令和七年六月五日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 六月三日 辞任 補欠選任 越智 俊之君 太田 房江君 松山 政司君 北村 経夫君 藤巻 健史君 浅田 均君 六月四日 辞任 補欠選任 太田 房江君 越智 俊之君 浅田 均君 藤巻 健史君 六月五日 辞任 補欠選任 浅尾慶一郎君 梶原 大介君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 牧山ひろえ君 理 事 田中 昌史君 長峯 誠君 森屋 宏君 古賀 之士君 藤巻 健史君 委 員 越智 俊之君 加藤 明良君 梶原 大介君 北村 経夫君 古賀友一郎君 松村 祥史君 宮本 周司君 辻元 清美君 村田 享子君 石川 博崇君 竹内 真二君 礒崎 哲史君 岩渕 友君 平山佐知子君 衆議院議員 修正案提出者 山岡 達丸君 国務大臣 経済産業大臣 武藤 容治君 副大臣 経済産業副大臣 古賀友一郎君 事務局側 常任委員会専門 員 山田 千秀君 政府参考人 金融庁総合政策 局参事官 岡田 大君 消防庁審議官 鳥井 陽一君 法務省大臣官房 審議官 内野 宗揮君 経済産業省大臣 官房技術総括・ 保安審議官 湯本 啓市君 経済産業省大臣 官房審議官 井上誠一郎君 経済産業省大臣 官房審議官 河野 太志君 経済産業省経済 産業政策局長 藤木 俊光君 中小企業庁事業 環境部長 山本 和徳君 中小企業庁経営 支援部長 岡田 智裕君 観光庁審議官 鈴木 貴典君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案(閣法第三三号)(衆議院送付) ─────────────
経済産業委員会
発言 273
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、松山政司君が委員を辞任され、その補欠として北村経夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に藤巻健史君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局参事官岡田大君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中昌史君 おはようございます。自由民主党の田中昌史です。 今日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。最初と最後が質問に立つということで、光栄でございまして、しっかり今日も頑張りたいというふうに思っております。 現下、日本企業を取り巻く経営環境は大変厳しいものがあるということであります。 コロナ禍以降の日本企業の債務残高は、コロナ前に比べても百二十兆円以上増加しているという状況にありまして、ゼロゼロ融資の返済も始まって、この返済の負担も非常に重くのしかかっているというのは、昨日も実は事業者の皆さん方とお話ししている中で、同じようにそういった御意見が寄せられました。 帝国データバンクのデータによりますと、事業経営に懸念があって、利払いをカバーするのに十分な利益を出していない企業の割合はコロナのときに急増しまして、二〇二三年度は一五・五%と非常に高くなっているということでありまして、昨年の企業倒産件数も十一年ぶりに一万件を超えたということで、リーマン・ショック後以降の非常に高い水準になったということが報道もされています。東京商工リサーチによる本年一月から四月の全国企業倒産件数は三千二百八十五件、これ前年比プラス五・八%、負債額四千九百四十億円、これも前年比四・一五%と厳しさが増している状況ではないかなというふうに思います。 この背景には、原材料の価格高騰、人手不足と人件費の増加、円安や金利上昇、社会保険料負担、こういったものが複合的に絡んでいるわけでありますが、今後、トランプ関税の影響もどのようになるかというのは非常に注視しなければいけないところであります。 こうした厳しい経営状況にありまして、過剰な債務が企業の収益性向上の足かせになって、事業再生を妨げ、倒産に至る企業が更に増えるおそれが指摘されているところであります。倒産となれば、企業価値が、あるいは技術や人材など、こういった貴重な人材資源が失われていくということになりますし、何よりも、日本国内における供給力が低下していくということは、これは物価上昇にも大きく影響してくる懸念があるんではないかなというふうに思っております。 企業が迅速に再建に向けた対策を行えるよう、制度と基盤を整備して、倒産に至る前の段階で事業再生を可能にすること、これは地域の雇用と暮らしを守り、そして地域経済の新陳代謝あるいは循環を促進することにもつながるというふうに思います。 事業再生法案、この度の法案は、事業、雇用、暮らし、経済守る法案だというふうに私も承知をしているところであります。 そこで、質問に入りますが、現行制度では、企業が過剰債務や経済的にもうどうしようもならない苦しい状況に陥る場合に、法的整理、いわゆる倒産処理法、あるいは事業再生ADRなどの私的整理によって対応されていますが、事業再生法ではこの法的、私的整理の双方の欠点を補うものということであると思います。 現行の法的、私的整理手続で対応困難な事例があったことも踏まえて、本法案によってどのような問題点を解決し、早期の事業再生を必要とする企業や債権者にとっていかなる利点を生じさせることになるのかについて伺いたいと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、事業者の債務整理に係る現行制度を大きく分けますと、裁判所が手続を進める法的整理手続と、債務者と債権者の間の合意によります私的整理手続というふうに大別されるところでございます。 このうち、法的整理手続につきましては、原則として、全債権が対象となって、債権者の多数決及び裁判所の認可によりまして債務の減免等が認められるという制度でございますが、手続開始時に公告が行われますので、事業価値が毀損しやすいと、こういう特徴があるというふうに承知してございます。 一方で、私的整理手続につきましては、今申し上げた手続の利用が公告されません。また、対象債権は主として金融債権等に限定されるということでございまして、事業価値の毀損が抑えられるという特徴もございます。一方で、対象債権者全員の同意が必要となるということが手続上の課題として指摘されてきているところでございます。 そういう中で、今回のこの制度につきましては、法的整理と異なりまして、手続に関しての公告はなく、金融債権に限定すると。一方で、私的整理手続とも異なっておりまして、経産大臣が指定します公正中立な第三者機関が関与して、債権額の四分の三以上の同意、そして裁判所の認可ということで、債務の権利関係の調整を行うことができる言わば第三の手続ということでございまして、事業者に事業再生に向けた新たな選択肢を与えるものであるというふうに考えているところでございます。
○田中昌史君 ありがとうございます。 事業の再生をより可能にしやすくするということで、それぞれの欠点を補うところだというお話であったと思います。 この四分の三以上のということで、全債権者の同意がなければいけないというところからこの四分の三の同意を得るということに変更されたということによってスムーズに、円滑にこの再生が進んでいくということも大いに期待したいと思いますし、事業の価値を毀損しないということは非常に大事だと思います。これは事業者のみならず、これ従業者にとっても非常に大きな影響を与えるものだというふうに思いますので、是非、法がしっかりと、円滑に運用されていくことを期待したいなと思っております。 続きまして、本法律案の対象となる事業者について伺います。 これ経済産業省の産業構造審議会経済産業政策新機軸部会の事業再構築小委員会の報告書におきまして、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者が早期に債務整理に取り組めるよう、業種や事業規模による制限や事業再構築を要件として設けないことが適切であるとしている一方で、本制度で求められる手続が実務的に中小企業にそぐわない場合もあるというふうにされています。 本制度の利用が想定される企業の事業規模等の目安はどういったものなのか、既に利用されている中小企業活性化協議会や中小企業の事業再生等に関するガイドラインの活用等も踏まえて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 まず、本制度を活用する事業者の規模につきまして、制度上特段の規定は設けてございません。ただ一方で、先ほど申し上げましたように、債権者の多数決を必要とするということでございますので、金融債権者の数が相対的に多い企業の活用ということでございまして、一般的に申し上げれば、大企業だったり中堅企業だったりということが主たる利用者として想定されるところではございます。 一方で、今御指摘ございましたけれども、中小企業活性化協議会あるいは中小企業の事業再生等に関するガイドラインというのが別途ございまして、これは大変今有効に活用されているところでございまして、むしろ、規模の小さな中小・小規模事業者の方はこちらを使って事業再生に取り組まれるということが中心になってくるのではないかというふうに思ってございます。
○田中昌史君 ありがとうございます。 ガイドライン等が有効に活用されているということは私も事業者の皆さん方から聞いているところでありまして、是非こういう部分もしっかり周知広報していただいて、なかなかよく御存じない事業者の方もいるんだというお話は現場では聞くところでありますので、是非周知広報はしっかりしていただきたいなというふうに思います。 続きまして、この手続に関する第三者機関としての指定確認調査機関について伺いたいと思います。 早期の事業再生を図るためには、その事業再生計画が実効的であるかを適切に判断することはもちろん重要なことであります。本制度を利用するに当たっては、この事業者の行う手続申請が受理された後に指定確認調査機関が事業再生に向けた必要事項について確認することとなっております。 この指定確認調査機関の役割が今後本当に大事になってくると思いますが、この調査機関とはどのような機関を想定されているのか、特にこの事業再生計画を適確に判断できる人材がこの機関の中にしっかりと配置されるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 まず、第三者機関の指定でございますけれども、法令上、手続の監督等に関する業務を適確に実施するに足りる経理的及び技術的基礎を有すること、それから、手続の当事者と利害関係のある者が関与しない体制を整備していることなどを要件としているところでございます。指定は、具体的な指定につきましては今後ということになりますけれども、このような力を持った組織をしっかり指定していくということになります。 それから、御指摘の事業再生計画を適確に判断できるいわゆる人材でございますけれども、事業再生に関する専門的知識及び実務経験を有するなど、一定の要件を満たす者を確認調査員ということで個別の案件ごとに選任するということをこの第三者機関に求めているという立て付けになってございます。 また、確認調査員の選任に当たりましては、公平中立性を担保する観点からは、その確認調査員の候補者が事業者や債権者と利害関係を有している場合などにはその確認調査員としては選任されないようにするといった、その業務の公正な実施を妨げるおそれがある場合の取扱いを定めること、これも求めているところでございます。 いずれにいたしましても、この確認調査員の選任に関する詳細につきましては今後検討していきたいというふうに考えてございます。
○田中昌史君 ありがとうございます。 具体的な選任については、また今後、実際に運用されたときに実例を見ながらまたよく判断をしていかなきゃいけないんだろうなというふうに思いますが、利害関係がないというのは、これはもう信用を担保する上では非常に重要な要素でありますので、この辺の選任の在り方については的確に今後ともお願いをしたいなというふうに思っておるところであります。 それから、この指定確認調査機関の確認事項として、権利変更概要書において記載された当該権利の変更に関する方針が権利変更議案の可決の見込みがないことが明らかでないものとして経済産業省令で定める基準に適合するものであるということになっています。この省令の基準を作るということであります。この経済産業省令で定める基準とはどのような事項を想定しているのか。 また、令和四年十月二十二日に、新しい資本主義実現会議の新たな事業再構築のための私的整理検討分科会で、新たな事業再構築のための法制度の方向性案、この中で、この事業再構築は、新分野の開拓、業態の転換、事業構造の変更その他収益性の向上のための事業活動及びこれに必要な債務整理を行うこと、この事業の展開とか新しい分野の転換を考えているということでありまして、このような具体的な内容として、新製品ですとか業態の転換、こういった部分の変更をこの省令で定める基準の中に盛り込んでいかれるのかどうかについて伺いたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、この本制度では、手続の申請時点で第三者機関が対象債権者集会の決議が成立する見込み等を確認するということになってございます。そして、可決の見込みがないことが明らかな場合ということでございますけれども、例えばでございますが、債権額の一定割合以上を占める債権者が本制度の利用に異議を示している場合などが想定されるということになりますが、様々なケース、事案ごとにあると思いますので、その詳細につきましては今後検討を深めていきたいというふうに考えてございます。 それから、二つ目の御指摘の内閣官房における分科会での御議論ということでございますけれども、そこで御指摘いただきましたその事業の再構築、事業再構築という概念でございますが、ここでは、新分野展開ですとか業態転換、それから事業構造の変更その他の収益性の向上のための事業活動及びこれに必要な債務整理を行うことと定義をされまして、事業者は、手続の開始を申請する際には、この事業再構築の定義への該当性を確認するということとされていたところでございます。 他方で、この本制度を検討する際に開催した経済産業省の審議会におきましては、経済的窮境に陥るおそれのある事業者が早期に過剰な金融債務の整理に着手して事業再生に取り組むために、本制度の利用をちゅうちょしないよう、この事業再構築を要件として設けない方が適切ではないかという御議論を頂戴しまして、結果として、この本制度ではこのような事業再構築といった要件を不要としているところでございます。
○田中昌史君 採用しないということでちょっと安堵いたしまして、こういうことも展開できる事業者は、もうそもそもそういう状況にならない可能性も高いんではないのかなというふうに思っています。そういう状況に至らないからこそ、やっぱりこの事業再生が必要になる事業者になる可能性が高くなっているんじゃないかなと思いますので、こういった部分は、この事業再生法というよりは、その前の段階の、やっぱり事業者の意識しっかり向上していくことも含めて、こういったことを事業者の方にも御理解いただくような広報周知が必要かなというふうに思うところであります。 続きまして、この指定確認調査機関の確認要件のもう一つである、事業の継続に支障を来すなく弁済期にある債務を弁済することが困難となるおそれとは具体的にどういう状況なのか、その要件を伺いたいなと思います。 また、この民事再生法の要件との比較で、著しいというこの文言が削除されました。これによって利用できる事業者が不当に広がるんではないかという懸念も示されていますが、この辺りについて伺いたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 この本制度は、早期での事業再生に向けて、倒産前の手続として倒産状態の前段階の事業者を対象とするものでございます。このため、対象となる事業者は、御指摘もございましたが、民事再生法の対象である経済的に窮境にある状態よりは手前ということで、経済的に窮境に陥るおそれと、おそれのある状態というふうにしてございます。具体的に申し上げますと、本制度による権利変更が行われなければ、将来の一定時期までにキャッシュフローの悪化が進み、事業継続が困難となる状態などを想定をしているところでございます。 その上で、後段の御指摘でございますけれども、その上で、制度を利用する事業者が実際に経済的に窮境に陥るおそれのある状態かどうかというところにつきましては、先ほどもございましたが、第三者機関におきましてしっかり確認をするという立て付けとなってございます。さらに、その後も対象債権者集会におきましてその債権額の四分の三以上の同意ということが必要になること、それから、この決議をした後も裁判所が手続の公平性ですとか法令違反がないかといったことを審査をするといった、いわゆる複層的な多数決の濫用防止措置というのを設けてございますので、この制度を利用できる事業者がある種不当に拡大するということは制度的に避けることができる仕組みとなっていると考えてございます。
○田中昌史君 承知しました。 今ちょっと、法令上に違反がないかどうかというのもチェックされるというお話がありました。 粉飾決算とかですね、やっぱりこの事業再生法を利用するに当たって、やっぱりモラルハザードがしっかり重視されているというのは非常に大事なことだと思います。粉飾決算ですとか、その事業再生に当たっては、もう債権者に対して誠意がないとか、手続上に本当熱心じゃないとか、こういう事業者についてはしっかりと排除される仕組みというのが必要なんだろうと思いますが、この辺りはどのような手続でされるんでしょう。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本制度におきましては、例えば、その確認事業者が偽りその他不正の手段によって手続開始時点の確認ですとか早期事業再生計画などの調査を受けたことが判明したときにはその確認の取消し事由に該当するということですとか、それから、先ほども少し言及しましたが、裁判所が不正の方法による決議の成立などをしっかり審査をするといった措置を設けているところでございます。 したがいまして、御指摘ございましたその悪質な粉飾等を行った事業者につきましては、その利用の継続は排除され得る制度の立て付けになっているというふうには考えてございますけれども、いずれにしましても、個々のやはり事案に応じて、個別にこの第三者機関なり裁判所によってそういった事業者の利用の継続の可否をしっかり判断していくということになると考えてございます。
○田中昌史君 まあいろいろな事業者の中身があるんだと思いますから、適切なしっかりとした判断をしていただいて、一生懸命頑張って努力されている事業者が意気消沈することがないように、是非そこはお願いをしたいなというところであります。 事業再生法に関しての最後の質問になりますが、今お話もありましたが、経営環境大変厳しい状況にある中で、窮境に陥った事業者の方を放置することなく、再チャレンジの観点から早め早めの対応を促していくと、寄り添った対応を行う上で本法案は非常に大事だというふうに思っております。課題を認識していない事業者に対しても経営改善の必要性を認識していただいて、事業者の意識をしっかり変えていくこと、経済の新陳代謝を推進していくこと、大いに期待しているところであります。 先日、長崎に伺った際にも、佐世保の事業者の皆さん方から、非常に厳しい状況になって、この事業再生についてのお話も幾つかございました。この法律によって、事業者の皆さん方がしっかりと再建していただけることを私は期待するところでありますが、この本案の成立後、事業者に対してどのように周知広報を図って意識改革を進めていかれるのか、企業の経営状況の改善に向けた意気込みを古賀副大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(古賀友一郎君) 田中委員におかれましては、佐世保までお越しいただいて現場のお声を聞いていただいて、大変ありがとうございます。 大変、この周知広報、重要な御指摘だと、こういうふうに認識しております。 この法案は、経済的窮境に陥るおそれという倒産前の段階で事業者が早期に事業再生を図ることができるようにするものでありまして、まさに倒産リスクのある事業者の挑戦を後押しするものでございます。 先ほど藤木局長からも言及ありましたけれども、本制度以外にも、中小企業活性化協議会のスキームにおいて、再生支援のみならず、円滑な廃業や経営者等の再スタートのための支援も実施していると、こういう状況でございますけれども、いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、この本法案を含め、事業者の方々がこれらの制度を活用できるように情報発信をしていくことが大変重要だと、このように認識しておりますので、この法案をお認めいただければ、今後、金融庁等の関係省庁と協議をしながら、日本商工会議所を始め経済団体、それから金融業界団体等を通じて丁寧に広報を行っていくことで事業者の再生や再挑戦をしっかりと支えてまいりたいと、このように考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○田中昌史君 ありがとうございました。 本当に、地域の事業者の皆様方が再チャレンジして、また力強い地域経済が復活していくことを大いに期待させていただいているところでございます。 事業再生法からはちょっと離れまして、違う質問になりますが、まず、地方創生二・〇、これ石破政権の大事な政策の柱として位置付けられておりますし、経産省としても様々な施策に取り組まれていらっしゃると思います。 その中で、インバウンド、これ先般もニュースで出ましたけれども、出国税、過去最高、もう最高の観光客が日本に入って、インバウンド、活況を呈しているということでありますが、このインバウンドを地方創生にしっかりと結び付けていくということは非常に大事だというふうに思っております。 その上で、最近の政府の様々な会議で地域経営という言葉が非常にキーワードとして出てきます。その担い手としてDMO、観光地域づくり法人、これが期待を寄せられて、もうかなり多くの団体が登録されているというところでありますが、私は、この観光地域づくり法人に加えて、地方の宿にも期待しているところです。 私、小さいときから祖母によく温泉に連れていっていただいて、今、全国比例区なものですから、四十七都道府県回るときは必ず温泉の宿に泊まらせていただいて、いいんですけれども、夜遅く帰ってきて朝早く出ていくので、本当にいっときだけ楽しませていただくというような状況でありますが、本当に温泉地というのは、歴史、文化、伝統、それから地域の魅力、そういったものを大きく発信できるところだと私は思っています。 私の北海道の地元の中標津町は、空港と市街地から三十分ほど行ったところに養老牛温泉というのが、もうすばらしい景色のところがあるんです。そこに、湯宿だいいちという、これ一軒だけ、昔は五軒ぐらいあったんですけど、もう今は一軒、経済不況で、停滞でもうどんどん減っていって、廃業して、今は一軒だけ。その一軒も、廃業したところを買い取って再建したということの宿であります。当然、北海道ですから、地元の食材、非常に豊富でございまして、地域の食材を使ったり、あるいは地域の名産品、こういったものを展示したりしながら商売をされていらっしゃる、経営されていらっしゃるというところなんです。 ここの事業者は、ちょっと違うのは、当然地域の方々を雇用しているわけですけれども、それだけでは賄えないので、日本語学校も経営して、外国人留学生入れて、従業員雇ったり、そこで学んだ方々を地域の労働者として配置して供給したり、こういった形で、宿だけじゃなくて、これ地域の雇用、これをしっかりと活性化するような形のこともされている事業者があると。そういう意味では、もう地域づくりというものにこういった宿は貢献されているんじゃないかなと私は思っているところであります。 いろんなところへ行きますけれども、本当に地域の食材とか文化を発信するという部分では、私は、地域のショーケースのような存在だと私は思いますけれども、先ほどの観光地域づくり法人も頑張っていただきたいと思いますが、この地域地域でこういった取組をちゃんとやっている宿についても、やっぱり私はきちんと評価をしていくべきなんではないのかなというふうに思っております。 観光庁を始めとする関係省庁の地域づくりに関する補助事業等についても、申請主体は地域公共団体とこのDMO、観光づくり法人が指定されるケースが多いように見受けられますが、この地域経営の担い手になっている宿についても是非この補助事業の中に組み込んでいくべきではないのかなというふうに思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木貴典君) お答え申し上げます。 DMOは、観光地域づくりの司令塔として、宿泊事業者の御参画もいただきながら、地方自治体と連携しながら地域の稼ぐ力を高めるために観光地経営を進めているところでございます。 観光庁といたしましては、宿泊施設が観光地域づくりに積極的に参画いただくことも重要であるというふうに考えてございまして、このため、宿泊事業者が合意形成の仕組みの中に参画することをそのDMOの登録要件、設立の要件とさせていただいているところでございます。 また、御指摘のとおり、DMOの体制強化に関する補助事業などのように、その申請主体をDMOに限定している、限っているものもございますが、一方で、宿泊施設の改修のための支援などのように、宿泊施設を申請の対象としているもの、そういった補助事業でございますとか、地域資源、地域の観光資源の磨き上げを支援する地域観光魅力向上事業など、宿泊事業者も申請可能な補助事業もございます。 いずれにいたしましても、宿泊施設が主体的にDMOに御参画をいただいて観光地域づくりに活躍されておられるという、そういった地域も実際にございますことも承知しているところでございまして、観光庁といたしましては、宿泊施設がDMOに積極的に参画していただくことに加え、個別の活動についても併せて両方支援を行っていくことで地方創生をしっかり進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○田中昌史君 ありがとうございます。 是非、こういった地域の発展、活性化に向けて取り組んでいらっしゃる事業者については、広くしっかりとそこを推進をしていただきたいなと思います。 昨年一月に出た観光地域づくり法人の現状、課題の観光庁の調査を拝見しましたけど、なかなかステークホルダーの皆さん方の意見を集約してまとめるのはかなり御苦労されていらっしゃるというふうにこれにも出ております。 そういう部分では、一つ一つの事業者の総和をどういい方向に持っていくのかということを、無理やり全員を一つの方向に向かせるということも一つの方法だと思いますけど、全体の総和を一つの方向にどうやって向かせていくのかという形になれば、もう若干ちょっとハードルは下がるんじゃないかなという気もしないでもないわけなので、是非その辺りの取組は観光庁としても先導的にお願いしたいなというふうに思っております。ありがとうございました。 それでは、経済のお話に早速入りたいと思いますが、先ほどからずっと申し上げた、デフレ経済、長きにわたって続いてまいりました。一九八五年のプラザ合意以降、日本の名目GDPは約三十年にわたって平均五百二十五兆円ぐらいをずうっと推移してきましたが、ここに至って六百九兆円にぐっと回復をしてきている状況でありますが。 内需が増えないことによって、当然、日本の経済成長を図るためには外需に依存していかなきゃいけないということになりますが、ここに来てトランプ関税でどうなるか分からないということの中で、この内需をしっかり強化していくということはこれから日本の大きな方向性だというふうに考えております。 今年の一月に、国内投資拡大のための官民連携フォーラムで経団連が、国内向けの民間設備投資について、二〇三〇年度に百三十五兆円、四〇年度に二百兆円目指す新たな目標を示されたところであります。 目標実現に向けては官民一体となった取組が重要であると考えます。政府としても、企業の成長投資を後押しする規制・制度改革、成長分野における設備投資や研究開発、人的投資の後押し、そして産業用地を含む様々なインフラ整備の支援、各業種の実態に即した省力化投資を進めるための環境整備など、積極的に取り組むことが重要ではないかと考えております。 こうした政策を具体化していくに当たって、武藤経産大臣の意気込みを伺いたいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。 田中委員、是非、全国温泉回りベストランキング、小冊子でもいいですから、出していただけると買います。 今委員が御指摘の官民連携フォーラムで、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現に向けて、二〇三〇年度百三十五兆円、そして二〇四〇年度二百兆円という国内投資目標の実現に官民連携で取り組んでいくことを表明をされ、これが誠に重要な御指摘をいただいたというふうに思います。 経産省としては、経済産業政策の新基軸として、この人口減少下でも一人一人が豊かになれる日本を目指して、積極的な産業政策の延長線上で、十分に実現可能な二〇四〇年のマクロ経済、産業構造の将来見通しを、名目GDPが約一千兆円という定量的に示すとともに、その実現に必要な高付加価値化に向けた成長投資を促す政策の方向性を示しているところであります。 こうした将来見通しを共有することで、企業の予見性というものを高めつつ、御指摘のような取組を含めながら、政府も前面に出て、予算、税制、規制、標準化等のあらゆる政策を総動員して、積極的な産業政策を継続することで国内投資を引き出してまいりたいというふうに考えているところです。 温泉回り、よろしくお願いいたします。
○田中昌史君 温泉ランキング、作りたいと思います。 ありがとうございました、武藤大臣。 それで、具体的に先ほど一千兆円というお話がございました。非常に大きく期待するところであります。 この産業政策の強化策の中で、三つですね、国内投資の拡大、イノベーション加速、国民の所得向上、私は国民の所得向上というこの言葉に非常に興味がありますが、多分国民の皆さん方もここが一番関心事じゃないかなと思います。GDP一千兆円になっても私たちの生活どうなるのというところは国民の大きな関心事だろうというふうに思います。 それで、この三つの好循環の実現を挙げていらっしゃいます。この二〇四〇年に向けた民間投資二百兆円と連動して、経済産業政策の新機軸、今大臣おっしゃいましたが、この国内投資の拡大と産業構造の転換、これを推進していくと伺っておりますが、この国内投資、産業転換をどのように図ろうとしているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の経済産業政策の新機軸、この第四次中間整理におきまして、経済産業研究所、RIETIとの共同で、官民目標である二〇四〇年国内投資二百兆円、これ達成された場合でどのようなマクロ経済、産業構造の見通しになるかということの変化を推計させていただいたところでございます。この結果、ここ数年と同水準の賃上げが続いていくと、二〇四〇年に名目GDPで約一千兆円を達成するという推計結果が得られたところでございます。 こうした変化を実現するために三つの産業構造転換が鍵となるというふうにしておりまして、まず第一に、製造業につきましては、GX等による差別化やデジタルを活用したサービス化等による高付加価値によりまして、製造業Xというふうに称しておりますけれども、そういった形に変化していくこと、そして第二に、情報通信、専門サービス業が新需要を開拓し、成長産業になっていくこと、第三に、エッセンシャルサービス業でございますけれども、省力化投資を使いこなし、賃上げを実現できる産業となっていくということでございまして、その上で、こうした産業構造転換を実現するためには、各産業において研究開発ですとかソフトウェア、ロボットなど、次世代型の賢い投資が必要となってまいります。 政府としては、政策を総動員して、この高付加価値化、高付加価値型の産業構造への転換を実現する成長投資を後押ししていく必要があるというふうに考えております。
