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国会会議録

環境委員会

第217回 · 参議院 · 第8号 · 2025-06-10

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-06-06 04:22 JST 記録 #356 ↗

発言 133

会議録情報

令和七年六月十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月三十日     辞任         補欠選任      小川 克巳君     石井 準一君  六月二日     辞任         補欠選任      三上 えり君     水岡 俊一君      伊藤 孝江君     河野 義博君      高橋 次郎君     塩田 博昭君  六月三日     辞任         補欠選任      水岡 俊一君     三上 えり君      河野 義博君     伊藤 孝江君      塩田 博昭君     高橋 次郎君  六月四日     辞任         補欠選任      三上 えり君     横沢 高徳君      伊藤 孝江君     河野 義博君  六月五日     辞任         補欠選任      横沢 高徳君     三上 えり君      河野 義博君     伊藤 孝江君      高橋 次郎君     里見 隆治君  六月六日     辞任         補欠選任      里見 隆治君     高橋 次郎君  六月九日     辞任         補欠選任      石井 準一君     永井  学君      加田 裕之君     堀井  巌君      武見 敬三君     猪口 邦子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         青山 繁晴君     理 事                 小野田紀美君                 梶原 大介君                 川田 龍平君                 串田 誠一君                 山下 芳生君     委 員                 猪口 邦子君                 尾辻 秀久君                 鶴保 庸介君                 中田  宏君                 永井  学君                 堀井  巌君                 青木  愛君                 三上 えり君                 伊藤 孝江君                 高橋 次郎君                 浜野 喜史君                 山本 太郎君                 ながえ孝子君    国務大臣        環境大臣     浅尾慶一郎君    副大臣        環境副大臣    小林 史明君    大臣政務官        環境大臣政務官  五十嵐 清君    事務局側        常任委員会専門        員        金子 和裕君    参考人        一般財団法人電        力中央研究所副        研究参事     阿部 聖哉君        東京科学大学名        誉教授        千葉商科大学前        学長       原科 幸彦君        全国再エネ問題        連絡会共同代表        弁護士      室谷 悠子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○環境影響評価法の一部を改正する法律案(閣法第五一号)(衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、小川克巳君、加田裕之君及び武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として永井学君、堀井巌君及び猪口邦子君が選任されました。     ─────────────

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 環境影響評価法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。浅尾環境大臣。

浅尾慶一郎 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 自由民主党

○国務大臣(浅尾慶一郎君) ただいま議題となりました環境影響評価法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  環境影響評価法については、施行から四半世紀以上が経過し、環境影響評価の適用実績が着実に積み重ねられてきているところでありますが、今般、前回の改正法の施行から十年が経過したことから、同法の附則に定める施行状況の検討を行ったところ、次のような二つの課題が明らかになったところであります。  一点目は、今後、既存の工作物の建て替えを行う環境影響評価の対象事業の割合が増加していくことが予想されているところ、現行法には、事業の位置や規模が大きく変わらない建て替えに対する規定がなく、新規事業と同様に、事業位置の検討や周辺環境の調査を事業者に課しているところであります。  二点目は、過去の環境影響評価により得られた情報は、後続事業者による効果的な環境影響評価の実施等に資するものであるところ、現行法では環境影響評価に係る書類の公表がおおむね一か月程度に限られており、これらの情報を十分に活用できていないことであります。  本法律案は、このような背景を踏まえ、工作物の建て替えに関する環境影響評価手続の見直しを図るとともに、環境影響評価手続において作成された書類に含まれる環境情報の活用を進めるものであります。  次に、本法律案の内容の概要について、主に二点御説明申し上げます。  第一に、工作物の建て替えに関する事業、具体的には、既存の工作物を除却又はその使用を廃止し、同種の工作物を同一又は近接した区域に新設する事業については、配慮書の記載事項のうち事業実施想定区域の選定に係る調査、予測及び評価に関するものに代えて、既存の工作物による環境影響に関する調査結果を踏まえ、環境の保全のための配慮の内容を明らかにするものとします。これにより、適正な環境配慮を維持しつつ、事業の特性を踏まえた効果的、効率的な環境影響評価手続を実施することが可能となります。  第二に、環境影響評価手続において作成される書類について、現行法の規定による公表の期間後においても、これらの書類を作成した事業者等の同意を得た上で、環境大臣が公開できるものとします。これにより、後続事業者による効果的な環境影響評価の実施や、事業の透明性の向上による地域の理解醸成に貢献します。  以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 速記を起こしてください。     ─────────────

