などを通じて、政府全体として一層戦略的に取り組んでいきたいと思います。特に、トップになりますと選挙ということもありますんで、選挙対策もしっかり行っていきたいと考えております。
○高橋はるみ君 本件については、大臣の強いリーダーシップでしっかりとお取組をしていただくことを心から期待をし、お願いをし、私の質問終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○白坂亜紀君 自由民主党の白坂亜紀でございます。 本日は、決算委員会での質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。最後の質問者となりますので、よろしくお願いいたします。 防衛省・自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保持することを使命とし、国民の生命、財産、我が国の領土、領海、領空を守り抜き、国内外での大規模災害や国際平和協力活動を含む様々な事態に対応し、発足以来七十一年間、たゆまぬ努力を続けられていることに敬意を表し、心より感謝を申し上げます。 去る三日の中国による尖閣諸島周辺における領空侵犯事案や、八日の北朝鮮による弾道ミサイル発射など、我が国周辺を取り巻く国際軍事情勢は緊迫の度を深めており、外交力、安全保障能力の向上を今ほど求められている状況はありません。 本日は、トランプ大統領就任後の外交、防衛、経済安全保障政策について質問をさせていただきます。 まず初めに、在日米軍駐留経費負担についてお伺いをいたします。 トランプ大統領は、米国は日本を守るために何千億ドルも払っている、全額を米国が負担している、日本は何も支払わないという趣旨の発言をしたと報道されております。一九七八年度以来、日本としても在日米軍駐留経費を負担していると理解しておりますが、二〇二四年度までの累計で総額幾らの経費を負担してきたのでしょうか、中谷防衛大臣にお尋ねをいたします。 そして、その総額について、政府の評価を岩屋外務大臣にお伺いできればと思います。岩屋大臣は大変お世話になっている大分の先輩ですが、本日初めての質問となりますので、よろしくお願いいたします。 また、会計検査院に伺います。二〇一八年に会計検査院は、在日米軍関係経費の執行状況等を国会にも報告していると理解しております。当時と現在では日本を取り巻く環境も異なっているところではありますが、今後、在日米軍関係経費の執行状況を検査する見通しはあるのか、御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 昭和五十三年度から令和六年度までに負担してきた同盟強靱化予算、これは在日米軍駐留経費負担でありますが、それの累計額は、歳出ベースで約八兆四千九百六十一億円でございます。
○国務大臣(岩屋毅君) 郷土を同じくする白坂委員とこうやってやり取りできることを大変うれしく思います。 この同盟強靱化予算に対する評価というお尋ねだったと思いますけれども、これは、言うまでもなく、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるとともに、日米同盟の抑止力、対処力を強化するために重要な予算だと思っております。したがって、自由で開かれたインド太平洋というものの礎にもなっているというふうに思っております。 トランプ大統領の御発言に一々コメントすることは控えますが、そういう大きな役割を果たしているというふうに考えております。
○説明員(岩城利明君) お答えいたします。 会計検査院は、在日米軍関係経費を含めた防衛予算の執行につきまして多角的な観点から検査を実施しており、委員御紹介のとおり、平成三十年四月に、在日米軍関係経費の執行状況等について報告するなどしております。 会計検査院といたしましては、国会での御議論等も踏まえながら、在日米軍関係経費を含めた防衛予算の執行につきまして、引き続き適切に検査を実施してまいりたいと考えております。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 次に、防衛装備品の整備規模の在り方についてお尋ねをいたします。 閣議決定文書である防衛力整備計画は、日本周辺の軍事動向や日米安全保障条約を前提とした米国との関係等を踏まえた極めて現実的なシミュレーションに基づき策定されたと理解しております。一方で、このシミュレーション当時とは異なり、現在では、米国でトランプ政権が誕生しております。 政府に伺いますが、現状の日本周辺の軍事動向を踏まえても、当時の極めて現実的なシミュレーションによって導き出した防衛装備品の整備規模は、極東軍事情勢が緊迫の度を増す中で、現在も妥当な規模だという認識でしょうか。 