○田中昌史君 ありがとうございました。 私はどちらかというとエッセンシャルサービス出身なものですから、先ほど、今、省力化から賃上げというお話がございました。実際にどういうふうになっていくのかなというのは非常に気になるところであります。 今お話があった、この成長で具体的に、まあGDP一千兆円というのは分かるんですが、成長率あるいは賃上げ率等、ニュースでもよく出てきます。このGDPの、あるいは労働生産性、賃金、ここはよくニュースとかでも国民の皆さんがよく知るところだと思います。今日の読売新聞のオンラインで、四月の勤労統計で前年比またマイナス、四か月連続マイナスだというニュースが出ておりましたけど、そういう部分では、このGDPの成長あるいは労働生産性、賃金成長、こういった部分も含めて、この内需に及ぼす具体的な効果について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。 今回の試算の結果の詳細でございますけれども、まず、人口減少下におきまして官民で、人口減少下ではございますけれども、官民目標の国内投資、二〇四〇年に二百兆円ということが実現するということを前提に想定し、計算をいたしますと、資本装備率が上昇することで労働生産性が二〇四〇年にかけて年率で三・七%上昇していくと、それに見合う形で賃金は年率で三・三%上昇していくと、こういう見通しを示しているところでございます。 この企業による国内投資と賃金上昇に裏付けられた家計消費も増大してまいりますので、それが牽引する形で、実質GDPでいきますと、二〇四〇年にかけて年率で一・七%上昇していくということでございまして、この一・七%を内需と外需にその寄与度を分解をいたしますと、内需の寄与度が一・三%、外需が〇・四%という形で分解できますので、内需の貢献が成長の大部分という推計結果となってございます。
○田中昌史君 ありがとうございます。 現状が、現状の内需が〇・三三で、今お話しした一・三%という、内需が非常に伸びていくと、恐らく、外需を内需がしっかり上回っていく経済がその先にあるというお話だったというふうに思います。内需の中で、日本の企業、事業者がしっかりと、収益をしっかり上げられて、上がっていくという未来を是非つくっていただきたいなというふうに思っております。 もう最後にします。最後、一問飛ばしまして、一番最後の質問であります。 国民の皆さん方が豊かさを実感できる社会を実現するためには、私もあちこちで言っていますが、もうとにかく実質賃金をいかにプラスに転じさせるのかということは極めて大事であります。 この実質賃金の上昇率の要因分解を見ますと、この労働生産性の上昇については別に、決して他国に引けを取っているわけではないということでありますが、輸出入の交易条件なんかが大きくマイナスに寄与しているものというふうに思います。 この交易条件の悪化について、今後経産省としてどういうふうに取り組まれていくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。 御指摘の交易条件でございますけれども、過去三十年間、交易条件は輸出物価を輸入物価で割ったものでございますので、まず輸入物価の方ですけれども、資源等の価格が上昇する中で、それを日本としては輸入をせざるを得ないという状況、一方、輸出価格でございますけれども、製品、サービスの輸出価格が十分上げられなかったということで、日本は交易条件が悪化してきたという状況にございます。 交易条件の改善のためには、輸出物価の上昇を通じた日本全体の価格転嫁ができるよう、成長投資による高付加価値化等が必要となるというふうに考えております。 具体的には、企業による成長投資、事業ポートフォリオの組替えですとか、デジタル化を支える基盤インフラの確保、AIデータを活用した産業の創出、戦略的に重要な技術領域の特定と事業化までの一気通貫支援等による持続的なイノベーション創出に向けたエコシステムの形成等に取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。
○田中昌史君 ありがとうございました。 しっかりとした高品質な製品を適正な価格でしっかりと販売、売っていける、外国にも輸出していけるということは非常に大事だと思います。 デフレからの本当にマインドの脱却をしっかりしていかなきゃいけないというふうに考えているところでありまして、ただ、これ、事業者の皆さん方、価格転嫁が今進んでいますけれども、先ほどデータをお示ししたとおり、実質賃金が下がっているということは、使えるお金がないという、国民の懐が、消費に回して、もう付加価値、しっかりとお金を払える余裕が国民の手元にないということは、これもう現実、事実なんだと思います。 そういった観点で考えると、先ほどの官民投資二百兆円ですね、これもできるだけ早く進めていただいて、経済しっかりと成長しながら、国民の所得しっかりと引き上げて、実質賃金プラスに持っていかれるように、経済産業省としても頑張っていただければというふうに思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○古賀之士君 立憲民主・社民・無所属の古賀之士でございます。今日は質問する機会を与えていただいて、ありがとうございます。 武藤経済産業大臣におかれましては、毎回、こういう質疑の場ですと、必ずと言っていいほどトランプ関税の現状についてお尋ねをしております。 今日の日経新聞にも報道されておりますけれども、四月九日から九十日間、いわゆる相互関税が止まって、残りあと一か月余りという状況になりました。この経済産業委員会でも多くの皆さんが質疑をしていらっしゃいますが、発注と受注の関係、これによって、なかなかこのトランプ関税が停滞中であると、なかなかその価格転嫁もままならない、あるいは発注そのものが止まってしまっている、受注も、受入れもできない状況だということで、これまでも千か所以上の窓口で恐らくそういう御相談が寄せられているかと思います。そして、いよいよトランプ関税の相互関税に関しては、残り期限がもう一か月余りとなりました。合意しているのはイギリスだけと言ってもいいぐらいの状況でございます。 今、経済産業省として、武藤大臣のお立場として、今後のトランプ関税、特に価格転嫁、賃上げ、こういった状況になかなか今結び付いていない現実が恐らく相談窓口にも多く寄せられていると思います。そういったものも受けまして、国民の皆様方に是非メッセージをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(武藤容治君) 古賀委員におかれましては、というか、この参議院の経済産業委員会で大変、この国会中においてもいろいろと先生方からも御指摘もいただいたり、いろんな形で御指導いただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。 また、今御指摘のとおり、七月九日というものへ、あと一月になりました。我々も今、今回、赤澤大臣がまた五回目の今度渡米ということで、また調整に入ってきているところだというふうに承知しています。 今先生がおっしゃられたように、予見性がなかなか持てないというところで、我々としては、価格転嫁をしながら実質賃金を何とか上げていこうという思いは今も変わっておりません。その中で、企業者の方々、予見性を持てないということは大変これ本当残念なことなんですけれども、今先生おっしゃられたように、一千か所の窓口の情報収集もそうですし、プッシュ型でもいろんな話聞いております。 ただ、資金繰りが今困ったという、そういう大きなものは今の段階そんなに多くはないんですけれども、ですが、やっぱり資金繰りの相談については若干増えてきているということもあります。また、今のように価格転嫁できないということは、大変もっと大きな数の方になるので、そういう意味では、我々としても後押しをするためにも、できるだけ早くこのアメリカとの交渉も、先見性が持てる、ちゃんとしっかりした形での予見性を持てるような形で交渉がまとまることを祈っているところであります。 御承知のとおり、大統領が非常にそういう意味ではアメリカ政府としての判断力を持っていらっしゃるものですから、ここの交渉がどこまで今回もまとまれるのか、しっかり後押しをしながら、できるだけ早く皆さん予見性が持てるようにやっていきたいというふうに思っているところです。
○古賀之士君 七月の九日ですが、国民の皆様方の多くは一日も早くこの問題を解決して合意に至ってほしいという願いがございますので、どうかひとつよろしくお願いを申し上げます。 今日の本来の質疑でございます、早期事業再生法案についてお尋ねをいたします。 衆議院において法案修正が行われておりますので、それについて、まず修正案の提出者であります山岡達丸衆議院議員にお越しいただいておりますので、お伺いいたします。 衆議院において法案提出が二か所行われています。まず、第一条関係、目的規定の修正の具体的な内容を御説明願います。また、修正案提出に至った背景や理由、さらに、この修正で期待される効果についてもお答えください。
○衆議院議員(山岡達丸君) 衆議院議員の山岡達丸でございます。 本日、いわゆる早期事業再生法案のこの審議において、修正案に関しまして、また、こうして参議院にお招きいただいて御答弁をさせていただけることに心から感謝を申し上げ、質問にお答えをさせていただきたいと思います。 本修正は、目的規定において、経済的に窮境に陥るおそれのある事業者が、その事業の価値の毀損並びに技術及び人材の散逸の回避を図った上で、経営資源を有効に活用してその事業活動を活性化できるようにすることが重要であるという旨を明記するものであります。 一般的に、事業再生の過程においては、事業者が培ってきた技術が売却され、また重要な技術を有する人材が流出する、そのようなことも散見されるところであります。そのような事態が広く見られることは日本経済にとって必ずしも望ましいことではないと、その考え方が本修正案を提出させていただく背景の一つとなっております。 特に本制度は、現行の債務整理手続とは異なって公告手続がなく、また全対象債権者の同意までは求めておらず、現行の債務整理手続よりも事業者にとって利用しやすい制度とも言えます。そのことを踏まえ、なお一層、技術、人材等の安易な散逸、流出といった事態につながることが広く行われることを抑制することは大変重要な観点になるものと考えています。 本法律の全体の方向性を示すこの目的規定において、事業価値の毀損や技術及び人材の散逸の回避の趣旨を明確にすることによって、政府が本法律成立後にそれらの趣旨を踏まえた運用を行うことが保障されるとともに、この制度を利用する者がその趣旨を十分に理解して、より正当な早期事業再生の手続が行われることに寄与することが期待されるものと考えております。
○古賀之士君 続いて、さらに山岡達丸衆議院議員にお尋ねします。 第十四条第三項第六号関係でございますが、早期事業再生計画の記載事項の修正について、同様に、修正の内容、提出の背景や理由、また修正によって期待される効果について御説明をお願いします。
○衆議院議員(山岡達丸君) 第十四条第三項は早期事業再生計画の記載事項を定めており、本修正は、その第六号で定める確認事業者が早期での事業再生を図るため実施しようとする今後の事業活動に関する事項について、当該確認事業者に係る従業員の当該事業活動への協力並びに当該確認事業者に係る技術及び人材の散逸の回避の見込みに関する事項として経済産業省令で定めるものを含むことを明記するものであります。 本修正は、目的規定において追加した事業の価値の毀損並びに技術及び人材の散逸の回避を図った上でとの趣旨を早期事業再生計画の作成の場面において具体化するものでもあります。さらには、この従業員の当該事業活動への協力の見込みを早期事業再生計画に盛り込むことを明確にすることによって、早期事業再生計画の作成段階から従業員とのコミュニケーションが図られることが事実上担保されることになり、目的規定の修正と相まって、労使の協調の下でその計画の実施されることにより、より円滑な早期事業再生が進められることが期待できるものと考えております。 なお、衆議院経済産業委員会において武藤経済産業大臣からも、雇用や賃金といった労働条件の不利な変更が見込まれる場合、事業者が労働組合等の関係者の意見を丁寧に伺いながら従業員の協力を得ていくことを促す取組が間違いなく必要との旨の発言もあったところでありまして、この方向性については、現在のところ、政府の皆様とも認識を共にしながら、同じ方向を向いてまた運営をされることを期待するものでもあります。
○古賀之士君 山岡達丸衆議院議員の今のお答えに対しまして、重要な指摘もございました。衆議院でももちろん今御答弁されたということですが、重要ですので、参議院でもあえて伺います。 日本労働組合総連合会、いわゆる連合では、早期事業再生法案の閣議決定を受けまして、今年、令和七年、二〇二五年の三月七日に談話を公表しております。その中で、本制度は、あくまでも金融債務に限定しているものの、これまでのほかの手続による事業再生で人員整理や労働条件の引下げなどが頻発している実態があることからすれば、労働者保護の観点で懸念があると表明されております。 法案成立となれば経済産業大臣がこれを所管するわけでございまして、大臣は、事業再生の局面における労働者保護の大切さ、もちろんこれは、ひいては事業者そのものにとっても間接、直接重要な件でございます、その大切さをですね、この修正内容の意義について、武藤大臣はどのように理解をされていらっしゃいますか。お尋ねをいたします。
○国務大臣(武藤容治君) 労働者の権利保護につきましては、労働関連法制にのっとった手続を経て担保されているものであります。企業で働く従業員の理解と協力を得ることが事業再生の成否を決する上で重要な観点であると、衆議院における議論においても答弁をさせていただいたところです。 衆議院での本法案の修正につきましては、同様の認識を法文上明確化していただいたものと承知をしているところであります。具体的には、早期での事業再生を行うことで、事業価値の毀損や技術、人材が散逸する事態を回避するという本来の、本法の目的の更なる明確化等が行われたものと認識をしているところであります。
○古賀之士君 そのような意義を理解していただきながら、しっかりと、この再生法を待ち望んでいる皆さんたちも実は陰ながら多くいらっしゃるということも含めて、これから質疑進めさせていただきます。 武藤大臣、更に伺います。 例えば、早期事業再生計画に労働者の雇用などに関する変更が生じる内容が記載される場合、労働組合との協議が確実に実施されるよう、何らかの手続の関与についてルールの整備があってもいいんではないかというふうにも思ったりもいたしますが、大臣の認識はどのようなんでしょうか。 というのは、例えばある企業がそういう危機に瀕しているという報道がなされた場合、よく聞くのは、実は私たちは何も分からないんです、会社から聞いていないんです、報道では聞いているんですけれども、それ以上のことは分からないんですというようなケースが、あえて具体的な企業名は申し上げませんが、我々、取材をかつてしてきた経験からすると相当ありました。 なので、こういった事例も、前後からすると順番はやはりもう少し逆のケースがあってもしかるべきではないかという思いも込めての質問でございます。武藤大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(武藤容治君) 今御指摘、これは労働組合等々の協議についても関係してくるんだと思いますが、この早期事業再生計画において、会社分割や事業譲渡等によって雇用や賃金の減少が見込まれる事案において、まさに従業員の協力を得る観点から、労働組合等への通知や協議につきまして、これは省令で規定することと想定をしているところであります。 具体的には、当該通知を行う事案については、早期事業再生計画内に労働組合等との協議の状況を記載することを省令で規定するということを想定しているところであります。
○古賀之士君 ありがとうございます。 この件に関しては、やはり私が今申し上げたとおり、一定のルールの整備があってもいいのではないかと思っている立場でございます。 また、この件に関しては、後ほど村田享子委員からも更に深掘りするような質疑があるかもしれませんので、是非よろしくお願いいたします。ある予定と伺っておりますが。 修正の提出者として今日お越しの山岡達丸議員にもう一問伺います。 感想めいたお尋ねで恐縮ですけれども、山岡達丸議員は、今国会、衆議院の経済産業委員会で審議された閣法四本に対しまして、修正案二本、二度提出されています。いずれも衆議院で成立いたしました。こうした立法活動を振り返って、どのような感想をお持ちなのでしょうか。この参議院の経済産業委員会の場で御披露いただければと思います。
○衆議院議員(山岡達丸君) こうして参議院の経済産業委員会の皆様がいらっしゃる中で提出者としての感想を述べさせていただくというのは本当に僣越な思いでもありますけれども、そうした御質問いただきまして、お答えをさせていただきたいと思います。 今お話しいただきましたように、今回の衆議院の経済産業委員会では、既に修正可決しておりますけれども、いわゆる下請法、取引適正化法、この法案と、今審議に付されております早期事業再生法案、いずれもこの中で、参議院で御議論いただいているところであります。 この二つの修正案に関して、私は提出者を代表する形でこうして趣旨の説明あるいは答弁をさせていただいておりますけれども、あくまでも提出者を代表させていただく立場でありますので、本修正は与野党六会派の共同提出の形になっていて、それを実現をさせていただいたものであります。 更に申し上げれば、共同提出ではない会派におかれても賛成をしていただいたり、あるいは立場が違ってもこの修正内容に真摯に耳を傾けていただいたりと、そうした経過もたどってまいりました。政治の議論は、時に激しく対立をすることもありますし、とりわけメディアは、そういう部分を脚光を浴びせるといいますか、そういう部分ばかりを取り上げますけれども、本来、どの会派に所属されておられる皆様も、国民にとってより良い議論をして、より良い法律を作っていこうという思いで参画をされているものと理解しております。 そういう意味で、お互いの立場を尊重して、また会派、党派を超えて、与野党超えて、この議論において修正すべき点を共に見出して修正案として提出をさせていただいて、それが二回にわたってまた可決をさせていただいて、参議院の皆様にまた御議論いただくと。私は、そうした現場に関わらさせていただいて、まさに熟議の国会の姿だということを思えば、大変有り難く、光栄だと思っております。 その上で、こうした議論をさせていただけるのも、目下の経済情勢を踏まえて、政府の皆様から原案の提出があり、そして修正に至っては、法制局の皆様の大きなお力をいただきながらこうした充実した議論をさせていただいているということで、この経過におきまして、本当に感謝の思いとともに、是非参議院の皆様に、また広く、またこの内容についても御議論いただきながら広く御賛同いただければと、その思いで本日も立たさせていただいている次第であります。
○古賀之士君 山岡議員、ありがとうございました。 私からの山岡議員の質問はここまででございます。ほかに公務もあることでしょうから、委員長、御退室の、御退席のお取り計らいをお願い申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) 山岡衆議院議員は御退席いただいて結構でございます。
○古賀之士君 では、早期事業再生法案提出の背景と経緯について更に伺ってまいります。 一般的に、企業の業績や資金繰りが悪化して自律回復が難しくなると、企業は事業再生を図るために債務の減額や免除、それから返済猶予など債務整理を行う必要に迫られます。 我が国には、方法として法的整理と私的整理の二つがあり、法的整理は、裁判所が関与して、全会一致ではなく債権者の多数決で事業再生に進めます。ただ、そのハードルがやっぱりあります。例えば、手続開始の際に、公告、公に告げるですね、広く世の中に知らせることが行われまして、債務整理の公平性、透明性は高いけれども、時間が掛かったり、その結果、事実上の倒産連鎖の懸念など、社会的な問題となりまして、企業取引関係に多大なマイナスの影響を及ぼす問題が指摘されてまいりました。一方、公的の一方、私的整理では、公告はなしで、主に金融機関などの金融債権に限定して、手続を非公開、そしてスピーディーに進めることが可能でございます。しかし、それには債権者全員の同意が必要とされているということです。 今回の事業再生法案というのは、ある意味、公的整理と私的整理の中でもう一つの、アナザーウエーを導き出すための解だというふうに理解をしております。そういう意味では、新しい道を皆様方に御提示することによって、より事業再生への道が容易に、あるいは困難な部分を少しでも緩和できるんではないかという、そういう思いがこの法案には込められていると理解しております。 そこで、質問に移らせていただきます。 経済産業省に伺います。 債務者たる企業が、その事業価値を維持しながら、例えば外資系金融機関などですが、一部の金融債権者の反対を抑えて事業再生を図るには、以前から、現行の法的整理、私的整理のいわゆる二つの方法、二分法では十分に機能しないおそれがあると言われています。したがって、私的整理に多数決原理を導入すべきとの議論が随分前から行われていたとも聞いております。 例えば、倒産再建の第一人者、また産業再生機構の委員長としてカネボウやダイエーの再建にも当たられました弁護士の元裁判官故高木新二郎先生などを中心に、今からもう十年以上も前にこのお話は出ていたと聞いております。また、高木新二郎先生にとってのまさに遺言でもあると、この三つ目の方策というのは遺言だというような関係者の方のお話も伺いました。また、ヨーロッパ、欧州各国でも、私的整理への多数決原理というのはもう導入済みでもございます。 そこで、お尋ねをいたします。法案化が他国に比べて年月を要したのは、これはいかなるこれ事情があったのでしょうか、背景があったと考えていらっしゃいますか。経済産業省に伺います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘いただいたとおり、二〇一四年に民間に設置された検討会におきましては、この多数決による債務整理の制度についての検討が行われていたところでございます。しかしながら、この中では、例えば、その反対する債権者の財産権の保障が導入に向けて克服しなければならない課題ではないかといった論点が示されたと承知をしております。 一方で、足下では、民間調査会社の調査によりますと、物価上昇それから人件費の上昇など受けまして倒産件数も増加傾向にございます。二〇二四年の倒産件数は十一年ぶりに年間一万件を超えた状況ということでございます。こうした経済社会情勢のやはり動き、動向をしっかり踏まえると、早期での事業再生を図るための制度基盤のニーズはやはり高まってきているというふうに考えているところでございます。 こうした経済社会情勢も踏まえながら、経済産業省の審議会におきましては、この反対する債権者の財産権の保障といった論点につきましても、憲法学者の先生方も含めて制度の議論を進めまして、この本制度では、倒産前の段階で減免などをする対象を金融機関等が有する金融債権に限定するとともに、第三者機関と裁判所が関与して多数決の濫用の弊害を防止する仕組みを有した手続を規定する法案として今国会への法律案の提出に至った次第でございます。
○古賀之士君 今の御答弁に、憲法学者の声も聞いたというお話がございました。 そこで、法務省に今度は伺います。 我が国には、倒産法と言われる名前の法律はないというのは確認済みでございますが、あるのは、経済的な破綻状況に至った企業又は個人について、その財産の清算若しくは再建又は債権者への配当を定める法律の総称としていわゆる倒産法と呼ばれているものが存在すると。その中で、破産法、民事再生法、会社再生法などが含まれているという理解でございます。 そもそも、倒産という言葉は、主に企業が経済的に破綻した場合に使われる事実状態を表す用語であって、法律用語ではないとも聞いております。とはいえ、会社更生法の申立てが行われて会社が更生される方向の場合でも、社会的にはこれ倒産と表現されます。 私も、かつて民放に勤めていたときに、メディアの立場として原稿を書いたり読んだりするときに、会社更生法が適用され事実上倒産というような文言を書いたり、実際にアナウンスしたりしたことが何度もございます。その中には、友人の勤める企業があったり、あるいは親類や御縁のあった方々が勤める企業や団体があったりで、正直、原稿を書きながら、あるいは下読みする段階からもう涙があふれて止まらなかったことがございますが、職務上これを無感情に淡々と読まなければならないというのが当時の私の仕事でございましたから、そういった感情を抑えて、いつもどおり原稿を淡々と、お伝えをしっかりするという業務に、したことを今でも覚えております。 それぐらい、一人一人の、会社の、あるいは破産という言葉の重み、そして、皆さんたちが非常に考えていらっしゃる、それぞれの勤めていらっしゃる、働く皆さんたちお一人お一人のお顔や、またその家族の顔がやっぱり浮かんだりすると、この法案がやはり、先ほども質問もしましたけれども、もっと早い段階からという思いがありましたし、そういった働く皆さんたちをしっかりと守っていくためのルール作りの必要性というのもやはり感じたりもしております。 さて、その中で、実際に、法務省さんに伺いますが、再建型手続と清算型手続のどちらかに進むによって会社の行く末は大きく異なるわけでございます。会社が、いわゆる企業が再建を目指しているのに、倒産というレッテルで企業価値の毀損を背負うのは社会としても決して有益ではないとも考えます。 これが今回の法案の必要とされる理由の一つでもございます。いわゆる倒産法の法体系の中で、再建なのか、そして清算なのかの道筋に沿って何らかの名称変更や区分の再整理などを行う、そういった検討する余地があるのではないかと思っておりますが、法務省さんの御見解をお聞かせください。
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、事業の再生等を目的といたします再建型の手続について定めております民事再生法や会社更生法におきましては、その名称として再生とか更生という用語が使われておりまして、これは破産法等といったようなそういったものとは、やっぱり手続の意義、目的、こういったものとは全く異にするものであるということがこれ法律上明確にされているところでございます。 しかしながら、そうであるにもかかわらず、まさに委員御指摘のとおり、これ講学上、会社更生法等を含めまして倒産法と呼ばれておりまして、このことを、特にこの倒産という、こういう言葉が不当な企業価値の毀損をもたらすという御指摘、これは、事業の再生等を目指すという、こういう観点からは重要な御指摘であるというふうに受け止めております。 したがいまして、会社更生法等の再建型の手続が事業の再生等を目的とするものであることに誤解が生じないようにするためにも、この倒産法という言葉があくまで講学上のものであることに照らしまして、法務省といたしましては、やはり研究者、また実務家、場合によりますと、今御指摘ありましたようなマスコミの方々、こういった方々に機会を捉えてこの問題意識を共有するなどしてまいりまして、やはり適切な方策について考えてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○古賀之士君 法務省さん、ありがとうございます。 問題の提起までぐらいにしかとどめざるを得ない状況だとは思いますけれども、やはりこれ、やっぱり法律の用語の問題ですとか、あるいは実際の法律の用語になっていない言葉が独り歩きしているという現実もございますので、広く国民の皆様方へのやっぱり周知徹底も是非よろしくお願いを申し上げます。 法務省さんへの質問もここまででございますね。もしよろしければ御退席いただいても、いいですか、それともまだいらっしゃいます。分かりました。じゃ、ありがとうございます。済みません、お忙しいのに、ありがとうございます。 では、更に伺います。創設される制度のスキームについて。次に、今回の法案で創設される制度のスキームについてお尋ねをいたします。 私的整理の中で、経済産業省さんに伺います。既に事業再生ADR、これがあります。裁判外紛争解決手続の意味でございますが、訴訟手続によらず民事上の紛争を解決しようとする当事者のため、公正な第三者が関与してその解決を図るという制度でございます。いわゆる事業再生ADR、これが既に存在していますが、今回創設される制度はどのようなスキームなんでしょうか。今までにあるこの事業再生ADRと比較しながら、分かりやすく、経済産業省さん、御説明お願いします。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 今お話ございました事業再生ADRでございますけれども、この手続は債権者全員の同意が必要であるということになる一方で、今回のこの本制度では、債権額の四分の三以上の金融債権者の同意と、それに加えまして、裁判所の認可によって事業者の債務の権利関係の調整を行うことができるという違いがございます。このため、手続の開始段階から債権者全員の同意の見込みが立たないような場合ですとか、それから、その事業再生ADRのプロセスの途中で議論が前に進まなくなってしまったような場合には、特にこの新しい本制度の利用が検討されるということを想定してございます。 なお、一方で、事業再生ADRの対象は、先ほどもお話にありましたけれども、主として金融債権ではあるものの、債権者と債務者の間で同意があれば、当然、金融債権以外の債権も柔軟に対象に含めることが可能でございますので、金融債権以外の債権も、権利変更の対象とすべき事業者におかれては、この事業再生ADRの活用も引き続き有効であるというふうに考えているところでございます。
○古賀之士君 事業再生ADRでは、双方の税負担を軽減して、債務者に対するつなぎ融資の円滑化を図るということができます。一方、今回の制度というのに対しては、そのような支援措置があるんでしょうか。ないならば、なぜなのか、その理由も併せてお答え願います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 この本制度に基づきましてその債権放棄を含む権利変更を行うことになった場合等におきますその税務上の取扱いにつきましては、この事業再生ADR等における取扱い、これは対象として税務の取扱いをしているわけですけれども、今後明確化をしっかり図っていきたいというふうに考えてございます。 それから、その本制度におきましては、第三者機関が本制度利用中のつなぎ融資を確認した場合には、これは事業再生ADRと同じく、仮に当該事業者が法的整理手続に移行した際には、裁判所は、当該確認の事実を考慮をしてその当該つなぎ融資の優先弁済の可否を判断する規定などを設けているところでございます。
○古賀之士君 確認ですが、つまり、現状、その時点で第三者機関がそういったつなぎ融資を確認をした場合はそのまま考慮するけれども、現状では、この新しい制度自体にはそういう支援措置はないという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 このつなぎ融資を確認した場合にその法的整理手続に移行がしやすくなるという仕組みは、これは事業再生ADRと同じような立て付けの仕組みを導入してございますので、ここに大きな差異があるということではございません。 他方で、先ほどの答弁、御説明したとおり、権利変更したときのその税務上の取扱いにつきましては、今後の制度設計、議論する課題だというふうに認識しておりますので、この事業再生ADRにおける取扱いも参考にして明確化を図っていきたいという、そういう考えでございます。