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境影響評価法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に一般財団法人電力中央研究所副研究参事阿部聖哉君、東京科学大学名誉教授・千葉商科大学前学長原科幸彦君及び全国再エネ問題連絡会共同代表・弁護士室谷悠子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 環境影響評価法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、阿部参考人、原科参考人、室谷参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず阿部参考人からお願いいたします。阿部参考人。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 電力中央研究所の阿部と申します。本日はお招きいただきまして、誠にありがとうございます。  環境影響評価法の一部を改正する改正案について、私の方から意見陳述をさせていただきたいと思います。  お配りいたしました資料を見ていただいて、表紙を一枚めくっていただきたいと思います。二枚目に、先ほど大臣の方からも少し御説明あったかと思いますけれども、法律案について、こちら概要ということで、今回、法律案の概要を取りまとめた環境省の方、政府の方で出しているような概要のところからそのまま取ってきた文章となっております。  これ、一ポツ目見ていただきますと、まず建て替え事業に係る配慮書ということで、その改正ということになっておりますけれども、まず、この建て替え事業とは何か、あるいは配慮書について、少し運用状況も含めて説明させていただきたいと思います。それから、周囲の概況などの調査ということに書いてありまして、ここが今回不要とするということになっておりますので、この運用状況、それから、新しく建て替え事業に係る配慮書というのを作る際に環境配慮の内容を明らかにする、この意義について少し述べさせていただきたいと思います。  それから、二ポツ目は、環境大臣の意見、現行の配慮書でも同じように出ておりますので、ここは大きく変更がないということで少し省略させていただいて、最後に、少しアセス図書の公開について意見を述べさせていただければと思っております。  一枚めくっていただいて、まず少し配慮書について説明させていただきます。  配慮書、計画段階環境配慮書というのが正式な名称になりますけれども、こちらにつきましては、事業の早期段階における環境影響を図るため、第一種事業を実施しようとする者が事業の位置、規模等の計画の立案段階においてこういった検討を行うということで、重要なのは、まず計画段階の事業の位置とか規模を検討するというのが第一義的な意義。位置、規模が難しいという場合には構造とか配置というのもありますけれども、そもそもは位置、規模の計画段階で見ていくということがまず第一義的な意義となっております。  それから、配慮書自体は、最初の環境影響評価法には入っておりませんで、二〇一一年に環境影響評価法の改正があった際に導入されたと。これ、当時、十年ぐらいSEAの議論ずっと続けていたと思うんですけれども、その際に、政策段階及びより上位の計画段階の制度導入、こちらは導入には至らなかったんですけれども、まず、日本の環境影響評価は事業アセスということで、事業アセスの中でできる範囲でということで、個別事業の位置、規模又は施設の配置、構造の検討段階ということで、これまでのアセス手続に加えて計画段階での手続というのが導入されたという経緯になってございます。  この調査の内容なんですけれども、原則として、こちら基本的事項の方に記述がありますけれども、国、地方公共団体等が有する既存の資料により収集しということになっておりまして、必要に応じて専門家からの意見を聴取すると。それから、本当に細かいところまで見なければいけないときに、現地調査とかそういったことが行われるということになっておりまして、細かい環境影響というよりは、全体的な重大な環境影響を避けていただくという観点から設定されている制度となっております。  次のページめくっていただくと、環境影響評価法の一般的な流れになっております。  配慮書というのは一番最初の手続ですけれども、この手続の中で、概略的な位置、規模等、場合によっては配置とか構造ですけれども、こういったところを検討するということになっております。調査手法も非常に概略的なものということです。一方で、方法書から準備書、評価書に関しては、きちっと現地調査を行って、詳細な検討を行って環境保全措置を検討するという内容になっておりまして、位置、規模が確定している段階では、それほど配慮書の意義は大きくないのではないかということが考えられます。  では、この実際の配慮書ですね、次の五ページ目、見ていただきます。  こちらは、今ちょうど、アセス支援ネットワークという環境省が運営している、運用しているホームページがございまして、そちらの方にアセス図書が公開されております。その中の一番最近のものを取ってきた一例となっておりますけれども、配慮書における調査例。  騒音に関しましては、例えば、周囲で住宅とか学校とか病院とか社会福祉施設、こういった重要な施設、こういったものの分布状況と、あるいは類型指定などによる法令の指定状況、こういうものが調査されるということになります。風車の影、こちらも風力発電では非常に重要になっておりますけれども、こういったものが、同じようなものが調査されると。それから、動物、植物に関しましても、こちら現地調査伴っておりませんので、あくまでも文献で、周辺に重要な動物、植物がいるかどうか、あるいは生息地、植物群落があるかどうかというものを調べたり、あるいは景観であれば、周囲の景観資源とか主要な眺望点、こういったものを調べていくという、あくまでも既存資料、既存文献に基づいた方法ということになっておりまして、シミュレーションとか、あるいは現地調査、あるいはフォトモンタージュ、一般的な特に風力のアセスでは、この段階ではほとんど行われていないというのが実情でございます。  ただし、こういった概略的な調査ででも、十分その環境影響を早い段階で回避すると、回避、検討するということができるようになります。特に、環境大臣意見、最近出ている環境大臣意見、幾つかピックアップして挙げてきたんですけれども、一番目は特に自然環境に関することです。  昨今、風力発電、あるいは場合によっては太陽光発電とかもあるかもしれないですけれども、特に風力発電で、山の尾根の方で非常に自然度の高い自然林等に開発が進んで、そこの改変が問題になって、地元からも関係団体からも非常に反対意見が出るというような案件がございます。そういう場合は、事業者の配慮書の早い段階で大臣意見あるいは知事意見等で、自然度の高い植生のところを避けてくださいと、こういった意見がよく出されております。  それから、生活環境につきましては、二点目ですね、基本的には先ほどのような概略的な調査ではあるんですけれども、住居からの離隔を確保するということで、余り、一キロとか五百メートルとか、近接している場合にはできるだけ離してください、五百メートル以内にあるような場合は離すか、離せない場合は詳細な調査を行ってくださいというような意見が出ることがございます。  それから、余りにも巨大な風力発電、何基も建って発電出力も多いような場合には土地の改変を最小化してくださいと、こういう意見が出されて、実際、配慮書から方法書、準備書に至る運用の中でそういった影響を少しずつ低減していって、それで最終的にはできる限り環境の影響の少ないものにしていくという流れの中では、今少なくとも風力発電については、配慮書での検討というのが非常に意義を持っているということになっております。  七ページですね。  少し繰り返しになりますけれども、役割と意義ということで、特に騒音とか風車の影、これ風力発電に、特に風車の影、特有なものですけれども、騒音のレベルとかシャドーフリッカーとかでは具体的な予測値は出ていないんですけれども、重要な施設からまずは離隔を確保するということを配慮書段階でやっていただいていると。  それから、動物とか植物とか生態系については、既知の重要な生息地、例えばラムサール条約の登録湿地ですとか、あるいは自然林のような重要な植物群落、こういったところの改変を回避していただくということを念頭に、今、位置、規模を変更を検討すると。  それから、景観については、特に国立公園等で問題になりますけれども、主要な眺望点から景観資源を見るときにそれを阻害しないかどうかですね。そういったところを早い段階から検討できるということで、配慮書については、特に風力発電の新設事業については、地元とかステークホルダーとのコミュニケーション、こういったところでも重要な意義を持っておりますし、大臣意見、知事意見等でもそういった変更の意見が出されているという運用がなされているというのが現状でございます。  続いて、めくっていただきまして八ページ目。  こちら、実際の建て替え事業の例なんですけれども、火力発電については、実際にはこれは工業専用地域内で自社の発電所内に建てられるということで、埋立地等の工業専用地域ですので、実際にそこに工場立地法に基づいて植栽されている緑地がほとんどですので、そういったところは大きく変化していないということで、余り検討する内容がないということです。  どういう運用がなされているかというと、複数案が必要だということで、煙突の高さで見ているということが多いんですけれども、実際には方法書以降でも同じような検討ができますので、どちらかというと同じことを二度繰り返している、同じ敷地ですので、そういった運用がなされているというのが実情でございます。  一方、風力発電につきましては、数件の建て替え事業、今もう既に起こっておりますけれども、やはり新設と比べれば土地改変面積が縮小できる、特に草原、牧場とか海岸部では土地改変がほとんどないという状況になっております。  例えば、別の事業者が周辺の尾根に範囲を拡張して計画する、こういうものは建て替えには位置付けられておりません。ですので、こういった導入拡大のため、こういった既設のような、できるだけ既開発の土地を使用することによって、新しく風車を建てるような山林の開発をできるだけ全体的には少なくすることができるんではないかというところと、四点目が非常に重要です。建て替えの際にバードストライクのモニタリング結果を活用すると書いてありますけれども、実際、特にバードストライク、鳥の衝突については、風車を建ててみないと分からない、不確実性が非常に高いということで、実際にモニタリングでかなり当たっていましたという風車が出てきた場合には、そこは建て替えていただいて別の場所に移していただくということが重要になってきます。  ということで、次めくっていただきますと、建て替え事業では、位置、規模の変更が最小限であるということで、そういったものを検討する意義は余りないというところと、それから概略的な把握で簡易なプロセスですので、詳細なプロセスは方法書以降にやりますので、そういった段階では余り検討の意義は少ないかなというところです。  それから、もう一つ重要なのは、二種事業では今、配慮書というのが課せられておりません。場合によっては、二種事業、規模は小さいんですけれども、新たに全く何もなかったところに建てるということで建て替え事業よりもより大きいインパクトがあるケースもあるんですけれども配慮書がない、一方のほとんど影響のない建て替え事業で配慮書が課されていると、こういうアンバランスも生じております。  今回、建て替えの配慮書というのが提案されているわけですけれども、ここでは逆に、モニタリング結果を活用する、もうそこに建ててどういった影響があるかというのが分かっておりますので、そういうもし影響があった場合には、それをきちんと配慮していただいて、それを提言するようなことをやっていただく。それを方法書以降でまた詳細に検討するということができるということで、時機を得た改正ではないかということで考えております。  最後に少し、時間がなくなりましたけれども、アセス図書について少しだけ述べさせていただきたいと思います。  十一ページ、アセス図書についてですけれども、アセス図書については、過去に公開されていたりということもありましたけれども、これ、今でも一部公開されています。先ほどもちょっと述べさせていただいたように、こういうものがあると実態どうなのかとかいろんな解析にも使えますし、今後法改正とか行うときに、そういう資料をいろいろ検討することができるようになります。  例えば、規模要件の改正のときは政府がいろいろ資料作ったんですけれども、それも出典とかそういうのが明示されないのでなかなか科学論文等とは違って客観性が担保されないということで、アセス図書が公開されていろんな用途に使えるようになると、そういったメリットもあると。それから、当然、審査も、審査委員とか入れ替わりますので、そういったところで新しい人にアセス図書とはこういうものだよということを知っていただくということでも非常に重要な役割かなと思っております。  ただ、最後に、少しアセス図書の公開について配慮すべき事項があります。  希少種について、特に動植物についていろいろ期待されるわけですけれども、希少種については原則として公告縦覧の際も現状公開されておりませんで、モニタリング結果を後続事業に生かすためには、単にアセス図書自体が公開されるということだけではなくて、こういう公開されないようなものについても国によってまとめて結果の提示を行うことが有効ではないかということで、現在、洋上風力のモニタリングの検討会等ではこういった議論がなされております。  それから、配慮すべき事項ということでは、インターネットで配信して簡単にアクセスできるということは非常に利便性高いんですけれども、どこの国からでもアクセスできますので、安全保障とかセキュリティーの面での懸念点、こちらに十分配慮していただく必要があるかなと思っておりまして、今後十分な議論をしていただければと思っております。  私からの意見陳述は以上となります。