令和七年三月十二日(水曜日) 午前九時四十一分開会 ───────────── 委員の異動 二月二十五日 辞任 補欠選任 梶原 大介君 朝日健太郎君 神谷 政幸君 滝沢 求君 山本 啓介君 加田 裕之君 高橋 次郎君 石川 博崇君 二月二十六日 辞任 補欠選任 朝日健太郎君 梶原 大介君 加田 裕之君 山本 啓介君 滝沢 求君 神谷 政幸君 石川 博崇君 高橋 次郎君 三月四日 辞任 補欠選任 梶原 大介君 羽生田 俊君 高橋 次郎君 平木 大作君 三月五日 辞任 補欠選任 藤井 一博君 梶原 大介君 三月六日 辞任 補欠選任 神谷 政幸君 藤井 一博君 田中 昌史君 吉川ゆうみ君 山本 啓介君 山下 雄平君 安江 伸夫君 秋野 公造君 三月七日 辞任 補欠選任 羽生田 俊君 神谷 政幸君 山下 雄平君 山本 啓介君 吉川ゆうみ君 田中 昌史君 三月十日 辞任 補欠選任 秋野 公造君 安江 伸夫君 平木 大作君 高橋 次郎君 青島 健太君 松野 明美君 浜野 喜史君 堂込麻紀子君 三月十一日 辞任 補欠選任 松野 明美君 青島 健太君 堂込麻紀子君 浜野 喜史君 三月十二日 辞任 補欠選任 梶原 大介君 比嘉奈津美君 山本 啓介君 宮崎 雅夫君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 牧野たかお君 理 事 こやり隆史君 馬場 成志君 星 北斗君 石橋 通宏君 熊谷 裕人君 伊藤 孝江君 高木かおり君 浜野 喜史君 岩渕 友君 委 員 梶原 大介君 神谷 政幸君 清水 真人君 白坂 亜紀君 田中 昌史君 比嘉奈津美君 藤井 一博君 宮崎 雅夫君 山本 啓介君 若林 洋平君 渡辺 猛之君 三上 えり君 森本 真治君 横沢 高徳君 高橋 次郎君 安江 伸夫君 青島 健太君 委員以外の議員 議員 大島九州男君 ───── 議長 関口 昌一君 副議長 長浜 博行君 ───── 事務局側 事務総長 小林 史武君 事務次長 伊藤 文靖君 議事部長 八鍬 敬嗣君 委員部長 黒川 和良君 記録部長 森 黒土君 警務部長 三瓶 朋秀君 庶務部長 光地 壱朗君 管理部長 松下 和史君 国際部長 相澤 達也君 企画調整室長 金子 真実君 参考人 公正取引委員会 委員長候補者 みずほリサーチ &テクノロジー ズ株式会社理事 長 茶谷 栄治君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○本会議における議案の趣旨説明聴取及び質疑に関する件 ○外国派遣議員の報告に関する件 ○本日の本会議の議事に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○公正取引委員会委員長の任命同意に関する件 ─────────────
議院運営委員会
発言 72
○委員長(牧野たかお君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行いたいと存じます。 割当て会派推薦のとおり、浜野喜史君を理事に選任することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧野たかお君) 次に、本会議における議案の趣旨説明聴取及び質疑に関する件を議題といたします。 本件につきましては、理事会において協議いたしました結果、所得税法等の一部を改正する法律案につき、本日の本会議においてその趣旨説明を聴取するとともに、立憲民主・社民・無所属一人十五分、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党各々一人十分の質疑を順次行うことに意見が一致いたしました。 理事会申合せのとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧野たかお君) 次に、外国派遣議員の報告に関する件を議題といたします。 国際会議への出席のため海外に派遣されました議員団から、それぞれ報告書が提出されました。 これらの報告書は、先例により、本委員会の会議録に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧野たかお君) 次に、本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。 事務総長の説明を求めます。
○事務総長(小林史武君) 御説明申し上げます。 本日の議事は、日程第一 所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明でございます。加藤財務大臣から趣旨説明があり、これに対し、勝部賢志君、高橋次郎君、藤巻健史君、堂込麻紀子君、大門実紀史君の順に質疑を行います。 以上をもちまして本日の議事を終了いたします。その所要時間は約一時間五十五分の見込みでございます。
○委員長(牧野たかお君) ただいまの事務総長説明のとおり本日の本会議の議事を進めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、予鈴は午前九時五十五分、本鈴は午前十時でございます。 暫時休憩いたします。 午前九時四十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(牧野たかお君) ただいまから議院運営委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公正取引委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として公正取引委員会委員長候補者・みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社理事長茶谷栄治君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(牧野たかお君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(牧野たかお君) 次に、公正取引委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。茶谷栄治君。
○参考人(茶谷栄治君) 茶谷栄治でございます。 本日は、所信を述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。 まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきます。 公正取引委員会が所管しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高めて、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。 公正取引委員会の任務はこの目的を達成することであり、そのトップである委員長には、ほかにも増して、国民全体の奉仕者である国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正中立に職務を遂行していくことが求められていると考えております。 次に、取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを申し述べたいと思います。 グローバル化やデジタル化など、進展など、我が国を取り巻く経済社会が急速に変化する中で、我が国は、人口減少、少子高齢化という大きな課題を抱えています。また、日本経済が、長きにわたったコストカット型経済から、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行するとともに、構造的な、継続的な賃上げを実現するためには、企業の生産性を引き上げ、付加価値を高めることが喫緊の課題であると認識しております。 こうした中、公正かつ自由な競争を促進し、活発なイノベーションを引き出す環境をつくることで、我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えております。また、公正な競争が担保された市場の機能を通じて適正な分配が行われ、成長と分配の好循環、これを実現するためにも、競争政策の果たす役割は大きいものがあると考えております。そして、公正かつ自由な競争を確保する公正取引委員会の役割は、我が国経済の成長、発展と社会の活力を維持する上で極めて重要なものであると認識しております。 具体的な施策としまして、五点申し上げたいと思います。 まず第一に、厳正かつ的確な独占禁止法の執行を行っていくことが重要であると考えております。独占禁止法が禁じる競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するものであります。