○古賀之士君 ありがとうございます。 さらに、経済産業省さん、伺います。 今回の制度における対象事業者は、条文上、具体的には三条の一項などで経済的に窮境に陥るおそれのある事業者とされていますが、具体的にはどのような状態を指すんでしょうか。何か定義や要件というのはあるのでしょうか。また、経済的な窮境については、窮境に陥るおそれのない段階、おそれのある段階、そして窮境に陥った段階と全部で三つの段階があると考えられますけれども、それぞれの段階をどう切り分けて、具体的な定義や判定基準などがもしありましたらお尋ねしたいです。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本制度は、早期での事業再生に向けて、その倒産前の手続として倒産状態の前の段階の事業者を対象とするものという整理でございます。このため、対象となる事業者でございますけれども、民事再生法の対象である経済的に窮境にある状態よりも手前の、経済的に窮境に陥るおそれのある状態としてございます。具体的には、その本制度による権利変更が行われなければ、将来の一定時期までにキャッシュフローの悪化が進んで、その事業継続が困難となる状態などを想定しているところでございます。 その上で、いわゆる制度を利用する事業者が実際経済的に窮境に陥るおそれという状態にあるかどうかにつきましては、この第三者機関においてしっかり確認をするという整理になっているところでございます。
○古賀之士君 更に伺います。 この制度では、権利変更の対象となる債権は金融機関等が有する金融債権に限定されますが、そうした理由は何でしょうか。 また、担保付債権について、権利の減免に該当する権利変更を対象外とすることは理解はできますが、ただ、いわゆるリスケジュール、リスケに当たる期限の猶予についても対象外とするのは妥当なのかと、経済同友会などもこれ疑問を呈している意見もございますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本制度におきましては、その権利変更の対象を金融機関等の有する金融債権に限定をするということで、私的整理手続と同様に、その事業価値の毀損を可能な限り抑えながら円滑な事業の再生を図ることができるものと考えているところでございます。 一方で、金融機関等の有する金融債権について、商取引債権などのほかの債権と異なる扱いをするということが論点となり得るところでございますけれども、その金融機関等はいわゆるプロ債権者であり、その有する債権は商取引債権と差異があるということ、それから、事業再生の慣行として、二〇〇〇年代より二十数年を経て、私的整理により金融債権のみを減免して事業再生を図る一定の規範意識というのが形成されつつあることなど踏まえますと、それには正当性があるものと考えているところでございます。 その上で、御指摘ございましたその担保で保全されている部分の債権においても、期限の猶予、すなわちリスケに限ってはその債権者の多数決による権利変更の対象に加えるべきではないかという御指摘でございますけれども、これは、この本制度を検討する際に開催いたしました審議会においても、一部の委員からも同趣旨の御意見があったところでございます。 他方、この場合、その保全部分の債権者と非保全部分の債権者は利害が異なることから、例えば会社更生法を参考に、例えばその保全部分と非保全部分でグループを分けて決議を行うといった対応も必要となるところでございまして、その制度設計が極めて複雑になるということから、本制度によるリスケも含めた権利変更の対象はその担保で保全されていない部分の債権に限定するというふうに審議会の議論において整理をされたところでございまして、このため、本法案におきましては、担保で保全されている部分の債権についてはリスケも含めて権利変更の対象には含まないという制度設計とすることといたしました。
○古賀之士君 ちょっとその辺もまた、今後、実際に法案が施行されたのであれば、された段階からまた一つ問題としては提起は出てくるんではないかと思いますので、是非お含みおきいただければと思います。 続いては、対象債権者集会における決議についてお尋ねをいたします。 先ほどから四分の三というキーワードが出ておりますけれども、対象債権者集会での決議の可決案件は議決権の総額の四分の三以上の同意、つまり、単一の債権者が議決権の総額四分の三以上を保有する場合、議決権者の過半数の同意を頭数要件として加重があると。 この総額の四分の三以上の要件というのは、これどこから出てきているのでしょうか。そういった何か背景や、基準の四分の三というものの理由がありましたらお願いいたします。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 その権利変更議案の可決につきまして必要な議決権の額の割合でございますけれども、これはヨーロッパの立法など諸外国の手続の例を踏まえつつ、この場合いろんなケースございますけれども、一番保守的なケースで四分の三というのが諸外国の例では見られているところであったりするわけでございますけれども、そういったものも踏まえながら、やはりより多くの債権者の意向が反映されやすいという制度にするという観点から、これは民事再生手続の可決要件はもう少し緩いわけでございますが、そういった可決要件などよりもより重くした四分の三という形にしているところでございます。
○古賀之士君 更に伺います。 事業再生ADRでは、債権放棄に伴う事業再生計画については株主の権利の消滅や役員の退任などが要件とされていますが、この今度の新制度についてはそのような株主責任や経営者責任の在り方についてはどうなっているのか、その理由も含めて教えてください。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘いただきましたその株主責任ですとか経営者責任の在り方でございますけれども、この事業再生ADRにおきましては、債権放棄を伴う場合はやはりその株主の権利の全部又は一部の消滅、それから役員の退任につきましてもその事業再生計画に記載する旨が省令で規定されているというところでございます。 この本制度におけるその株主責任それから経営者責任の在り方については、今後、実務の運用をしっかり検討していくということになりますけれども、ただいま御説明いたしました事業再生ADRにおいて先行して定められている内容ですとか、そこの実務の運用なども参考にしながら、有識者それから金融機関などの意見聴取も行い、省令での規定の要否、その内容について検討を進めていく所存でございます。
○古賀之士君 ちょっとまだはっきりしないところもあるようですが。 この制度において、まさにその実務の中の決議の対象、第十一条で示される権利変更議案だけです。一方、この事業再生ADRですね、これまで、権利変更の議案に加えまして、事業再生の計画案も決議されます。しかも、事業再生ADRでは、資産及び負債等の見込みに関する事項について三年以内の債務超過解消及び経常黒字化の要件が課せられております。この決議対象の違いはどこから生じているんでしょうか。 また、新制度では、事業再生の計画、イコール早期事業再生計画を実行するに当たって、これ決まりはあるのでしょうか。なくて大丈夫なのというのが率直な意見です。どうぞお願いします。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 この本法案で規定するその早期事業再生計画でございますけれども、これは、権利変更議案への賛否の判断の参考となるべき書類であるという位置付けでございます。その一方で、その債権者集会における決議の対象は、御指摘いただいたとおり、権利変更議案と、これが決議の対象となっているということでございます。これは、本法案の法律の立て付けとして、あくまで金融機関等の有する金融債権に限定して権利変更を行うための手続を定めている制度ということであるからでございます。 その上で、その早期事業再生計画でございますが、この記載事項は省令で定めるということとしてございますけれども、御指摘のその数値要件その他につきましては、今実務が進んでいる事業再生ADRの規定ですとか、その実務運用なども参考に、その関係者、様々な関係者とも御議論させていただきながら、省令での規定の要否、その内容について検討を進めていきたいと考えてございます。 御指摘ありましたけれども、本法案におきましてはこの計画の履行についての規定は設けておりませんけれども、その早期事業再生計画の実効性につきましては、この本制度の早期事業再生計画、それから添付される資産及び負債の評定について、事業再生の専門性を有する第三者機関のこれは調査の対象になってございます。この第三者機関は、この事業者の資産及び負債、それから収支の見込みなどを踏まえて、計画の適正性をしっかりと調査をするということになっております。 この調査の結果は対象債権者に交付をされまして、専門的な知識に基づいて与信を行う金融機関等がこの調査結果を参考にしてその債権者集会での賛否を判断するということを想定してございまして、この本制度では、この第三者機関による調査、それからプロ債権者である対象債権者による判断を介することで早期事業再生計画の実現可能性を高めるという、そういう仕組みをつくっているところでございます。
○古賀之士君 今御答弁で、第三者機関、いわゆる指定確認調査機関、それから、先ほど田中昌史委員からも、確認調査員についてある種の懸念と申し上げていいと思いますが、そういった御指摘の質疑もございました。 それを受けて、武藤経産大臣にお尋ねをいたします。 この新たな制度では事業再生ADRのこの全会一致要件が緩和されていることを考えますと、これ、それぞれのその公正性、中立性をより厳密に確保した上で対象債権者集会関連業務を継続的に行う必要があるわけで、事業再生ADR制度よりもより厳格な、やっぱり例えばその指定確認調査機関あるいは確認調査員についてより厳格な認定基準が求められているというふうに、武藤大臣、考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 第三者機関につきましては、手続の監督等に関する業務を適確に実施するに足りる経理的及び技術的基礎を有すること、また、個別の手続の監督を行う者を確認調査員として、事業再生に関する専門的知識及び実務経験を有する等の一定の要件を満たす者を選任することができること等を要件としております。十分な専門性、そして公正中立性を備えた組織を指定することを想定しております。 また、確認調査員については、一般的に、事業再生に関する実務経験を通じて関連する労働法制の知見も有しているものと考えております。 その上で、個々人によって労働法制に関する知見の程度は異なることから、早期での事業再生を円滑に遂行する観点からも、第三者機関に対しては、具体的には、確認調査員に対する労働法制の研修体制の整備とか研修の実施を求める等、検討してまいりたいというふうに思っております。
○古賀之士君 この第三者機関、それからその調査員に関する報酬の規定についてお尋ねをいたします。 これ、料金の徴収については、第五十条の第三項第二号で、料金の額等が著しく不当なものでないことということしか規定されておりません。具体的には、これ、第三者機関への支払う金額、あるいは確認調査員の報酬というのは具体的にどのような内容やイメージを持っていらっしゃいますか。経済産業省に伺います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 事業者が本制度を利用する際に第三者機関に支払う料金でございますけれども、その額、それから算定方法などが著しく不当なものとならないよう、第三者機関が作る業務規程におきまして、その料金の額、それから算定方法などをしっかり定めるということになっております。これは、経済産業大臣の認可を受ける必要があるという、そういう法律の立て付けになっているところでございます。 御指摘のとおり、具体的な今後のその料金の額につきまして、現時点でお答えできる確たるものはないのは事実でございますけれども、やはり視点としましては、申請する各機関が、本事業を継続していくために必要な経費を過度に上回ることなどがないように、しっかりと、認可の際にはその適切性は厳正に確認をしていくということを考えているところでございます。
○古賀之士君 時間ですので、結びますが、是非、その負債額ですとか赤字額、こういったものがやはり大きければ大きいほど、それに対するやはり報酬ですとか金額というのは当然高くなっていくと。つまり、大きな金額を抱えて苦しんでいらっしゃるのに、一方でそれに対する報酬や支払というのも言ってみれば比例的に増えるという、ある意味ちょっと悲しい状況があって、あるいはまた、これまでも様々な観点で、例えば御相談事をしたりするときに、やはりその金額に応じて支払額が決まるということで、この金額がもう少し何とかならないだろうかというような御相談を受けたことも実際はございます。ですので、こういったことの料金や報酬の規定というのも是非しっかりと、せっかく新しいアナザーウエーをつくっていくわけですので、よろしくその辺も前向きに御検討いただければと思います。 時間が参りましたので、結びます。 武藤大臣、後は村田享子委員が更に伺いますので、よろしくお願いいたします。 終わります。ありがとうございました。
○村田享子君 それでは、皆様、おはようございます。そして、本日も御安全に。立憲民主・社民・無所属の村田享子です。 今、古賀委員からパスを受け取りましたが、ちょっと法案審議の前に一つ別のことを確認したいと思います。 昨年の三月に、私の地元鹿児島県の伊佐市でメガソーラーにおける蓄電池設備の火災がございました。当時、こちらの経産委員会でも取り上げさせていただきましたが、先月、五月十九日に、消防本部より火災調査の結果が公表をされております。 まず、この件について本日伺います。消防庁より、この結果の内容、報告をお願いします。
○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。 火災のあったメガソーラーがある地域を管轄する伊佐湧水消防組合によりますと、この火災の出火原因は、当該メガソーラーの蓄電池設備建屋に設置されていたリチウムイオンバッテリーの内部短絡によって出火したものと判定されております。 なお、内部短絡に至った要因につきましては、セルの焼損が著しいため、最終的に検討するに足りる物証を得ることができなかったものと承知しております。
○村田享子君 今、出火原因は、発電所の蓄電池設備建屋に設置されていたリチウムイオンバッテリーの内部短絡によって出火したと判定をされましたが、その内部短絡に至った要因については、最終的に検討するに足りる物証を得られなかったということで、ここの、一番、なぜという部分が今分かっていないというような状況になっております。 〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕 今、日本各地で太陽光発電広がっている中で、本件のリチウムイオンバッテリーと同様のリチウムイオンバッテリーは日本全国で何か所の太陽光発電所で使用されているんでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 電気事業法におきましては、二千キロワット以上の太陽電池発電設備の設置等を行う設置者に対しまして工事計画の届出を義務付けております。この中で、リチウムイオン蓄電池を含む電力貯蔵装置を併設する場合、併せて記載を求めておりまして、過去五年の届出によりますと、リチウムイオン蓄電池が併設されている事業所は八か所と承知しております。
○村田享子君 全国で八か所ということでございます。やはりこうした火災がですね、この地元鹿児島の皆さんも本当にびっくりしたと、突然大きな音がしてということで。じゃ、その原因を早く調べていただきたいという中で、今回調査はいただきましたが、本当に直接の原因が分からなかった。 全国に今八か所あるということですので、太陽光発電所に使用されているリチウムイオンバッテリーの安全対策始め、やっぱり太陽光発電所そのものの安全対策必要だと思います。今後どういうふうにされていくでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 太陽電池発電設備の導入に当たりましては、併設される蓄電池を含めまして安全確保を前提として進めていくことが重要と考えております。 電気事業法においては、電気設備について、感電、火災等のおそれがないよう施設することといった技術基準への適合維持を義務付けておりまして、工事計画の届出により、その適合性を確認しております。 特に、小規模な太陽電池発電設備の導入拡大を踏まえまして、令和五年三月からは、十キロワット以上五十キロワット未満の小規模な太陽電池発電設備についても技術基準への適合を義務付けたところでございます。 さらに、今回の事象も踏まえまして、蓄電池については、蓄電池内部で短絡が発生した場合に発火、類焼しないなど、求められる安全基準、性能をより具体的に示すとともに、電気事業法上の事故報告の対象を拡大するといったことについて現在検討を進めております。 今後とも、太陽電池発電設備の技術動向を踏まえた安全対策の充実を図りまして、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○村田享子君 引き続きの安全対策をしっかりお願いをしたいと思います。 ここから今回の法案についてお聞きをいたします。 まず、総論の部分で、株式会社帝国データバンクによれば、月別の企業倒産件数、二〇二五年四月時点において三十六か月連続で前年を上回り、戦後最長を更新し続けているとされています。 近年の倒産件数の増加要因について、政府はどのように分析をし、また、こうした事実、倒産件数が増加している事実についてのまず大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(武藤容治君) 御指摘のとおり、民間の調査機関によれば、倒産件数が足下で増加傾向にあるものであると認識をしております。 倒産の原因ですけれども、多くは販売不振を原因としているものであると思いますが、近年、特に物価高ですとか、人手不足を背景とする人件費が、人件費増を原因としたものが増加している傾向にあるものと承知をしているところです。 市場経済には企業の退出や参入といった新陳代謝があるわけですけれども、倒産の過度な増加によって、日本の経済社会を支える雇用の場ですとか貴重な技術が喪失することは避けなければならないと。今後も、引き続き、倒産の動向については注視をしてまいりたいというふうに考えております。
○村田享子君 今大臣の御答弁の中に新陳代謝といったお言葉ございました。今回の法案の提案理由におきましても、経済の新陳代謝機能を強化していくことが重要とありましたが、この提案理由における経済の新陳代謝機能とは具体的に何でしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本法案の提案理由にございます経済の新陳代謝機能とは、事業者の事業の再建を円滑化する制度基盤を整備することで、収益性の高い事業に入れ替えたり、また新たに挑戦していくという事業内容の新陳代謝を意味してございます。 この事業内容の新陳代謝を図るため、本法案におきましては、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者が早期での事業再生に取り組み、事業価値の毀損や技術及び人材の散逸を回避できる制度の整備を図るということにしておりますので、企業の倒産を促進するという意味での企業の新陳代謝という意味ではございません。
○村田享子君 この点ちょっと確認させていただきますが、今御答弁でも、企業の倒産を促進する意味での企業の新陳代謝という意味ではないということでしたが、一般的には、この経済の新陳代謝というと、市場のメカニズムを通じてより競争力のある産業や企業へ資源を再配分する、そして、企業の参入、成長、退出を通じて経済が活性化し、そして経済成長していくんだというそのプロセスを指すというような言われ方もすると思いますが、今回の法案については、あくまでも倒産を促進するという意味ではないし、先ほどの古賀委員の議論、倒産法の話の中でも、再建型の手続と清算型の手続があるといったお話がありましたが、この法案については企業の倒産を促進するような話ではないということでよろしいですね。
○政府参考人(河野太志君) 御指摘のとおり、倒産を促進するということではなくて、その事業の内容を新陳代謝を図っていくということでございますので、更に付言するならば、必ずしも雇用状況の変更とか人員整理といった影響が生じるというふうなものでも、とも限らないということだというふうに理解しているところでございます。
○村田享子君 提案理由の中にも、技術及び人材の散逸を回避できる制度基盤を整備するというふうに書かれております。 大臣の御地元にも防衛装備品を製造されている企業もあるというふうに思いますが、国の方で防衛力を強化しようといって防衛装備品を国内の企業で造っていくんだということ、この数年行われてきておりますけれども、実際、防衛産業に携わっている労働組合の皆さんに話を聞くと、発注が来たと、じゃ、久しぶりにこれを造ろうとなったときに、自分たちはそれに対応できるけれども、じゃ、前に部品をお願いをしていたサプライチェーンの中小の企業の皆さんが、聞いてみたら、もうその部品を作れる人がいなくなったとか、今うちの企業ではそうした技術がない、若しくはもうその会社そのものがなくなったということで、そうしたことを考えても、今回の技術及び人材の散逸を回避する、ここが非常に私は重要だと思っております。 この法案について、先ほど、こちらも古賀委員からございましたが、連合の皆さんからも、今回の早期事業再生法案の閣議決定に対する談話ということで、金融債務に限定した事業再生だけれども、労働者保護の観点では懸念があるという事務局長談話を三月に出されております。 この後、法案の具体的な審議に入りますが、やはり企業の事業再生においても人が大事なんだと、労働者保護、本当にこの法案で十分なのかという観点から聞いていきたいと思います。 衆議院の審議におきましても、大臣の御答弁の中でも、事業再生の成否を決する上で、企業で働く従業員の理解、協力を得ることは大変重要な観点であるといった答弁を私も確認をいたしました。その一方で、早期事業再生計画においては、人件費の切下げや雇用の削減等の記載がされること、これもあり得るというふうに大臣も御答弁をされております。 その上でお聞きをしますが、仮に早期事業再生計画に雇用者数の減少や賃金の減額が生じる見込みがあることの記載があるにもかかわらず、労働組合等との協議状況の記載がなされていない場合には、手続に瑕疵があるとして確認の取消し等がなされるという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘の点につきましては、その早期事業再生計画において、会社分割、それから事業譲渡等によって雇用や賃金の減少が見込まれる事案におきましては、早期事業再生計画内に労働組合等との協議の状況を記載すると、それを省令で規定するということを今想定をしているところでございます。 この点、今御指摘ございましたが、その確認の取消し事由に該当するかどうかということにつきましては、個々のやっぱりその事案によってその置かれている状況は区々異なることから、一概、一律にこうなるというふうに申し上げることは困難であるということは申し上げさせていただきますけれども、協議の状況を記載することが必要な事案におきまして、仮に計画内に当該記載がない場合には、その確認の取消しがなされる場合もあり得るというふうには考えているところでございます。
○村田享子君 労働組合等との実質的な協議を保障することは、労働者保護につながる重要な取組です。ですので、指定確認調査機関が遺漏なく確認を行い、協議が十分に行われていない場合には、対応が不十分として確認事業者に対するペナルティーなど、指定確認調査機関による対応を徹底することを求めていきたいと思います。 また、あわせて、確認事業者が労働組合等への通知を怠ったり労使協議を実施しなかったりした場合には、法案の第二十七条二項違反となり、裁判所の不認可事由に該当するということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 まず、議論の前提といたしまして、その早期事業再生計画におきましては、繰り返しになりますが、会社分割や事業譲渡等によって雇用や賃金の減少が見込まれる事案においては、従業員の協力を得る観点から、労働組合等への通知や協議につき省令で規定することを想定してございます。具体的には、当該通知を行う事案につきましては、先ほども申し上げましたが、早期事業再生計画内に労働組合等との協議の状況を記載することを省令で規定するということを想定しているわけでございます。 そうなりますと、この記載を含む早期事業再生計画全体が第三者機関の調査の対象となると。その調査の過程で、その第三者機関はその労働組合等との協議の状況をしっかりと確認をするということを想定しているところでございます。更に申し上げますと、その確認事業者は、この調査に対しては協力をするという義務が法律上規定をされておりますので、この過程でその両者の間でしっかりとしたコミュニケーションが行われるということになろうかと想定しているところでございます。 その上で、先ほども申し上げましたが、その個々の事案の当てはめにつきましては、その事案の置かれている状況が異なるため、一概に申し上げることは困難ではございますけれども、労働組合等への通知ですとか、労働組合等との協議の状況を早期事業再生計画に記載することが必要な事案において、仮に省令の定めに従わずにその通知や協議を行わなかった場合には、その手続が法令の規定に違反するとして、裁判所の不認可事由になる場合もあり得るとは考えておるところでございます。
○村田享子君 ちょっとここのところ、労働組合との事前協議ルールに関するところですので、もうちょっとまた、もう一つまた聞きますが、今、早期事業再生計画に記載する労働組合との協議状況について、指定確認調査機関の調査の対象であるということで御答弁をいただきましたが、その調査の結果、労働組合との協議が十分に行われていない、仮に、労働組合との協議状況ということで、ちゃんと協議していますよということが記載されてあったとしても、実際、労働組合から話を聞いてみると実質が伴っていないというような内容であるといった場合には、法案第五条に基づく確認の取消しの対象にはなるんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 繰り返しになり、大変恐縮ではございますけれども、重ねて御説明いたしますと、その労働組合等との協議の状況の記載を含む早期事業再生計画全体はその第三者機関の調査の対象となるということです。その調査の過程で第三者機関は労働組合との協議の状況も確認することを想定しているという、まずその前提がございます。 その調査の結果、労働組合等との協議が不十分である、又は実質が伴っていないという事案でございますが、これも繰り返しになり、大変恐縮ではございますが、その個々の事案というのはそれぞれ置かれている状況異なりますので、一刀両断にこうなるというふうに申し上げることは困難ではございますけれども、その事業者が偽りその他不正の手段によってその調査を受けたことが判明したときですとか、その調査に対して正当な理由がなく協力をしなかったといったような場合、該当するような場合には、第三者機関によってその確認の取消しがなされる場合もあるというふうに考えているところでございます。
○村田享子君 個々の事案でなかなか御答弁が難しい中、本当に真摯にお答えいただいてありがとうございます。 その上で、今の答弁で一つ確認なんですけれども、その調査を指定確認調査機関がしていくという中で、労働組合の皆さんに、実際にちゃんと事業者と協議を行われていますかと労働組合の皆さんから直接お話を聞く、労働組合に調査をする、そうしたこともあり得る、そうしたことも調査には含まれるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 その指定確認機関の調査の対象でございますけれども、あくまでも、この法律の立て付けといたしましては、まずはその確認事業者が、この早期事業再生計画をしっかりと、内容をきっちり考えて必要な事項を記載して、そしてそれを関係者にちゃんと説明をする、提出するというプロセスを考えてございますので、これはあくまでも、第三者機関は基本的には、その確認事業者を経由しながら様々な物事を見ていくということが基本的な運用になるのではないかというふうに考えているところでございます。
○村田享子君 先ほど、労働組合との協議が十分に行われていないといった内容の場合、確認の取消しの対象になるのかということをお聞きをしたときに、事業者が偽りを行っていた、そうした場合には取消しの対象にもなり得るといった御答弁だったと思うんですけど、その事業者が偽っているかどうかというのは事業者だけに聞いても分からないと思うんですね。 やっぱり労働組合の皆さんから直接、本当に、この早期事業再生計画に労働組合との協議状況、ちゃんと事業者の方は記載があったけれども、労働組合の皆さん、実際にこんなふうに行われていますか、情報提供されていますか、これは直接労働組合に聞かないと、事業者の偽り、そうしたものは見抜けないと思うんですが、いかがでしょうか。 〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 いろいろなその事案によって、いろいろとそのケース・バイ・ケースの対応というのが必要になってくるところだと思いますので、他方で、この本制度、やはり保秘というか、公告なく手続を進められるというところに一つ大きな制度のメリットというか狙いもございますので、こういったその保秘とのバランスも考えながら制度の運用をしっかり考えていかなければいけないと思っておりますので、御指摘の点も含めまして、制度運用についてはどういったやり方が考えられるのかというところはまた研究を深めてまいりたいと思います。
○村田享子君 今の点ですけれども、確かに事業価値の毀損というのはあってはなりませんので、そこから情報が漏れていく、それが世間に知られてしまうということはあってはならないと思いますが、労働組合はそこの企業で働く皆さんですので、そうした皆さんもちゃんと情報の秘密、そうしたものを確保していただいた上で、指定確認調査機関から直接労働組合の皆さんに話を聞いていく、それは私はあってもいいと思うんですけれども、もう一度御答弁願います。
○政府参考人(河野太志君) 実態運用でどういうことが必要となってくるのかというところにつきましては、研究を深めてまいりたいと思います。
○村田享子君 今、隣で大臣もこのやり取り聞いていただきましたが、大臣もこれまで御答弁の中で、こうした事業再生には従業員の協力必要だと言われています。こうした、せっかく労働組合との協議についても入れるんだということで今やっているわけですから、ここの調査の対象に直接、指定確認調査機関から労働組合にも話を聞く、こうした運用も私はやっていくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 運用面での対応になろうかと思いますけど、今参考人からもお話ありましたように、やっぱり保秘をどうするというところは非常に注目していかなきゃいけないところだと思いますので、そういう形の中でちょっと検証させていただければというふうに思います。