ありがとうございます。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) ありがとうございました。  次に、原科参考人にお願いいたします。原科参考人。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 東京科学大学名誉教授の原科幸彦でございます。  この三月までは、千葉商科大学の学長を務めておりました。私、社会工学が専門でございまして、環境計画とか政策の分野の研究をしてまいりました。特に参加とか合意形成研究でございますが、環境アセスメントはその代表的な領域ですね、その中でございます。ということで、この分野の基幹学会であります国際影響評価学会という、IAIAと書いてありますけれども、この会長も務めました。  そんなことから、国際的な見地から意見を申したいと思います。こういった機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。  早速ですが、今、阿部参考人が御紹介になった二つの改正点、いずれも御説明のようなことで、大変いい方向だと思っておりますが、ただ問題点もありますので、それを少し申し上げたいと思います。  資料のこれは二ページですね、スライド番号が付いています。一の一です。配慮書手続の緩和ということがなされますね。  ただ、この検討の段階で、配慮書に関しては複数案の比較検討、これをきちっとできるような、そういったサポートをしなきゃいけないとか、あるいは報告書手続では、発電所アセスの報告書の扱いについて提案がありました。今、これは国が関与する格好が基本なんですが、発電所は電気事業法の特例によりまして関与をしない格好になっていますね。しかし、これは、同じ考えというか、なぜ関与するかという考えをもっと、例えば環境省が入手して環境大臣が意見を述べると、そういう形にするのが望ましいと思います。そういう提案もありました。しかし、こういったことは今回は法案には反映されておりませんので、この件は更に改善の方向をお考えいただきたいと思います。  陸上風力発電の導入促進、この検討もされました。これは、脱炭素に向けてという政府の基本的な方向に向かったことで、大変いい方向だと思いますね。そういうことでございますが、そのために、ここに書きましたように、立地誘導による導入促進とか対象事業、規模が小さくてもアセスをやるとか、あるいは建て替え事業、今御説明あったとおりでございますが、そういったことで検討してきましたけれども。  建て替え事業の緩和だけは決まりましたけど、この議論の中では、風力発電、まさにモニタリングの結果というのは、事後調査報告書の手続ができたおかげで報告書が手に入りますので、それで情報があるということなんですね。ですから、こういった情報がない場合には、同じように提供するわけにいかないですね。ただ、今回の法案では、風力発電にかかわらず、いろいろな事業に対して対応できる格好になっておりますので、ここはこの法改正案の趣旨に沿って、きちんと情報が使える場合に制約しないとおかしなこと起こりますね。特に、報告書手続のない二〇一一年以前の火力発電所とか原子力発電所、これは情報がないわけですよ。だから、周辺環境はこの間、十年、二十年たってどう変わったか分からないですね。だから、その場合も同じように提供してしまうと、後で大きな問題を起こすと思います。これは次のページ見ていただくと、そこに書いてありますが。  さて、改正点の二番です。アセス図書の継続的公開でございます。  これも、まあいい方向になったと思います。私たち環境アセスメント学会からも要請を出しまして、いろんな形で専門家が声を出しておりましたが、これが実現する、大変うれしく思います。ただ、事業者の同意が必要という条件が付いていますね。これは必要ないと思います。と申しますのは、縦覧期間に既に公開しているわけですね。ですから、それをただ期間を延ばすだけでございますから、本質的にそんな大きな問題はないわけでございますから、これは、こういった事業者の同意が必要という条件は外していただきたいと思いますね。  そして、このことは環境アセスメントという制度の根幹に関わるといいますか、この仕組みの根幹なんですね。つまり、環境アセスメントは規制ではないんですね。枠組み規制的手法といいまして、要するに、手続を守ってくれれば、あとは事業者が自主的に環境配慮をする、それを促進するための仕組みなんですよ。  それはどうやってやるかというと、アカウンタビリティーなんです。アカウンタビリティーというのは、単なる説明責任ではなくて、証拠に基づく説明責任です。この場合の証拠は何かというと、評価書なんです。評価書で予測評価しまして、影響を、そして、それに対する環境保全対策を講じますと約束するわけですよ。その約束するための評価書なんでございますから、これ、その後、一回出して一月ほどたって後は出さないというのでは、どんな約束したか分からないですよね。だから、これは大変具合が悪いです。しかも、その縦覧期間に見た人はこの情報分かりますけれども、後で気が付いた人は情報分かりませんよね。これ不公平でしょう。行政の不公平生じますから、これどう考えても継続して公開しなきゃおかしいと思います。実際にアメリカ等各国では、もう最初からしっかり公開しております。例外なく継続的公開をお願いしたいと思います。  では、次のページです。  今、そういうことで、さっと改正法に関して申し上げましたけれども、あとは、実は中央環境審議会ではたくさんの検討がされまして、答申にもたくさんの項目が出ていますよね。だから、二項目しか今回反映していませんから、残された宿題いっぱいあるわけですよ。これはもう長年の懸案でございましたので、そのうち、私、三つだけ申し上げます。  一つ目は、戦略的環境アセスメントです。ストラテジック・エンバイロメント・アセスメント、SEAと略しております。これは、事業より上位の計画段階です。配慮書段階つくる前に、実は私たち、我が国では、SEAの共通ガイドラインを持っていたんです。  この議論は、実は一九七二年、このアセスの仕組みを導入するという閣議了解ができた頃からありまして、当時は計画アセスメントという言葉を使っておりました。その後、九七年の法制定のときも議論がありました。しかし、そのときは情報公開制度がまだできていなかったんですね。ですから、時期尚早ということで先延ばしになりました。そして、二〇〇六年から七年にかけて環境省がSEA検討会をつくりまして、各省庁共通のガイドラインを作ったんですよ。二〇一一年、今、阿部参考人がお話しになったように、ここに反映されるような議論があったんですが、実際には反映できなかったんですね。ところが、反映されるという議論があったので、そのガイドラインを廃止してしまったんです。したがって、日本は今、SEAについては国のレビューや仕組みがないんです。ところが、この下の図を見てください。世界はもうみんな持っています、これ。隣の韓国、中国、みんな持っているんですよ。だから、日本もそろそろというか、もうとてもこの点では遅れていると思いますね。この点をよく認識していただきたいと思います。  じゃ、SEAをやったらどんな効果があるか。次のページ、愛知万博のアセスメントの例を付けておきました。  こんな具合に、これは計画案が変わったんですね、変化しました。計画案を変更することができたのはSEAのおかげなんですが、結果どうなったか。この万博、始まる前は赤字間違いないと、ところが、計画が変わったものですから、すばらしい魅力的計画になって、何と想定の入場者数の一・五倍ぐらい来てくれたんですよ。だから、百億円の黒字でございました。つまり、環境配慮が大きな経済的利益を生んだんですね。こういう経験を我々はしているわけですよ。だから、これを生かさない手はないというのが私の意見でございます。  では、追加の二つ目ですね。次のページです。異議申立て制度の導入でございます。  これも先ほど申し上げたように、アセスメントの本質に関わります。つまり、評価書がきちっとしたものでないと、これは約束にならないですよね。そうすると、評価書を検討していく、準備書から評価書に直していくわけですが、いろいろな点で問題が起こる。データの間違いとか分析の瑕疵とか、あるいは意見が十分反映されていない。そういう場合に、審査会で数字はチェックするんですが、十分なチェックし切れません。そうすると、いろんな意見があってもそのまま先へ行ってしまうんですね。そこで普通は、ちょっと待ったんですよ。異議申立てができるはずなんですが、日本国内の制度ではそれがないんです。じゃ、裁判に。裁判も時間が掛かりますから、もう手遅れですよ。だから、異議申立て制度を盛り込むことは大変大事なことなんです。  私は世界を見ていますから、国際協力の分野では、実は日本の政府機関はみんな持っているんです。書きましたけれども、国際協力機構、それから国際協力銀行、それから日本貿易保険、みんな持っていますし、しかも、すばらしい運用をしています。  どういうことかといいますと、この下に書きましたけど、世界銀行よりもパフォーマンスが良くて、二〇一九年にはIAIAから表彰されました。インスティテューショナルアワードをもらったぐらいですから、すばらしい成果がありますから、これを基に、これを参考に是非日本でも、国内でも異議申立て制度を導入していただきたいと思います。  最後、三つ目ですが、じゃ、更に良くするにはどうしたらいいか。事業者の負担を減らす、こういう手続の修正があります。  配慮書の件に関しましては、実はこれは、事業の計画段階ですから事業アセスメントですね。本来のスコーピングというのは、複数案、どんな複数案を検討するか、評価項目をどうするか、そして調査や評価の方法をどうするか、三つのことを決めるんです。  ところが、そのことを私、昔、法制化のときに申しました、公聴会で申しましたけど、ところが複数案は外れちゃったんですよ。ようやく配慮書によって複数案の検討が前倒しでやるようになったので、これは本来スコーピングでやるべきことなのでワンセットにしちゃったんです。そうすると段階が一つ減りますよね。事業者の負担減りますよ、これ。ですから、こういったことをやらなきゃいけないんですね。是非これをお願いしたいと思います。  この下の図を見ていただくと、日本の環境影響評価法は配慮書手続がありますね。アメリカの、世界のモデルになったNEPAのシステムはないんです。その代わり簡易アセスなんですよ。  この簡易アセスというのは、非常に具合がいいんです。つまり、とても簡単なチェック、集団検診的なアセスメントです。日本はフルアセスですから精密検査です。だから、対象事業によっては、精密検査、三年、四年掛けてやるんですけれども、集団検診は数か月でいいんですね。費用も少ない。そこでオーケーになればフルアセスしなくていいんです。アメリカのパーセントはどうか書きました。九九・五%は簡易アセスで終わっちゃうんです。  だから、たとえ規模が大きくても、事業者が環境配慮をしっかりやっている、これを皆さんが認めれば、それでオーケーなんですよ。だから、事業者の努力がこれ評価されますね。こういう仕組みにしなきゃいけないんです。これはもう、私たち十分、四半世紀以上の経験がありますから、アセスメントの経験がありますからいけると思いますね。  次のページ見ていただくと、アセスメントの導入件数。アメリカは、この図を見てください、上の図ですね、一千倍。中国はもっとやっています。つまり、仕組み次第なんですね。たくさんのアセスやるけれども、簡単なアセスなので負担感はとても少ないんですよ。ところが、それによって、みんながアセスのことを知る機会が増えますね。公衆協議の場が増えるんですよ。これは民主主義社会の根本なんですね。  昨年、国連総会の人権理事会で、日本の明治神宮外苑、あの再開発の問題が挙げられました。つまり、公衆協議が余りにもプアというか不適正だということで。これは、公衆協議をしっかりやることは民主主義社会においても人権なんですね。そういう概念が国際的な感覚であります。  最後にもう一つ申しましょう。  ということで、そのことに関して、私、詳しいことはいろいろお話しする時間がないので、日経の「経済教室」に、もう十年前ですけど、改正後に書いたものありますから、これ是非読んでください。  簡易アセスやると本当に良くなる。しかも、産業振興上もいいんですよ。日本の情報化が進展とかいろんな点でいい例がありますから、こういう形でアセスの負担感をなくすことによってしっかり社会を良くしていく、こういうことが大事だと思います。  今すぐにはできないですから、でも、十年後と言わないで、こういった改革は五年後にお願いしたいと思います。何しろ過去五十年近くから経験あるわけですから、いろいろ議論してきたんですよ。十分もう中身あります。だから、その次をどうするか。五年後ですね、あるいはもっと早くてもいいかもしれないです。  そして、一つ、今回できたら参議院で変えていただきたいのがあるんですが、人々の懸念するのは、規模が大きいからじゃないんですよ、環境影響が著しいことなんですよ。だから、これだけでいいんですね。今、冒頭にこう書いています。真ん中辺ですけど、第一条、目的です。規模が大きく環境影響の程度が著しくなるおそれのある事業。この六文字に減らせますね。環境影響の程度が著しくなるおそれのある事業、これでいいでしょう。そうすると、さっき風力発電なんかでも、規模が小さくてもチェックしなきゃいけない話とか、あるいは逆に、規模が大きくても簡易アセスで終わることできるんですよ。そうすると、事業者にとっては大変大きな福音になりますので、そういった改善を是非ともお願いしたいと思う次第でございます。  ほぼ時間になったと思いますので。時間ありますか。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) あと一分です。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) ああ、済みません。  それでは、最後にもう一度申しますね。  とにかく、環境アセスメントの仕組みは、これは本当に大事な民主主義社会のこれ基本だと思います。公衆、パブリックが声を出す、いい場なんですね。