したがいまして、国民生活に密接に関連する商品、サービスの価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処していくとともに、合併等の企業結合事案につきましては、迅速かつ的確な審査を進めていく必要があると考えております。 第二に、中小企業にとって事業環境が厳しい中、公正な取引環境を確保する観点から、中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用や、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為などに厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要であると考えております。 特に、中小企業を含め持続的、構造的な賃上げを実現するためには、労働生産性の向上とともに、取引の適正化を通じた労務費などコスト上昇分の円滑な価格転嫁が不可欠であると認識しております。公正取引委員会は、一昨年の十一月に、内閣官房とともに労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を公表して以降、その周知徹底やフォローアップに取り組んでいると承知しています。引き続き、関係省庁と緊密に連携し、この指針の周知徹底を進めるとともに、優越的地位の濫用や下請法違反行為に対しては厳正に対処していく必要があると考えております。 また、昨年十一月に、フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行されました。フリーランスに係る取引の適正化が図られるよう、同法の普及啓発及び迅速かつ適切な法執行を行っていく必要があると考えております。 第三に、日本経済が引き続き成長を維持し、社会の活力を保っていくためには、デジタル経済の進展、グリーン社会の実現など、経済社会の変化に的確に対応して競争環境を整備し、イノベーションを引き出していくことが重要であると考えております。 デジタル分野につきましては、実態把握を引き続き行い、独占禁止法上の問題点や競争政策上の考え方の整理を行っていくほか、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為には厳正に対処していく必要があると考えております。また、本年十二月までに全面施行されるスマホソフトウェア競争促進法については、円滑に施行されるよう着実な準備を行った上で、実効的な法運用を行っていくことが求められていると認識しております。 さらに、デジタル以外の分野につきましても、公正取引委員会は、事業者のGXに向けた取組を競争政策サイドから後押しするためにグリーンガイドラインを公表するなど、積極的に対応していると承知しています。引き続き、様々な経済社会の動きやビジネスの実態を捉えながら、各種提言、ガイドラインの策定等を行うことで競争環境を整備していく必要があると考えます。 第四に、国際的な連携の推進も重要です。デジタル経済が進展する中で、ビッグテックを始め、事業者の活動は国境を越えてグローバルに広がっており、企業結合、反競争的な活動への対応など、デジタル市場における競争上の懸念に対処するため、競争法の執行と競争政策の推進の両面において、海外競争当局と国際的な連携協力をする必要が一層高まっていると認識しております。 最後に、これまで述べました具体的な施策を着実に実施し、公正取引委員会に期待される役割を的確に果たしていくためにも、質、量の両面から公正取引委員会の体制強化を図っていく必要があると考えております。 両院の御同意をいただくことができまして、公正取引委員会委員長に任ぜられました暁には、その職責をしっかりと認識し、国権の最高機関である国会における御議論を始め、様々な御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく、他の委員とともに力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導賜りますようお願い申し上げます。 以上、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
○委員長(牧野たかお君) 以上で候補者の所信の聴取は終了いたしました。 これより候補者に対する質疑を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
○石橋通宏君 立憲民主・社民・無所属の石橋です。 茶谷参考人、今日は所信陳述ありがとうございました。 早速質問に入らせていただきたいと思うのですが、今所信で述べていただいた様々な課題、おっしゃるとおりだと思います。公正取引委員会の極めて重要な役割、我が国における健全な競争政策、独占の禁止、濫用の防止、こういったことが、これ、ひいて目的は、法の一条にも記載されておりますけれども、結局、国民の雇用の安定、さらには所得の向上、それがやっぱり国民生活を豊かにすることがまさにその目的であるはずです。 とすれば、裏返せば、極めて残念ながらですけれども、よく我々失われた三十年という言い方をしています。先進国に比して我が国が実質賃金が下落の一途をたどっている、まさに賃金が上がらない、イノベーションが阻害をされてきた、国際競争力が、参考人はずっと財務の主要ポストを歩かれてきた方ですので重々お分かりのとおり、かつて世界ナンバーワンだった我が国の国際競争力が今や三十八位です。これは、ひいては我が国の競争政策が失敗してきたのではないかというふうにも言えると思うのですが、その点の問題認識、参考人が今やらなければいけないこととおっしゃったことは、裏返せば、この三十年、競争政策が失敗した、つまり公取が役割を果たせてこなかったのではないかという問題意識にもつながると思うのですが、その辺どう受け止めておられるか、お聞かせください。
○参考人(茶谷栄治君) まさに公正取引委員会の目的、独禁法の目的というのは、先生おっしゃったとおり、第一条に書かれております。 日本というのは元々自由経済の社会ですので、その需給の調整というのは市場のメカニズムに委ねて、そこで決まってくる需給を受けて事業者が価格をどうするかという、そこは自由な判断に基本的には任せると。そういうことを一応前提とした上で、その事業者の自由な決定というのを阻害する行為があればこれに厳正に対処していくと。これが公正取引委員会の一義的な職責だと思いますし、これ自体はもう、公正取引委員会、昭和二十二年に創設されて以来、それぞれの職員の方というのは熱心に職責を果たしてこられたと、これは私、外から見ていてそれは思っておるところでございます。 ただ、今先生おっしゃったように、この三十年ほど名目GDPというのはほぼ横ばいで、最終的に、その独禁法の一条に書かれた、「国民実所得の水準を高め、」というところにつながっていないじゃないかというような御指摘だと思います。 これは、公正取引委員会が、その名目GDPが多分横ばいであったというのは、これもう様々な要因があろうかと思います。その中で、公正取引委員会がこの役割を果たせなかったから、じゃ、実所得が上がらなかったのかというのはなかなか言い難い部分がありますが、ただ、さりとて、完全に果たし切ったら、まあもっとあるいはGDPに影響を及ぼしたか分かりませんが、そこは正直言って私もなかなか判断しかねるところですが、とにかく、こういう公正及び自由な、公正でかつ自由な競争環境を整備するという、そこの職責だけはかなり熱心に公正取引委員会の方、役割を果たしてこられたというようには認識しております。