○村田享子君 実質的にちゃんと労働組合と協議をしていく、これは私は非常に大事だと思っております。これは債務整理を円滑に進めるだけではなくて、これも何度も申し上げていますが、やはり事業再生の内容を含めて、ちゃんと労働者の皆さんにも理解と協力を得るために極めて重要です。 こうした労使協議、そもそもこれが重要なんだということがみんな分かっていれば、例えば今私が仮の前提で申し上げた、労働組合と協議していますよと書いているけれども、実は事業者が何もしていなかった、こういった事態を防ぐためにも、労使協議をやっていくことで労働者も理解してもらって、こうした事業再生うまく進んでいくんだよといった、この労使協議の重要性も経産省として、本制度の周知と併せて積極的に進めるべきだと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、本制度を活用する企業においてその従業員の理解と協力を得るということは、事業再生の成否を決する上で重要な観点だというふうに考えてございます。したがいまして、本制度上でも、運用面におきましては、労働組合等に通知等を行うということを省令で規定するということを想定しているところでございます。そしてまた、仮にその事業再生に伴いまして労働条件が変更される場合、関連する労働関係法規を遵守する必要がある、これはこの制度の前提でございます。そこをしっかりと認識はしております。 この本制度の活用に向けましても、これは確認事業者も含め様々関係者おられますので、その様々な関係者の皆様に対して、こういったものも含めましてこの制度の適切な利用、それからしっかりとしたその知識というか前提となる情報について広く周知することが重要だと考えております。そうした観点から、この制度の適切な利用に向けた効果的な周知広報の在り方として、例えばQアンドAですとか制度の手引の作成など通じて丁寧に周知を図っていきたいと考えているところでございます。
○村田享子君 ここから、その指定確認調査機関、また確認調査員の体制確保、その業務、資質についてお尋ねをしたいと思います。 第四十六条第一項第五号の対象債権者集会関連業務を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するということの要件について、指定確認調査機関が挙げられているわけなんですけれども、具体的にどのような資質を備えていることが求められているのか。今日議論になっております労働者保護という観点でいうと、その資質において、労働関係法令等の知識、関連する業務経験の有無など、労働関係法令や労働組合等に関するものは含まれているんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 第三者機関でございますけれども、その手続の監督等に関する業務を適確に実施するに足りる経理的及び技術的基礎を有すること、それから、個別の手続の監督を行う者を確認調査員として、事業再生に関する専門的知識及び実務経験を有する等の一定の要件を満たす者を選任することができることといったことを要件としてございまして、十分な専門性、それから公正中立性を備えた組織、これを政府として指定することを想定してございます。 また、確認調査員でございますけれども、一般的に申し上げれば、当然その事業再生に関する実務経験を通じて関連する労働法制の知見は有しているというふうには考えてございます。 他方で、これはやはりその個々人の御経験その他によって労働法制に関する知見の程度が異なるということも想定されるところでございますので、早期での事業再生を円滑に遂行する観点からも、第三者機関に対しては、事業再生ADRと比べて厳格な指定を行うこととし、具体的には、確認調査員に対する労働法制の研修体制の整備ですとかその研修の実施、その体制整備にとどまらず、その研修の実施なども求めていくといったことも検討していきたいと考えております。
○村田享子君 指定確認調査機関から確認調査員に対して労働法制等の研修をやっていただくよう求めていくということだったんですが、具体的にその労働法制等の研修の内容については、国の方からちゃんと指定確認調査機関に対して、こんなことを、やっぱりこの事業再生進めていく上で確認調査員の方に知っていただくべきだというような、その内容については、国の方からこの指定確認調査機関に対して何らかのガイダンスか何か作って提供されるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) その具体的な研修の内容、徹底の仕方というか、やり方などの詳細は今後しっかり詰めていく必要があると思いますけれども、この制度の在り方ですとか、この制度をまさにつくる途上であった様々な議論みたいなものは、当然政府でなければ提供できない情報であるとは思いますので、何らかの形でそういったものが我々の意思として現場に伝わるようなことは当然やらなければならないというふうに考えてございます。
○村田享子君 今回、衆議院においても、また今私も取り上げさせていただきましたが、この労働者保護の観点は論点になったところですので、それを踏まえて、じゃ、どういった研修を確認調査員の皆さんにやるべきなのか、ただ研修やっただけではなくて、こうした内容を確認調査員の皆さんに伝えれば、より事業再生につながるし、その企業が発展するんだからこれをやってねということをやっぱり国も示していくことが、私は今回の法案の意義にもつながると思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) 御指摘を踏まえましてしっかりと考えていきたいと思います。
○村田享子君 今、指定確認調査員についても、その資質についてのお話がありましたが、指定確認調査機関との関係で確認調査員はどのような地位に置かれることになるんでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 まず、この法律、まずこの指定確認調査機関というのは大臣によって指定されまして、その中で個別の事案が上がってまいります。個別の事案が上がってまいりますと、その事案を担当する確認調査員というのがこの機関によって指名されると、こういうことになってくるわけでございます。
○村田享子君 この指定確認調査機関ですけれども、確認事業者が本制度の利用可能か否かを確認するだけでなく、対象債権者集会関連業務を実施するとともに、確認事業者の事業再生を継続的に支援する役割が求められます。また、事業再構築小委員会における議論においても、委員より、手続を監督するにとどまらず、事業者の事業再生をサポートすることも指定法人の機能として備えておくべきとの意見も出されておりますが、条文では、事業再生を継続的に支援できる体制確保に関する要件が明確になっておりません。この点は明確にすべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(武藤容治君) この本法案ですけれど、多数決によって金融債務の整理を行う手続を定めております。そして、その手続の正当性を担保する要素として、第三者機関が公平中立な立場から手続の監督を行うこととしたところです。このため、これまでの議論においては、第三者機関が事業再生に向けたおっしゃるような伴走支援というものを行うことは想定をしていないところであります。 一方で、金融機関が早期の経営改善支援や事業再生支援といった事業者支援を着実に行えるよう、本制度では第三者機関による公平中立な立場からの調査報告等を行う仕組みを措置し、そして、金融機関が対象債権者集会において適切な判断をできるようにということにしているところです。 関係者の理解と協力を得ながら円滑に事業再生が進めていけるように、この第三者機関の具体的な役割について引き続き検討を進めていきたいというふうに考えております。
○村田享子君 今のちょっと質問と重なるところもあるんですけれども、本法案の目的は、経済的に窮境に陥るおそれのある事業者の円滑な事業再生の実施を図ることですので、やはり指定確認調査機関としても、継続的に確認事業者の事業再生の取組の進捗状況を確認する必要があると思います。 この点、業務規程に盛り込むべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) この制度において、事業再生の専門性を有する第三者機関による調査と専門的知識に基づき与信を行ういわゆるプロ債権者である金融機関等の対象債権者による判断を介することで早期事業再生計画の実現可能性を高めるような仕組みを講じているところであります。 その上で、早期事業再生計画の進捗状況につきましては、直接的な利害関係を有する金融機関等によるモニタリングが効果的であると考えているところです。この点において言えば、例えば事業再生ADRでも、業務規程ではなく下位法令において債権放棄を行う場合、債務者は債権者及び第三者機関に対して事業再生計画の進捗状況の報告を行う旨を規定しているところであります。 本制度においても、今後、こうした取組を参考にしながら具体的な運用について検討を進めていきたいと考えています。
○村田享子君 確認調査員についてもお尋ねをします。 衆議院の質疑を通じて、確認調査員の適格性を担保する方策というものが一定程度明らかになったと承知をしております。実際に対象債権者集会関連業務に従事している途中で確認調査員の適格性が疑われるような事案が発生した場合、確認事業者はどのような対応を取り得るのか、また、指定確認調査機関はどのように是正を図ることが求められるのか、大臣にお尋ねします。
○国務大臣(武藤容治君) 本法案におきまして、第三者機関を指定する際には、あらかじめ業務規程を提出させ、当該業務規程が対象債権者集会を含めて裁判所認可に至るまでの手続全体を公正かつ適確に実施するために十分であることを指定要件の一つとしているところです。 また、業務規程においては、確認調査員が業務の公正な実施を妨げるおそれがある場合に当該確認調査員を排除するための方法、これをあらかじめ定めることを法律上求めているところであります。そのため、確認調査員の適格性が疑われる事案が生じた場合、事業者は第三者機関に報告をし、第三者機関において、業務規程に基づき、当該確認調査員を解任するかどうか判断するものと考えております。
○村田享子君 ここから、労働関係法令等の周知徹底、この事業再生における労働関係法令であるとか労働者保護、こうしたことも大事だといったことを先ほども議論させていただきましたが、先ほどは、その研修を通じて確認調査員の皆さんにもこうした内容を知っていただくということでございました。 その上にもなるんですけれども、やはり本法案は、金融債務の整理に関する手続を定めたものではございますが、確認事業者の事業の継続を最前線で担うのは労働者の皆さんであるということはもう事実です。早期事業再生計画に労働組合等との協議状況を記載していただき、事前の通知を行うということについても、本日も省令で対応するとの御答弁がございました。本制度が濫用されることがないよう、経産省においてその趣旨や権利変更の及ぶ範囲などについて周知を図ることが重要です。 また、労働組合等の手続関与に関するルールが実効性のあるものとして機能するよう、対象債権者や確認事業者の、労使、これ事業者の皆さんもそうなんですが、労働組合の皆さんにもこうした新しい制度できますよといったことも含めて伝えることも重要だと思います。 労働者の理解と協力を得ること、これをしながら、事業再生をやるんだといったことの重要性や、手続ルールちゃんと守っていく、遵守が不可欠であるということを、指定確認調査機関の確認であったり、対象債権者集会などに際して確認調査員などからも情報提供を行っていく、これを徹底していくことも大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) 御質問にお答えいたします。 確認調査員、事業再生に関する専門的知識、実務経験を有する方が事案ごとに選ばれるということでございますが、この手続の監督を担う大変重要な役割でございますので、こうした役割について正確に理解していただいて業務の遂行に当たっていただくということが必要だと思います。また、その上で、先ほども御答弁申し上げましたように、労働法制に関するしっかりした知識を持って臨むというために必要な研修等を実施するというところでございます。 また、関係の皆様についてそういった的確な情報を周知していくということも大変重要なポイントだというふうに思っておるところでございまして、その中で、全体でその周知活動をやっていく中で、この確認調査員の方に具体的にどういう役割を担っていただくかということにつきましては、これからしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○村田享子君 労働組合ということでいうと、この前、こちらでも議論しました改正下請法であっても、価格転嫁が大事というような話になったときに、例えば労務費の価格転嫁の指針を政府の方で出していただいて、その際に、公取の皆さんとか、あと、今日、中小企業庁も来ていただいていますけど、中小企業庁の皆さんにも御協力いただいて、労働組合の研修の場に来てもらって、労働組合の皆さんも、その労務費の価格転嫁の指針であるとか今の改正下請法の中身であるとか勉強をされて、実際に春闘になると、労使交渉の場でその話をして、価格転嫁、国はこうした制度を持っていますよといったことも会社側に伝えながら賃上げに向けて取り組んでいらっしゃるんですね。 そうした意味では、労働組合の皆さんにも今回の事業再生の新しい制度の話を伝えて、であれば、先ほど古賀委員の方から、よく従業員の皆さん、ニュースで先に知って、自分たちは何も詳しいことをまだ聞いていない、えっ、事業再生、倒産なの、仕事どうなるのという不安になる前に、あっ、国は今こういう事業再生の新しい制度があるから、これについてはちゃんと労働組合とも協議される話だよね、まず組合に聞いてみようとか、事業再生も、清算型もあれば、これから再建していくものもあるんだよねということで理解をしていただくと、従業員の皆さんの動揺もちょっとある程度、何というか、少しでも不安を和らげることができるんじゃないかなと思うんです。 そうした意味では、事業者の皆さんにこの制度を知っていただくとともに、是非とも労働組合の皆さんにも経済産業省の皆さんから周知をお願いしたいと思うんですが、これ通告しておりませんが、大臣、お願いします。
○国務大臣(武藤容治君) 衆議院でもそうだったんですけれども、いわゆる労働権利をどうするという話のところで、私ども経産省の方も、ここら辺は要するにスピーディーな事業再生を進めるという元々のベースですから、雇用って大事ですよね、これが離れていったら再生になりませんよねというのが基本的な話だと思います。 ただ、今どき、報道ベースというのは、ちょっと余りこんな場で申し上げるのはあれかもしれません、いろんな形で多様性を持っているんだと思います。ですから、先ほど古賀委員からも御指摘がありましたけど、経営者ばっかりが先に進んで組合の方が何にも知らぬというのは、今、過去を遡ってみても、やっぱりいろんなケースが今でも記憶にあるところだと思います。 ですから、できるだけ我々も周知に努めてまいりますし、こういう制度ができますよということは事前にやはり組合の方の方々に、もちろん連合の方々通じてですけれども、そういう形で周知をされるということが望ましいんだと思います。 ただ、細部にわたってまだ決まっていないところが、今日も御議論いただきました。これから検証しながら、するところはし、また、細目についてこれからまだ検討していきますので、是非また御指摘をいただければというふうに思います。
○村田享子君 本制度に限らず、広く事業再生に際しては、人員整理が行われる場合には整理解雇法理、労働条件の不利益変更が生じる場合には労働契約法第十条が適用されるなど、労働関係法令等の遵守徹底が求められることについて、指定確認調査機関、確認調査員、確認事業者、対象債権者など、こうしたところも含めて広く関係者への周知が図られるよう、厚生労働省とも連携しながら対応すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 仮にこの事業再生に伴い労働条件変更される場合は、関連する労働関係法規を遵守する必要があるものと認識をしているところです。 本制度におきましては、こうした労働法制の適用に関する考え方について厚生労働省とも認識を共有しているところであります。関係省庁とも連携しつつ、第三者機関や制度を利用する事業者を含め幅広い関係者への周知に努めるとともに、第三者機関に対して確認調査員に対する労働法制の研修体制の整備や研修の実施を求めるなど、必要な環境の整備を検討してまいりたいと考えています。
○村田享子君 ちょっと最後に一点、ちょっと条文で確認をさせてください。 法案第六条に基づく一時停止の要請については、あくまでも対象債権者の金融債権の回収等を停止する趣旨であり、労働債権などには及ばないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本法案は、金融機関等の有する金融債権に限定をして減免等を行う手続を定めているものでございますので、未払賃金ですとか退職金などの労働債権は対象債権としてございません。 したがいまして、御指摘ございます本法律案第六条第一項に定めているこの一時停止の要請というのは、第三者機関が本制度の対象債権者に対して、手続が終了するまでの間、その対象債権の回収などはしないことを要請するものでありますので、未払賃金や退職金などの労働債権はその対象債権の範囲には含まれないため、本法律案第六条第一項に定める一時停止の要請の対象にもならないところでございます。
○村田享子君 今日の質疑を通じても、この法案においても、労働者保護についても考えていく、運用についても定めていくといった御答弁ありましたが、今、国の方でもMアンドAを進めている過程において、この委員会でも何度も言っていますが、どうしても事業譲渡であったりといったときに、本当に労働者の皆さんの生活が引き続き守られていくのか。実際に事業譲渡した後に、事業譲渡した瞬間はいいんですけど、その何年後かにいきなり労働条件が下げられるとかいうような話も聞いておりますので、本当の意味で従業員の皆さんが事業再生をして、また頑張っていくんだと、未来に希望を持てるような制度にしていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございます。
○委員長(牧山ひろえ君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石川博崇君 皆さん、こんにちは。公明党の石川博崇でございます。 午後のトップバッター切らせていただきます。事業再生法の質疑、どうぞよろしくお願いいたします。 今回の法律案は、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者が早期に事業再生に取り組み、事業価値の毀損や技術、人材の散逸を回避できる制度基盤を整備するものでございます。優れた技術もある、人もいる、意欲もあるけれども、債務がかさんで資金繰りに悩んでいるといったような状況にある事業者の事業再生を後押しする極めて重要なものだというふうに考えております。 そこで、まず大臣に、現下の我が国の経済状況を分析した上で、今国会、この法律案を提出する意義と、そしてそのような資金繰りに悩んでいる事業者の事業再生をどう促進していくのか、御所見と決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 後半もよろしくお願いいたします。 今日もいろいろと先生方から御指摘をいただいた中でも、まさにこの日本経済というもののことでありますけれども、日本企業の債務残高はコロナ禍前に比べて急増しておりまして、二〇二四年の倒産件数も十一年ぶりに年間一万件を超えてしまっている状況であります。 本制度は、こうした経済社会情勢の動向を受けて、優れた技術、今先生がおっしゃられるように、人材を持ちながら、足下で多くの債務を抱え、そして経済的に窮境に陥るおそれのある事業者が早期での事業再生に取り組み、事業価値の毀損や技術、人材の散逸を回避できる制度を整備するものであります。 この制度ができれば、既存の法的整理手続と私的整理手続の双方のメリットが発揮できるようになると考えております。事業再生に向けた新たな選択肢を創設することで、日本経済の活性化につなげていきたいと考えているところです。
○石川博崇君 是非大臣の力強いリーダーシップを期待したいというふうに思います。 今回の法律案で創設される制度ですけれども、手続的な流れを見ると、産業競争力強化法に基づく事業再生ADR、この手続に類似しております。当初は、そういったこともあって、産業競争力強化法の改正という形式での立法化も考えられておりましたけれども、今回は新法という形で提出されております。なぜ新法という形式にしたのか、理由をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本制度でございますけれども、この産業競争力の強化法に基づく事業再生ADRと同じく、経済の新陳代謝機能を強化するための事業再生の円滑化に係る措置の一つとして捉えるという考え方もあり得るかとは思います。 他方で、今般のこの制度は、金融機関等の多数決及び裁判所の認可によりまして反対債権者も拘束をするという効果が生じますし、また、その手続の公平性ですとか公正性を担保する観点から様々詳細な手続を定めているという点におきましては、産業競争力強化法で規定する各種支援措置とはやはり異なる性格を持っておる部分が多いというふうに考えてございます。 こうした事業者支援法としての性質を有する産業競争力強化法との法的性格の違いといったものも踏まえまして、本制度は新法による措置をするということとしたところでございます。
○石川博崇君 今御説明ありましたとおり、この新しい制度は、多数決によって反対債権者の債権カットも起こし得る制度となっております。こうしたことから、パブコメでは、新たな制度を創設すると、債権者たる金融機関等による与信判断が厳しくなるのではないかと、つまり、事業者に対する貸し渋りを、将来債権カットされるかもしれないので極めて厳しく与信判断をするのではないかというようなパブコメでは御意見がございました。 しかし、この制度、事業者のみならず、金融機関にとってもメリットがある制度であるというふうにも私も思いますので、こうしたことをしっかり周知していくことが重要だというふうに思います。 改めて、事業者と金融機関、双方にとってメリットがあるという点についてしっかりとした御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 本制度は、事業再生に向けまして、倒産前の手続として倒産状態の前段階にある事業者を対象とするものでございます。一般論で申し上げますと、事業再生に取り組むタイミングが早ければ早いほど再生する可能性が高まるというふうにも言われておりまして、こうした早期事業再生のための枠組みを準備するものということでございます。 したがいまして、事業者にとっては、そうした早い段階で再生に向けた手を打つということが可能となるわけでございまして、その結果として、事業価値の毀損あるいは技術、人材の散逸を回避することが可能となるというメリットがあるというふうに考えてございます。 同時に、金融機関につきましても、貸出先が事業再生して立ち直ればこれは大きなメリットとなるということでございまして、また、その手続において、公正公平な第三者機関の関与、それから裁判所の関与ということで、公正公平性が担保されているということ、さらに、この第三者機関と裁判所の審査の中で、事業者が清算してしまった場合より回収額が多く見込まれるということが確保されると、このことが確認されるということでございますので、金融機関にとってもこの制度を利用する、活用するということにメリットがあるというふうに考えております。
○石川博崇君 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたようなこと、しっかりと周知を図っていただいて、与信判断が厳しくなるんじゃないかとかいったような不安が広がらないように是非お願いをしたいと思います。 早期に手続を開始することによって事業再生の価値が高まるということもございますし、また、金融機関によって日頃から企業に対する経営改善指導等が強化される、こういったことも期待されるんではないかというふうに思います。 そういう意味で、金融機関の意識改革、この新しい制度ができることによって、金融機関が意識改革をして、日頃から寄り添う、企業に寄り添って経営改善指導なども行っていただく、そういったことも必要かと考えますけれども、今日、金融庁来ていただいておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 物価高や人手不足、人件費高騰といった経済環境の変化を受けまして経営課題が多様化している中、早期に経営改善や事業再生に取り組むことの重要性がますます高まっているものと認識しております。 金融庁では、こうした状況を踏まえまして、昨年四月に、金融庁の金融機関に対する監督上の目線である中小・地域金融機関向けの監督指針などを改正いたしまして、金融庁が金融機関に対して一歩先を見据えた早期の経営改善、事業再生支援を促していくことを明示したところでございます。 さらに、今年の三月でございますが、金融機関の早期の事業再生支援等に向けた取組状況をフォローアップすることなどを盛り込んだ再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージを経済産業省それから財務省とともに策定するなど、金融庁としては、近年、金融機関の事業再生支援に対する意識改革を進めてきたところでございます。 その上で、今般の制度は、積極的に事業再生支援に取り組もうとする金融機関にとって新しい、新たな戦略、選択肢を示すものでございまして、金融庁のこれまでの取組と方向性を一にするものと考えております。 金融庁といたしましては、本制度が金融機関による経営改善、事業再生支援の取組の更なる後押しとなるよう、経済産業省と連携して金融機関に対する制度の周知等に協力してまいりたいと思います。
○石川博崇君 是非、金融機関がこの新たな制度を受けて意識改革取り組んでいただくようお願いをしたいと思います。 一方で、全銀協、全国銀行協会からは、今回、多数決によって、反対する債権者も含めて、債権カット等がありますので、多数決によって債権者の権利変更を強制する新たな制度を創設する上では、その正当性が十分に認められ、また手続面で公平性が担保されるような厳格な制度設計をお願いしたいという意見が全国銀行協会から示されております。 こうした意見を踏まえて、新たな制度では様々な点が盛り込まれていると思いますが、この正当性あるいは手続面での公平性が確保されていることについて御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、様々な規定によって、その多数決によることの正当性ですとか手続面での公平性を確保する仕組みを整備しているところでございます。 具体的に幾つか御説明させていただきますと、まず、本制度におきましては、その手続の対象となる債権を金融機関等の有する金融債権に限定しております。この点につきましては、どの債権が対象債権に該当するかは、事業再生に関し専門的知見を有する第三者機関が手続の開始時に法令に基づきしっかり確認をするという措置を講じているところでございます。 次に、対象債権のその権利変更の内容について、いわゆる清算価値保障原則の遵守が求められているという点に関しましては第三者機関による調査事項になっておりまして、かつ裁判所による認可要件にもなっているところでございます。これ以外にも、その第三者機関が手続の監督を行うことにつきまして、個別にその手続を規定しておりますし、また、裁判所は手続や決議の内容の法令違反なども認可要件として審査することとなります。 また、第三者機関の公正中立性という面に関しましては、この第三者機関の指定の要件として、手続の監督等に関する業務を適確に実施するに足る経理的及び技術的基礎を有すること、それから手続の当事者と利害関係のある者が関与しない体制を整備していることといった規定によって、これはしっかり確保されているというふうに考えているところでございます。
○石川博崇君 ありがとうございます。 一方で、この多数決で事業再生を決定する際、反対する債権者の方々の対応について懸念を指摘する声もございます。もう絶対反対だといって、早期事業再生計画の履行に必要な協力をしなかったりとか、あるいは、反対債権者が債務者の望まない債権者に債権を売却して事業再生に支障を来すといった懸念もございます。この点、反対債権者に対する債権買取り請求権を追加してはどうかということも検討されましたが、結果として、その導入は不要であるというふうに結論付けられております。 このような絶対反対だという債権者が事業再生を妨害するおそれについてはどのように考えているのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 まず、前提といたしましては、その本制度におきましては、権利変更の内容につきまして、対象債権者が平等に扱われるということを原則としているということ、それから、公正中立な第三者機関の調査ですとか裁判所の審査によって、その権利変更の内容の法令違反の有無、それから履行可能性が確認をしっかりされるということ、さらに、反対債権者は裁判所の認可決定に対して不服申立てができるといったこと、こういったことなどによって複層的に多数決濫用の防止措置というのを設けてございます。このため、反対債権者の方にとっても可能な限り納得感の得やすい仕組みというのを準備しているところでございます。 その上で、本制度を検討する際に開催された審議会におきましても、今御指摘ございましたが、反対債権者が個別に例えば自社の債権を任意の相手方に売却する場合、その売却先次第ではその決議後に必要な協力や理解が得られなくなるような可能性も否定はできないといった意見がございました。他方、その防止策として、例えば反対債権者のみを個別に優遇すると、かえってその反対を助長することにもなりかねないという懸念も頂戴しておりまして、様々論点がやはり存在するところだと思います。 したがいまして、今後のその実務的な対応等につきましては、有識者の皆さんや金融機関等の意見聴取も行いながら、例えば中小企業活性化協議会において実施されている再生支援に前向きに取り組むサービサーとその金融機関の皆さんとの連携を図るような仕組みなども参考にして、実効性のある運用の検討を進めていきたいと考えているところでございます。
○石川博崇君 また、この新しい制度が利用されるケース、いろんなケースがあるんだと思いますが、例えば、元々は全対象債権者の同意が得られるだろうと思って事業再生ADRによる債務整理を目指していたけれども、最終的にはこの事業再生計画案が成立しなかったので、事業再生ADRが不調に終わったので、新たな今回つくる制度に移行していこうというケースもあるかというふうに思います。このときに、また一から、この事業再生ADRで準備してきた計画を、新しいこの制度で別個の計画を作成しなければならないとすると、債務者にとって非常に負担が大きいのではないかというふうに思います。 こういった負担を減らすために、事業再生ADRの手続の下で作成してきた事業再生計画案をできる限りそのまま活用する形で、新たな制度の下における権利変更議案とかあるいは早期事業再生計画とか、こういったものを作成できる仕組みとして、事業者、債務者の負担軽減に努めてはいかがかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 御指摘いただいたとおり、その事業再生ADRの方から本制度に移行する場合に、その事業者の皆さんの御負担にもしっかりと留意をしながら、今後その制度設計、詳細詰めていきますけれども、しっかりとした設計を行っていくということが重要であるというふうに考えているところでございます。 この点、詳細は今後ということになりますが、例えばで申し上げますれば、早期事業再生計画の記載事項ですとか、その資産及び負債に関する評定の基準につきまして、事業再生ADRから本制度に移行した際に、その事業者の皆さんにおいて重複した作業ができる限り生じないような形で、その事業再生ADRにおける規程を参考にして、その制度の設計、運用の工夫を図るといったことなども考えることができるのではないかというふうに考えているところでございます。 いただいた御指摘も参考にしながら、今後、制度の運用の詳細につきましてはしっかりと検討を進めていきたいと考えております。