また、進捗状況を確認したいと思います。防衛力整備計画は五か年の計画で二〇二三年から二〇二七年ですが、現状は三か年の期間を迎え、率にして約六〇%が経過しました。では、二〇二五年度までの予算計上状況を踏まえた場合、防衛力整備計画の別表二にリストアップされた装備品の中で、整備状況の進捗率が六〇%以下の装備品はあるのか、そのような装備品がある場合、残された期間で計画どおりに整備することは可能なのでしょうか。中谷防衛大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 防衛力の抜本的強化の検討に際しましては、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを始めとする様々な検討を行いまして、必要となる防衛力の内容を導き出したところでございます。 この際の安全保障環境に対する基本的認識やここで導き出した防衛力の内容は、現在でも引き続き妥当なものであると考えております。防衛省としましては、今後とも、閣議決定された防衛力整備計画に基づいて防衛力の抜本的強化を達成すべく努めてまいります。 御指摘の防衛計画、整備計画の内容につきましては、令和七年度計上分まで、例えば、〇三式中SAM改能力向上型、護衛艦、哨戒艦、スタンドオフ電子戦機といった装備品の取得が五年間の計画の六〇%に達していないところでありますが、現時点で一部の装備品の取得を取りやめるということは考えておりません。 引き続き、防衛力の整備の一層の効率化、合理化を徹底しつつ、防衛力抜本的強化実現に向けまして、適正に予算を計上してまいる次第でございます。 そして、この四十三兆円の防衛力整備計画のうち、人件・糧食費の約十一兆円につきましては、防衛力整備計画の策定時の給与水準を基に五年間で必要となる額を算出したものでありまして、政府として自衛官の処遇改善等に努めている中において、必ず必要な経費と考えております。 実際に令和五年度から令和七年度までの間の補正予算を含めた予算計上額を踏まえますと、防衛力整備計画対象経費全体については、既計上額が五年間の計画額の約五五%に当たる二十三・八兆円、未計上額が約十九・二兆円であるのに対して、人件・糧食費については、既計上額が五年間の計画額の約六二%に当たる約六・八兆円、未計上額が約四・二兆円になっておりまして、適切な予算を計上しているものと認識をいたしております。 今後とも、引き続き予算の計上をしまして、与えられた予算をもちまして隊員の人的基盤の強化、また任務達成に努めてまいりたいと考えております。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。次の質問も答えていただいたようなんですが、トランプ政権との交渉がどう展開しようとも、人件・糧食費を削るということは絶対にあり得ないということを今明言していただきました。ありがとうございます。 次の質問に行きます。 トランプ大統領による関税措置について、岩屋大臣にお伺いをいたします。 岩屋大臣は、重光葵先生に続き、大分から二人目の外務大臣です。重光先生は、戦中戦後、激動の時代、日本外交に力を尽くされました。岩屋大臣も、トランプ関税に敢然と立ち向かっていただき、日本の国益を守り、国民の生命、財産を守り抜いていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 そこで質問ですが、そのトランプ大統領が打ち出す一連の関税措置については、関税を掛けられる側への悪影響のみならず、米国自身への悪影響が指摘されております。例えば、輸入コスト増加に伴う米国内の物価上昇、需要の落ち込み、企業利益の悪化、雇用の減少、スタグフレーションの可能性など、米国の経済成長に停滞をもたらすとの分析は多岐にわたっております。 言わずもがな、日本と米国は経済面で緊密なパートナーですので、関税措置によって米国経済が停滞する場合、日本にも深刻な影響が及ぶと考えられます。米国の関税措置が米国自身の経済にもたらす影響について日本政府はどのように分析しているのか、岩屋外務大臣よりその認識をお示しください。 また、石破総理を始めこれまでの日本政府は、米国に対する日本の貢献を訴えかけてまいりましたが、これに加えて、米国にとって信頼できるパートナーの日本として、関税措置が米国にもたらす悪影響を真剣に説明することが日米双方の国益にとって重要と考えます。この点についても、岩屋外務大臣の考えを併せてお聞かせください。