○石橋通宏君 参考人が所信でおっしゃったことを実現するためには、やはり改めて、過去三十年の競争政策、そして公取の果たしてこられた具体的な実績、振り返ってよくよく分析をされるべきではないかというふうに思っています。 優越的地位の濫用、五つのポイントの中で二番目に掲げられました。まさにそれは極めて重要だと思っているんですが、参考人がそれを改めておっしゃらなければならないぐらい、結局、優越的な地位の濫用はなくなっていない。むしろ、下請いじめ、価格転嫁を認めない優越的な立場を利用しての支配的事業者の相変わらず存在があるわけです。 とすれば、なぜそれが是正されてこなかったのかということは突き詰めて考えなければいけないのではないかと思うのですが、下請法の改正もまた法改正出てきますけれども、私はこれでは不十分だと個人的には思っておりまして、日本の構造的な問題は、やっぱり多重下請構造です。 多重下請構造に切り込まなければ濫用的地位の是正はできないと私は思っておりますが、参考人、多重下請構造を抜本改正する、改革していく、そういう決意はおありでしょうか。お聞かせください。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、日本経済というのは、ずっと戦後長らく、高度成長のときも含めて、多重下請構造があったと思います。 ただ、それ自身を今抜本的に急にどうできるかというのはなかなか直ちには正直言って難しいところもあるかと思いますが、まずはその多重下請構造の中で、今特に、第何次下請という、何次という数字が大きくなればなるほど転嫁が進んでいないという実態はまず少なくともあるものですから、まずサプライチェーン全体で構造的な賃上げをできるようにしていくと。 このために、今回、下請法の改正法案も出させて、これから御審議をお願いすることになろうかと思いますが、まずはできることからどんどんやっていく中で、そういう日本経済の在り方、これは多分、公取だけではなくて政府全体で考えていくような議論になろうかと思いますし、そもそも政府だけというよりは、これは官民で両方で考えてやっていく必要があろうかと思いますが、大きな目標としては、そういう多重下請構造をどうするかというのは、当然政府全体として考えていく必要があると思いますが、まずは公取、できることとして、この下請法を改正してサプライチェーン全体のまず賃上げを目指していくと、そこにかなり力を入れて取り組んでいく必要があろうかと、かように考えておるところでございます。
○石橋通宏君 私もこれまで、各それぞれの所管省庁には口酸っぱく、多重下請構造抜本改革が必要だと進言してきましたけれども、まさに公取の役割は極めて大きいのではないかという趣旨でお聞きをしております。 元請のところで労働者の賃金単価が二万円。でも、六次請け、七次請け、八次請けと行ったら五千円、四千円になるんですよ。こういうことをやっているからいつまでたっても国民所得の向上はできないという問題意識は是非共有をいただければなというふうにも思います。 その上で、もう一つ、特に最近、偽装請負、偽装フリーランス、こういったこともある意味優越的立場の濫用に当たるのではないかと我々強く問題意識を持っております。 おっしゃっていただいたとおり、昨年にフリーランス法施行されましたけれども、これもあくまでフリーランスとしての競争、契約環境の改善という意味で、本来であれば使用者従属性のあるフリーランスというのは労働者であるべきなんです。労働法制の保護を受けてきちんとまさに競争政策の目的が達せられなければならないと思うのですが、そこには踏み込んでいないのです。 参考人、この点についてはどう思われますか。まさにフリーランスの問題解決しようと思ったら、労働法制の適用こそ進めるべき課題ではないのかと思うのですが、いかがでしょうか。
○参考人(茶谷栄治君) 昨年十一月からフリーランス・事業者間適正化等法施行されて、まずはこの法律をきちっと施行していくということが非常に重要でございますが、ただ、多分これ、法律作ったからそれで多分終わりということでなくて、常にその実際の実態というのは、これは常に、先ほど所信でもいろいろな御意見に耳を傾けながらと、これは申し述べたとおり、それは、公正取引委員会にしろ、ありとあらゆる官庁というのが常に生の現場の声というのをこれ集めていく必要がありますし、そういう中で、今後労働法制について更に検討する必要があると。課題が出てきたらそれはきちっとまた政府全体で議論をして、その中でも公正取引委員会というのは大きな役割を果たしていく必要があろうかと考えております。
○石橋通宏君 最後に、運輸・物流分野における適正料金収受の問題も、昨年、二〇二四年問題がありました。物流業界、極めて大事な業界であるんですが、人手不足で深刻な状況で、やっぱり元々は、やはり優越的な立場、荷主さんと請けていただいている事業者さん、なかなか適正な価格転嫁ができていないという問題があります。 これ、今回、下請法の対象にしていただく方向で議論がなされておりますが、この点についても、改めてきちんとした適正料金収受、そしてそれが労働者の賃金につながる形をつくっていかなければいけない、この点についてもし決意があればお聞かせをいただけないでしょうか。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、もう物流というのはもう国民生活の隅々まで、我々も、事業、企業だけでなくて、消費者としても日々その恩恵を受けておるところで、これがスタックしたら多分相当経済にもえらいことになるかと思います。 おっしゃるとおり、発荷主と元請事業者というのは、これまで下請が外れて物流特殊指定だけで対応していたので、そこは多分相当不当な不利益とかというのはあったかと思うんで、これは多分もう日本経済全体にとっての非常に重要な課題だと思いますので、今回、下請法改正でも項目が入っておりますが、成立させていただいた暁にはその執行まで含めてこれは相当力を入れてやっていく分野だと、そこは認識しております。
○石橋通宏君 終わります。ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりと申します。どうぞよろしくお願いいたします。 先ほどは所信表明ありがとうございました。 まず、御就任になられた暁にはといった意味で、まず意気込みと、それから、今まで、公正取引委員長にもし御就任された際には、これまで様々取り組んでいただいていたそういった業務含めて、どのような専門的な知見を生かしていくのか、それについてお伺いしたいと思います。
○参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。 まさに、公正取引委員会の任務というのは、先ほど所信でも申し上げましたが、公正かつ自由な競争を促進して、イノベーションを引き出して、経済の活性化を図るとともに、多様な商品、サービスというのを消費者に提供して消費者の利益を確保するとともに、これらを、そこで生まれた付加価値というのを公正な競争というのが担保された市場の機能によって適切に分配していくと。これらを通じて経済の活性化と生活水準の向上というのは図られると思いますし、そこにおける公正取引委員会の役割というのは極めて重いものがあると思いますので、私自身、御同意をいただいて委員長に就任した暁には、国会における御議論を含め、国民の様々な御意見に耳を傾けて、他の委員とともにしっかりと職責を尽くしてまいりたいと思います。 その際に、私、三十八年間余り財務省という役所で働かせていただきましたが、公正取引委員会も財務省も同じ行政という中で、行政というのは、基本的には法律を誠実に執行し、あるいは法律に基づいて諸課題に適切に対応していくということが行政の基本的な本質で、そこは公正取引委員会であろうが財務省であろうが変わりないと思いますが、財務省では私自身が主計局という予算編成をする部局も非常に長かったものですから、そこにおりますと各省がやっているいろいろな施策というのを学ぶ機会というのも多々ありましたものですから、一応、例えばそういう知見とか、あるいは行政における意思決定の進め方というのを、これは一応それなりの経験はあろうかと思いますので、同意をいただいて就任することができた暁には、そういう知見も活用しながら、今、現古谷委員長の下では、いわゆるエンフォースメントというものとアドボカシーという、これを車の両輪にしてどんどん公正取引委員会の活動領域を広げながら競争政策を積極的に進めておられると思いますので、私自身もそれをしっかりと受け継いで、これまでの経験も生かしながら、ただ、社会経済情勢というのはもう最近目まぐるしく変わっているものですから、それに応じてその古谷委員長の今やっておられる施策を更に発展させていくと、そういう心掛けで務めてまいりたいと思います。
○高木かおり君 ありがとうございます。 先ほど、五つのこれからやるべきポイントについてもお話をいただいたかと思います。 やはり公正取引委員会、公正かつ自由な取引、これはもう大前提でございますが、昨今で、御承知のとおり、先ほどおっしゃっていただいたように、グローバル化、デジタル化、これ、やはり本当にスピード感を持って進んでいっているという現状です。その中で、規制も国際協力というのは欠かせないというふうに思います。 日本で使われているサービスとか物を取り仕切っている企業の本拠地が日本であるとは限らないというような状況かと思います。そういった中で、国際的なプラットフォーマーなどに対して、やっぱり公正取引委員会として今後どのような姿勢で臨んでいくのか、そしてこのスピード感にどう対処していくのか、この点について伺いたいと思います。