○石川博崇君 前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。是非そういった面からの負担軽減に努めていただきたいと思います。 また、ちょっと一点気になるのは、午前中、古賀先生からもこれ御指摘があった点ですけれども、今回の法律案では、この早期事業再生計画というものは、対象債権者集会において対象債権者が賛否を決めるための参考資料という位置付けであって、対象債権者集会の決議とか裁判所の認可によっては、この早期事業再生計画自体は法的な拘束力がないというものでございます。 そうすると、その早期事業再生計画に従ってちゃんと、法的拘束力がないので、事業再生に取り組んでいけるのかどうかということについてちょっと疑問が生じますが、そのためにも、これちょっと答弁でも幾つか出ておりましたけれども、例えば対象債権者である金融機関とかあるいは指定確認調査機関が事業再生の進捗状況をしっかりモニタリングしていく、早期事業再生計画に沿った形で進んでいるかどうか伴走支援を行っていく、こうしたことも必要ではないかというふうに思いますけれども、この法的拘束力がない、参考資料の位置付けである早期事業再生計画の実効性をいかにして確保していくのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本法案は、その事業者の皆さんが早期での事業再生を図ると、そして事業価値の毀損や技術、人材の散逸を回避することができる制度基盤を整備するということでございますので、当然、その目的の実現に向けましては、権利変更の効力が発生した後に、まさにその計画にいろんな記載がなされるものと思いますが、着実に事業再生に向けた取組が進められていくということは重要であるというふうに考えてございます。 このため、やはり御指摘ございましたが、早期事業再生計画の実効性をどう高めていくのかというその仕組みでございますけれども、早期事業再生計画、それから添付される資産及び負債の評定は、事業再生の専門性を有するいわゆる第三者機関の調査対象としております。そして、その第三者機関は、その事業者の資産及び負債、収支の見込みなどを踏まえて、その計画の適切、適正性をしっかりと調査をするという立て付けにしてございます。そして、この調査の結果は対象債権者に交付されますので、専門的な知識に基づき与信を行う金融機関等がこの調査結果を参考にして債権者集会での賛否を判断するということを想定しております。 こういった形で、その本制度は、事業再生の専門性を有する第三者機関による調査、それからプロ債権者である対象債権者による判断というのを介することで早期事業再生計画の実現可能性を高めるような仕組みということを整備しているところでございます。 その上でになりますけれども、その早期事業再生計画の進捗状況、これをどうするかということでございますけれども、まずはその直接的な利害関係を有する金融機関等によるモニタリングというのは、やはりこれは効果的であるというふうに考えてございます。例えば、事業再生ADRにおきましては、債権放棄を、事業再生ADRで債権放棄を伴う場合、債務者は債権者及び第三者機関に対して事業再生計画、これ事業再生ADRにおける概念でございますけれども、事業再生計画の進捗状況の報告を行うこととされておりまして、今後、こういった取組を参考にして、具体的な運用について検討をしっかり進めていきたいと考えております。
○石川博崇君 是非実効性を確保する対策を取っていただきたいと思います。 今回の新しい制度ですけれども、対象債権者集会において権利変更議案を可決するには議決権の総額の四分の三以上の同意が必要としつつ、単一の債権者、一つ、一の金融機関のみで総額四分の三以上を有する場合には議決権者の過半数の同意、この頭数要件も必要となっております。 小委員会の議論、報告書を読ませていただくと、この頭数要件の追加については大半の委員が不要という立場であったというふうに記されておりましたけれども、それにもかかわらず、なぜこの頭数要件を課すこととなったのか、具体的な御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。 本制度を検討するために開催いたしました審議会では、全国銀行協会を始めとした金融機関の四団体にオブザーバーとして御参加いただきまして、報告書を取りまとめていただいたところでございます。 委員御指摘のいわゆる頭数要件につきましては、当初はこの審議会の大半の委員は不要との立場でありました。一方、多数決による反対債権者も含めて強制的に権利変更できる制度を導入するに当たりまして、少額債権者を保護するための措置も必要ということで、金融関係者からも少額債権者保護のために頭数要件は必要との御意見があったところでございます。単独で四分の三以上の議決権を有する債権者がいる場合に限りまして、債権者の過半数の同意も頭数要件として加重することとされたものでございます。
○石川博崇君 少額債権者の保護という観点から、頭数要件も場合によっては必要ということになったという御説明でございました。 また、この新しい制度では、中立かつ公正公平な第三者として、第三者支援専門家が手続に関与することになっております。他方で、この第三者支援専門家については大都市に偏りがちなんではないかという指摘もございまして、パブコメでも、この新たな制度について、地方の企業、地方の事業者が利用しやすい制度にしていただきたい、地方の事業者が利用しにくい制度とならないように十分な配慮をお願いしたいというパブコメの意見もございました。これは当然の御指摘ではないかというふうに思います。 そこで、第三者機関を指定するに当たって、是非、この指定機関にいる確認調査員が全国各地でも十分な人数を確保できる見込みであることを指定要件としてはどうかというふうに思いますけれども、この指定要件の一つとすることについて、どう考えますでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) 第三者機関につきましては、一つは、手続の監督の業務を適確に実施するに足る経理的及び技術的基礎を有すること、それからもう一つは、個別の手続を監督すると、監督を行う者として、事業再生に関する専門的知識、実務経験を有する等の一定の要件を満たす者を事案ごとに選任することができるということが要件になっているところでございまして、今申し上げた後者の方が恐らく御指摘のポイントだというふうに思ってございます。 したがいまして、第三者機関の指定の際には、当然、再生事案、全国で発生し得るということでございますので、そうした事案ごとに的確に確認調査員を選任できるかどうかということがまさに法令の求める要件ということではないかというふうに考えておりまして、そうした趣旨も踏まえて、厳正に審査の上、第三者機関の指定に臨んでまいりたいというふうに思っております。
○石川博崇君 是非、地方の事業者にとっても活用しやすい制度にしていただければというふうに思います。 午前中、古賀先生からも出ていた、新たな制度における税務上の取扱いについて私からも質問させていただきたいと思います。 債権放棄を伴う事業再生が行われる場合には、税務上は債務者に債務免除益が発生することとなりまして、これに対する課税にどのように対応していくかが問題となります。同時に、債権放棄等によって債権者が被る損失についても税務上の損金として認められるかどうか、これも問題となります。 この点、事業再生ADRにおいては、企業再生税制等の適用が認められておりまして、評価損益を、法人税の課税対象となる所得の計算上、益金あるいは損金として算入できるとともに、期限切れ欠損金を青色欠損金等に優先して損金算入できることとされております。また、債権者の債権放棄等についても、その損失を損金算入できることと事業再生ADRではされております。 今回創設される新たな制度におきましても、この債権放棄を伴う事業再生が行われる場合において、税制上の優遇措置、これは事業再生ADRと同様に認められるべきと考えますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 事業者や金融機関が事業再生の手続を選択する際には、その手続に関連して税制措置が講じられているか否かというのは一つのやはり考慮要素にはなるものであるというふうに考えているところでございます。 この点、御指摘いただいたとおり、事業再生ADRにおきましては、いわゆる企業再生税制として、債権放棄に伴う事業再生が行われる場合等において、債務者や債権者に対する税制措置が講じられているところでございまして、本制度は、新しいこの本制度を検討する際に開催した審議会におきましても、金融関係者の皆さんから、本制度により債権放棄をした場合の税務上の取扱いについて明確化すべきという意見も頂戴しているところでございます。 こうしたもろもろの背景も踏まえつつ、本制度に基づきまして、債権放棄含む権利変更を行うことになった場合のその税務上の取扱いにつきましては、この事業再生ADR等における取扱いも参考にして、今後その取扱いについて明確化を図ってまいりたいと考えてございます。
○石川博崇君 しっかりと明確化を図っていただきたいと思います。 この新しい制度における対象事業者について、小委員会の報告書でちょっと気になる文言がございました。それは、中小企業について、中小企業の事業再生局面では、中小企業活性化協議会とかあるいは中小企業の事業再生等に関するガイドラインが有効に活用されているので、この新しい制度を使用する必要性は相対的に低いというふうに指摘がされておりました。 中小企業がこの新しい制度を利用して事業再生を行うケースというのは想定されないんでしょうか。
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。 まず、本制度の利用につきまして、事業規模による制限は設けてございませんので、中小企業による活用がすべからく排除されるわけではございません。中小企業の事業再生局面では、中小企業活性化協議会ですとか中小企業の事業再生等に関するガイドラインが有効に利用されていることを背景に、委員御指摘のとおり、審議会の報告書におきましても、あくまで中小企業が本制度を使用する必要性が相対的に低いことを述べているものであるというふうに理解をしております。 他方で、中小企業活性化協議会等による私的整理手続では、私的整理でございますので、権利変更には全員同意が必要となります。仮に債権者全員の同意の見込みが立たない場合等においては、中小企業においても本制度の利用が検討されることもあると、あり得るというふうに考えられます。
○石川博崇君 相対的には低いだろうけれども、排除されるわけではないという御説明かと思います。 一方で、今御指摘のあった、中小企業が活用している中小企業活性化協議会ですけれども、この中小企業活性化協議会による支援強化について、例えば相談件数が少ない協議会とか、あるいは支援件数が少ない協議会については、低評価協議会というふうに位置付けられて、業務改善計画の策定を義務付けられております。どのような基準で低評価とされたのか、あるいはどの程度の協議会が低評価とされているのか、御説明をお願いします。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員御指摘の中小企業化、失礼しました、中小企業活性化協議会につきましては、産業競争力強化法に基づき中小機構に設置した全国本部におきまして、毎年度、事業評価を実施しております。 評価に当たりましては、成果評価としての各地域の特性を考慮した目標件数に対する達成度、加えて、外部評価として金融機関等の外部評価のアンケート結果、さらには、協議会体制及び関係機関との連携状況につきまして体制面での評価をするなど、総合的に評価をしているところでございます。 その上で、委員御指摘のとおり、二〇二二年度の実績評価から同じ統括責任者の任期内で二回目のD評価、下から二番目の評価でありますが、又は新たにE評価、一番下の評価となった協議会を低評価協議会と位置付けまして、業務改善計画の策定を求めているところでございます。 結果として、当時におきまして、和歌山県、山口県、高知県、大分県の四機関が低評価協議会とされたものでございます。
○石川博崇君 二〇二二年のときから評価が下がった四県について低評価協議会というふうに位置付けられたということでございます。 これらに対して業務改善計画の策定を義務付けて改善を進めるよう促してきたと思いますが、その義務付けから一年経過した今、それぞれ改善は見られているのか、これについても御説明をお願いします。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 低評価協議会におきましては、地域金融機関、信用保証協会、民間支援専門家等との連携体制が確立できていない傾向にございまして、相談対応件数や支援件数等がほかの協議会に比べて全体的に低調であるという特徴がございました。そのため、業務改善計画の策定を通じまして、人材の観点では体制面やスキル面での強化策、また、活動の観点からは金融機関等との関係構築に向けた取組方針などを促すとともに中企庁や全国本部等で進捗のフォローアップを行わせていただきました。その結果、二〇二三年度実績における評価におきましては、三協議会の支援実績は目標を大きく上回り、評価が改善しておるところでございます。 義務付け後の二〇二四年度実績の評価は今後行う予定でございますけれども、残る一つの低評価協議会がございます。こちらについては、地域金融機関等の協力も得ながら、現在更なる改善を促しておるところでございます。 本年三月には、金融庁、財務省とともに再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージを取りまとめて公表し、全国本部によるサポート体制の強化によりまして、これらの低評価協議会はもとより、協議会の支援レベルを向上することによりまして、事業再生支援ニーズの高まりに対応するべく取り組んでまいる所存でございます。
○石川博崇君 低評価と判断された四つの県の協議会に対して業務改善計画策定を義務付けて、そのうち三つについては改善されたということで、県名はあえて申し上げませんが、残り一県、まだ低評価の状況が続いていると。これについても更なる改善を促していただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 中小企業の事業再生について、もう一点御質問させていただきたいと思います。 税金とか社会保険料を納付できず、あるいは滞納による差押えによって経営が困難となった公租公課滞納倒産が今相次いでいると言われております。二〇二四年度は、今年の二月までの十一か月間で百四十件、これは二〇二〇年度以降で最も多かった数字でございます。 この公租公課滞納の問題への対応といたしまして、昨年六月、経産省と金融庁と財務省の三省庁でこの公租公課の納付と事業再生の両立を目指す事業再生情報ネットワークというものを創設しております。このネットワークの目的あるいは取組の具体的内容についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員ただいま御指摘ありましたように、経営状況が厳しい事業者の中には、税や社会保険料等の公租公課を納付できない、また滞納しておられる方も存在されます。そのため、各県に設置する中小企業活性化協議会は日頃から年金事務所等と相互理解に努めており、個別事案におきましては、協議会と年金事務所等が密に情報を共有しつつ、公租公課の納付を前提とした再生計画を策定できた事例もこれまであったところでございます。 こうしたことも踏まえまして、二〇二四年六月から事業再生情報ネットワークの取組を開始いたしました。再生支援の見込み、金融支援による財務改善の見込みといった再生可能性の高い中小企業に関する情報を厚生労働省等を通じて年金事務所等に共有することで、関係機関による方針や支援の判断、決定に資する仕組みを全国で構築したものでございます。
○石川博崇君 昨年六月にこのネットワーク構築されて約一年となりますけれども、活用状況はどうなっているのか。 また、冒頭、先ほど申し上げましたとおり、この公租公課滞納倒産が相次いでいる中、増えている中で、公租公課の納付と事業再生の両立が図られたような好事例があれば是非とも全国的に十分周知する、展開をする、こういったことも大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 事業再生情報ネットワークの運用開始から本年四月末までに、金融庁、中小企業活性化協議会への申請を、合わせて延べ約四十五件の申請を受け付けておりまして、着実に年金事務所等との連携が進んでいると承知しております。 また、本ネットワークは、個別事案の対応におきまして、協議会と年金事務所等との間での円滑な連携が図られるよう整備したものでありますけれども、本ネットワークの整備によりまして、むしろ、このネットワークを活用するまでもなく、現場レベルでの連携意識の高まりと対応の進展がなされているという効果を感じているところでございます。 各地の中小企業活性化協議会は、本ネットワークの活用も含め、地元の年金事務所等との連携を進めていく方針でございますが、委員御指摘がありましたように、この再生支援計画の中で、公租公課による差押えを回避しつつ、再生支援計画の実施に伴い、その後に公租公課の回収も図られる事例も出てきておるところでございます。
○石川博崇君 その好事例についての横展開についてはいかがでしょう。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 二〇二四年三月に公表した再生支援の総合的対策におきまして、まさに公租公課の納付と事業再生との両立が図られた事例等を取りまとめ、横展開を実施するとしているところでありまして、昨年、中小企業活性化協議会におきまして、公租公課の納付と事業再生との両立が図られた事例を取りまとめております。既に一部の協議会において研修等の場でも共有、活用させていただいているところでありまして、今後とも、順次しっかりと周知をしてまいりたいと存じます。
○石川博崇君 最後にもう一点、中小企業の事業再生支援についてお伺いをしたいと思います。 特に、この中小企業の事業再生では専門人材の不足ということがよく指摘されております。この専門人材を育成するために、二〇二二年度から中小企業活性化協議会トレーニー研修制度というものが行われております。これ、地方銀行から若手の行員の方々を中小企業活性化協議会にトレーニーとして六か月間派遣して、ノウハウを取得して地域に還元する制度とされておりまして、これ非常にいい取組ではないかというふうに考えます。 これまでのトレーニー研修制度の実績あるいは効果について御説明をお願いしたいとともに、また、更に効果を上げるための課題等もあれば併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員から御紹介いただきました中小企業活性化協議会トレーニー制度であります。協議会が有する再生支援のノウハウを地域に還元いたしまして、その質を向上させるということを目的として、二〇二二年度から実施しております。これまで地域の金融機関等から毎年度百名を超える人材を受け入れておりまして、派遣実績のある金融機関による計画策定支援件数は派遣実績のない金融機関に比べまして三倍以上となっているというものでございます。 本研修を通じまして、協議会の職員だけでなく様々な専門家と知り合い、事業再生において知識の幅が広がったというようなお声、またトレーニー期間終了後も再生案件の相談や対応を行いやすくなったといった声も参加された職員からはいただいておりまして、着実に地域金融機関へ再生支援実務ノウハウが還元され、再生支援専門のネットワークが構築されているものと認識しております。 本年三月に公表いたしました再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージにおきましても、トレーニー派遣の経験のある金融機関等の割合、これを更に引き上げるということで五割にすることとしております。 引き続き、更なるトレーニー研修制度の活用を推進してまいる所存でございます。
○石川博崇君 今御説明ありましたとおり、派遣実績のある金融機関は派遣実績のない金融機関に比べて三倍の成果を出しているということですので、是非積極的に派遣実績のない金融機関に声掛けていただいて、トレーニーを派遣してもらえるように働きかけていただければということをお願いして、質問を終わらせていただきます。 大変ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 民間の金融機関も他の債権者と同じ民間企業なんですけれども、この法律では、金融機関等の持つ債権を主な対象としているということなわけですね。そうすると、民間の一部だけ、すなわち金融機関を除いたものだけがこのリスケジュールをできて、その同じ民間金融機関でも、金融機関だけに、何というんですか、リスケジュールを強制させるということは国家の権限としてできるのかどうかというのがまず最初に疑問に思ったんですけど。 審議会を行ったという話聞きましたけど、憲法学者からその辺の指摘はなかったのかということと、それから、銀行協会も、何かいろんな、何か先ほどコメントをいただきましたけれども、銀行協会も、お上から言われたことはまあしようがないかなという感じなのかもしれませんけれども、その辺から特にクレームは出てきていないのでしょうか。教えていただければと思いますけど。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 審議会におきまして憲法学者の方から御意見賜ったところでございますが、この中では、まず、倒産前の段階で金融債権に限定して減免を行うということにつきましては、事業の維持、再生を図るということとともに、それに伴って従業員や取引先の利益にも資するという一種公共的利益を実現するために必要かつ合理的な手段であるということ。それから、金融機関等、まさに与信の専門家が有する、専門家であるということから、支払不能リスクがあらかじめ織り込まれていると、その上で、集団的意思決定として多数決を行うことには合理性があるということ。また、第三者機関としてと、それから裁判所が関与して多数決の濫用の弊害を防止する制度的な仕組みが取られているということから、憲法上の問題はないというような整理がなされているところでございます。
○藤巻健史君 それがもし憲法学者の見解であれば、私は憲法学者でも決してないですから、しようがない、しようがないというのか、そうなのかなとは思いますけれども、何となくしっくりいかないなと、感覚的にですね、やっぱり平等じゃないのかなというふうに思うんですけれども、それはこれ以上突っ込みませんので。 ちょっと質問通告ないんですけれども、今日の審議を聞いていてちょっと気になったことがあったのでお聞きいたしますけれども、基本的なのでお答えできるんじゃないかと思うんですけど、金融機関というのは債権を放棄する方ですけど、債権を放棄される事業者のうちにも入るんでしょうか。要するに、金融機関が危なくなった場合、この法律は適用できるんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) 金融機関等が事業者の定義に当てはまる場合には、この法律の適用を受けるということになります。
○藤巻健史君 そうなると、一層私ちょっとこの法律聞いていて心配になるのは、ふだんだったらいいですよ、日本の金融システムが万全であるならばいいのかなとは思うんですが、今の日本の金融機関、決して万全ではないと思うんですよね。一番危ないのは私自身は日銀だと思うんですけど、まあそれはおいておいて。 地方金融機関も、先日、地銀協の評価益、評価損、保有株の評価益と債権の評価損を見てみると、三月時点でとんとんぐらいだったのかな、内部留保を食っているわけじゃないですけれども、全体でそうだということは、幾つかの金融機関はかなり危なくなっているのもあるんじゃないかなと私は思う。これ想像にすぎませんけれどもね。 特にこれからトランプ問題で景気が悪くなって、例えば株が落ちると、下落するとか、それから、若しくはインフレが加速していく、長期金利等は上がっていく、当然、地銀のとか中小零細金融機関の評価損、債権のですね、も広がっていくとなると、金融機関だけがこのリスケで損失を計上することになると、金融機関大丈夫なのかなというふうに私は思ってしまうんですが。 企業が潰れるだけであれば、まあ日本全体では、それは良くないことですけれども、日本全体でくくればまあ不況になるかなとは思うんですけれども、金融機関が潰れて連鎖倒産でも起これば、これ日本経済終わっちゃうわけですよね、その段階でね。金融というのは決済機能をつかさどっていますから、これ絶対、世間、社会では必要なインフラなわけですよ。要するに、まさか決済するごとに現金輸送車で現金運ぶわけにいきませんから、金融機関というのはまさに血流であって、人間でいえば血流であって、これが止まっちゃうとおしまいだと思うんですよね。 そういう現状のときに、金融機関だけに損失を押し付けて、一般債権はいいけれども、金融機関だけは大丈夫だというような法律を作って大丈夫なんでしょうかねというのが非常に大きい疑問なんですけど。
○国務大臣(武藤容治君) 取りあえず私から答弁させていただき、足りない部分があればまた事務方の方から答弁させていただきます。 先生のいわゆる御懸念というものもよく分かるところであります。 この制度は、権利変更の結果で債権者に配分される利益が事業を清算した場合の配分利益を上回っているかどうかを第三者機関や裁判所が確認、審査することとしているところです。したがいまして、対象債権者は、一時的には債権カット等の痛みを伴う可能性はあるものの、事業を清算した場合よりも配分利益が大きくなることが見込まれるため、金融機関の経営の圧迫等につながるとの御指摘はいささか違うものかなというふうに考えているところであります。
○藤巻健史君 そうすると、この調査機関は放棄する方の金融機関の財政状況等も考えるのかどうかなという疑問が起きるんですけれども。 何はともあれ、金融庁にお聞きしたいんですけれども、金融庁の方が、地銀の現況、地銀若しくは零細企業、信用金庫とかその他零細企業の経営内容を分かっていると思いますのでお聞きしますけれども、この法案について全く違和感はなかったのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 金融庁としても、従前より、金融機関の早期の事業再生支援等に向けた取組をフォローアップするなど、経済産業省とともにいろんな事業再生により一層取り組むということを促しているところでございます。 そうした中、今回のこの法案の制度につきましては、権利変更の対象を金融機関等の有する金融債権に限定することで、先ほども御説明ありましたが、事業価値の毀損を抑えつつ早期の事業再生を実現するための枠組みでございまして、金融庁として、積極的に事業再生支援に取り組もうとする金融機関に対してこういう新たな選択肢を示すことは時宜を得たものと考えております。 そして、この制度がより実効あるものにするためには、事業者のニーズのみならず金融機関側の実情や意見もしっかりと勘案していただく必要があるところですが、経済産業省が事務局を務める事業再構築小委員会では、全国銀行協会を始めとする四つの金融関係団体もオブザーバーとして参加し、そうした各金融団体からの意見も踏まえて調整が行われたものと承知しております。 金融庁といたしましては、経済産業省と連携して、金融機関側の意見を丁寧に聴取しながら制度の詳細設計を進めていただきたいと考えております。
○藤巻健史君 金融機関の財務内容を無視してこれがどんどん進んでいっちゃうと大変かなと私は思ったんですけれども、金融庁がオブザーバーとして参加していくということならば、まあ納得するかなというふうに思います。 ただ、ちょっと最後に金融庁に確認しておきたいんですけれども、この法案ができても地域金融機関の経営に問題はないと断言、まあほかの問題は別ですよ、この法律に関してだけは別に大丈夫だと断言できますでしょうか。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 本制度では、事業再生を行った場合に債権者に配分される利益が事業を清算した場合に配分される利益よりも大きくなると見込まれることが第三者機関それから裁判所によって確認、審査される仕組みとなってございます。したがいまして、地域金融機関は、一時的にはこの債権カット等の損失は発生する可能性はございますが、今回のこの制度に起因して地域金融機関の経営が圧迫されるということはないのではないかなと思っております。 加えまして、この制度におきましては、地域金融機関を含めた全ての対象債権者が平等に扱われることを原則としておること、それから単独で四分の三以上の議決権を有する債権者がいる場合については債権者数の過半数の同意も必要とする、いわゆる頭数要件も加重されているといったことで、少額債権者を保護する措置も講じられていると承知しております。 私どもとしては、引き続き、本制度の活用を含め、地域金融機関が事業者の実情に応じた事業再生に取り組んでいくことを促してまいりたいと思っております。
○藤巻健史君 金融機関がこの法律によって悪影響がないように、ないのではないかという御答弁でしたけれども、絶対ないようにということで、オブザーバーとしてお願いいたします。 次の質問ですけれども、この法律は無担保のみリスケの対象になるということなんですけれども、今、日本の金融政策というのは有担保から無担保に移ろうとしていますよね。例えば日銀なんかも、昔は有担保取引でしたけど、コールは今無担保ですし、無担保コールが主になっていますし、それから、特にベンチャーを養成、育成していこうということになると、ベンチャーは大体基本的に担保持っていませんし、人材とか能力とかはあるかもしれないけど担保は持っていないということで、有担保主義になってしまうと日本のベンチャーは育たなくなるわけですね。そういうこともあって、日本の金融政策というのは有担保主義から無担保主義に移ろうとしている。アメリカなんか、完璧に無担保主義ですよね、一種のね。 なんですけれども、この有担保はそのリスケの対象にならない、無担保のみが対象になるということになると、今までの方向、無担保主義への移行という、ベンチャーを育てようという方向に逆行しているんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) この制度におきましては、対象債権のうち担保で保全されていない部分をリスケジュールや債務の減免等の権利変更の対象としているところです。 これは、担保により保全された部分は、民法上の抵当権のような実体法上の担保権の規定が財産権の保護の観点から基本的に優先されるべきであるため、本制度においても、保全部分については多数決による権利変更の対象とならない制度とすることとしてあります。この取扱いにつきましては、裁判所の監督の下で迅速な事業再生を図ろうとした民事再生法においても同様であります。 また、本制度では、第三者機関や裁判所が、本制度による債権の回収額が事業者が清算した場合の回収額を上回る見込みがあることを確認するため、金融機関の利益に資するものということであります。 こうした観点を踏まえると、現状の金融実務の慣行を大きく変えるものではないと認識しているところであります。