ですから、是非、公衆協議の質を高めていただきたいと思います。  これは、参加の四段階、五段階モデルがありまして、一番低い段階というのが情報提供だと思います。昔の日本はそうでした、一九六〇年代。二番目は意見聴取です、七〇年代ぐらいですね。それで、三番目が形だけの応答なんですよ。大事なのは意味ある応答です。ミーニングレスポンス、ミーニングリプライですね。意味ある応答をしなきゃです。英語ではミーニングフルパーティシペーションという言葉ありますけれども、意味ある参加というのは、意味ある応答をする参加なんです。つまり、しっかり議論する。最近、熟議と言うでしょう。つまり、議論をしっかりすることなんですよね。アセスメントのプロセス自体が文書を通じた議論なんですが、文書だけではちょっとまどろっこしいですから、やはり対面での議論の場を設けてもらいたいと思います。  そして、愛知万博がうまくいったのは、その当時の万博協会、これは、当時の通産省、経産省が関係のそういう機関ですが、そこが大変熱心な参加をやりました。単なる説明会、公聴会だけじゃない、意見交換会をやったんですよ。そういうことをやったおかげで計画案いい方向に変わったんですね。これは大変大事なことです。そして、あのジブリの施設が残っているでしょう、あの会場。そういうレガシーができたんですよ。  だから、環境配慮を進めれば、本当にすばらしい事業になって大きな利益を得ると、しかも経済的利益も大きいということを申し上げたいと思います。  じゃ、私の意見陳述、以上にいたします。どうもありがとうございました。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) ありがとうございました。  次に、室谷参考人にお願いいたします。室谷参考人。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 貴重な機会をいただいて、ありがとうございます。  全国再エネ問題連絡会は、自然破壊、生活環境破壊につながる再生可能エネルギー開発の問題に取り組む住民団体が連携し、規制を求める声を関係各所に届けることを目的に、二〇二一年七月に結成されました。北海道から九州まで七十を超える住民団体、個人が加盟し、専門家のアドバイスを受けながら活動をしています。  私は、熊をシンボルに水源の森を守る自然保護団体である一般財団法人日本熊森協会の代表をしており、熊など多様な生物が生息し、水源地でもある豊かな森を次々とメガソーラー、風力発電施設が計画されることからこの問題に取り組み、熊森協会は全国再エネ問題連絡会の事務局を務め、共同代表もさせていただいています。  また、私は、日弁連公害対策・環境保全委員会内に設置されたメガソーラー等問題プロジェクトチームの副座長をしており、日弁連のメガソーラー、再生可能エネルギー問題に関する意見をまとめる役割の一端を担っています。  日弁連では、令和四年十一月に、再生可能エネルギーの一層の推進を図るためにも、乱開発に対する法規制等を求める意見書を出し、今国会の環境影響評価法改正案に対しても、令和七年五月二十三日付けで会長声明を発出しています。  本日は、全国の住民に対し法的観点からアドバイスをしている全国再エネ問題連絡会の共同代表、また弁護士として、環境影響評価法の改正に意見を述べさせていただきます。適宜、資料も付けさせていただいたので、御参照をください。  まず、現在進行中の環境アセスのうちほとんどが再生可能エネルギー開発についてで、その多くが風力発電についてです。改正案に対する意見の前提として、再エネ開発が今どのように地域で問題になっているかを少し述べさせていただきます。  山間部の再生可能エネルギー開発は、地域住民にとって貴重な自然、水源地、景観を破壊し、土砂災害等の危険を高め、また、騒音、低周波音による健康影響も危惧されるとして、生活に大きな影響を及ぼします。沿岸部、洋上でも同様の問題があります。  特に、とりわけ豊かな自然環境が残る北海道と東北では、これまで開発が及んでこなかった場所に大規模な森林伐採を伴う開発が計画をされています。北海道では、稼働中の陸上風力発電が四百六十、計画中のものが千八百七十基もあり、特に北部の宗谷地区、自然豊かな地域ですけれども、二百三十基余りの風車が稼働し、五百八十一基の環境アセスが進められています。宮城県加美町では、田園地帯を取り囲む奥羽山脈の尾根筋に百五十基の風車計画があり、計画地には宮城県の水源保全条例の保全地区や国有林の緑の回廊も含まれています。  奥山を重要な生息地にするイヌワシ、クマタカ、近年、人里の出没が問題となっている熊類などの生息地にも多数計画があります。岩手県では、イヌワシの重要生息地に風車計画が乱立したため、普通は絶対公開されないイヌワシの生息地エリアを岩手県は公開をしました。秋田県では、二〇二三年に熊が大量出没が起こり、推定生息数の半数を超える二千三百頭超の熊を捕殺しました。秋田県では、今、人里とその周辺の熊は捕獲し、熊はコア生息地とされる奥山に生息させるという政策を進めていますが、その一方で、秋田県鹿角市では、熊本来の生息地で大規模な風力発電計画が進んでいます。熊の絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている四国や和歌山でも、熊の生息地や近接地で風力発電計画があります。  今国会で、人の生活圏に出没した熊、イノシシを危険鳥獣として緊急銃猟の対象とする鳥獣保護管理法改正がなされましたが、本来の生息地を破壊して、人の日常生活圏に出てきた熊は危険鳥獣として射殺の対象になるのはとても理不尽です。  また、森林は斜面での開発に当たるので、土砂災害を誘発します。  大型風車が人の生活圏で建設される場合は、騒音、低周波音による健康影響が問題になります。環境省の通知では、風力発電施設から発生する騒音が人の健康に直接的影響を及ぼす可能性は低いと考えられると記載されたことが独り歩きしており、十分な検討も調査も実施されないまま、日本海側沿岸部では、離岸距離二キロのところに一基十メガワットを超える大規模な風車が多数建設される計画が進んでいます。  令和七年五月二日、秋田市において稼働中の風車の羽根が破損して落下する事故がありまして、亡くなられた方が出ました。風車については規制緩和により建築基準法の適用を除外するとされていますが、人家の近く、人の利用する場所から近距離の風力発電施設も多数ある中で、安全に対する不安が広がっています。  貴重な自然や地域住民の生活の安全が犠牲にされる背景には、再エネ賦課金を背景に、利益優先で進められる再エネ事業の構造があります。グローバルな資本も多く流れ込んで、地域の反対が強く当初の事業者が断念した事業が転売され、ファンドや外資により継続する事例も見られます。  豊かな自然環境を享受していた地域に突然計画される開発が、野生動物の生息地を破壊し生物多様性を失わせるものでも、住民に重大な影響を及ぼし多くの住民が反対するものでも、現行の環境法令の規制は不十分で、開発を止めることはできません。  一般財団法人日本熊森協会は、再エネ特措法施行後間もない平成二十五年以降、再エネ事業者が転売を繰り返していた新潟県の山林約千ヘクタールを昨年取得しました。阿賀野川源流の最奥地の自然林で大規模開発行為は容易ではないですが、外資の水源地売買を規制する法律はなく、このまま転売が続くのは危険と考えてのことです。  法規制が不十分な中、自然環境と住民の生活を守るため、自治体は独自の再エネ規制条例を作って開発から地域を守っており、条例を制定する市町村は増え続け、令和六年度末では三百を超えています。法規制が不備な中で、環境影響評価制度は、住民にとって、事業の内容を知り、意見を伝えることができる貴重な機会となっています。ただし、環境影響や住民等の意見を十分に反映させ、事業の是非も含めて検討を行うという点では不十分な点もあります。  以下では、事業により大きな影響を受ける住民の立場から、改正案及び環境影響評価制度について意見を述べさせていただきます。  まず、環境影響評価法改正案について、環境影響評価図書の公開について意見させていただきます。  環境影響評価図書は、千ページを超えることもありますが、一か月だけしか縦覧されません。もう住民が相談を、私が住民から相談を受けた時点で既に公開終了して、事業について調べようにもほとんど調べられないということもあります。プリントアウトもダウンロードもできず、附箋やマーカーを付けることもできず、そういう中で、方法書の以降の過去の手続、方法書以降の手続で過去の資料との比較もできません。こういう状態で意見を言うのは本当に困難です。  環境影響評価図書は、計画段階から事業終了まで、誰もが見られ、プリントアウトもダウンロードもできる形で公開されることが必要で、日弁連も同旨の意見を公表をしており、自治体の議会や市長も町長も、首長もこういう意見を表明している例もあります。  改正案では事業者の同意を要件としていますが、現状を見ると改正が進むのか疑問です。法的手続の中で作成が求められ、意見募集のために公開が予定されているものを公開を義務付け、同意なしに公開できる制度とすることは、著作権に対する不合理な制限にはならないと考えます。全ての環境影響評価図書がダウンロードもプリントアウトもできる形で住民や市民に対して公開されることは、直ちに実施されるべきだと考えます。  次に、建て替え配慮制度の導入についてです。  建て替え配慮制度の導入については、当該事業地が重大な環境影響を及ぼし事業継続が不適当な場合、考慮できるのかということを懸念しています。  北海道幌延町で令和五年五月に稼働した風力発電施設で、一年九か月の間に、オジロワシを含む希少猛禽類十一羽のバードストライクが生じ、十羽が死亡しています。バードストライクが回避困難であれば、建て替え事業の継続は不適当となります。また、既存工作物が設置されている区域から近接する区域の範囲についても、近接する区域で大きな環境破壊が及ぶのであれば、きちんとした通常の配慮手続、配慮書の手続を行うべきだというふうに考えています。  そのほかの環境影響評価制度に対しても意見を述べさせていただきます。  まず、環境影響評価手続に期限を設けることが必要だということです。  五島列島の北端にある長崎県佐世保市宇久島は、千七百人が暮らす特定有人国境離島に指定されている小さな島で、ここに事業面積七百二十ヘクタール、島の四分の一に当たります、出力四百八十メガワットのメガソーラー事業計画があり、さらに、出力百メガワットの風力発電計画があります。  風力発電計画は、平成二十七年二月に準備書への経済産業大臣の勧告があって以来、環境影響評価手続は止まっていました。しかし、令和七年三月に、突然、事業者が六月に評価書を提出し、着工すると住民に説明をしました。準備書段階では五十基だった風車は、一基の出力規模を約二倍にして二十六基にするということです。風車の規模が二倍になると、騒音、低周波音、景観など、周囲の環境に及ぼす影響も大きく変わりますが、出力が変わらないため、再度の環境影響評価手続は不要となります。住民や自治体の意見を反映する手続は、評価書ではなく、経済産業大臣が三十日以内に変更命令出さなければ手続は終了します。  そのほか、青森県や岩手県にまたがる風力発電施設も、十年近くたった後、方法書の縦覧が始まりました。兵庫県新温泉町でも、平成三十年八月以来動きがなかった環境影響評価手続について、事業者が計画変更をして準備を始めると地域を回っています。  環境省のサイトを見ますと、四年以上環境影響評価手続が進んでいない風力発電、太陽光発電の計画が百を超えます。期限をきちんと設けて、期限を超えた場合、再度初めから手続を進める制度が必要です。  次に、虚偽記載への制裁や再調査が命ぜられる制度が必要だということです。  山形県米沢市の風力発電計画で、環境影響評価準備書に対し、報告した内容が改ざんされたと元調査員の告発があったと報道されています。そのほかにも、滋賀県、福井県にまたがる風力発電計画では、福井県知事も滋賀県知事も事業者の準備書に対し、調査は不十分、合理性に欠けると厳しい指摘をしています。  環境影響評価法は罰則や規制権限の行使の規定がありませんが、そもそも開発を行う事業者が行う調査は結果の改ざんや不十分な調査になりやすい構造ですので、環境影響評価図書の改ざんや虚偽記載には規制が必要ですし、調査が不十分であればやり直しを命じることが必要です。  もう一つ、環境影響評価の規模についてです。  私はメガソーラーの問題にも多く取り組んでいますが、森林を伐採するだけでなく、大量に切土、盛土をするメガソーラー開発というのは常に土砂災害の危険があって、林野庁では、太陽光発電施設が盛んに造られるようになってから基準を見直したり、林地開発許可の要件を〇・五ヘクタール以上の許可が必要だというふうにもしています。今国会でも、許可条件違反への罰則、命令に従わない者の公表をする森林法改正も成立をしています。  太陽光発電は、地表をパネルが覆うために降った雨がほとんど浸透せずに流出するので、施設が完成しても土壌流出と浸食が起こるので、常に土砂災害の危険性をはらみます。太陽光発電事業は令和二年四月から環境影響評価法の対象となっていますが、規模要件がすごく大きくて、危険をはらむ太陽光発電施設を全てカバーしていません。少なくとも、森林伐採を伴う又は山間部に実施される二十ヘクタール以上の太陽光発電施設は法アセスの対象とすべきです。  最後に、事業報告書についてです。  事業報告書というのは、環境影響の結果が、回避の結果がどうだったのかということを検討する上ですごく重要なものですけれども、これも、工事完了後に一回だけ公表する、しかも期間も限定されるというようなことになっています。対象事業ごとに事後調査をすべき事項や期間を定めて、第三者が関わる専門家が検討をし、報告書は市民にアクセス可能なように継続的に公表される仕組みが必要だというふうに感じています。  全国で多大な影響が起こっている再生可能エネルギー開発に関することを含む今回の環境影響評価法の改正なので、地域の住民の視点に立った改正が検討されることを望みます。  私の発言は以上です。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