○参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。 まさに今先生おっしゃったとおり、特にデジタルの社会というのは、スピードが物すごく速いということと、やっぱり規模の経済、間接ネットワークが働くということで、現状としても、巨大なデジタルプラットフォーマー幾つかが世界中で大きな存在感を示しているという、そういう状況になっているかと思います。 今度スマホソフトウェア競争促進法なんかも施行されますが、このデジタルの世界というのは、まず、中としたら、公正取引委員会の中の専門知というのをきちっと高めると。これは、当然研修の充実から始まって、あるいは、今中途採用のような形でデジタルの専門家も採用していますし、あるいは、当然、公正取引委員会だけではなくて政府全体の知見をフル活用するというので、様々関係省庁との連携も進めていく必要があると思います。 それとともに、当然公正取引委員会の更に量的な体制というのも今後増やしますし、さらに、今おっしゃったように、デジタルプラットフォーマーというのはとにかく国際的に活躍するものですから、海外当局との連携というのがこれは極めて重要になってくると思います。 今まだ私、中に入っていないので聞いているだけですが、やっぱり二国間の協力協定というのは多々ございますし、あるいはICNという国際的な多国間の枠組みございますので、そういうところにもやっぱり積極的に参加していって、かつ極めてスピーディーにそれぞれ関係当局間よく情報交換等もしながら対応していく必要があろうかと考えております。
○高木かおり君 また、先ほどイノベーションについても触れられていたかと思います。 今、我が国、人口減少社会であります。そして、東京一極集中も止まらない、こういった中で地方においてやはり非常に経済も疲弊していると、こういった様々な問題がはらんでいると、そういった時代になってしまっていると思っております。 そういう中で、この公正取引委員会におきましては、この規制する側で、その規制によって経済成長が妨げられている、又は地域の活性化が妨げられてしまっていないか、すなわち今度逆に規制がイノベーションの阻害になってしまっているんではないかというような声もあることを承知しておりますが、これに対して、規制をする側としてはどのようにこれについてお考えでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。 まず、規制という側面からすると、一つは、政府の様々な分野にいわゆる規制というのがございます。これは、生命、身体あるいは財産の保護という目的であったり、社会秩序の維持とかという目的であったりして規制ございますが、その規制がやっぱり一定程度この事業活動に制限を加えると、それによってイノベーションが阻害されるとかあるいは参入が難しくなっているとかそういうことがあれば、これは今度はその競争政策を持つ公正取引委員会として、その規制の目的と手段が、要は手段が必要最小限のものとなっているか、要は、目的は確かに、ああ、もっともだと思っても、それが過剰に競争を制約していないかという観点からこれは絶えずいろいろ検討もしまして、必要であればその所管省庁に提言するとかというようなこともやっているというふうに承知しております。 逆に、今度また、その公正取引委員会の例えば独禁法自体が事業活動自体の、例えば何か独禁法があるがゆえにむしろ萎縮するとかという話もたまに聞いたりしますが、これについてはこれまでもいろいろな分野でやっていますが、例えば、独禁法上こういうのは問題になるけどこういうのは大丈夫ですというようなガイドラインを作るとか、そこは、変に過度にその経済に萎縮効果を与えないというような、そういうこともまた必要かと思いますし、それから、そういう意味では、規制をもうちょっと最小限にという立場の公取の立場でもありますし、公取自身の活動としてもそういうのをきちっと考えていく必要があろうかと、こういうふうに思っておるところでございます。
○高木かおり君 それでは、続きまして、国内のほかの組織との連携ということでちょっとお伺いを一つしたいと思うんですけれども、同じ保護とか規制側の官庁としては消費者庁があるかと思います。この消費者庁と公正取引委員会は、景品表示法とかステルスマーケティング等、協力して業務に当たる分野というのがあると考えております。 この消費者の方々の価格が不当に高いといった問題意識が発端となってよくよく調べてみると、公正取引委員会が対処していかないといけない事項に該当したり、こういったことがあるかというふうに思っております。 こうした国内のほかの組織との連携をしっかりこれ密にして円滑に業務を遂行する、この重要性についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、関係省庁間の連携というのは、これはもう極めて、もう公取に限らず、政府全体で、常に縦割りがあるものですから、これはもう極めて大変重要な課題かと思っています。 今先生が例示として挙げられた消費者庁の景品表示法に関して言いますと、これ、たしか平成二十一年までそもそも公正取引委員会が所管していた法律が、消費者庁ができてそれ移管されたと思いますが、消費者庁自身が地方の事務所がないものですから、今、景品表示法も、消費者庁長官の調査権限の委任を受けて公正取引委員会の地方事務所が調査を実施して、その調査結果を踏まえて消費者庁が措置命令を行うとか、そういう形でこれは本当、かなり密に連携をしていると思いますし、先ほどから話出たその下請の問題とかになりますと、これは中小企業庁なりあるいはその所管業界ごとに、物流であれば多分国交省とか、それぞれの所管省庁とこれは連携していかざるを得ないし、それはもう是非積極的によく連携を進めていく必要があろうかと考えております。
○高木かおり君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 本日は、公正取引委員会委員長の候補、茶谷参考人に、候補としての意気込みを二問お伺いしたいと思います。 一つ目ですけれども、政府が定める公正取引推進のための様々なガイドラインは、企業が法令を遵守し、公正な競争を行う上で重要な役割を果たしております。 農水省では、食品製造業、売上業の、失礼しました、小売業の適正取引推進ガイドラインを策定し、食品製造業者と小売業者との適正取引を進めるために取組を進めておりますが、あくまでガイドラインであり、法的拘束力はありません。こうした中、今般、農水省では法改正を行い、食品等の適正取引の実施状況が著しく不十分な場合、農水大臣からの勧告、公表を実施し、公正取引委員会にもその事実を通知するとしております。 国民の豊かで健康な生活を支える食を持続的に供給するためにも、違反行為を取り締まる公正取引委員会として、こうした事実があれば毅然とした対応を取るべきと考えておりますけれども、候補の意気込みをお伺いしたいと思います。
○参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。 今先生おっしゃったとおり、先週金曜日、三月七日に、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律案が閣議決定されて国会に提出されたというように承知しております。 これは、食料の持続的な供給の実現を図るために費用を考慮した価格形成と食品産業による付加価値向上等を一体として推進するという目的があろうかと承知しておりますが、このまさに法案では、先生おっしゃったとおり、改正後の食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律の第五十二条において、「農林水産大臣は、食品等の取引に関し、不公正な取引方法に該当する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を通知するものとする。」というように規定されていると承知しております。 まさにこの食品の世界、食品流通、農業分野というのは、国民生活の一番基本的なところですので、ここについての競争制限的な行為があったら、これはもうきちっと対応していく必要がございますので、今後は、今おっしゃったのは、実態調査とかあるいはガイドラインの周知なんかも進めながら、いろいろ情報提供というのをいただいた上で、独禁法なりに違反するような被疑事実が認められた場合にはこれは厳正に対処していくと、そういうことが必要かと思っております。