○藤巻健史君 説明は分かりますけれども、やっぱり何となく無担保主義への移行へ逆行しているのではないかなという気がするんですよね。 もうちょっとうがった見方をしますと、この無担保のみを対象としたということは、今、コロナ禍でゼロゼロ融資を国は、無担保ですよね、ゼロゼロ、ゼロ金利無担保というゼロゼロ融資を推進していった、その対策、ゼロゼロ融資がいろいろ問題になっていることを前から言われておりますけど、その対策だったんじゃないかといううがった見方もしてしまうんですけれども、それについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 繰り返しになっちゃいますけど、これ、本制度では、実体法上の担保権の優先権を尊重する観点から、民事再生法における取扱いも踏まえて、対象債権のうち担保で保全されていない部分をリスケジュールや債務の減免等の権利変更の対象としているところです。 また、本制度につきましては、現行の事業再生ADR等の私的整理で必要となる全員同意が得にくい事業者、特に金融債権者の数が相対的に多い大企業や中堅企業の活用が想定されるところでありますけれども、この方法につきましては、無利子無担保のゼロゼロ融資の返済に苦しむ中小企業の対策を念頭に置いているわけではございません。 なお、中小企業の事業再生局面においては、中小企業活性化協議会ですとか中小企業の事業再生等に関するガイドラインが有効に利用されており、本制度を使用する必要性は相対的には低いと考えられているところであります。
○藤巻健史君 ということは、ゼロゼロ融資、失敗したゼロゼロ融資対策ではないということでよろしいですね。 ちなみに、ゼロゼロ融資はどのくらい今残っているんでしょうか。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 民間金融機関のいわゆるゼロゼロ融資の残高は、令和七年二月末時点で約八・五兆円であると承知しております。
○藤巻健史君 全国の保証協会、ゼロゼロ融資に対して保証しているわけですけれども、保証残高はどのくらい残っているんでしょうか。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 全国の信用保証協会のいわゆるゼロゼロ融資の保証残高は、先ほどと同じ数字になりますが、令和七年二月末現在で約八・五兆円であると承知しております。
○藤巻健史君 理屈からいえばそうだと思うんですけど、かなり爆弾的な数字かなと思うんですけど。 ちょっと今、質問通告なかったんでお答えになれなかったらいいんですけれども、このゼロゼロ融資は無担保だから、ですから、これ、この法案ではリスケの対象になるわけですか。そして、それ、対象になった場合、この保証協会は損失確定ということに、どうなんでしょうかね。
○政府参考人(藤木俊光君) お答えを申し上げます。 あくまでも仮定の質問ですが、無担保融資の部分については、この法律の債権調整の対象になり得るということでございます。保証が付いている債権についても当然対象になりますので、保証協会との関係において、保証債務の関係の契約に基づいた処理がなされるということでございます。
○藤巻健史君 ちょっとこの法案とは少し離れてしまうんですけれども、先ほど来、ちょっと地方弱小金融機関心配だということを申し上げているんですけれども、預金保険機構、ペイオフを担当する預金保険機構は非常に頑強なのかということをちょっとお聞きしたいんですけどね。 というのは、振興銀行でペイオフして約一兆円だったんですけど、あれ限界だったというふうに私は思っていて、それ以上ばたばた倒産すると、ペイオフなんというもの本当にできるのかなと。最悪、返ってくるけれども、返ってくるお金が事務の問題で十年後とかね、そんなような事態も起こり得るんじゃないかと思うんですけれども、そういうことって、まあちょっと法律とはこれ関係ないんであれですけれども、せっかくなので金融庁お聞きしたいんですけど、預金保険機構、大丈夫ですか。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 預金保険機構の財務面でございますが、令和六年三月末時点で、金融機関の一千万円までの預金とその利息についての預金保険を担当している一般勘定は約五・五兆円の責任準備金、それから、全額保護を行うこととなった場合の一千万円超とその預金の利息に対応する危機対応勘定につきましては約四千億円の利益剰余金を保有しております。 〔委員長退席、理事古賀之士君着席〕 加えまして、令和七年度の予算におきましては、預金保険機構で、一般勘定に十九兆円、それから危機対応勘定には三十五兆円の政府保証枠がそれぞれ設定しており、預金者への払戻しのために更に資金が必要となる場合においても、預金保険機構が政府保証付きで借入れを行うことにより資金調達をして対応することが可能になっていると承知しております。 こうしたことから、万一複数の金融機関が破綻したとしても、資金面での手当てが付くような仕組みを整備していると承知しております。
○藤巻健史君 もうちょっと聞きたいことがあるんですけど、本題とは関係ないのでここでやめておきます。 ちょっと、この法律ですけれども、オーナーからの融資は、オーナーからの事業者へ、社長がよく自分の会社に融資しますけれども、それはそのリスケの対象になるんでしょうか。どういう感じになるんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 事業者に融資をしたオーナーが金融機関等の定義に該当する場合には、その貸付債権は本制度の多数決による権利変更の対象となるということになるわけでございますけれども、この点、金融機関等はいわゆるプロ債権者であり、その有する金融債権は商取引債権とは差異があるだろうということ、それから、事業再生の慣行といたしまして、二〇〇〇年代より二十数年を経まして、私的整理によって金融債権のみを減免して事業再生を図る一定の規範意識が形成されつつあること等を踏まえ、先ほども御議論ございましたが、本制度は憲法違反とならないとされたというようなことも踏まえますと、金融機関等に該当しないオーナーによる融資にも多数決による権利変更の対象も拡大をするということは本制度の正当性の観点からはやはり問題があるのではないかというふうに、そのように考えているところでございます。
○藤巻健史君 それから、倒産するのはいい悪いというのは別として、やはりお金を借りちゃった人の方が悪いのは、結果としてペナルティーを受けるのは当たり前な話だと思うんですね。例えば、私が銀行からお金借りて返せなくなったら私が悪いので、銀行が悪いわけじゃないですから、当然一番のコストは借りた人が払うのが当たり前、まあいい悪いは別としてですよ、のが当たり前だ、そうじゃないと社会が成り立たないと思うんですけれども。 こういうような場合、企業の内部留保とか資本金をまず吐き出すのが当然最初かなと思うんですけど、それはそういう考え方でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(河野太志君) お答えいたします。 まず、債権放棄というか権利変更でございますけれども、本制度の開始後、事業者は、対象となる債務の減免等の内容を定めた権利変更議案ですとか、先ほども少し御議論ありましたが、早期事業再生計画等を作成して第三者機関に提出しなければならないということになっているわけです。 その際、第三者機関は、債務の減免等に関する内容が、早期事業再生計画に記載された資産及び負債の現状や見込み、それから収入や支出の見込みなどを踏まえて定められているかどうかということを調査することとしておりまして、その中で、その権利の減免等の内容が妥当であるのか、例えば過剰に債務がその全体のバランスの中で減免されていないのかということも精査をするということを想定してございます。 さらに、債権放棄を求めているにもかかわらず、御指摘の内部留保も含めまして、その事業者の資産及び負債の現状等を踏まえた減免等の内容となっていないというような場合は、対象債権者集会におきましてその債権額の四分の三以上の同意を得るということは、これは極めて困難となる可能性が高まっていくのではないかというふうに考えてございます。 また、本制度における、その御指摘あった株主責任の在り方でございますけれども、その早期事業再生計画の記載事項等、これから詳細を決めていきます。 その際に、事業再生ADRにおきましては、御指摘あったように、債権放棄を伴う事業再生計画案というのは原則として株主の権利の全部又は一部の消滅について定める必要があるというふうにされていること、それから、現在だんだん運用が熟してきている実務運用なども、これはしっかりと参考にしながら、当制度におけるこの株主責任等の在り方につきましては関係者の意見聴取を踏まえて検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○藤巻健史君 次の質問ですけれども、何が金融商品、金融債権に当たるかということは経産省の方で法令か何かで決めるということだったと思うんですけれども、今の金融商品って、昔の貸付けだけとかそういう話じゃなくて、かなり複雑ないろんなものが出てきているんですけれども、その債権を、金融資産を、商品を、本法律の、本制度の対象債権に含まれているのか含まれていないのかというのを判断本当にできるのかなというふうに思ってしまう、余りにも複雑化してきていますので。それをちょっとお聞きしたいのと、それともう一つ、金融機関としても、それを予見性が十分確保できるのかと、これがその対象債権になるかならないかとかですね、予見性が十分に確保できるようなことになるのかという辺をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) まず、この法律におきましては、第二条の定義の規定におきまして、まず金融機関等というのはどういうものを指すのかということを定義してございます。全体九号にわたって規定しておりますが、まずその金融機関という範囲が定まっています。 対象債権は、その金融機関が保有している貸付債権等と、それに加えて、その利息の請求権であったり、損害賠償、違約金の請求権も含むわけでございますが、そういったようなものが対象になるということでございまして、ただ、今御指摘のように、貸付債権、通常の貸付けというのは大半ではあると思いますが、昨今いろんな形での金融商品も出ているところでございますので、そういったようなものの中で何が入るかということは経済産業省令で定めるということにしてございます。 今後、まさに金融機関その他関係者の方々から意見を聞いて、なるべく明確な形で定めて予見可能性を担保していきたいと思います。 また、個別の案件に関しましては、第三者機関に対して申請がなされた時点でどの範囲が対象の債権なのかというのを確定、第三者機関が確認するということになってございまして、個々の手続におきましては、その手続が開始される時点で対象債権の該当性が確認されると、こういう手続になっているところでございます。
○藤巻健史君 最後の質問ですけれども、金融機関出身の者としてちょっと気になるのが、CDS、クレジット・デフォルト・スワップとか、それからISDAのデフォルト条項との整合性はきちんとできるのかなという点が気になるんですよね。 この制度が適用された場合に、デフォルト条項に抵触されて、予想外に他の契約にある権利が行使されてしまうようなことはないのかな、大丈夫なのかなと。もしそういうことがあると、かなり金融市場への混乱も生じてしまうのではないかなと思いますけれども、その辺は心配しなくていいのかどうかを最後にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 CDS、いわゆるクレジット・デフォルト・スワップでございますけれども、これは、例えば、輸出先等の企業が倒産ですとか債務不履行に陥る信用リスクを回避するために、債務者に所定の信用不安事由、すなわちクレジットイベントが発生した場合に、このCDSの売手が買手に一定の金銭を支払う旨を合意するなどして、その当該債務者の信用リスクをCDS取引契約の契約者の間で移転する旨の取引というふうに認識をしてございます。 当然ながら、このクレジットイベントはその個別の契約によって異なり得るということではございますが、今御言及いただきました国際スワップ・デリバティブ協会が定める規定というものに依拠するのが実務的には運用として一般的であるということは認識をしてございます。例えば、法的倒産手続の申立てですとか対象債務の最低デフォルト額を超える債務の免除ですとか支払期限の延長といったものが、先ほど申し上げたCDSの決済が行われる一般的なクレジットイベントになっているというふうには承知をしてございます。 その上で、事業再生ADRにおける取扱いなども参考にいたしまして、CDS取引契約における本制度のこの取扱いについては、当然、民間同士の取引慣行であることは前提にしつつ、どういった実務慣行が望ましいか、これ新しい仕組みになりますのでいろいろと議論しなければいけないということになると思いますので、どのような実務慣行が望ましいかにつきましては、経済産業省としてもしっかり、有識者でありますとか金融機関の皆さんの意見なんかもしっかり聞きながら、今後しっかり検討はしていかなければいけないというのは認識している次第でございます。
○理事(古賀之士君) 質疑をおまとめください。
○藤巻健史君 はい、分かりました。 どうもありがとうございました。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。 今回のこの法案の質疑を考えていたときにふと頭をよぎるのは、早期に事業再生をしていく新たな活路を見出せる法律を作るんだという意味では前向きに捉えるべきなんだろうなというふうには思いつつも、でも一方で、再建というのはもうえてして険しい道でありまして、その険しい道にこれから企業家それから職場の人たちが入っていく法律なんだよなというのを思うと、何か質問の中身を考えるときにも結構複雑な気持ちになりながらも、でも、やっぱり前向きといいますか、だからこそ職場の皆さんが前向きにしっかりと再建の道を歩んでいけるような、きっとそういう法律に仕上げていかなきゃいけないんだろうなというふうにも思いましたので、ちょっとそういう思いも抱きつつ今日は質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず、ちょっと総論の部分からになりますが、改めてということにはなるんですが、元々事業再生ADRがございました。この事業再生ADRとの違いという意味では、これ全員一致型なのか多数決型なのかということで、そこについては十分理解はしているんですが、ちょっと改めて確認したいことは、そもそも適用できる企業といいますか状態といいますか、この点について事業再生ADRと要件に関する違いというのは何かあるのかどうか、この点についてまず確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 今御指摘のように、事業再生ADR、債権者全員の同意が必要である一方で、本制度では債権額の四分の三以上の金融債権者の同意と裁判所の認可というところで違いがあるわけでございますが、一方で、例えば手続開始のタイミングでありますとか利用事業者というところで両制度において大きな違いはないということでございまして、事業者、両制度の利用可能性を、どちらがいいかということについて御検討いただいた上で使っていただくということになると思います。 例えば、手続の開始段階からなかなか関係者が多くて全員の同意は難しいだろうというようなケースもあろうかと思いますし、あるいはADRで全員同意を目指したんだけれども、残念ながら何らかの理由で議論が途中で進まなくなってしまったというようなケースもあろうかと思います。一方で、先ほどの議論でもございました、ADRにはADRの良いところもございますので、それぞれの特質を生かしながら御選択いただくということではないかと思います。
○礒崎哲史君 ということは、間口が広がるというわけではなくて、置かれている状況は引き続き変わっているわけではなく、ただ、それを実際に実行していく段階でどちらの道がいいのかを選択していく、その選択肢が今回新たにできたんだということで今理解ができました。 もう少し総論の観点で質問を続けていきたいんですが、今日、皆さんのお手元に資料をお配りしました。 この事業再生型の手続の申請社の数の過去十年、十年ちょっとですね、推移をちょっとお手元に改めてお配りしました。事業再生ADRが青で書かれていますが、その他法的という意味では、民事再生の赤棒と、会社更生法に基づくものということで緑ということになります。 圧倒的に今、民事再生がこれ多くなっているということでありますけれども、その時代背景によってかなりその件数については違いが出てきているということであったり、コロナ期間中は、さっき藤巻委員のところでもありましたけど、ゼロゼロ融資ですか、そういうものもあったということで、かなりこれは再生手続を取られた企業は抑えられたのかなというふうにも見えます。ただ一方で、事業再生ADRについては、二〇二三年ですけれども、ちょっと増えてきたのではないかという傾向もここから見えるかなというふうには思うんですけれども。 今お示しをしましたようなこの申請件数の推移、こういったものも踏まえて、今後この新たな制度が実行された際にはどれぐらい申請があるというふうに今経産省としては考えられているのか。今、倒産件数が増えているですとか、債務残高がトータルでいけば大きくなっているですとか、負の側面が大きいわけですけれども、どの程度の申請があるというふうに今考えられておられるのか、この点確認させてください。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 まさに先生御指摘のように、事業環境に応じまして、経済環境に応じまして、かなり幅がございまして、ただ、お示しいただいたグラフでも、過去十年見てみますと、こうした再生型の手続ということで、おおむね年間二百件、三百社くらいの方が使われているということでございます。この中には民事再生、会社更生も含まれているわけではございますが、こうした手続を利用するというような事業者の方のある部分が本制度を利用されるということかなというふうに思ってございます。 今現在、確たる件数について持っておりませんけれども、例えば、最近、昨今ADRが伸びているということも含めて、こういったようなものの一部が新しい制度に来るということも想定されるのではないかというふうに思っております。
○礒崎哲史君 今、最高二〇二三年四十六件ということでADR増えているという点についても触れられておりましたけれども、是非これからも、なぜこの四十六件ということで増えたのか、その背景も含めて少し調査していただいて、であれば、じゃ、この今回の新しい制度を実行していく上で、最近こういう傾向で増えているのであれば、そういうことがちゃんと網羅できているのかどうかとか、その点含めて運用段階においてもう少し整備しておくべきことがないかどうか。その点をしっかりと万全にする意味でも、少しこの点、引き続き調査含めて検討いただければと思いますので、その点よろしくお願いをいたします。 次なんですけれども、今回、日本でこの多数決型というものを新たに導入をしようということで今回審議をしているわけですが、既に海外、欧州においては、例えばドイツ、フランス、イギリスというこういった国では、既に本法と同様の債権処理を可能とする法律が施行されているというふうに承知をしてございます。 改めて確認をしたいんですけれども、欧州各国ではどのような背景の下にしてこれらの制度が導入されることになったのか、もし分かればで結構なので、どの程度利用されているのか、この点お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたとおり、欧州各国において、同様の趣旨だと思いますけれども、様々な法律が施行されておりますけれども、そのある種前提というか、一つやはりきっかけになっているのは、二〇一九年に、EU加盟国に対して予防的な事業再生の仕組みの国内法化を義務付けるべくEU指令が発令されたということだというふうに認識をしているところでございます。 EU指令でございますので、まずは、基本的には各国間のその制度が異なっていた場合、それは域内の市場のある種発展の障害になるということになりますので、なるべく各国ちゃんとしっかり同じような法制度を準備しなさいという、それが一つの目的として出されていると思いますけれども、そのEU指令の目的、何かをちょっと見ると、財政的困難にある存続可能な企業がその事業継続を可能にする効果的な国内の予防的再生の枠組みにアクセスできるようにするんだとか、そういった人たちに再挑戦の機会、セカンドチャンスを与えるんだという、やはり欧州各国においても、早期に事業を再生していくことによって経済を活性化していくということに一定の意義を見出しているのではないかというふうには推察をされるところでございます。 〔理事古賀之士君退席、委員長着席〕 こういったEU指令を受けまして、例えば、御指摘ございましたけれども、ドイツ、フランスの手続は、この指令に従って国内法化又は法改正をした予防的な事業再生の仕組みという位置付けになっていると承知をしておりまして、財務的危機の初期段階にある企業を対象として倒産前手続に基づく事業再生の手段を提供しているものというふうに理解をしてございます。同じくイギリスで導入された新しい制度も、当該指令の影響を受けているものであるというふうに、我々分かる範囲でいえば、そういうふうに認識をしているということになります。 それで、御言及いただきました各国のその制度の利用件数ということでございますけれども、我々の新しい制度もそうでございますけれども、手続自体がやはり非公開の仕組みとなっているということから、その正確な数字もやはりこれもなかなか把握することに限界はございます。ございますが、我々ができる範囲として現地の有識者等に口頭のヒアリングベースで聞いた限りでは、国によっては異なるものの、年間数件から数十件程度の利用のような情報は我々の分かる範囲では入手をしているというところでございます。
○礒崎哲史君 お答えありがとうございました。 EU指令ということで、二〇一〇年代でいくと、なかなかEU全体の景気もそこまで上がってきていない状況の中であったり、移民問題だったり、いろんなことがありましたので、そういう中で少しでも倒産件数を減らしていこうという全体的な地域としての考え方もそこには多分にあったのではないかなというふうには推察はいたします。また、利用件数については、それほど大きくはなっていないんだなということで今確認ができました。 ちょっとこれ有識者といいますか一部の方がおっしゃっているんですが、ちなみになんですけれども、これ通告していないんですが、今回の日本のこの新法と既に欧州で導入されている、この三国で導入されているものというのは、基本的には同じような立て付けになっているという理解でいいんですかね。何か特徴的に日本だけちょっと特別アイテムのようなものが入っているかどうかというのが、済みません、突然ですけれども、分かれば。
○政府参考人(藤木俊光君) もちろん、国によって法律の立て付けが違っているところがありますので、一緒ということではありませんが、基本的には、その倒産前の段階、経済的な、財務的に苦しくなる割と初期の段階で、かつ、ある意味、金融債権等一部の債権に注目した形で多数決による債務調整が行われるという枠組みにおいては、おおむね同じではないかというふうに理解してございます。
○礒崎哲史君 ちょっと突然の質問でしたが、お答えいただきまして、ありがとうございます。 一部で、やはり日本固有の制度というのは、外国の金融機関ですとか債権者になかなか理解されづらい。逆に、同じようなルールであれば、いや、イギリスのあのルールと一緒ですよということで、比較的その後の手続含めてがスムーズにいくんじゃないかと、こういうような御指摘もあったりするものですから、改めて今ちょっと海外とのルールの違いがあるのかどうかというのを確認をさせていただいた次第です。 では、ヨーロッパ含めてそういった事情がありながらこういった同種のルールが適用されてきたということでありますが、これをしっかりと日本国内でも皆さんにある意味活用していただこうということであれば、やはりこの法律が実行されることに、実施されることによってのメリット、デメリットということ、これをしっかりと理解する必要があるというふうに思っています。 この理解を進めるのは債権者や債務者だけではなくて、やはり企業に関係するステークホルダー全体が理解が進んでいく必要があるかなというふうに思うんですけれども、その意味で、では今回の新制度を実施することによってステークホルダーが受けるメリット、デメリットという観点で見たときに、どのようになるのか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 まず、この法律は、金融債権をターゲットに権利変更をしていくという枠組みになるわけでございますけれども、それによって、まず一般論で申し上げれば、何度か御議論になっておりますけれども、早期での事業再生を図ると。その結果、将来的な企業価値の向上にもつながり得るということで、結果として、本制度はもうその対象債権を限定はしているものの、その結果、様々なステークホルダーの皆さんにとっても意義があるというのがまず制度の大きな前提であるというふうに理解をしてございます。 その上で、個々具体的に少し見てみますと、本制度の関係者としては、今お話ししましたけれども、まず第一に、やはり本制度による権利変更の効力が及ぶ金融機関等の債権者というのが挙げられると思います。この点は、仮に債権の減免等が行われた場合は、当然、金融機関等の債権者にとっては一時的には、これデメリットというかどうか議論はあると思いますが、一時的にやはり痛みを伴うものになる可能性はあるというふうに承知をしてございます。 他方で、本制度におきましては、第三者機関の確認ですとか裁判所の審査プロセスを通じまして、本制度を活用することによって、むしろ事業者が清算した場合の回収額を上回る回収ができるということが見込まれるということ、それから、第三者機関による公平中立な立場からの調査報告等の仕組みが措置されることで、債権者におきまして事業再生に関する適切な判断をするための仕組みが用意されているというメリットは制度上担保されているというふうに考えてございます。 加えまして、本制度は、早期での事業再生を図って事業価値の更なる毀損を防ぐことで、結果的には雇用の維持にも寄与をし、事業者の方々の利益にも資するものであるというふうに考えてございます。 一方で、他のステークホルダーとして挙げられる株主ですとか経営者につきましては、これは従業員と同様、本制度の法的効力が直接生じる者ではないものの、何度か御議論いただいておりますが、事業再生ADRにおきましては、債権放棄を伴う場合は株主の権利の全部又は一部の消滅及び役員の退任についても事業再生計画に記載する旨が省令で規定されております。 本制度におきます株主責任や経営者責任の在り方につきましては、こういった事業再生ADRなども参考にしながら、今後、有識者の皆様方、金融機関の皆様方などとの意見聴取も行いながら、その制度の詳細、省令での規定の要否、その内容についてしっかり検討したいというふうに考えているところでございます。
○礒崎哲史君 今御説明いただきました。やはり多くの皆さんがこの制度を活用するというふうに前向きに受け止めるためには、やはり理解促進というのが大変重要だというふうに思います。 一点、一点というか、実は新聞の記事、インタビュー記事なんですけれども、マレリ社の実際この今回の手続に関わった会社側の代理人の方が日経にインタビュー記事載せておられまして、この方が今回、全員一致型の事業再生ADRと多数決型というものが考えられているのであれば、それは両方使える方がいいだろうということを実はおっしゃっていました。その中で、この方おっしゃっていたのは、まずは全員一致型を目指して、駄目なら多数決型を目指す例が当面多くなるのではないかなと、こういう言い方もされていたんです。その心は何かというと、全員一致型の方が債権者同士の関係も良好にできるので、まずは再生を目指すという意味ではそちらの方を選ぶことが、選ぶという見方が結構根強いのではないかなと、こういう見方もされていました。 その意味で、やはり多くの皆さん、多くのステークホルダーの皆さんにどう理解されるかということも含めて周知図っていく必要もありますし、先ほど石川委員の御質問の中でADRから今回の多数決型に移行するときのスムーズな移行というお話もありました。まさに、そういう手続も含めて御検討いただくということも今回必要だというふうに思いますので、改めて、その点、私からもそれお願いをしたいと、そのように思います。 ちょっと一点、質問飛ばしまして、今、雇用の維持についてもちょっと一点触れていただいたわけでありますけれども、この事業再生、実際に行っていくとすると、今回の法律においては金融債権だと、労働債権については含まれていないんだということ、法律上はそうなんですけれども、実際の事業再生の過程においては当然、事業を縮小するであったり、あるいは人員整理等、実際の従業員の方たちの立場に影響を与え得る事業再生、再編が行われる可能性というのはやっぱり十分考えられるわけです。実際に今日もそういった議論ありましたし、衆での大臣答弁でも、事案によってはそうしたことが今回の計画の中に記載されることもあり得るというふうに承知をしているということで大臣の答弁もございました。 やはり円滑かつ迅速な事業再生に向けては、現場の方たち、従業員の皆さんの協力を得るということ、これはもう絶対確実に必要なことでありますし、そのときに、やはり事業再生局面におけます従業員の皆さんの立場の保護、これが十分にされているかどうかということ、これが大変重要だというふうに認識をしています。 その意味で、今回の新たな制度として、こうした従業員保護の観点がどのように考慮されているのか、この点について改めて大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 委員おっしゃるとおり、企業で働かれておられる従業員の理解と協力を得ることというものは、まさに事業再生の成否を決する上で重要な観点だというふうに理解しています。 したがって、関連する労働法制にのっとったいわゆる手続に加えまして、衆議院での本法案の修正も踏まえ、本制度では、事業者に早期での事業再生を促し、従業員の協力も得ながら、技術、人材の散逸の回避を図ることができるよう適切な制度運用をしていくこととしたいというふうに考えています。 具体的には、早期事業再生計画において、会社分割や事業譲渡等によって雇用や賃金の減少が見込まれる事案につきましては、第三者機関への計画提出に先立って労働組合等へその旨の通知を行うことにつき、省令で規定することを想定しているところです。 加えて、当該通知を行う事案につきましては、計画の記載事項の一つである従業員の協力の見込みに関する事項に基づき、早期事業再生計画内に労働組合等との協議の状況を記載することを省令で規定することを想定しているところです。
○礒崎哲史君 今、労働組合の通知という観点で大臣答弁いただいたんですけれども、実際に事業を縮小するというふうになれば人員整理も発生する可能性は当然あるわけでして、そうした人員整理が発生するとなったときには、たとえこの多数決型の事業再生を行ったとしても、きちんとほかの法律含めたことでそこは保障されていく、従業員の立場は守られていく、こういった理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) 御指摘のとおりでございます。そういった関係の労働法制というのをきちんと遵守して様々な手続が踏まれるということだということでございます。