梶原大介 自由民主党

○梶原大介君 自由民主党の梶原大介と申します。  本日は、それぞれ参考人の方には大変お忙しいところ、こうして御出席をいただきまして、そして、長年に積み重ねた知見に基づいた、また大変貴重な御意見をいただき、感謝を申し上げさせていただきたいと思います。  今回の法改正においては、先ほど来それぞれお述べいただきましたように、建て替え事業に係るアセス手続のある一定の合理化が図られる場合にあっても、また環境への配慮がしっかり担保されること、そして、もう一点のアセス図書の公開が地域の環境への理解醸成などにつながるように、より実効性を持って実施をされていくことが重要だと考えておりまして、そういった観点からもう少し御意見をお聞きをさせていただきたいと思います。  それでは、三名のそれぞれ参考人の皆様にお聞きをさせていただきたいと思います。  先ほど来申し上げましたように、建て替え事業の、建て替えの配慮書手続を見直すものでありますが、この方法は、まず、それまでにあった既存の工作物による環境影響を踏まえた配慮を建て替えにおいても立案段階から求めるものであり、それについてはそれぞれお三方、お話がございました。合理的を考えれば方法書からでいい、の方が合理的ではないかという御意見もありましたし、主に風力に至るもので、他の事業にはまだまだ不十分であるんじゃないかという御意見もありましたし、また、規制自体はもっと期限を付けてきちんとするべきじゃないかと、それぞれの御意見がございましたが、単に手続を簡略化するものではなく、より効果的な手続を可能とする、そのための法改正でもあると理解しています。  この環境委員会で本年二月に委員派遣で宮城県の石巻市を訪れ、ウインドファームを視察をさせていただきました。その際、事業者からは、ブレードを大型化すると、やっぱり基礎部分がそのまま使用できなかったり、立地場所を移動させる必要があるという様々な説明を受け、建て替え事業にも様々な課題があるのだなと感じさせていただいたところであります。  こうした事業特性を踏まえて、建て替え事業のアセス手続において、更にしっかり簡略化とか効率化をできるような点があるのか、また逆に、重点を置いてしっかり取組を進めていくべき点があったら、それぞれ先ほども御説明ありましたけど、またそれぞれお聞きをさせていただきたいと思います。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いできますか。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 今ほど、特に風力発電について、風車、実際には、風車建て替えといっても同じ場所に風車が建つということはまずなくて、既存の風車はそのままにしておいて、別のところに風車を建てて前のものは撤去をするというような手続になりますので、全く同じ場所に建つということはございません。ですので、例えば何列か建っていると、今風車も大型化してきますので、小さい風車が大型になって、それが少ない基数で建っていくと、場所も変わっていくということになるかと思います。  そのときに、普通の建て替えでそれほど環境影響のないものであれば、そのまま同じような場所に造るということになると思うんですけれども、その際に、特に、私、先ほど述べさせていただきましたけれども、バードストライクにつきましては、事前に環境影響評価で、方法書で、一応衝突率というのを計算しまして、風車ごとに当たりやすいか当たりにくいかというのを予測します。  ただし、この予測というのは、自然界のものですし、それから、まだその手法にも回避率がどのぐらいになるかというような不十分な部分がいろいろとございまして不確実性が高いということで、アセスでは必ず事後調査をやっていただくということを求めております。アセスで求めている事後調査は年限も限られているんですけれども、長期で事業者さんもモニタリングを自主的にやっていただいております。  そういったものをやっております中で、いろいろと環境影響がまた新たに見えてくる部分もございますので、そういった部分はきちんとこの建替配慮書の中で記載していただいて、そうすることによって、方法書の手続の中で、ここは避けてくださいとか、あるいは何か合理的な対応策がありますかというような重点化を図っていくことが可能なのではないかと考えております。  一方で、いろいろな自主的なモニタリングも含めて、発電所の中でいろいろ見てきたけれども特に大きな問題は起きてないよということにつきましては、より方法書以降の段階で簡略にしていくということもできると思いますので、やはり今回の建替配慮書の中で環境配慮の内容を明らかにするという手続は非常に合理的なものではないかなと私は考えております。  以上です。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) これ、先ほど申し上げた簡易アセスメントをもしつくれば、この場合は非常にうまく処理できると思います。例えば、同じ場所に、規模がほぼ同じ、で、周辺環境は余り影響、変化しないのであれば、簡易アセスで簡単に情報をつくれますよね。簡易アセスで了解を得ればフルアセスやらなくていいという仕組みになれば、事業者はきちんとやりますよ、すぐ終わるわけですからね。この場合、規模にかかわらず、大きな規模であっても簡易アセスで合意形成できれば、これでいいわけですよ。  ところが、今の仕組みですと、とにかく大きなものはフルアセスでやるというから三年、四年掛かっちゃうでしょう。だから、これは随分合理性がないと思いますね。だから、本当にケース・バイ・ケースですから、そういったことは早めに情報公開して、パブリック、公衆の意見を聞いて、それで専門家がチェックすると、これが一番私は合理的だと思いますね。  先ほど申し上げたように、九九・五%はもう簡易アセスで終わっている。これがアメリカのNEPAの制度の実績でございます。だから、そういう仕組みを是非これから考えていただきたいと思います。当面は今回の改正でいい方向に行ったと思いますから、その考え方をより進めていただきたいと考えます。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 建て替え事業においては、その事後調査の結果を反映させるということが物すごく重要になってくると思います。  バードストライクの問題、当初の予測よりも率が高い割合で発生しているというような報告もあります。また、山間部で尾根筋を削って風力発電を造る場合に、その場所、同じ場所でまた建て替えができないということになると、百五十メーター、二百メーターの風車を山を削って建てるというようなことは、かなり大きな環境破壊につながります。恐らく風車を造ることによって災害の危険がある箇所というのは増えていっているわけで、そういう部分が開発後二十年たった後にきちんとどう評価されるのかというようなことがきちんと明らかになっている必要があって、その点、今の事後調査というのは工事完了後一回だけが義務付けで、もちろん任意にされている部分もありますけれども、次の建て替えを配慮するには情報が足りないというふうに考えています。  以上です。