○浜野喜史君 二つ目の質問ですけれども、公正取引委員会では、昨年九月にフードサプライチェーンにおける商慣行に関する実態調査を実施しており、関係事業者から詳細なヒアリングを実施し、本年六月頃を目途に、ヒアリング結果などを踏まえ、実態調査報告書を取りまとめる予定と承知をいたしております。 また、フード連合やUAゼンセンは、毎年、食品の取引現場で働く営業担当者に取引実態調査を行っており、その内容に基づいて、本年二月に公正取引委員会に要請を行ったと聞いております。御就任後、その要請内容も御確認をいただくことを私からもお願いを申し上げておきたいと思います。 その上で、候補の意気込みをお伺いしますけれども、公正取引委員会としても課題認識を持っている受発注リードタイムの適正化など、公正取引を推進していくためにはオペレーションの変更に伴うシステム改修が必要となる場合があり、企業に負担が掛かります。 コスト負担に関する政府支援を行うなどの手当ても必要ではないかと考えますけれども、候補の御見解をお伺いいたします。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、受発注リードタイム、多分、在庫切れたらもうすぐに持ってこいとか、多分そういうような要求が出てくるような話かとございますが、おっしゃるとおり、そういう行為自体が中小企業に不当な不利益を与えるものかどうかという観点から、これは公正取引委員会としてもしっかり認識して対応していく必要があろうかと思いますが、ただ、そのコスト負担に関する支援策になりますと、これは多分事業所管省庁、これは多分農水省がメインになるかと思いますが、そこでしっかりと中で検討していただいた上で、財政当局と、これは多分、費用対効果の観点とかというもの含めながらよく御議論をしていただいて結論を出していただくものかなと思いますが、いずれにしても、そういう食品取引の適正化と、そういうことにつきましては、先ほども申し上げましたが、国民生活にとって極めて重要な、多くの国民がこれは関心を持つような話でしょうから、いろいろな情報提供を受けた上で、優越的地位の濫用がないか等々の実態をよく調査して、独禁法違反等の懸念があればそこは厳正に対処していく必要があると、こういうふうに考えております。
○浜野喜史君 終わります。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。茶谷参考人、よろしくお願いいたします。 初めに、巨大IT企業への規制について伺います。 日本で初めてとなるデジタルプラットフォームをめぐる法律ということで、二〇二〇年に取引透明化法が成立をしました。そして、先ほど話がありましたけれども、昨年、スマートフォンソフトウェア競争促進法が成立をして、年内に施行されるということになっています。 経済産業委員会の中でいずれの審議も行ってきたんですけれども、ソフトウェアはアップルとグーグルの寡占構造となっていて、スマホソフトウェア促進法で禁止行為を定め、事前規制を行うということは必要だということで、賛成をしています。日本はEUを参考に法規制を行っていますけれども、そのEUでは、昨年の三月からデジタル市場法の本格的な運用が始まっています。日本はアップルとグーグルを事実上の規制対象としているわけですけれども、デジタル市場法では規制対象が更に広くなっているわけですね。また、デジタル市場法の約四割しか対象になっていないなど、法案審議では規制が不十分じゃないかということを指摘しました。 参考人は、このEUと比べて規制が極めて不十分だという認識があるでしょうか。伺いたいと思います。
○参考人(茶谷栄治君) まさに先生今おっしゃったとおり、EUのデジタル市場法、DMAですか、これでは、ウェブサイトからアプリを直接ダウンロードできるようにすることを求めていると。一方、スマホソフトウェア競争促進法ではそこまで求めていないとか、こういう違いがあるというのはよく承知しております。 元々このような相違が生まれました背景というのは、スマホソフトウェア競争促進法というのを検討しているときに、これまで公正取引委員会が行ったモバイルOS等に関する実態調査や、あるいは政府のデジタル市場競争会議が行ったモバイル・エコシステムに関する競争評価等を踏まえて、我が国の特有の状況を踏まえて、特にスマートフォンというのが国民生活の中で極めて重要で、かつ様々な競争政策上の問題を起こしているから、これについて対処しようということでスマホソフトウェア競争促進法の成立に至ったわけですから、そういう経緯で来たものですから、今、欧州のデジタル市場法と規制対象が異なるのは、そういう経緯があったものですから、それ自体は基本的にそういうものだという認識になりますが、当然、じゃ、そのスマホソフトウェア以外は別に何でもいいかといったら、それはそうではございませんで、当然、独禁法でもきちっと、独禁法の網も掛かってまいりますし、まずは、とにかく国民生活で一番浸透しているスマートフォンという世界でこういう競争促進法を制定しましたが、今後これが年内には全面施行していくと。 その施行の様子を見ながら、あるいはEUとかのそれぞれ状況を見ながら、それ以外の世界というのは独禁法でやっていくとして、本当、それだけでいいのかどうかという、この法体系の在り方というのは、これ一般論として常に考えていく必要があろうかと、こういうように考えております。
○岩渕友君 続けて伺うんですけれども、このスマホソフトウェア促進法では、指定事業者は毎年度、公正取引委員会に遵守報告書を提出するということになります。取引透明化法で既に報告書の提出が行われているので、その中身を見てみると、例えば苦情件数について、二〇二一年度の報告では、アップルは三件、グーグルは四千六百三十七件、二〇二二年度について見ると、アップルは四件、グーグルは六千二百六件というふうになっているんですね。何でこのカウント数にこれだけの違いが出てくるのかというと、事業者の自主性に任されているからなんですね。 公正取引委員会は、事業者と継続的なコミュニケーションを行っていくということで、事業者の自主的改善に期待する対応というふうになっています。ただ、これに対して、各国のデジタル分野の規制を研究しているアメリカのコロンビア大学のアニュ・ブラッドフォードさんという教授がいるんですけれども、昨年六月十四日付けの日経新聞のインタビューに対して、日本の規制は多くの場合、企業の自主性を重んじている、しかし、ビッグテックが日本政府のお願いにどこまで従うだろうか、ガイダンスを守らない企業にはより拘束力の強い規制を課すなど、実態に合わせた運用を探る必要があるというふうに答えているんですね。 これ、そのとおりだというふうに考えるんですけど、その事業者の自主性任せでいいのか、参考人の見解を伺います。
○参考人(茶谷栄治君) 先生おっしゃるとおり、例えばデジタルプラットフォーム取引透明化法では、これでは、企業の自主的な手続とか体制整備というのを求めた上で、企業がそれについてその取組状況を報告して、それを学識経験者や業界団体を交えたモニタリングを行うと、多分そういうような規制方式にプラットフォーム透明化法なっていると思いますが、スマホソフトウェア促進法の方は、これは、指定事業者にこれをやったら駄目だという禁止事項とか遵守事項ということをきちっと定めた上で、それに反する行為があるかどうかというのをそこは公正取引委員会として見張っていって、必要に応じて命令等も出せるような方向、立て付けになっているものですから、そこは単に自主的なあれから一歩進んだ形にはなっているかと思います。
○岩渕友君 次に、電力カルテルや相場操縦などをめぐって伺いたいと思うんですけど、二〇一七年の秋頃以降、関西電力が、中部電力、中国電力、九州電力管内でカルテルを持ちかけたという問題について国会で質問をしてきました。公正取引委員会は、二〇二三年の三月に、課徴金としては過去最高額となる一千十億円の納付を命じましたけれども、関西電力はリニエンシー制度を使って公正取引委員会に最初にカルテルを申告したということによって、残る三社が課徴金を納付するということになりました。首謀をした関西電力は、顧客情報の不正閲覧も行っていたんですけれども、何の処分も受けていないわけですよね。 また、国内最大の発電会社であるJERAが、卸電力市場の相場操縦によって意図的に電力価格をつり上げて、最大で一日一億円を超す不当な利益を得ていたということもありました。けれども、現状では業務改善勧告が出ているだけという状況になっているんですね。 欧米では、電力市場を監視する機関は刑事罰や罰金を科す強い権限を持っていて、EUでは、相場操縦をした違反者に数十億円の罰金を科した例もあるんです。 欧米に比べて日本の対応甘過ぎるというふうに思うんですけれども、参考人の認識をお聞かせください。