○国務大臣(岩屋毅君) 米国のこの度の関税政策は、もう世界中の貿易に大きな影響を与えているわけでございますが、それは米国とて決して例外ではないというふうに思っております。既に、御指摘があったように、マーケット、為替、物価等々、様々な影響が出てきていると承知をしておりますが、事態はいまだなお進行中であって、極めて流動的でありますので、私の立場から、その米国経済にもたらす影響について予断を持って申し上げることは控えたいと思います。 一方、我が方の立場ですけれども、この米国の関税措置は極めて遺憾であるということを交渉担当の赤澤大臣からしっかりと述べた上で、日米両国において、あくまでも交渉によってこれを打開をしていこうということで今協議を続けているところでございます。五月中旬以降に三回目の閣僚級の協議をやろうということで、今様々な作業を進めているところでございます。 できる限り早期に日米双方にとって利益となるような合意を実現できるように、率直かつ建設的な議論を行って、首脳間で最後はその合意を発表できるようにしようということで一致をしておりますので、政府としては、一丸となってこの赤澤交渉担当大臣による交渉を支えていきたいと考えているところでございます。
○白坂亜紀君 ありがとうございます。 ほかにも、関税措置による悪影響として、米国と世界各国との関係に亀裂が生じ、米国が国際社会の中で孤立するリスクがあるとの指摘もございます。 こうした中、中国の習近平国家主席が四月に東南アジア三か国を歴訪し、各国と経済面での協力を確認しました。中国は、東南アジア諸国が米国から高い関税を課せられ、米国の代わりとなる大きな市場を必要としている状況を好機と捉えているのではないかと思います。 しかし、シンガポールのシンクタンクは、東南アジア諸国が米、中の選択を迫られるような状況を望んでいないとの分析を示しました。日本としても、東南アジア地域において中国の影響力が増大する状況を看過できません。 トランプ大統領の関税措置によって東南アジアで米国の影響力が減退していくことが予想される中、この地域で日本はどういった役割を果たすべきと考えているのか、政府の認識をお伺いします。また、そのような認識に基づきどのような外交を行っていくのでしょうか。日本外交を担われている岩屋外務大臣に、そのお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(岩屋毅君) 米国は、言うまでもなく我が国の同盟国でありますし、今なお世界一の経済大国であり、世界一の軍事大国でもあります。したがって、やはりこの国際社会の中にあって正しくリーダーシップを発揮してもらいたいというふうに思っております。 ルールに基づく自由貿易体制の維持拡大は、我が国の経済外交の柱でございます。日本経済を含む世界経済の成長に不可欠な基盤を提供してきたと思います。今、保護主義とか内向き志向が強まっている中であるがゆえに、日本が自由貿易の旗振り役として二国間や多国間でリーダーシップを発揮することは、ますます重要になっていると思います。 その意味で、委員が今御指摘になった、東南アジアあるいは欧州との、各国との二国間の経済関係を強化する、あるいはCPTPP、日本が主導したCPTPPやこのRCEPなどを通じた経済連携の推進に積極的に取り組んでいきたいと思っております。 特に、CPTPPは幅広い分野をカバーした高い水準の新たな共通ルールを世界に広めていく意義を有しております。その観点から、新規加入や協定の一般的な見直しなど、枠組みの発展に取り組んでいきたいと。RCEPについても、透明性のある協定の履行確保にしっかり取り組んでいきたいと思っております。中国もこの地域の大国でございますので、その責任を正しく果たしていただきたいというふうに思っているところでございます。 そういった考え方に基づいて、非常に厳しい状況の中ではありますが、この公正なルールに基づく自由貿易体制をしっかり維持拡大をしていくという方向にしっかりと汗をかいていきたいと考えております。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 トランプ大統領が打ち出した様々な関税措置に対して、日本政府や経済界に激震が走っております。 しかし、貿易に関して米国が日本に攻撃的な態度を取ることは初めてではありません。一九八〇年代には日米貿易摩擦が激化し、米国の労働者が日本車を破壊する様子がテレビで放映され、非常に印象的かつ衝撃的なシーンとなりました。その当時も、米国政府は日本に対して次々と強硬策を打ち出しました。つまり、米国は日本にとって唯一の同盟国かつ経済面で緊密なパートナーであるものの、国内産業の保護のためならば手段を選ばない場合もあるということです。 こうした過去のケースや今回のトランプ大統領による一連の関税措置を踏まえ、日本としても、引き続き米国との間で経済関係を発展させながら、したたかなる振る舞いも必要だと思います。