梶原大介 自由民主党

○梶原大介君 ありがとうございました。  もう一点の改正の大きな項目である公開について、少しお聞きをさせていただきたいと思います。これは阿部参考人にお聞きをしたいと思います。  この風力発電事業において懸念をされている累積的な環境への影響評価への対応ということについて、本法律案には、先ほどお話ありましたアセス図書の継続公開が進むことで近傍で実施をされている他の事業に関わる情報が得やすくなるということで、先ほど阿部参考人からも、公開する、さらにはそれを分析する、さらにはまた規制緩和などにもつながって、事業者にもある一定メリットがあるんじゃないかというお話もいただきましたが、仮に事業者の対応が例えば不十分であった場合には環境大臣等の意見においてまた様々な取組が必要だと思いますが、新設の場合と違って建て替えは余り意見が反映されないんじゃないかというふうなお話もあったんですけど、しっかり逆にその対応不十分だった場合にはより踏み込んだ対応を求め、環境影響への回避、低減を図ることも大切と思いますが、その点について御意見をお伺いさせていただければと思います。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 図書公開の点と、それを踏まえて環境大臣意見等を出す必要があるんではないかというような御質問だったかと思います。  まず、一点目の累積的影響については、図書の公開によって、いろいろと他の事業者が実際のほかの事業を参考になることによって累積的影響の予測評価が促進されるというような御意見がございます。これについては、今実は技術的な検討を行っておりまして、実際、どういった対象事業を累積的影響の範囲に扱うかとか、どういった手法で検討するかということを進めております。  その運用も含めて、今後、アセス図書が公開されていれば、当然、事業者さん間では公開されていようがされていまいが参照してもらうということを義務付けていく方向が必要になってくるとは思うんですけれども、公開されていくことによって、より地元とのコミュニケーションは促進されるんではないかと思います。周辺の状況把握できるようになってくると思いますので、その辺は分かりやすくなってくるかなと。  今、個別のアセス事業について、重大な環境影響とかそういったことを今まで議論されてきたと思うんですけれども、現状は、個々の事業としては十分環境に配慮していただいても、ある地域に事業が集積することによって、やはり地域の方から非常に懸念の声あるいは反対の声がだんだん高まってくるというような事例もございます。そういうことを未然に、いろいろな図書を公開されて、それから住民の意見が出てきて、その中で、例えば地域の自治体等で今ゾーニングというのを進めて立地誘導も進めていますけれども、余り混み過ぎているとそこは避けていただくというような取組も進んでおりますので、そういったところにもつながっていくんではないかということで意義があるかなというふうには考えております。  以上です。

梶原大介 自由民主党

○梶原大介君 ありがとうございました。  その公開についての事業者の同意についてちょっとお聞きをしようかと思ったんですけど、同意についてはほかの参考人の方も主張がそれぞれはっきりされていまして、常時公開しっかりするべきじゃないかということで先ほど御意見を述べられましたので、その公開された情報を有効に活用するために国として取り組むべきことはどういうことがあるのか、その点についてお考えをお聞きをさせていただきたいと思いますが、原科参考人、室谷参考人の順でお願いをいたします。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) ありがとうございます。  本当にアセスの情報は貴重だと思いますね。だから、これを、しっかりとデータベースとして国がこれを確保して、そして使っていくと。これは事業者にとって大変メリットありますけれども、公衆といいますか一般市民とか、いろんなステークホルダーにとっていい情報になると思います。  日本は、アセスメントの累積、結構もう本当に丁寧にやっているんですよ。ただ、数が少ないものですから、これ全国的にカバーできないんですね。さっきみたいに、小さなものでもチェックしていってそれを積み重ねれば、これを公開していくことによってそれが累積効果出ますから、これは大変大きいと思います。  アメリカで情報技術が進みましたけど、これは軍事技術の民生利用という点もありますけど、環境アセスメントの制度が一九七〇年代から始まりまして、その間にいろんな技術開発が進みまして、特に地理情報システムの活用、これがアセスメントの世界でとてもたくさんやられました。だから、そういう効果があります。  ですから、そういったことは、日本でもこれから情報技術を新しく展開していって、まさに身近な環境情報が蓄積されていくことによって、国民の理解も深まるし、それから事業者にとっても大変その先の仕事がしやすくなりますので、これ大変いい効果があると考えております。だから、是非これは公開して蓄積していただきたいと思います。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 私も、住民の意見形成、あと知る権利の確保であるとか、あと知見の蓄積、環境影響をいかに避けながら事業を進めていくかということにも十分役に立つと思います。  かなり網羅的な範囲を環境影響評価で検討をして事後調査もするということになっていますので、それをきちんと共有をして、必要があれば第三者の専門家で検討をするというようなことによって、どういう場所で事業を避けるべきか、どういう場所が影響が高いかということの分析も可能になってくると考えます。

梶原大介 自由民主党

○梶原大介君 ありがとうございました。  もう少しだけお時間あるので、阿部参考人には、その図書の公開にはある一定やっぱり配慮が必要だなということをおっしゃられましたけど、その点について御意見少しだけいただけますでしょうか。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 図書の公開、これはもう書かせていただいたとおりでございます。物によっては安全保障上の面とかあるいはセキュリティーの面というのが、アセス対象事業、見ていただければ分かると思いますけど、いろんな事業が入っております。  ここでちょっと明言は避けたいと思いますけれども、皆さん分かると思いますけれども、これが今、例えば野方図に公開されてしまうといろいろな情報が分かってしまうということで、私も、過去にいろいろなところで協力させていただいた案件で、やはり詳細はちょっと論文とかでは出さないでくれというようなことを言われたことがございます。これは別に何かを隠しているわけではなくて、やはり国のセキュリティーとか安全保障の面からいろいろ問題があるということもございますので。  それからもう一点は、あとプライバシーの問題とか、あるいは希少種の問題、公開することによって乱獲されてしまうと。そういうところについては、もう既に国の方でもいろいろ配慮していただいておりますけれども、図書公開の際はそこの配慮も必要かなとは思っております。  以上です。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。