○参考人(茶谷栄治君) 公正取引委員会、今先生がおっしゃったとおり、国民生活に影響の大きい分野、社会的に大きい分野に特にこの限られたリソースを使っていくということで電力会社のカルテル問題に対応しましたし、それ以外に、例えば損害保険大手の問題とかというのをそれぞれ対応して、一応社会的なインパクトのあることというのはやってきていると思いますが、今、この電力に関しましては、今申し上げたとおり、カルテル事件というのはきちっと対応しましたが、他方、JERAの相場操縦になりますと、これは電気事業法の世界になるものですから、それ自体が独禁法に違法になるかどうかというのはこれはちょっとお答えなかなかできないところでございますが、ただ、先生おっしゃるとおり、そもそも電力というのは一応企業活動とか国民生活の一番基礎でございまして、特に新電力等の小売事業者にとっては、卸売、卸電力市場というのが電力のまさに調達手段の一定の役割を果たしているわけですから、そこで相場操縦のような行為というのが行われるというのは、それ自体が、今度は低廉な電力を受けるというそれ自体を妨げることになりますので、これはきちっと対応していく必要があろうかと思いますが、これは、政府の中の部局としたら、ちょっと公正取引委員会のことかというと、そこはちょっとなかなか私も今答えられない状況ではございます。ただ、先生のおっしゃること、問題意識というのはよく理解しているところでございます。
○岩渕友君 以上で質問を終わります。
○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。よろしくお願いします。 茶谷参考人が五つの方針を挙げられて、そのうちの二番目ですけれども、中小企業をしっかり守っていくんだという決意を述べられました。私も地方出身でございますので、大変頼りになるなと心強く思ったところでございます。その点について一言御質問させていただきます。 地方におきますと、特に少子高齢化が進みまして、特に地方では産業の担い手が減少しつつある現状がございます。この人口減が前提とされる社会におきましては、市場や競争に関する考え方もまた違ってきてしかるべきと考えるところがございます。また、地方の産業、中小企業もあります、農業もあります、また交通の足というものもございますけれども、茶谷参考人は、この少子高齢化がもたらす市場環境の変化を踏まえてどのように競争政策の運営を行っていくべきと考えるか、お伺いいたします。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、地方ってなかなか大変な状況で、私自身も地方出身なので、地元に帰ると、やっぱりシャッター通りが増えてきたりすると、そこの現実はよく認識しておるところでございます。 今日、そういうこの社会経済を取り巻く状況変化というのに当然競争政策もしっかりと対応していく必要があろうと思いますし、その一例として、令和二年十一月に施行されました乗り合いバス・地銀特例法と、これでは、その人口減少等の厳しい経営環境の下でも地域における乗り合いバス事業者や地域銀行によるサービスが維持されるよう、一定の要件を満たす場合には、これらの事業者による合併等について独占禁止法の適用を除外するとされております。 ただ、公正取引委員会がきちっと協議するという姿勢になっておりますので、そこは、地域における基盤的サービスの維持とともに、必要だったら競争環境もそこは確保していくと、一応両立を図っている形になっているかと思いますし、今後、地方経済がどんどん厳しい中でその競争政策どうしていくかというのは、今挙げたのは一例ですが、そこは競争政策としても状況の変化に合わせて柔軟によく考えていく必要があろうかと考えております。(発言する者あり)
○藤井一博君 済みません。 これからも丁寧な目を向けていただければと思います。 続きまして、医療に関してお伺いをいたします。 医薬品の安定的な供給は、高い質の医療を実現するために重要な要素であります。関連して、公正取引委員会は、厚生労働省と共同して、後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造改革のための独占禁止法関連事例集の策定、公表を行っておりますけれども、こうした取組を茶谷参考人はどのように評価されているのか、お伺いいたします。
○参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。 公正取引委員会の重要な役割というのは、競争制限なり阻害行為があったときに厳正に対処をするというのがございますが、こういう事後的なやつに加えて、そもそもそういうことが起こらないように未然に防いでいくというのは、これは更に重要な課題かと思いますが、そのときには、そもそも、そのよく実態を調査した上で、ここまでだったらいいとか、ここから超えるとこの独禁法上疑義があるとか、そういうガイドラインというのを多分きちっと作っていくということは、これは事業者の予見可能性を与えるという意味でも非常に重要な試みかと思います。 その中で、いわゆる後発医薬品の問題というのは、これはまさに医療行政全体でも後発医薬品の利用促進等をやってきたものですから、極めて医療行政における重要な課題ですし、これの安定供給というのは医療のかなり根幹を成すような話かと思いますが、これにつきましても、先ほど、今先生おっしゃったように、関係事例集というのを設けて、これによって、多分、後発医薬品のメーカー、これ、数が非常にたくさんあると承知しておりますが、これの業界の方々に一定の指針を与えるということで、これによって、結果として、事業にも投資にも踏み出せるし、あるいは違反行為の未然防止にもなるということで効果が大きいと思いますので、この後発医薬品の分野に限らず、似たようなことがあったら、そこはきちっと対応していく必要があろうかと思っております。
○藤井一博君 国民の健康を守るという点で非常に重要なポイントであると思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。 また、三点目ですけれども、これから公正取引委員会の役割というものは非常に重要になってくると思います。その上で大切なのが広報だと思っておりますけれども、国民の皆様に向けてどういった広報、SNSも含めてだと思いますけれども、その点についてどのようなお考えをお持ちか、お伺いをいたします。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、広報というのは、日本政府って、私、前いた財務省もそうですけど、基本的に広報がなかなか苦手だという部分がありますが、これは思い切り力を入れてやっていく分野だと思います。 特に公正取引委員会というのは、例えば今こういう違反事例がありましたといって新聞発表とかよくすると、最近よく新聞ではかなり取り上げられていただくようになりましたが、もうそういうことによって一つの多分いわゆる抑制効果というのは多々あるでしょうし、あるいは、今SNSなんかも非常に、これは年齢層によって違いますけど、若い人は見ているんで、そういうSNSの媒体もやるとか、あるいは、例えば労務費の転嫁指針なんかというの、これなんかというのは、どれだけ周知するかと。 これ、周知して、知っている業者ほどこの転嫁の率が高いという実態もありますので、この周知というのは非常に大きな課題かと思いますが、これ電車、山手線なんか乗っていると、一回、その下請法の転嫁指針のマル・バツクイズとか出たりとかしていましたが、ああいうような分かりやすい広報というのをどうやってやっていくかと。これは様々なアイデアを募集して広報というのは力を入れていく必要があろうかと考えております。
○藤井一博君 ありがとうございます。 国民の皆様の理解、非常に大事だと思いますので、よろしくお願いをいたします。 最後の質問になります。 茶谷参考人は、一九九三年から九六年まで、ベルリンの総領事館領事として赴任をされておられました。また、「ドイツの企業」という書籍の中では、「ドイツにおける日本企業」という文章を執筆されておりまして、大変詳細な分析をされていること、拝読させていただきました。また、その時期というのは、ソ連が崩壊をしてロシアになり、そして国営企業の民営化など、大変動乱期にまさに欧州に身を置かれたということで、その経験を基に、今回五つの方針の中で述べられた国際的な連携を進めるという上で、茶谷参考人の御経験を通しての課題であったり、どのような所見というか、思いがあるのかをお聞かせいただければと思います。
○参考人(茶谷栄治君) まさに国際的な連携と、私、ドイツにおったのは三十年前で、あのときはまだ、ベルリンにおりましたが、その四年前にベルリンの壁が壊れて、その一年後に東西ドイツがくっついたばかりの、冷戦が終わったばかりの頃でしたが、それからもう三十年たって、今はもうその更に次の時代にちょっと今移りつつあろうかと思いますが、この間にグローバル化だけは少なくとももう物すごい勢いで進んできたことは間違いございませんので、先ほどもちょっと申し述べましたが、二国間の連携なり、あるいは多国間の枠組みというのは、これは特にデジタル市場とかそういうのには特に重要かと思いますので、そういう国際的な取組というのは更に力を入れて対応していく必要があろうかと考えております。