そのために、今大臣おっしゃったように、東南アジア諸国や欧州諸国を始めとしたパートナーシップとの経済関係を更に強固にしつつ、CPTPP、RCEP協定といった多国間の経済連携、枠組みも一層活用して、関係国と盤石な自由貿易の体制を構築すべきと考えます。引き続き、岩屋外務大臣にトランプ関税への対策をお願いしたいと思います。 そして、最後になりますが、トランプ大統領がこだわる点について、石破総理は、トランプ大統領の演説や公約を子細に点検され、要は製造業、雇用を復活させると、ラストベルトの忘れ去られた人々に職を取り戻すのだということというふうに石破総理は分析されております。関税措置をめぐる交渉においてトランプ大統領を納得させるためには、いかに米国内の製造業と雇用にメリットのあるディールができるかという点が肝だと思われます。 そこで、日本製鉄によるUSスチールの買収計画について伺います。 トランプ大統領は、四月、対米外国投資委員会に対して買収計画の再審査を指示する文書に署名をしました。また、このUSスチールに係る問題と関税措置について別々に扱うこととなる旨を述べましたが、同時に、関税交渉の材料になり得るとの考えも述べました。日本製鉄の今井正社長は、買収計画に関して、米国の鉄鋼業や製造業を強化する案件だという点においては米国側と認識がすり合ってきていると述べました。 日本製鉄によるUSスチールの買収は、まさに米国内の製造業と雇用に直接的に貢献できるものであり、石破総理が認識されているトランプ大統領の要望事項そのものではないでしょうか。日本政府として、日本製鉄と連携しながら、USスチールの買収計画と関税措置を絡めて交渉に持ち込むことについて、経済産業副大臣にその考えをお尋ねいたします。
○副大臣(古賀友一郎君) 日本製鉄によりますこのUSスチールへの投資計画についてでありますけれども、これは、二月の日米首脳会談におきまして、本件は単なる買収ではなくて、米国に大胆な投資を行うことで米国や世界が求める優れた製品の生産を行い、日米がウィン・ウィンの関係になるものにしようと、こういう認識を共有したものと、こう承知しております。 具体的な投資計画につきましては、民間の関係者におきまして検討、調整が進められていくものと考えておりますけれども、政府といたしましては、必要に応じて関係者間の意思疎通の促進に努めてまいりたいと、このように考えております。 その上で、この関税措置をめぐる協議との関係でございますけれども、これは、交渉担当の赤澤大臣が協議中の中で、今後の協議の方針について予断を与えることは差し控えたいと、こう思いますけれども、いずれにいたしましても、経済産業省といたしましては、引き続き、赤澤大臣のチームを始め関係府省庁と連携しながら、関税措置をめぐる協議について、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでまいる所存でございます。 以上です。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 中谷大臣、岩屋大臣、古賀経産副大臣始め皆様御丁寧な答弁をありがとうございました。 世界がグローバル化し、情報が瞬時に世界を覆う中で、その真髄を見極め、日本の国益を追求し、国民の生命、財産を守り、日本国の国体を護持し、私自らも国民の厳粛な信託により立法府に身を置く者として、国政の場で国家、国民の代表者として努力してまいりますことをお誓い申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(片山さつき君) 他に御発言もないようですから、外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十九分散会
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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #949 観測 2026-10-11 01:31 JST改ざん検知用の値
c62aa41c…efe300(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #1006 まで
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- 署名あり(s4rciv-checkpoint-2026)
- まとめの値
- 644364a6…5949ae
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。