梶原大介 自由民主党

○梶原大介君 ありがとうございました。  法案審議の参考にさせていただきますので、今日は本当にどうもありがとうございました。これで終わります。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 よろしくお願いいたします。  今日は三名の参考人の先生方、誠に貴重な御意見ありがとうございます。  二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、これから再エネ導入拡大に期待が寄せられております。そうした中で、風力発電の建て替え事業について、事業の位置また規模が大きく変わらない建て替え事業については、手続を簡略化して事業者の負担軽減を図り、そして、手続に要する期間を短縮をするということについては理解をするところではあります。  まず阿部参考人にお伺いをしたいと思いますが、阿部参考人から見た今回の法案の中で、まだまだ足りない点、残されている課題、先ほど原科参考人や室谷参考人からいろいろ言及あったところではありますけれども、阿部参考人から見て残された課題というのはどんな点にあるか、お聞かせいただきたいと思います。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 済みません。それでは御質問に答えさせていただきます。  まず、今回の法案については、まず風力発電の建て替えをこれまでの制度よりも簡略なものにするということで、風力発電の導入拡大については一定の前進かなと思います。  私述べさせていただいたように、今、大きな懸念がないということで、そういったことで進めましたけれども、いろいろやはり中環審の委員会等では討議されていまして、私が今、風力アセスの審査をやっていましていろいろ感じているところは、やはり、先ほど原科参考人の方から少しあったと思いますけれども、スクリーニングですね、スクリーニングをいろいろ事前に検討しておりました。ただ、少し日本の制度とちょっと整合するのが難しいということで今回見送りになって、答申案の方にも、スクリーニングについていろいろ議論させていただいた経緯、書いてございます。  今少し御紹介したと思いますけれども、二種事業について、今後、これは法改正というよりは次の制度改正の検討なのかなと思いますけれども、二種事業をどう扱うかということで、少し風力発電事業については規模の小さいものでも影響の大きいものがあるということで、現在、制度上は二種事業についてもスクリーニングという制度はあるんですけれども、実際にはこれ形骸化しているというか余り運用されておりませんで、ほとんどの事業、アセスに掛かっているというような現状でございます。  ただ、ここでもう少しそういった簡易な手法を用いて振り分けができれば、先ほどお話あったような簡略化するもの、あるいは重点化するものに非常にめり張りができてくるんではないかと思いますので、そこは是非、今後検討していっていただきたいと思っているところでございます。  以上です。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 恐縮です。  今の点に関連して、そうしたら室谷参考人にお伺いしたいと思いますが、資料を拝見しますと、そのやはり第二種事業ですね、小規模の事業について分けて、小規模の事業に分けて計画することによってアセス逃れが生じているという言及がございましたけれども、その点についてもう少し詳しくお聞かせいただければと思います。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 環境影響評価手続を取るとやっぱり五年ほど期間が掛かるので、環境影響評価手続をどうしても省略したいというような、そういうことを考える事業者は中にもいて、メガソーラーのような場合でも、結局、最終的に国が分割で考えるのではなく、アセスをすべきだというふうに意見をしたのでアセスの対象になったというような事業があります。少し離れた場所、近接する場所に二か所計画をして、それぞれ別の事業として進めるというような、そういう案件もありました。その事業では、最終的にアセス対象になったというようなことによって、もう一か所を取り下げてアセスに掛からないようにしてもう一か所だけ進めるというような、そういう判断になります。それだけ環境影響評価手続をするというのはやっぱり事業者にとっては大変影響の大きいことなので、どうしてもそういうアセス逃れというようなことが起こりやすいということになると思います。  法アセスではないですけれども、条例のアセスで数十ヘクタール以上の環境改変はアセスの対象になるというときに、もうぎりぎりのところで、ぎりぎりの面積でアセスを回避をするというようなその回避の仕方が、本当に対象事業地を対象としているかというような、そういう事例があったりもします。例えば、森林伐採を伴わない太陽光発電だったら太陽光発電施設の足場のところだけ環境改変が起こるので、それを足して規模要件より以下だったらアセスをしないというような、そういう判断をしている事業者もあって、原科参考人がおっしゃられたとおり、面積で判断をするというか、環境影響が大きいということで判断をするというような、そういう基準を生かしていく必要があるというふうに考えています。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。  それでは、原科参考人にお伺いをしたいと思います。戦略的環境影響評価、SEAについてでございます。  配慮書は、事業段階での適用にとどまっており、事業計画の枠組みを決める上位計画は対象としていないとして、戦略的環境影響評価の導入が必要と原科先生は主張されておられます。しかし、その導入はなかなか容易ではないということでありますが、そもそもなぜこの議論が進まないのか、何がボトルネックになっているのか、その辺りのことをお教えいただければ有り難く存じます。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) はい。  日本の政策形成過程の根本的な問題だと思いますね。つまり、情報公開が不十分なんですね。早い段階から情報公開しないので先へ進めないということです。  事業アセスにおきましては、事業の計画段階で配慮書を始めたので、情報公開が少し早まりましたね。だから、いい前進だと思うんですよ。ですけど、上位計画に関しては、なかなかこれが情報公開進まないんですね。だから、これはまず、民主主義社会には公衆協議が根本だという、まさに国連の人権理事会が言ったような人権だという考えに立たないといけないと思うんですね。そういう意味では、これは本当に、この戦略的環境アセスメントを導入することは、日本の民主主義を先に進めることだと思いますね。  この議論は本当長いんです。五十年前ですから、一九七二年、このアセス制度を閣議了解しましたよね。そのときにアメリカの制度を調べたんですよ、NEPAによって新しくちょうどできたときでしたからね。そうしたら、やはりきちんと早めに情報公開、で、そのときはもう情報公開制度がしっかりできていたので、当然そういうインフラがありますから先に進んだんです。ところが、日本は情報公開の制度、そのときにないでしょう。情報公開法できたのが一九九九年ですから、随分違いますよね。アメリカは、一九六六年でしたか、FOIA、情報自由法、情報公開手続を更に進めたものができたんですね。それをベースにやったのでうまくいったんですね。  今は情報公開の制度できましたから、これでいけると思うんですよ。そうすると、やはり政府が一歩踏み込んで、これ情報公開の制度をベースにして、そして国民の意見を聞くんだというこの姿勢に変われば、これはいい方向に行きますよ。その可能性、今はあると思います。ですから、九七年の法制度の頃は条件がそろっていなかったんですよね。今はそろっていますから、これは是非進めていただければと思います。だから、そこのところの議論を是非議会でやっていただきたいですね。それほど大変大事なことだと思っております。  これは、そうすると、政策に係る問題とか計画といいますと、いろんな関係があって利害関係も生じますから、やりにくいところあると思いますけど、それは、しっかり情報を出して国民の議論に供するということが大変大事なことだと思っております。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。政府の姿勢だと、そして今がチャンスだというお話でございました。  もう一点、原科参考人にお伺いをしたいと思いますが、今もお話がございました、国際基準と比較をして日本は遅れているということであります。そして、結論ありきのアワスメントが目立つということで、沖縄の辺野古新基地建設やリニア中央新幹線、また東京の明治神宮外苑地区の再開発などに言及をされておられます。  私は福島のALPS処理水の放流もやはり気にはなっているんですけれども、こうした事業、また国の取組、こうしたことに対する原科参考人の御所見、このアセスの仕組みとの、何というのかしら、関係でちょっと言及していただければ有り難いなと思ったんですけれど、よろしくお願いします。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手を。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 国際的な視点といいますか、そういう立場で申し上げますと、今日、参考資料を追加で用意していただきました。こういう、第二百十七回国会常会、令和七年六月十日、参議院環境委員会、参考人関係資料とありますね。これの四十九ページを御覧いただきたいと思います。  東京新聞にこういう記事が出まして、これは私に関係することなんですが、ビルトエンバイロメントという国際誌あります。これは、建築とか環境計画で有名な伝統の雑誌なんですね。で、五十周年記念号が出まして、昨年出ました。私が昔書いた論文がここに、記念号に再録されたんですよ。五十年ですから、クオータリージャーナルで二百号分あります。そうすると、千数百個の論文の中から十四編だけ選んだんですよ。だから、学者としては名誉なことなんですよね。大変うれしかったんですが、これを取材してくれましてね。  そして、中身がまさにSEAのこと書いてあるんですよ、戦略的環境アセスメント書いた論文なので、英語ですけどね。そうしたら、その当時、今から二十五年ほど前ですけれども、日本は新しい段階に進めようということで、その理論の、それから理念と、それから現状の、過去のレビューとそういう将来展望をしたんですね。そこにやっぱり注目されたと思うんですよね。だから代表論文の一つになったと思うんですよ。  ということは、世界は日本の在り方を本当は注目しているんです、二十五年前は。だけど、今は経済的に大分ダウンしてきたから注目してくれないかもしれないけど、いや、そんなことはないと思う。やっぱり、日本はしっかりきちんとした環境対応するんだということは、そういう理解をしている国も多いと思いますから、だからそれに応えるべく、戦略はしっかりいいものをつくっていただきたいと思います。  そういうことをしっかりやることが、実は今の特に金融関係、この動きはみんな情報公開がベースなんですよ。例えば気候変動関係の情報公開、それからネイチャーポジティブ情報公開、そういうことがしっかりやっている企業に対して投資するでしょう。それからESG投資、みんな環境アセスの考えとぴったり一致しているんですよ。つまり、環境アセスメントというのは世界のもう標準ですからね。そういう情報公開をベースにして判断していくというのはありますから、みんな金融関係でこういった情報を求めているんです。日本がそれは遅れていますからね。だから、アセスの制度を整備していくことによって、世界に対して、日本に対する投資がまた増えるということがありますよね。今は不透明な部分ありますからね。だから、そういった点では、もっとマクロに見れば、環境アセスメント制度を本当に情報公開を進めたものにしていけば、これは日本の将来にとって明るい展望が開けると思います。  まさに、日本の事業でいい仕事をやる人は、ところは評価される。これは実業なんです。実業というのは、社会に貢献する仕事をやって、結果として利益を得られるんですよ。渋沢栄一の考え。私、学長を務めていた千葉商科大学もそういう考え方、実業ね。いい仕事をして、そしてお金が入るんだと。金が第一じゃないんですよ。これがとても大事なことです。  以上です。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。  まだ時間ありますかね。もう一点だけ伺わせていただいてもよろしいでしょうか。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 終了一分前ですので、おまとめください。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 はい。では、簡単に。  オーフス条約について、川田龍平先生も本会議で取り上げましたこの点について、最後、お聞かせください。端的に。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 失礼しました。  そういう意味で、オーフス条約は大変重要なことでございまして、もう世界各国、特に欧州の経済委員会ですか、だから関係ないという感じ、最初は持っておりましたけれども、これドア開いていますから、日本もこれ条約入れるんですよ。是非入ってください。  今や、日本国民は十分理解します。情報へのアクセス、それから参加への意思決定のアクセス、そして司法と、三つですよ。これはもう、常に我々議論してきたことが、今からもう二十数年前ですね、九八年ですから随分昔にこれはもう始まったわけですから、今や日本もそれに参加して、世界の標準に合っているんだということを示していただきたいと思います。是非これは、議会でしっかり議論して、条約に加盟してください。