○藤井一博君 ありがとうございました。終わります。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。茶谷参考人、どうかよろしくお願いいたします。 まず、公正取引委員会の取組のうち、適正な価格転嫁の実現という点で、特に建設業界に関するものについて御所見等お伺いしたいと思います。 昨年三月、岸田総理が、建設業界との意見交換会で、五%上回る賃上げの協力を求めました。これに併せて、総理は、賃上げの実効性を確保するための施策として、昨年、多重下請構造になっている建設業界の各段階において適切に支払うべき労務費が確保されるように、標準労務費という新たな概念を盛り込んだ建設業法等の改正を行っております。ただ、この改正法は来年一月からの施行のため、今年一年間は標準労務費が適用されず、従来の相場観で労務費が据え置かれ、賃金の引上げにつながらない可能性があります。 また、来年から施行されても、建設業における専門職が多岐にわたり、一度に全職種に標準労務費を設定できないため、当分の間、多くの職種で標準労務費が示されない状態が続くことで、賃上げが進まないということも予想がされます。ただ、これでは岸田総理が協力を要請した五%の賃上げというのがおぼつかないという状況です。 公正取引委員会ホームページの独禁法QアンドAには、労務費等のコスト上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく取引価格を据え置くこと、また、価格転嫁をしない理由を書面、電子メール等で取引の相手方に回答することなく取引価格を据え置くことは、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあるとの説明がなされております。 これは非常に重要な指摘だと思いますけれども、実際の建設業の現場で協議することなく取引価格を据え置かれることもこれまでは当たり前という状況でもあったでしょうし、また、取引価格の引上げをできない理由を書面やメールで回答するということもまずないというのが現実かと思います。これでは、建設業では優越的地位の濫用とみなされるような行為が日常的に行われているのではないかとも考えられます。 そこで、まず一点目、参考人にお伺いをいたします。 参考人におかれては、まず、このような建設業界の実態を強く認識をしていただきたいと思いますけれども、そもそも優越的地位の濫用という点で、独禁法の目指す理想と現実との乖離について、参考人御自身の御認識はいかがでしょうか。
○参考人(茶谷栄治君) 骨太二〇二四年でも賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指すと書かれておりますが、この賃上げということに関しますと、中小企業の賃上げというのは極めて日本経済で多分最重要の課題の一つかと思いますし、その原資を確保するという意味で、労務費の価格転嫁というのはこれは本当に大事なことだと思います。 それで、先ほどからもお話しした、一昨年十一月に労務費の適切な転嫁のための交渉指針というのを定めましたが、これがまだ、ある程度周知はされましたが、周知して、その発注者も、受注者両方がそれに沿った行動をするということがこれは極めて重要かと思いますが、他方で、もう残念ながら、中小企業庁が昨年十一月二十九日に公表した価格交渉促進月間フォローアップ調査の結果というのによりますと、建設業界における価格転嫁率というのは五〇・三%という数字がございまして、具体的にその他書かれている声というのが、労務費が高騰していることを物価指数と照らし合わせて資料を持参して交渉したが、回答すらもらえなかったとか、あるいは、価格交渉を申し出たが、自助努力で解決してくださいとか、他の事業者に発注するぞとか、受注量が減るぞなどと言われて交渉を拒否されたと、こういう具体的な生の声というのもそこに書かれたりしてございます。 こういうことで、まだまだ価格転嫁の取組というのは道半ばだと思いますので、引き続き、そういう労務費転嫁指針の周知徹底を図るとともに、独禁法違反のおそれとか懸念等があれば、そこは公正取引委員会としてもきちっと厳正、的確に対処していく必要があろうかと強く思っているところでございます。
○伊藤孝江君 今御指摘をいただいたような現実というのが半ば商慣習としてこれまで行われてきたこと、これが独禁法上は認められないんだということをしっかりと国民に対しても周知をしていただきたいということを思います。 また同時に、公正取引委員会では、この労務費上昇分の価格交渉に不慣れな受注者に対しての相談窓口を設置しているということですけれども、なかなか私自身が聞く限りは知らないという方も多くて、この相談窓口があることを積極的に広報をし、受注者が相談しやすい窓口となることを期待したいと考えますが、参考人の御見解いかがでしょうか。
○参考人(茶谷栄治君) 先生おっしゃるとおり、それはもう大変重要でして、特に相談窓口設けている以上は知らされないと全く意味がないですし、あるいは、窓口設けても要はつっけんどんな対応だと意味ないので、もう相談しやすい窓口にしていくと、これは大変重要な取組だと思いますので、そこはよくまず広報に努めたいと思いますし、あるいはインターネットなんかでもいろいろ情報提供できるような環境というのも、そこはよく整えていきたいと思っておるところでございます。
○伊藤孝江君 この建設業界の所管は国交省になりますけれども、今、建設Gメンを配置して頑張っているというところではあるんですが、直ちに三百万人の建設労働者をカバーするというのが事実上困難という中で、優越的地位の濫用が疑われる事案に対しては公取が積極的に対処をしていくということが何よりもこの五%の賃上げ達成にとって大事だと考えますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、非常に裾野が広いものですので、全部を多分もう調査するというのは、やや物理的にも限られたリソースの中で難しいとしても、そこは重点的に、特に、多分こういうものというのは、一個インパクトのある事案というのをきちっと対応するとそれに対しての一種の広報効果みたいなというのもあるものですから、社会的な影響のある事案とかというのもよく何がそれかというのを見定めながら、この世界というのは独禁法違反があるかどうかというのはよく情報を集めた上で、そういう端緒がありましたら積極果敢に対応していく必要があろうかと考えております。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。 では次に、電力システム改革によって小売の全面自由化などが行われた電力市場と競争政策の在り方に関する公正取引委員会の役割についてお伺いをいたします。 資源エネルギー庁において二〇一三年に閣議決定をされました電力システム改革に関する検証が進められていますけれども、その中で、今後の方向性に関する報告書案が公表をされております。この中では、安定的な量、価格で電気を供給するため、短期の環境変化に振り回されないような中長期的な視野を持った事業者が必要との記載がありますけれども、まさにそのとおりだと考えます。電力システム改革はこれまで電力市場に市場原理を導入しましたが、これまでは競争環境の整備が先行しており、ウクライナ危機時の燃料価格高騰の影響から電気料金が跳ね上がり、小売電気事業者の突然の撤退など、国民生活や企業活動に大きな影響を与えました。 公正取引委員会では、電力システム改革を受けて資源エネルギー庁と共同で適正な電力取引についての指針を公表されておりますけれども、この電力システム改革の検証に伴ってこの指針などの検証も必要になるのではないでしょうか。 今後の電力市場における競争政策については、電気は国民生活や企業活動に欠かせないものであるということをまず踏まえなければならないと考えます。その上で、検証からも明らかになった安定供給という視点、中長期的な視野を持った電気事業者の保護、育成という視点をこれまで以上に重視していただきたいと考えます。これも公正取引委員会の役割と考えますけれども、参考人の御所見をお伺いをいたします。
○参考人(茶谷栄治君) お答えを申し上げます。 先生おっしゃったとおり、低廉で安定的な電力供給というのは、これは国民生活、企業活動の一番基盤になるものかと思っております。 平成十一年の十二月、もう二十数年前になりますが、公正取引委員会と経済産業省とが共同して、適正な電力取引についての指針というのを作成して、それ以降、これにつきましては制度改正等に応じて同指針の改定を行ってきているというように聞いております。 直近では、昨年の十一月に、旧一般電気事業者が他の小売電気事業者との相対契約の中で取引制限条項を設定することに関する独占禁止法上の考え方を反映させるために同指針の改定を行ったものと聞いておりますが、今後とも電力の安定供給というのは大変重要な課題だと思いますので、今後の様々な制度改正等に合わせて、経済産業省ときちっと連携しながら同指針の見直しというのをこれを適時適切に行っていきたいと考えておるところでございます。