○礒崎哲史君 もう一つ確認なんですけれども、そうしますと、今言った、例えばそういう人員整理含めたものが入ったときに、そうした内容もいわゆるその第三者機関の方で確認をしていくことになるのかどうか、その点はいかがなんでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) そうしたということについては、大臣から御答弁申し上げましたように、会社分割、事業譲渡等によって雇用、賃金の減少が見込まれる事案について労働組合にその旨の通知を行ったかどうか、それについてどういう、協議の状況がどうであるかということについて計画に書いてほしい、書くということが求められておりまして、そういうことが適切に記載されているかどうかということを確認するということでございます。 これも御指摘ございましたけれども、それでは、じゃ、実際のその労働法制上の手続が適正に行われているかどうかと、これらは労働法制上の問題として処理されるということでございます。
○礒崎哲史君 今、しっかりとその中に記載されることになるので結果として確認されることになるということで受け止めました。 では、今お話がありました実際にその第三者機関の方でそれを最終的には確認をしていくということにはなるというふうに思うんですが、そうしますと、やはり実際に第三者機関の役割というのは大変重要だというふうに認識をしています。 そうしますと、この第三者機関に関してなんですけれども、特に労働者を保護をするという視点で見たときには、今日も村田委員の方からもいろいろと御質問、厳しい御質問がありましたけれども、その観点でいきますと、この第三者機関に関しては、確認調査員に対する労働法制の研修体制の整備や研修の実施を求めるなどの必要な環境の整備を検討すると、こういった答弁を衆議院側でもされていたというふうに確認をしています。 そのときに、率直にちょっと申し上げますと、労働法制についての知識があるだけでは、私、駄目だと思っているんです。というのは、実際に労働問題に関しては、本当に個別事案というのはいろんな状態があって、いろんな背景があって、いろいろな裁判になっているということからすると、実際の裁判を実務として扱った方ですとかそういった皆さんでないと、きちんと的確なチェックですとかそういったことができないのではないかというふうにも思うんですね。 ですから、今回の第三者機関の調査員を選んでいくといいますか、どういう調査員がいるのかというのを見るときに、やはり実際の、労働法制の知識だけではなくて実務経験者、こういった方たちを加えるべきだと、このように私は考えるんですけども、この点いかがでしょうか。できれば大臣に。
○国務大臣(武藤容治君) 委員御指摘もごもっともな話だと思います。 私、ちょっと規模が違いますけど、こういう意味では、自分の会社もMアンドAした経験もあるんで、そういう意味でいうと、そういう御指摘もっともな話の中で、今回は私どもの答弁からいろいろ考えさせていただきましたけれども、専門性とか中立性を備えた第三者機関が手続に関与することとしております中で、いろいろとこういう形の確認調査員として事業再生に関する専門的知識及び実務経験を有する等の一定の要件を満たす者を選任することができることとしておりますけれども、今のような裁判を経験しているかどうかとか等々につきましては、やはりそれもごもっともなことかと思います。 これは、先生が御指摘のとおり、事業再生に関する専門的知識及び実務経験を有する者を選任することとしておりますが、事業再生ADRの例も参考にしながら、今後、確認調査員の選任に関する詳細規定、こういうものがありますので、これを検討してまいりたいというふうに思います。
○礒崎哲史君 実際にそうした案件が提案されてきた、申請されてきたときに、やはりきちきちっとしたチェック体制を整えておくということが大変重要だというふうに思いますので、是非その点前向きに御検討いただきたいと、そのように思います。 あともう一点、今回、この新制度を利用して事業再生を図ろうとした際に、新しく金融機関ですとか融資元が、つなぎ融資含めて、じゃ、我々が一肌脱ごうじゃないかということで、新たなそういう人たちがその事業再生に加わってきた場合なんですけれども、そうしますと、元々の債権者ではない方たちが加わってきたときに、その方たちから、その条件としてこういうことを中に盛り込んでくださいという、その方たちから示された提案内容というのは、この新制度の適用を受ける上では第三者機関の確認対象になるのかどうか、その点を確認させてください。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 本制度を活用して事業再生を行う際に、例えば、新たにスポンサーから事業再生のため資金の調達を受ける場合につきましては、先ほどからいろいろ御議論あります早期事業再生計画には資産や収入の見込みを記載しなければならず、これにはスポンサーからの資金の調達に関する事項も含みます。なので、この記載を含む早期事業再生計画全体は、先ほどから何度かお話があるとおり、第三者機関の調査の対象となるという立て付けでございますので、そういったものがその調査結果として対象債権者に交付をされるということになっているわけでございます。 なお、本制度では、いわゆる第三者機関がその債務調整の必要性ですとか決議成立の見込みなど確認する、それから対象債権者集会においては債権額の四分の三以上の同意を得ることが必要である、さらに、決議の後には裁判所が手続の公平性や法令違反がないか等を審査するということがございますので、悪意を持った第三者がパートナーとして参画するような事案は相当程度抑えられていくのではないかというふうに認識をしてございます。 引き続き、事業再生局面でのスポンサー、出資、融資の実態、これ経済実態はどんどん変化しますので、こういったものをタイムリーにしっかりと踏まえながら本制度の運用の詳細について検討を深めていきたいと考えてございます。
○礒崎哲史君 最近、その事業承継に絡んで、ちょっとこういう案件は本当にあるのかというような、逆に事業承継という言葉をいいことに、吸血鬼という言い方だとちょっとおかしいかもしれませんが、何か本当に助けているのか助けていないのか分からないような、こういう事案もやっぱりあります。そういう意味では、しっかりとチェック体制をしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 もう、ちょっと時間がないので、まとめに入りたいというふうに思うんですけれども、先ほど大臣の御答弁で、しっかりと労働組合含めた皆さんにも事前通知含めてお話をしていただくということで、これはもう本当にやっていただきたいというふうに思います。 ただ、あとはどういうタイミングでしっかりと通知をいただけるか、この点もしっかりと御検討いただければというふうに思います。発表の一時間前という意味では、これ意味ありませんので、そこはしっかりと時間も取っていただきたいというふうに思います。 ただ、実際にそういった大変重い提案を受ける側というのも、本当にこれ大変です。受ける側も相当なやっぱりストレスになりますし、プレッシャーになりますので、この点はやはり最後は労使の関係性になりますけれども、こういったことも実態としてはあろうかというふうに思います。 そのときに、やはり、最後にどうしても、これはどちらかというと経営者の皆さんに対してなんですが、そういうガイドライン等に示されたので組合に説明したと、だからもう従業員の説明はこれで終わったんだというような受け止めにだけはならないようにしていただきたいんです。あくまでも組合に説明したというのは、労働者の代表にはまず話をしたということであって、それは、最後は、もう職場にいる全員に対しての理解と納得を最後の一人まで進めるのは、それは経営者の責任としてやっていただくということでありますし、それが進まなければ本当の事業再生というのはできませんので、そういったことは是非経営者の皆さんにはしっかりと認識をした上で、この新しい制度を是非活用いただけるような、そういった体制をしっかりとつくっていただけますことを改めて最後にお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 本法案は、経済的に窮境に陥るおそれがある事業者、厳しい状況に陥るおそれがある事業者が早期に事業再生に取り組み、事業価値の毀損や技術、人材の散逸を回避するものとして、多数決による私的整理を可能とする新しい制度を設けるというふうにしています。 法案では、事業者が早期事業再生計画を作成をして対象債権者集会に提出するというふうにしていますけれども、この再生計画には人件費の切下げや雇用の削減などが含まれることがあり得るということでいいか、確認をします。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 早期事業再生計画には、主として事業者が制度を利用するに至った事情ですとか、業務の現状ですとか、その事業再生に向けた今後の事業活動に関する事項などを記載することとしております。 今御指摘のあったこの計画に人件費の切下げとか雇用の削減等が含まれるか否かは、これは一概に申し上げることはできないわけでございますけれども、事案によっては記載されることもあり得るというふうに認識をしてございます。
○岩渕友君 今日の議論でも、そのことを前提にして議論しているというふうに思うんですね。労働者にとって非常に重要な内容が書き込まれる可能性があるということです。 ところが、労働者や労働組合が再生計画の内容について知ることができる、つまり、その人員整理だとか労働条件の引下げなんかが含まれているということを知ることができるのは再生計画が第三者機関に提出される時点だというふうにこれまで衆議院でずっと答弁してきているんですよね。つまり、そのときは再生計画もうでき上がっているということなんですよ。 労働者や労働組合が関与できないという状況に対して、衆議院でも、そして今日も質問が行われて、雇用や賃金の減少が見込まれる事案については、関連する労働法制にのっとった手続に加えて運用面で対応するという答弁が行われてきています。 さらに、具体的には、会社分割とか、事業譲渡とか、雇用や賃金の減少が見込まれる事案については、第三者機関への計画提出に先立って労働組合等へ通知を行うことを省令で規定をして、労働組合等がその後の協議等に向けた準備が行えるように環境を整えていきたいという答弁されているわけですよね。そこに、また今日のやり取りでは、労使の協議状況を記載するという答弁もあったと思うんです、ということですよね。さらに、この協議の状況について記載があっても中身が伴わない場合、実質が伴わない場合はどうなるのか、こういうやり取りもありましたよね。 その上でちょっと聞くんですけれども、この労使協議がまとまらない場合、第三者機関に再生計画の提出はできないということでいいかどうか、確認をしたいんです。
○政府参考人(藤木俊光君) 御答弁申し上げます。 まず、そもそもそういった労働関係に影響を及ぼす場合、これは労働法制上の手続がこの早期事業再生法とは別の手続として必要になります。したがって、労働者の方々の権利はそういった労働法制上の手続をもって守られると、これは今日も御答弁申し上げているところでございます。 したがいまして、この早期事業再生法案においては、情報提供を行い、それに基づいて必要な協議がなされているかという状況の確認まででございまして、それに基づいてその後どういう形で労使の話がまとまるか、あるいはまとまらないかということについては、これは労働法制上の手続をもって担保されると、そういう問題であるというふうに理解してございます。
○岩渕友君 今の答弁でいうと、あくまで労働者の権利は労働法制で守られるんだと、だから実際に第三者機関が行うのは協議がされているかの確認までだということですよね。 そうなってくると、労使協議がまとまらない場合であっても、つまり、第三者機関に再生計画の提出はできるということでいいということになりますよね。
○政府参考人(藤木俊光君) そういう御理解でよろしいと思います。
○岩渕友君 つまり、それは要件にならないということなんだということですよね。 それで、今日の答弁というかやり取りの中で、保秘とのバランスということもいろいろ答弁あったと思うんです。 例えばなんですけれども、事業者から労働組合に通知があったと、労働組合が、その再生計画の中に賃金カットであるとか人員削減計画があるということが分かりました。その中身について例えば労働組合がチラシなんかを作って労働者に配ったりするということはできるのかどうか、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 一般論で申し上げますと、この再生局面における情報の扱いというのは大変センシティブなものであるというふうに思ってございます。例えば上場企業でございますと、インサイダー取引という問題にも関わる問題であるというふうに思っておりまして、そういった当事者間における情報の保持と、秘密の保持ということは大変重大な問題だと思います。ただ、これ事案に応じて、情報の内容に応じて区々あると思いますので、これはまさにそれぞれのシチュエーションに応じて判断される話でございます。
○岩渕友君 シチュエーションということだったんですけど、今私が質問したような具体的な事例の場合というのはどうなりますか。
○政府参考人(藤木俊光君) 繰り返しになりますけれども、その情報の内容にもよりますので、それがその段階で公にできるものなのかどうなのかということに関わると思っております。当然、会社から組合に情報を示すに当たってどういう条件をお付けになるかということも、それ、それぞれ組合と会社の間でお話が当然なされるということが前提でございますので、予断を持って、何かルールとしてここから先は駄目だということを私がこの場で申し上げる性質の問題ではないと考えております。
○岩渕友君 今日のやり取りの中でも、労働者が知らない間に人員の削減計画なんかが決まっていたみたいな、いつの間にかそういうことになっていた、それを報道で知ったというような話あったと思うんですよ。つまり、今の答弁でいうと、労働者はもう何にも知らされないということが当然あり得るというか、むしろそういうことになっていくんだというふうに思うんですよね。 それで、その前段に質問した中身でいえば、今日いろんなやり取りはあったんだけれども、結局は労働法制で守られるんだと。いろいろ省令に書き込むとは言うんだけれども、結局は労働法制だと。第三者機関ができるのは協議の確認までだということなんだと思うんですよね。 そうなってくると、これ、労働者を守るということにならないんじゃないかというふうに思うんですね。いかがですか。
○政府参考人(藤木俊光君) 繰り返しになりますが、労働者の権利については労働法制でしかるべく守られているということでございまして、労働法制でもって守られていない権利について、それを超えてこの法律で何かを保護するというものではないというふうに思っております。
○岩渕友君 だから、いろいろ省令に書き込むといっても、それが必ず労働者を守るということを担保するというふうにはならないのかなというふうに私は思いました。 さらにですけれども、この新しい制度は非訟事件ということでいいか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) 本法律案に規定する強制執行等の中止命令ですとか担保権実行手続の中止命令、それから権利変更決議の認可の申立ては、これは裁判手続であるところ、いずれも非訟事件という扱いでございます。
○岩渕友君 非訟事件ということは、原則非公開ということになるんですよ。その手続は労働者に明らかにされないということになります。労働者が自分たちに関わることなのに、情報が公開されない、明らかにならない、手続にも関与できないということになるわけですね。 経産省は、この制度について、先行する欧州の類似制度を参考にしたというふうに言っています。フランスの制度について紹介をしてください。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 ヨーロッパでは、早期かつ予防的な事業再生を促進する観点から、裁判所の関与を通じて、反対債権者に対しても必要な手続保障を確保しつつ多数決に基づく権利変更を実現する制度が存在しておりまして、その一つでございますフランスの迅速再生手続につきましては、事前に調停手続が前置をされていて、調停手続におきまして対象債権者の大多数の同意を得た上で、迅速再生手続を用いて、多数決原理によって再生計画案の可決及び裁判所の認可を目指す手続であるというふうに認識をしてございます。 他国の法令の詳細について全て正確に把握はしておりませんけれども、承知をしている範囲で申し上げますと、当該制度におけるこの労働債権に関する規定につきましては、分かる範囲でございますが、権利変更の対象債権は手続利用者がこれは選択が可能であるものの、労働債権については権利変更の対象外という形になっているということでございます。 そのほか、これ労働債権に関する規定ではございませんけれども、例えば再生計画案の記載事項には、一部、従業員の雇用の見込みについての説明といった項目があることは承知をしているところでございます。
○岩渕友君 今も答弁に少しあったんですけど、フランスの制度は本制度とは違って、労働債権は常に影響を受ける当事者から除外をされているし、意思に反して事業再生計画案に拘束されることはないということなんですね。このことが制度で担保されているということなんですよ。フランスの制度だったら、再生計画に基づく首切りなどはできないということなんですよね。 再生計画は参考資料だというふうにされていて、仮に再生計画に人員整理などについて書かれていても法的効力が発生するものではないといいます。けれども、金融機関は、再生計画の中身を見て減免などの権利変更に応じるわけですよね。だから、再生計画は決議と一体のものになるはずなんですよ。 労働法制にのっとった手続だというふうに言いますけれども、衆議院の審議でも、あと、今日もやり取りあったと思うんですけど、法案の作成に当たって厚生労働省の協議は行われたのかというふうに問われて、厚生労働省とも認識は共有しているというふうに答弁するだけなんですよ。共有しているだけなんですよ。 大臣に伺うんですけど、ちょっとこの今までのやり取り聞いて、これで本当に労働者守れるのかと。守るということだったら、法案に労働者保護について書き込むべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 御指摘の労働者の権利保護については、この労働関連法制、今ずっと議論させていただいております、のっとった手続を経て担保されているものと承知をしております。企業で働く従業員の理解と協力を得ることが事業再生の成否を決する上で重要な観点であると、先ほどもおっしゃったとおりで、衆議院における議論においてもずっとこういう議論を重ねてきています。 また、本法案は金融債務の減免等の手続を定める制度でありますけれども、その目的たるものは、やはり金融債務の減免等を通じて早期での事業再生を図ることで、事業価値の毀損や技術、人材の散逸につながる倒産状態に至る事態を回避することにあるんだと思っています。 衆議院での本法案の修正も通じながら、こういう点がより明確化されたものと認識をしておりますし、本修正も踏まえ、本制度の活用を通じて事業者に早期での事業再生を促しながら、従業員の協力も得て技術、人材の散逸の回避を図ることができるよう適切な制度運用に、これを是非図っていくこととしていきたいというふうに考えています。
○岩渕友君 従業員の理解と納得だと、協力だと言うんですけど、冒頭確認をしたように、結局その再生計画の中に人員削減の計画なんかが入っていて、労使で協議をしたとしても、その協議しているかどうかしか確認されないわけですよ。これで本当に労働者の理解や納得得られるのかと、協力得られるのかということだと思うんですよ。これ、得られないですよ。これでは労働者守るどころか、もうリストラを後押しする制度になるんじゃないかという懸念をもうはっきり言って拭えないということなんですよね。 そもそもこの制度が何で必要なのかということなんですけど、法案の提案理由の中に、二〇二四年の倒産件数が十一年ぶりに一万件を超えたということが挙げられています。けれども、そのうちの約九割が従業員数十人未満の小規模企業だということが答弁されているわけですよね。一方で、本法案の対象は主として金融債権者の多い大企業、中小企業、中堅企業を想定しているというふうに言うわけですよ。法案の背景として挙げていることと実際に想定されている対象がもう合っていないというふうに思うんですよね。 同時に、法案の背景では、経済の新陳代謝機能の強化が重要だというふうにしています。この新陳代謝に関わってなんですけど、二〇二二年の十月に開催をされた第一回新たな事業再構築のための私的整理法制検討分科会というのがあって、そこに冨山和彦委員という方が参加をされているんですけれども、新陳代謝についての発言をされているんですね。 何と言っているかというと、日本経済の停滞の根本には新陳代謝力がなくなったことがあると、中小企業、地方の企業が物すごい勢いで交代していかなければならない、だから退出、廃業、買収、集約が起きないと進まない、そのために私的整理をできるだけスムーズに行える必要があるといったことを述べているんですね。 この法案ですけれども、中小企業の淘汰を進めるための法案ということになるんじゃないんですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 審議会の報告書ですとか本法案の提案理由を説明する際に用いておりますけれども、経済の新陳代謝機能の強化という言葉でありますが、事業者の事業の再建を円滑化する制度基盤を整備することで、収益性の高い事業に入れ替えたり、新たに挑戦していくという、いわゆる事業内容の新陳代謝を意味しているところであります。 冨山先生のいつも御意見も別なところで拝聴していますけれども、決してそういう意味では、中小企業の倒産を促進するという意味でもなく、企業の新陳代謝を進めようとしているわけでもございませんので、御理解をいただきたいというふうに思います。
○岩渕友君 ただ、実際には、その中小企業や地方の企業、物すごい勢いで交代しなくちゃいけないと、だから退出、廃業なんだとおっしゃっているので、そういう懸念になるわけですよ。 再生計画にリストラ計画が含まれているということは、労働者にとってはもう本当に大変なことなわけですよね。このリストラということでいうと、まさにあの日産自動車が今直面している問題だということです。 日産自動車が五月十三日、経営の立て直しに向けて二〇二七年度までにグループ全体で二万人を削減すること、日本を含めて七工場を削減する方針を発表しました。日産は、一九九九年に、当時の最高責任者だったカルロス・ゴーン氏が、日産リバイバルプランということで、五つの工場を閉鎖し、全従業員の一四%に当たる約二万一千人の労働者を退職させる計画を発表しました。ゴーン氏はコストカッターというふうにも呼ばれていたわけですよね。その事業再構築計画を、政府は、産業活力再生法、産活法に基づいて、二〇〇一年の三月十九日に認定をしています。 大臣、これは、政府自身が大リストラの後押しをしてきたということになるんじゃないですか。政府が計画を認めてきたということが今回のこの大リストラにつながっているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) この再建計画は承知をしているところですけれども、日産が経営再建策として約二万人の人員削減する等々、これ報道にあるものであります。 経営再建計画そのものにつきましては、個社の経営に関わる事項でありますからコメントは差し控えたいと思いますけれども、同社は、現時点では、どの工場を閉じるかということについてはまだ説明をされていないものと承知をしているところです。 これ、衆議院でもたしか委員の方から御指摘ありましたけれども、今回の経営再建計画が雇用やサプライチェーンに与える影響について、今後ともしっかり注視をしてまいりたいというふうに考えています。その上で、影響を踏まえつつ、必要に応じて対応を検討してまいりたいと考えているところです。
○岩渕友君 前段に質問をした、かつて政府がこの事業再構築計画を認めてきたということがリストラの後押ししてきたということについてはどう認識されていますか。
○政府参考人(藤木俊光君) 二〇〇一年の話だと思いますが、事業再構築計画が認定されたということでございますが、当時の産活法に基づく事業再構築計画に関しましては、企業が自らの中核的事業に対して経営資源を重点投入して、それによって企業全体の生産性向上を図るということを目的とした計画であると、そういった計画について認定を行ったということでございまして、何らか従業員の解雇を後押しするというような趣旨のものではないということでございます。
○岩渕友君 五月二十五日付けの東京新聞では、一面で、今回の危機は当時の延長線上にあるという日産OBの声を紹介しているんですね。 五月三十日付けのしんぶん赤旗が、日産倒産の街ということで、二〇〇四年に完全閉鎖された村山工場の跡地がある武蔵村山市で取材した内容を報じているんです。工場の跡地の利用が進んだのは市や民間企業が土地を所有する北側のほんの一部だけで、下請企業や関連企業の撤退が相次いで、飲食店の多くが廃業、理容室やタクシーの客が減って、地域経済への影響は大きかったというんですね。また、自治体の財政にもマイナスの影響を与えています。 今回、閉鎖が検討されていると報道されている湘南工場は約千八百人、追浜工場では約三千六百人の労働者が働いています、五千人以上ですね。神奈川県内には千七百社を超える関連企業があるというわけです。だからこそ、黒岩知事が、県民も不安に思っていると、工場の閉鎖は取りやめてほしいと日産に直接伝えたというわけですよね。関係自治体の首長からも懸念の声が上がっていると。それだけ労働者や地域経済への影響が大きいということなんですよ。 衆議院で我が党の辰巳議員が、下請企業への社会的責任を果たさせるように、直接大臣から日産に働きかけるべきじゃないかというふうに求めました。二〇〇〇年二月の衆議院の予算委員会で、日産の問題について我が党の議員が追及したことを受けて、当時の深谷通産大臣は、日産自動車に対して十分な配慮をするようにと指示をしたということなんですね。 大臣は必要に応じて対応を検討すると答弁しているんですけど、検討じゃなくて、これ働きかけるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) ちょっと先ほどの答弁の繰り返しになっちゃいますけれども、現時点でまだどこの工場を閉鎖するとかいうことは明示されておりません。 そういう中で、関係自治体に対しても何も決まっていないという説明を行っているものと承知をしていますので、今回、経営再建計画が雇用やサプライチェーンに与える影響も踏まえながら、しっかり今後も注視してまいりたいと思いますし、その影響を踏まえて必要な、応じて対応を検討してまいりたいというふうに考えています。
○岩渕友君 それでは自治体や労働者の不安払拭できないですよ。地域の住民の人たちの不安払拭できないですよ。だって、もう黒岩知事は懸念示しているわけですから、日産にも直接伝えているわけですから。これ、大臣がやっぱり働きかけるべきだと思うんですね。 日産自動車の事実上のティア1である米買収ファンドのKKR傘下の自動車部品大手のマレリホールディングスについて、二〇二二年に私的整理を進めようとしたけれども、債権者の同意が得られずに、私的整理が成立せずに、法的整理をして元本の返済を猶予されてきました。ところが、二〇二四年十二月末に始まるはずだった返済ができずに、その後も返済猶予となっています。 アメリカのファンドであるSVPなどが追加融資を行って、自らの債権回収を確実にしようとすると、そういう姿勢に日本の銀行が反発をしているというふうに報道もされています。五月二十六日に私的整理を協議するための集会が開催をされたと、インドのマザーサン・グループによる株式取得のスキームが提案をされたというふうに報道をされています。 本制度があればマレリに適用された可能性があると思うんですけれども、その場合に、SVPのような海外の投資ファンドの金融債権も対象となるのでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) まず、御答弁申し上げる前に、個別の事案でございますとか個別の企業についてこの場で申し述べることは差し控えたいと思います。 その上で、金融機関等ということにつきまして、これは法律で規定をしているところでございますが、この中には、例えば日本に支店を有する外国銀行を対象となる金融機関に含めているというところでございます。 また、本法律案におきまして、その範囲につきまして、貸付け等の信用の供与を行う事業者として経済産業省令で定めるということになってございますので、この法律案の対象としてどのようなものを入れていくのか、更に具体的に検討をして、実効性のある制度設計を今後行ってまいりたいと思っております。
○岩渕友君 海外ファンドの日本企業の買収は、二〇二四年、過去最多になっているんですね。悪質な投資ファンドは、労働組合の解体だとか労働者の解雇や労働条件の切下げを行うこと、企業価値イコール株、株価最優先を特徴としています。 大臣に伺いますが、本法案で悪質な投資ファンドから労働者を守る措置必要じゃないでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) この制度におきましては、公正中立な第三者機関が債務調整の必要性、決議成立の見込み等を確認すること、そして対象債権者集会において債権額の四分の三以上の同意を得ることが必要であること、また決議の後に裁判所が手続の公平性や法令違反がないか等を審査すること等を通じながら、複層的に多数決濫用の防止措置を設けていることから、本制度を悪用するような事案は相当程度、相当程度抑えられるものと認識をしているところです。 また、金融庁の監督指針においては、メインバンクはその貸出先に対して丁寧に対話を行った上で実情に応じた支援に積極的に取り組んでいくこと等が求められているところであります。 こうしたことを踏まえれば、事業の再建による長期的な利益ではなく、事業の切り売りによる短期的な利益を優先する計画に多数の債権者の賛同を得ることは考えづらいと認識しているところであります。 その上で、経済実態の進展ですとか、裁判実務の積み重ね等も踏まえながら、制度の濫用防止についても不断の検証を続けてまいりたいと考えているところです。
○岩渕友君 日本がファンド天国と言われる一方で、EUでは労働者保護を中心としたファンド規制が行われているんです。悪質な投資ファンドから労働者を守る措置が必要です。 最後に、自社株買いについて質問をします。 企業価値を上げるために、一九九〇年代から商法改正などが行われて、二〇〇六年に自社株買いの完全解禁が行われました。 資料一を見ていただきたいんですけど、日本の上場企業が、二〇二四年度自社株買いの合計額、約十九兆円に上っていると。前年度と比べるとほぼ倍増になっています。 資料の二、見ていただきたいんですが、自社株買いの上位企業は名立たる大企業ばかりで、直近の二〇二四年度見ると、本田技研工業、トヨタ自動車、リクルートホールディングスは一兆円超えています。 資料の三、見ていただいて、自社株買いの額が増えるのに伴って株主への配当も増えています。配当と自社株買いで二〇二四年には五十兆円を超す株主還元行われたというふうに見られています。 五月三十日に経済産業省の産業構造審議会の有識者会議の報告でこの自社株買いについて触れて、株主還元だけでは十分な企業価値向上を実現できるとは限らないというふうに書きました。先日、予算委員会で我が党の小池議員が総理に、自社株買いに対する規制、企業が目先の短期的な利益を追求するのではなく、内部留保を投資や賃上げに還元するような仕組みを真剣に考えるべきじゃないかというふうに質問をしたら、総理は御指摘のとおりだというふうに答弁したんですね。 そこで大臣に伺うんですが、この自社株買いに対する規制、企業が目先の短期的な利益を追求するんじゃなくて、内部留保を投資や賃上げに還元するような仕組み必要だと思いますが、どんな仕組み考えているでしょうか。
○国務大臣(武藤容治君) 自社株の関係の御質問というふうに考えさせていただきます。 おっしゃられる委員会ですけど、先月三十日ですけれども、産業構造審議会価値創造経営小委員会の中間報告を公表いたしました。その中では、本小委員会での議論を踏まえ、自社株買いや配当といった株主還元は企業価値の向上に一定の役割を果たしてきた一方で、成長投資の機会が潤沢にあるならば必ずしも株主還元を優先すべきではないと企業経営者が認識することが重要であるとしているところです。 経済産業省としては、この中間報告を踏まえ、積極的な成長投資や賃上げ等を後押しする施策を進めることで、企業が成長投資と株主還元の適切な優先順位を付けられる事業環境を整備したいと、整備してまいりたいと考えているところです。
○岩渕友君 内部留保を賃上げや設備投資に還元する仕組み、これしっかり検討していただきたいということを求めて、質問を終わります。
○平山佐知子君 よろしくお願いいたします。 これまでの議論を様々伺って、頭の中整理していましたけれども、この法律案を施行する背景として、日本企業が抱えている債務残高がコロナ禍前に比べて百二十兆円以上増加しているということ、また、原材料価格の高騰や人手不足などといった要因を受けて二〇二四年の倒産件数が十一年ぶりに一万件を超えたことなどが挙げられていました。 こうした状況から立ち直っていくために、厳しい状況に陥るおそれがある事業者には早めに事業再生に取り組んでもらって、雇用を維持したり、さらにはその先に成長ということにもつなげていくことができれば、これは日本経済全体の活性化にも結び付いていくということで、今の債務整理手続の課題を解決する必要があるのだということはこれまでの議論を聞きながらも確認、認識を改めてさせていただきました。 これ、先ほどからもありましたけれども、経済の新陳代謝機能を強化することが重要という文言もありましたけれども、その意味するところはどういうことなのかということで、先ほど来から事業内容を新陳代謝していくという御答弁ありました。 日本では、以前から、ほかの先進国に比べて開業率と廃業率が低くて、企業の新陳代謝が進んでいないという指摘もあります。マイナス金利政策が解除されてから企業の借入金利が上昇していって、そうなりますと、負債の返済負担、これが増していくということにもなってきます。そうなりますと、やはり企業自体の新陳代謝が行われるということにもつながるのではないかという懸念もありますが、改めて大臣にもう一度伺わせていただきます。
○国務大臣(武藤容治君) 答弁させていただいていますけど、ここで改めてまたさせていただきたいと思います。 本法案の提案理由を説明する際に、経済の新陳代謝機能の強化ということを申し上げました。事業者の事業の再建を円滑化する制度基盤を整備することで、収益性の高い事業に入れ替えたり、新たに挑戦していくという、事業内容の新陳代謝を意味させていただいているところであります。 したがって、本法案により企業の倒産を促進するという意味での企業の新陳代謝が行われることを期待しているわけではございません。
○平山佐知子君 収益性の高い事業に挑戦していく、変革していくということは、経営者にとっては大変大きな覚悟も必要になってくると思いますが、重要なことだと私も思っております。 かつては世界に名をはせた自動車といった日本の物づくり産業ですけれども、その後はデジタル化の波に乗り遅れてしまって競争力を失い、失われた三十年と言われるようになってしまいました。その現実からどう転換を図っていくのか。生成AIが急速に進化するなど、産業の在り方そのものが大きく変わってくる今、その競争に追い付いて、また勝っていかなくてはいけないという、まさに歴史の転換点であり、日本経済、岐路に立っているということだと思います。そういう意味でも、国も企業も同じ思いで覚悟を持って進めていかなくてはならない、そうした状況だというふうなことも思っているところです。 事業再生実務家協会によりますと、二〇〇七年四月に開始した事業再生ADR制度を利用したこれまでの事例では、対象債権者が反対する理由として経営陣の責任の取り方が甘いという声もあったということが挙げられていました。 これまでは、全ての対象債権者からの同意を得られなければ事業再生ADRを利用できずに、その場合はより厳しい法的整理に移行しなければならなかったというものが、この法案が施行されれば、金融機関等である債権者の多数決、先ほどからもありますように、議決権の総額の四分の三以上の同意、単一の債権者が四分の三以上を有する場合には議決権者の過半数の同意が必要ということですが、これで債務整理手続ができるようになるということです。 手続が円滑化していくことになればより責任の取り方が甘くなるのではないかというようなこの法案の趣旨とは言わば逆の認識、こういったものが事業者の間に広がっていかないようにしなくてはいけないと思っています。そのためには、法律を施行するに当たって経営者への周知なども丁寧により行っていくべきだと思うんですが、その点についてどう考えているか、聞かせてください。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 まず、周知をする上での前提となるこの法制度の仕組みについての確認ではございますけれども、本制度を利用するに当たりましては、第三者機関において債務調整の必要性を確認する、それから金融債権者の四分の三以上の同意がなければ権利変更を行えないという、こういう要件を満たさない事業者は安易に本制度を活用することができないという仕組みにまずなっているということでございます。 かつ、その経営者責任の在り方につきましては、今きっちりと、その経営者責任の在り方についても、計画に記載という形を取る事業再生ADRの運用もしっかり参考にしながら、今後、本制度においても省令での規定の要否等を検討していきたいというふうに考えてございますので、まずはしっかりそういう制度をつくり込み、かつ、これをしっかりと周知していくということなんだというふうに考えております。 その上で、この事業者が本制度を逆に活用する機会を逸してもいけないということでございますので、広くこの制度の趣旨について適切な周知ですとか広報を行うということは、これは極めて重要だと考えているところでございます。 このため、本制度を検討する際に開催した審議会にもオブザーバーとして御参画いただいていた日本商工会議所を始めとした各経済団体、中小企業団体等を通じて、その経営者の皆様方を含めて広く周知を図っていくほか、事業者そのものだけではなく、事業者に対して様々な立場でアドバイスを行う弁護士等の実務家に対する広報、これも重要だと思いますので、これもしっかりやっていきたいと考えております。 やはり、それに加えまして、事業者が本制度を活用するに当たっては、やはりメインバンクに相談をした上で申請を行うということは、これも十分想定されることでございますので、やはり鍵となる金融機関等に対して丁寧に周知を行っていくということが極めて大事であるというふうに考えているところでございます。 今後、本制度の活用しっかりと進むよう、関係省庁とも連携しながら、効果的な周知広報の在り方について検討を深めていきたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 広く周知をしながら、早めなこの事業再生、状況悪化に早めに気付いて事業再生への道を進んでいく。その結果、事業の成長に結び付いていくということはいいことでありますし、まさにそうあるべきだと私も思っています。 ちょっと離れるかもしれないんですが、申し上げたかったことは、厳しいこれまでの現状の中でも一生懸命努力を重ねて売上げを伸ばして頑張っている企業も当然いるわけで、過剰な救済措置によって、いい新陳代謝がなされないまま再生や復活をした企業が歯を食いしばって頑張っている企業の妨げになるようなことがあってはならないということは思っています。正直者がばかを見るような状況にならないように、頑張ったらより支援を受けられるんだとか、努力していれば地元でも率先して仕事がもらえるような環境をつくっていくことも必要だと思っております。 一九九〇年以降、日本企業は、金融危機、それからリーマン・ショック、コロナ禍といったその時々の経済的な危機に直面しながらも企業収益を増加させてきたと思います。その一方で、危機の中、じゃ、何をやってきたかといいますと、企業は設備投資をしないとか賃金は抑制するといった状況を続けて、家計は所得が伸び悩んで財布のひもが固くなって、その結果、需要が弱く経済が停滞するという悪循環もあったと思います。DBJリサーチのコロナ後の貸出し増加と資金需要の変化によりますと、コロナ後、経済活動が正常に向かうとともに、コロナ禍で先送りされた投資の発現に伴う設備資金や、足下では景気回復や物価上昇による増収見合いといった前向きな使途が拡大したとあります。 これ、実際に設備投資意欲増しているのかどうか、その見解、まずは伺いたいと思います。
○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の設備投資意欲でございますけれども、日本銀行の全国企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観の本年三月調査によりますと、全規模、全産業の二〇二四年度、昨年度のソフトウェア・研究開発を含む設備投資額、除く土地投資額の見込みでございますけれども、前年度比八・四%の増加というふうになっておりまして、二〇二五年度、今年度の設備投資計画は前年度比二・二%の増加となっておりまして、増加が継続しているというふうに認識しております。また、設備投資の足下の実績でございますけれども、財務省の法人企業統計調査によりますと、本年一―三月期のソフトウェア投資額を含む設備投資額ですけれども、過去最高でありまして、前年同期比では六・四%の増加となっているところでございます。
○平山佐知子君 継続的に徐々に増えてきているということを教えていただきました。良い方向に進んでいるのかなと思いますけれども、とはいってもまだ、拡大基調に進んでいるかというと、これからというところもあるのかなというふうに私自身は思っているところです。 経営者はやっぱり設備投資しっかりしてもらって、生産性を上げて、企業収益を高めて、その収益を原資に再投資するといういい循環を生み出していかなければ、やはり持続的なこの賃金上昇にも結び付いていかないと思っています。 設備投資の停滞というのは、経済成長を支える資本ストックの蓄積を妨げて資本の老朽化をもたらしました。また、これが大きいと思うんですけれども、研究開発といった無形資産による新しい価値の創造を抑制することにもつながって、日本の潜在成長率を引き下げる要因ともなってきたということも考えています。 先ほども少しお話あったかと思いますけれども、経産省がまとめられました二〇四〇年の産業構造ビジョンでは、二〇四〇年までに日本企業による国内設備投資二百兆円の官民目標を実現すれば、名目の国内総生産が九百八十兆円、一千兆円ですか、ほどに拡大するというふうに推計をされていました。ただ、その一方で、この日本経済成長の鍵とも言える地方への投資の拡大を実現させるためのインフラ整備が課題になっているということも聞いています。 深刻な産業用地不足を解消して、地方に元々ある積極的な投資意欲をいかにこの日本経済の成長につなげていけるのか、政府の戦略をお伺いします。
○国務大臣(武藤容治君) 御指摘のとおり、国内投資、二〇四〇年度二百兆円という新たな官民目標の実現に向けて積極的な産業政策を展開、継続しているところです。 民間の設備投資意欲が増して国内への産業立地が進展する一方で、企業の新規立地等のための用地不足が顕在化しているものも認識しているところであります。委員のところも多分そうだと思います。私のところもそうなんですが。 このため、経済産業省としては、産業用地の確保に向けた取組として、自治体に対し、産業用地造成の進め方、また規制対応への助言等を行う伴走支援を行ってまいっております。 また、地域未来投資促進法におきまして、土地利用調整に係る特例措置を設けているところです。例えば富山県の高岡というところでは、本制度の活用によって工場の拡張に向けて新たな産業用地の確保につながったという事例もございます。 今後もこれらの支援措置等を通じながら産業用地を確保し、企業の積極的な国内投資を更に引き出してまいりたいと考えているところです。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 課題を認識をされて、伴走メニュー、様々用意してくださっているということで、政権が掲げていらっしゃるこの賃上げと投資が牽引する成長型経済、これを進めるためにも、地方にある積極的な投資意欲をいかにこの日本経済の成長につなげていけるのかといったところだと思いますので、是非スピード感を持って引き続き取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。 また、地方を見てみますと、国が出すこの補助金などを活用して、稼ぐ力、これを高めようと奮闘している事業者もたくさんいらっしゃいます。せっかくこうして用意された補助金、助成金ですから、やはり有効に活用してもらって、それを更なる成長につなげていってもらうことが期待されるところでございます。 ただ一方で、先日発表された地元静岡県内の信用金庫が県中部地域の中小企業に実施した調査を見ますと、様々な補助金の活用が進んでいる一方で、去年六月に始まりました省力化投資補助金の認知がなかなかこれ進んでおらず、補助金を申請したのは僅か四・四%にとどまったという結果も公表されています。 人手不足が深刻な問題となっているこの地方の中小企業にとりまして、生産性向上ですとか人手不足解消にもつながるこの補助金ですから、これ、余り活用されていないというこの現状はどういうふうに見ていらっしゃるのか、例えば現場での使いにくさであったり周知がなされていないといった課題はあるのかないのかという、その受け止めについて伺わせてもらいます。
○政府参考人(岡田智裕君) お答えいたします。 御指摘のあった省力化投資補助金でございますけれども、事業者のニーズも踏まえまして、補助対象となる製品のカタログの充実あるいは運用の改善等に注力してまいったところでございます。 具体的には、カタログの充実のため、カタログ登録のための手続の簡素化や柔軟化、あるいは登録申請手続に関する個別相談や説明会の実施といった運用の改善を進めておりまして、カタログに製品等を登録するメーカーや工業会が使いやすい仕組みとするよう日々対応を進めているところでございます。 また、中小企業の現場のニーズを踏まえまして、今年一月から、これまでのカタログ注文型の支援に加えまして、新たに一般型として事業者それぞれの業務に応じたオーダーメード型の省力化投資にも支援を開始したところでございます。 加えまして、周知広報につきましては、これまで全国四十七都道府県において説明会を実施いたしたところでございます。また、関係省庁と連携いたしまして、業種ごとの周知あるいはSNSやメールマガジンを通じた発信など、積極的に取り組んできたところでございます。 これらの取組によりまして本補助金の活用は徐々に進んできていると認識しておりますけれども、更に数多くの中小企業の皆様に広く御活用いただけるように引き続き全力で取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○平山佐知子君 まさに現場の声を受けて様々対応してくださっていると認識をいたしました。 少し法案の中身とは離れてしまいましたけれども、たくさんの施策とか補助金をやっぱり用意するということは大変重要だと思っています。ですが、やっぱり最新情報を現場にしっかりと今おっしゃってくださったように届けていただいて、現場の声を聞きながら、棚卸しというんでしょうかね、もし現場でちょっと使いにくいということであれば、そういう声を聞きながら進めていただいて、頑張る企業をまた後押ししていただければ有り難いと思います。 それではまた、法案についての質問を少しさせていただきます。 これまで低金利の下でリスケなど支援を受けながらも結局収益の改善が進まずに、借入金の利息が賄えないまま、政府それから金融機関の支援などを受けて延命を続けてきた企業は、今の外部環境、輸入物価の上昇ですとか人件費の増加、それから価格転嫁の遅れなど、企業にとっては収益改善の遅れにもつながるこうした厳しい環境の中、そこから脱却していくということはやはり難しいというものがあると思っています。 一方で、これまで長く続いた金融緩和の影響で、資金繰りにそれほど困ることなく、ここ十年ぐらいだと思いますけれども、どこからでも借りられたという事業者もある程度いるのではないかと思います。そうなりますと、なかなか自ら身を切るような決断を早い段階でしていくというのは難しく、結果、手遅れ寸前まで事業を続けてしまって、事業価値の毀損が進行して、最後の最後の段階で何とかしなければいけないということで手を挙げたときにはもう遅かったということも、これ十分に考えられると思います。 企業単独で判断するのがなかなか難しいということであれば、やはり取引金融機関を始めとする専門機関の積極的な伴走支援、これが求められていくと思っています。日頃からメインバンクを始めとする金融債権者が、債務者、事業者ですね、こちらと適切な危機感、やたらあおるわけではなくて、適切な危機感を共有をしていくということが大切だと思っているんですが、例えば地元に影響力のある会社ですとかオーナーさんへの対応など、そういう方々に早い段階から厳しいことを言うということができるのかどうかと。いわゆる地元の重鎮企業に対して金融機関もなかなか踏み込んだ話がしづらくて、厳しいことを言って関係悪化してはいけない、これを恐れてなかなか早期に着手できなくなってしまうというケースも実際あるということも聞いています。 言葉を選びながら事業者が納得するようなデリケートな交渉をしていけるのかどうかという、やはり、先ほどからもあるように、金融機関の人材育成、これが大切だと思っていますし、経営者とか関係者にもやはり正しい情報を伝えて理解してもらうということも必要ではないかと考えますが、金融庁にそうした点の見解を伺わせていただきます。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、早めの経営改善や事業再生に取組を進めるに当たっては、金融機関と事業者の双方が経営状況について正確な認識を持つことが重要であると考えております。 こうした考え方の下、昨年四月、金融庁の金融機関に対する監督上の着眼点でございます中小・地域金融機関向けの監督指針などを改正いたしまして、金融機関に対しまして、事業者の状況の変化の兆候を把握し、一歩先を見据えた対応を求めるとともに、状況の悪化の兆候がある事業者に正確な状況認識を促していくと、そういうことも求めているところでございます。 その上で、まず金融機関の人材育成についてでございますが、金融庁では、事業者のいろんな特性に応じた支援のノウハウなどを業種別に整理いたしました業種別支援の着眼点といったようなものを公表しておりますほか、中小企業活性化協議会によるトレーニー研修制度に金融機関職員が参加するという活用促進などを通じまして、事業の改善、再生実務を担う職員のスキルアップというのを促しているところでございます。また、支援機関との連携についても、金融機関に対しまして、他の金融機関、それから信用保証協会、弁護士、税理士等の専門家などと密に連携するようにということを求めておりまして、こうした点は先ほど申し上げた監督指針においても明確に示しているところでございます。 私ども金融庁といたしましては、引き続き、金融機関による一歩先を見据えた経営改善、事業再生支援などが着実に行われるよう取組を後押ししてまいりたいと思います。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 今伺いまして、業種別に個別にしっかりとトレーニングを積んだりという、まさに現場で役立つことをまた引き続きお願いをしたいなと思っています。やはり、先ほどから申し上げていますけれども、やっぱり経営者は可能な限り自力で再生したいというふうに考えていらっしゃると思うんですね。事業再生を決断することにはやはり抵抗を感じる方も多いと思います。そこは認識不足ということもあるかもしれません。そういう心理的な抵抗感ですね、こういうことをなくしてもらって早期に再生の道進んでもらうには、やはり現状を正しく認識してもらうということもこれ重要だと思いますので、しっかりとした伴走支援重要だと思っています。よろしくお願いいたします。 前にも申し上げましたけれども、我が国は一回限りのスポット的な取引は少なくて、やっぱり長年にわたってずっと何世代にもわたって取引を行うということが多いというふうに言います。なかなか、そうなりますと、経済合理性、これにのっとった判断ができるかどうかということが大変難しい中で、やっぱり専門家が必要になってくると思います。特に、最近ではメインバンク制の変容などの影響で対象債権者が数十に及ぶことも珍しくないということ、そこに外資系の金融機関も入ってくることもあると思いますけれども、こういう中で金融機関の合意を得ながら進めていくこと大変難しいと思いますので、その点もしっかり遂行できるかどうかということを考えながら進めていただきたいと思います。 また、海外案件、これを取り扱える第三者機関の人材確保もこれ重要な課題だと思っています。グローバル企業の場合、日本での事業再生ADRや本法律案による手続が海外の取引先からの信頼が得られるかどうかということなど、様々な影響も考えなくてはならないと思います。それぞれの国の法律などにもやっぱり精通していなくてはいけないということもあると思いますし、市場への影響力、それから資金力のある外資系企業をスポンサー候補に入れることが最近当たり前になってきたといいますけれども、そうしたグローバルの経済動向ですとか金融環境の影響を考えた慎重な準備や対応など、そうした部分での課題認識について考えを聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 いろいろなその経済実態が変わっていくことにどう対応していくのかという観点から申し上げると、やはり本制度は、御指摘もございましたけれども、手続全体に関与するのは第三者機関でございますので、この第三者機関をしっかりとした組織としていくということが非常に大事であるというふうに思っております。 法律上はこの第三者機関の指定に当たりまして様々、能力ですとか、中立性ですとか、体制ですとか、様々しっかりと要件を課して指定をしていくということになっているわけでございますけれども、例えば今後の指定に当たって、これからではございますけれども、現在事業再生ADRで第三者機関の役割、公正中立な第三者機関として様々な調整を実施してきている者としては一般社団法人事業再生実務家協会があるわけでございますけれども、ここはやはり、昨今の経済情勢の変化も受けて対象債権者にはやはり多くの外国銀行も含まれております。外資系金融機関等との調整も含めて、やはり一つ一つ実務の積み重ねというのを行ってきているんだというふうに認識をしております。 今後の当制度における指定に当たりましても、こういった協会のような十分な専門性ですとかある種の経験、それから何よりもその公正中立性を備えた組織をしっかりと指定をしていくということが大事になるかと思っております。 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、経済実態は常に変化をしていくというものでございますので、この本制度の手続を監督する第三者機関についても、こういった変化に機動的に対応できる体制をつくっていくということが大事になってきますので、指定に当たりましては、更に言うとその後のその運用に当たりましては、こうした点を踏まえながら、しっかりとしたその厳正な精査等を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 様々議論をさせていただいてきましたけれども、元々努力を重ねてきた事業者が、時代の変化の中、助言をもらいながら前向きに再生をしていく、進んでいくということ、世界経済の先行きに不安感が広がる中、もう一度この日本経済が復活するように官民一体となって取り組んでいくことが非常に大事だと改めて思っていますので、そのための後押し、様々な形、本法律案もそうですけれども、様々な形でお願いをしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(牧山ひろえ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる早期事業再生法案に反対の討論を行います。 反対理由の第一は、労働者保護が制度上担保されず、新たなリストラ促進法となるものだからです。 事業再生計画には人員削減や労働条件切下げが含まれ得るにもかかわらず、審議において各会派から相次いだ懸念に対して運用面で手当てすると答弁するのみです。 海外の類似制度では労働者保護が担保されている一方、本法案及び衆議院での修正条文では制度上の担保は全くされていません。労働者に大きな影響が出る法案と分かっていながら、前提となる経産省小委員会に労働団体などを一人も入れず、海外の類似制度を意図的に隠した資料を作成するなど、経産省の姿勢は労働者を無視していると言わざるを得ません。このような状況にもかかわらず、見直し規定には年限もない恒久法です。労働者をないがしろにすることは断じて容認できません。 反対理由の第二は、悪質な投資ファンドによる悪用を排除する担保がないからです。 企業価値を株価最優先とし、短期的利益を求め、支配下に置いた企業の資産を売却する、さらに、労働組合解体やリストラ等を露骨に行う事案が頻発しているにもかかわらず、日本は欧州に比べて極めて脆弱なファンド規制しかなく、労働者保護は放置されたままです。こうした下で、労働者、地域を踏みにじる企業買収、企業壊しは許せません。 反対理由の第三は、前段となる内閣官房分科会では、中小企業、地方の企業が物すごい勢いで交代しなければならない、退出、廃業するか、買収、集約されないと進まない、低生産性企業の買収は私的整理をかませないと起こらない、多数決による私的整理はとにかく早く成立させてほしいなどという驚くべき中小企業淘汰論が堂々と議論されました。新陳代謝機能の強化が法案の提出背景としてうたわれており、許容できません。 経産省は、一九九九年の日産のカルロス・ゴーン氏による大リストラ計画を産業活力再生法で認定し、支援しました。その後も大企業のリストラ、人減らしを支援することで株主資本主義、株価資本主義を推し進め、多国籍企業の競争力強化を図る一方、国民の暮らしや雇用を破壊してきたことに何の反省もありません。現在も日産で二万人の大リストラが計画される中、本法案はこれまでより簡易な手続で迅速にリストラを実行できるものであり、看過できません。 以上述べて、反対討論とします。
○委員長(牧山ひろえ君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(牧山ひろえ君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、古賀君から発言を求められておりますので、これを許します。古賀之士君。
○古賀之士君 私は、ただいま可決されました円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 本制度において、特に技術や人材の散逸を回避することや、従業員の協力の下で円滑に早期事業再生計画が実施されることが重要であることに鑑み、対象債権者や確認事業者の労使等となり得る関係者に対し、本制度の位置付け等について適切な情報提供を行うこと。 二 早期事業再生に向け、確認事業者が会社分割や事業譲渡等によってその従業員の雇用や労働条件の変更等を実施する可能性がある場合には、過半数労働組合等との協議を通じてその理解と協力を得るよう促すとともに、早期事業再生計画にそれら協議の状況を明記することとし、指定確認調査機関による調査の対象とすること。また、上記の趣旨を踏まえ、確認事業者が労働組合との協議のために情報提供を行う場合には、手続開始の公告をせず権利変更の対象を金融債務に限定することで事業価値の毀損の回避を図るという本制度の趣旨に鑑み、情報の秘密保持が適切になされるための必要な措置を、指定確認調査機関がその業務規程において定める事項とすること。 三 権利変更決議については、早期事業再生計画に基づく雇用や労働条件の変更等のほか確認事業者とその労働組合による労働協約等の変更等に法的な効力を及ぼすものでないことを明確にし、濫用的な取扱いがなされないよう必要な措置を講ずるとともに、その効力の発生後においても早期事業再生計画に基づく確認事業者の取組が従業員の協力の下で円滑に行われているかどうか等に留意し、必要に応じて適切に対応すること。 四 指定確認調査機関の指定をする際には、対象債権者の権利変更手続全体の円滑な実施、早期事業再生計画の適確な調査、確認調査員の適正な選任等を実施するために十分な能力を有しているかどうか、特に確認をすること。 五 確認調査員の選任については、そのプロセスの透明性を高めるとともに、多数決により金融債務の権利変更を行うことが可能になることを踏まえ、その選任要件は事業再生ADRにおける手続実施者に比較して、より厳格に定めること。また、確認調査員の見識を高め経験値を共有できるようにするため、研修の機会等の充実を図ること。 六 本法の手続開始の要件が民事再生法等から緩和されていることを踏まえ、債務調整の必要性がない事業者が本制度を濫用することで債権者の利益が不当に害されることがないよう、指定確認調査機関が本制度の利用要件を確認する際に濫用を図る事業者を適切に排除するための運用における留意すべき点を整理し、広く周知・広報を行うこと。 七 中小企業の事業再生支援については、物価高や人手不足等の厳しい経営環境の中でその必要性が高まっていることを踏まえ、中小企業活性化協議会や中小企業の事業再生等に関するガイドライン等を活用した既存の支援に当たり、関係機関の緊密な連携の下で事業者に寄り添った支援を一層充実させること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(牧山ひろえ君) ただいま古賀君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(牧山ひろえ君) 多数と認めます。よって、古賀君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、武藤経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武藤経済産業大臣。
○国務大臣(武藤容治君) ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(牧山ひろえ君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧山ひろえ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会
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