○伊藤孝江君 以上で終わります。
○森本真治君 立憲民主党の森本真治でございます。最後の質疑者でございますので、よろしくお願いいたします。 最初にお伺いしたいんですが、実は私、二年前、古谷現委員長さんのときにも同じ質問を最初にさせていただいたのを茶谷候補者さんにも伺いたいと思うんですが、所信で、公正取引委員会の役割、公正かつ自由な競争の促進ということをお述べになられました。一方で、この三十年を振り返ってというお話も前のやり取りでもありましたけれども、自由な競争が行き過ぎると、特にこの三十年間を振り返って、やはり新自由主義的なというか、そういうことがどんどん進んでいった結果がどうなったのかということですね。例えば、過当競争、サービス合戦、より良い商品をより安くということを追い求めて、続けた結果がこの三十年ということにもなったんだというふうに思いますね。 古谷参考人は二年前に、古谷委員長さん、現委員長さんは、今後、市場の効率性の尊重よりも、それも大事なんだけど、やはりより公平性に重きを置きたいということですね、重きを置いた競争政策を考えていかなければならないということをお述べになられて、私、この二年間の公正取引委員会の姿勢ということは比較的評価は私はさせていただいておると思うんですが、やはりこの考え方はしっかりと踏襲をしていただきながら、更により前に進んでいただきたいと思っておりますが、参考人のお考えをまずお聞かせください。
○参考人(茶谷栄治君) 先生おっしゃるとおり、その効率性を追求する世界と公正というのがあったら、日本経済、今、先ほどもお話ございましたように、ずっと正直、低迷していると。 これは、一つには、新しいイノベーションもなかなか生まれてこない、新しい付加価値が、高い付加価値を生み出す産業がないと。これは、やっぱり一種きちっとした競争が行われなかったからイノベーションが生まれなかったという側面もございますので、そういう効率性の追求というのは一つは非常に重要ですが、さりとて、この分配というもの、今この世界中でも例えば分断ということが言われたりしますが、そういう経済の中で分断が生まれないように、公正な競争、公正にこの付加価値が分配されると、そういう社会をつくっていくこと、これはまた非常に重要な課題ですし、公正取引委員会、特に今問題になっている下請法の世界とか、優越的地位の濫用、これというのは、競争というよりも、まさに公正をどう確保するかと。公正な競争によって担保された市場が適切に分配を行えるんで、そこの、最初の公正でない、公正な競争というのが行われなかったら、市場のこの分配も多分不公正になってくると思いますので。 他方、ただ、効率性の追求というのを、これはやっぱり世界に伍して戦っていく企業というのも当然あるわけですから、そこは追求した上で、他方、分配においては、そういう、一将功成りて万骨枯るような、ほかの人に全部しわ寄せというのでは社会は成り立っていかないわけですから、効率性を追求するとともに、公正もきちっと、そこは社会の一番基礎の力をつくるという意味では公正というのは恐らく物すごい大事なことだと思いますので、そこは力を入れてやっていく必要があろうかと思っております。
○森本真治君 なかなかバランスというか、難しい、まあ両輪をどうやっていくかという課題になってくるかと思うんですが。 この間もいろいろあったんですけど、現体制の中で、存在感、結構公取さん高まっているんだというふうに思います。ただ一方で、やっぱりマンパワーですね、いろんな、さっきもあった優越Gメンとか、中企庁さんも下請Gメンさんとかやられて、勧告をしたり公表したりということになっていますが、先ほどのお話では、やっぱりインパクトのある事案を公表することによる抑止力というか、ということがあったかもしれませんが、一方で、価格転嫁道半ばだというお話もありました。 やっぱり今後、体制、更に強化をするということと、やっぱりより強制力というか、実効力のある制度も私考える必要も、更に踏み込んで、今後、茶谷参考人が委員長になられたら是非考えて検討もする必要があるんではないかというふうに思っておりますが、その辺りはいかがでしょうか。
○参考人(茶谷栄治君) おっしゃるとおり、今後、公正取引委員会の所掌事務というのはどんどん膨らんでいきますし、あるいはどんどん、しっかりとやっていく必要があるためには、まず体制整えるということで、今回も、令和七年度も、国際デジタル、国際総括審議官とか、あるいはデジタル担当の参事官とかというポストができたり、あるいは定員も確かにグロスベースですが五十四人増えたりして、相当どんどん人員もまず増強しています。 中身としても、さらに、当然デジタルの世界なんかがありますので、外部からどんどんと専門家登用するとかという取組もやっていって、まず、公正取引委員会の体制というのは、質、量であるとともに、今度は手段としての法体制を、法整備どうするかと。 これにつきましては、例えば、デジタルの分野でも、独禁法と一般法の、まあ一種の特別法的な位置付けでスマホソフトウェア競争促進法というのを作りましたが、今後、いろいろそれも踏まえて公正取引行政を進めていく中で、更に新たな法体系が必要なものというのがいろいろ実態調査を掛けて出てきたらそれはまたしっかり検討するとか、そういう体制の部分と手段としての法律の部分、この両方をきちっとよく社会経済情勢の変化に合わせて考えていく必要があろうかと思っております。
○森本真治君 もし委員長に就任されたら是非御検討いただきたい件があって、今本当に価格交渉のことがこれだけ社会的にも注目をされていく中で、一方で、今いろんなちょっと課題というのも見えてきているのが、例えば、集団でいろんな取引条件とか契約の交渉をする際の、カルテルとのその境目というか、非常にそこを悩まれている方が結構出てきております。 もちろん、協同組合などをつくって価格交渉をするということは認められているんだというふうに思いますが、よく、これ以上の話合いをするとこれカルテルになりませんかねみたいな話とかがあって、そこは気を付けてくださいねみたいなことはこの間も公取さんもいろいろ言っていると思うんですけど、やっぱり、集団交渉とカルテルの整理を、やっぱりこういう機運が高まっているときでちょっと考えてもいいんじゃないかなというふうに思っているんですが、その辺りはどうでしょうかね。
○参考人(茶谷栄治君) 先生おっしゃるとおり、中小企業者同士が連携して特定の一緒の取引先と価格交渉をすることも、それが、本来自主的に決定すべき価格自体を各事業者がそれで統一するとカルテルのおそれがあるというのは、そういうおそれがあるというのは事実でして、これについては、先生もちょっと触れられましたように、中小企業等協同組合法の第九条の二第一項六号というところで団体協約という仕組みがあって、この同法に基づく中小企業協同組合が組合員の取引先と団体交渉を行って団体協約を締結することが独占禁止法の適用除外とされますので、この交渉力が弱い中小企業というのは、この仕組みを活用すると独占禁止法に法律上も違反しないという形で対応できることにはなっております。 ただ、当然それ以外にも、元々、こうやったら独占禁止法の違反になるかどうかというのは、これ例えばグリーントランスフォーメーションですと、この設備の共同廃棄とか共同調達とかということについても、こうだったらいいとかこうだったらちょっと危ないとかいろいろ多分ガイドラインも出たりしていると思いますので、多分、独占禁止法が過度に萎縮させることのないように、必要があればそのガイドラインを作っていくとか、そういうことも多分踏まえて考えていく必要があろうかと思います。
○森本真治君 その企業の協同組合もですけど、労働組合も企業を超えていろんなみんなで話合いをして建設的に会社側とそういう価格転嫁の問題とかも議論がやろうとしているんだけど、なかなかその辺りもちょっとちゅうちょをされているという実態とかもありますので、是非、またその辺りも就任をされましたら一度把握をしていただいて、より良い環境をつくっていくために御努力もいただきたいというふうに思います。 終わります。
○委員長(牧野たかお君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。 茶谷参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十二分散会
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- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。