青木愛 立憲民主・社民・無所属

○青木愛君 ありがとうございました。貴重な御意見、今後とも参考にさせていただきます。終わります。

伊藤孝江 公明党

○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。  今日は、阿部参考人、原科参考人、室谷参考人、本当に貴重な御意見を賜り、お忙しい中、本当にありがとうございます。  まず、三名の参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  今回の法改正については、建て替え事業を対象としたアセス手続の見直しと、またアセス図書の継続公開というのが大きな改正点の柱になるんですけれども、この環境アセスメントの重要性というのは、時代とともにというよりも、ずっと重要性が増してきている中で、環境を保護していくことであったり、また周辺の住民の理解を得ることであったり、いろんな観点で様々な社会情勢も変化をしてきていると思います。  その中で、今、これまで以上に求められる環境アセスメント制度の意義や果たすべき役割について、改めてお伺いをしたいと思います。阿部参考人、原科参考人、室谷参考人の順でよろしくお願いいたします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 私も、最初、アセスメントの直接審査等には関わっていなかった時代にいろいろ勉強させていただいたり、それから研究させていただいたりしている中で、当初、ちょうどこの環境影響評価法が二〇〇〇年前後に成立する辺りのときには、もうアセスというのはアワセメントで、もう事業が全部、レイアウトとかも決まっていて、それに対して単にいろいろ予測をしたりというような文書をくっつけるだけだというようなことが言われておりました。  それで、状況が大きく変わってきたのは、やはり地球温暖化の問題に対応して再生可能エネルギーを大量に導入していかなければいけないと。そこで、当初は太陽光事業あるいは風力発電事業、アセス対象ではなかったんですけれども、いろいろな環境問題が出てきました。そういった中で、やはりアセスが必要ということで運用されてきた中で、かなり大きく変わったんではないかなと私は思っております。  私はその中で審査に関わるようになって、やはり風力発電事業の場合には、実際にはまず土地もまだ決まっていないと、それから風車の機種も決まっていないと。これは問題と言えば問題なんですけれども、逆にそういった中でアセス手続が進められていきます。アセス手続進めていく中で、例えば以前であればFITの制度とか、現在FIPとかの制度もありますけれども、そういった申請を行っていくと。いろんな手続を行っていく中で、事業者が手続の段階に応じていろいろ気付きがあって、住民の方からの反対、あるいは自然環境とか生活環境への影響、いろんなことが分かってきて、それを見直すことによって自分の事業をだんだん環境配慮型に変えていけると。そこが、私はやはり、審査をしていって事業者の方とコミュニケーションしていく中で、この制度は非常に重要なんではないかなとふだん考えているところでございます。  ということなので、やはり、こういったプロセスを大事にしていって、そういった環境配慮を、再生可能エネルギー導入、温暖化対策だけではなく、やはり生物多様性保全、ネイチャーポジティブというのが非常に重要になってきますので、そこを両立していただけるような運用がアセスの中でできるようになってくればすばらしいなと、私は日頃考えているところでございます。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 今、具体的な御経験から御説明ありましたように、アセスをしっかりやれば本当に効果あると思います。  これ、アメリカで、NEPA、ナショナル・エンバイロメンタル・ポリシー・アクトという英語の表現ですね、こういう国家環境政策法ができていましたけれども、これはもう非常に短い法律なんですが、これを根拠に仕組みつくったんですね。そのときに、考え方は、あくまでも情報公開まずありと。情報公開によってきちんとして事業者が説明責任を果たしていく、アカウンタビリティーを果たしていく、こういう根本の考えなんですね。これは、日本社会にとってとても大事なことだと思います。ですから、環境という身近な問題をきっかけにして社会全体が変わっていく可能性があると思いますよ。  ところが、今はとても、まあ最初ですから、二十五年、二十六年前は、よちよち歩きですから、一部の大規模事業者だけに絞ったのはこれは分かりますよ、過去の経験から。ただ、四半世紀過ぎましたから、やっぱり切り替えて、こういったいろんなアクションに対して情報を早めに公開して皆さんの意見を聞くと。  私は思うのは、これは武士道精神なんですよ。仁ですよ。実業というのはそういうものでしょう。社会のこと考えて進めていく。例えば三方よしとか、売手よし買手よし世間よしですよ。これ、世間よしの発想をやるのがアセスメントなんです。だから、そういうところにつながるような仕組みに変えていただきたい。  だから私は、もうずっと前から簡易アセスということを言っているんですけど、簡単なチェックをしてしっかり配慮していれば、みんな理解してくれて、ああ、もう余計なことやらなくていいよ、三年、四年掛からなくていいと。数か月で答え出ちゃうんですから。  ということで、実は私、東京工業大学の時代に簡易アセスをやりました。当時、学長と相談しまして、二十階建てのビルを造るんですよ。四十億円ぐらい掛かりますかね。それで、私が説明しまして、学長よく理解してくれまして、やりました。数百万円ですよ。だから費用は〇・一%、で、期間は三、四か月。最初は情報公開して意見聞くでしょう。どこで何やるんだと言われましたよ。ところが、真摯に対応していったら、その先は、いや、分かった、そんなにきちっとやってくれるならもう大丈夫だ、あとは余計なことは言わない、で、終わっちゃったんですよ。そうしたら、むしろ東京工大、評判良くなりましてね。周辺環境にしっかり理解、配慮してくれるという、まさに仁ですよね。そういう効果があるんですよ。  だから、簡易アセスというのはそういう機会をつくりますから、公衆協議の場をつくって、それによって事業者が地域との理解が深まるんですよ。だから、これはそうでない事業者は駄目ですよ。本当にきちんとやる、実業をやる主体にとってはこれは効果がありますね。  日本はそういう事業者がとても多いです。中小企業はもうたくさんあるでしょう。長い間仕事やっている会社いっぱいありますね、百年企業ね。ハーバードでは、日本のそういうのを学べと言っているでしょう。だから、そういうことは、そういう日本の本来の風土といいますかカルチャーに合うんですよね。だから、情報公開と日本のカルチャーを組み合わせれば、インパクトやその効果は本当にもっと上がると思っております。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 情報公開と住民参加を徹底させていくということが今後の環境影響評価手続に必要ではないかというふうに考えています。  現在、風力発電開発とかメガソーラー開発が起こっているところは、地域の水源地であったりだとか、開発をすることによって土砂災害を誘発しかねない可能性があるとかというような、そういう場所であるにもかかわらず、実は住民がほとんどその情報が、開発計画があることを知らないというような、そういうことが起こっています。事業者の住民説明会はそういう点について詳しくは説明しないので、事業者の住民説明会だけを聞いていても、なかなか住民には、何が自分たちの生活環境に影響があるのかというようなことが分かりにくいというような実態があります。  そういう中で、環境影響評価手続というのは、住民が環境影響評価図書によって、専門家のアドバイスも受けながら、自分たちで自分たちの環境でどういう影響が起こるんだというようなことを判断できる貴重な機会とはなっていて、意見も言える機会にはなっているんですけれども、じゃ、その住民の意見をどうやって反映をさせていくのかというような点については、協議等が義務付けられるというような形になっていないので、不十分ではないかというふうに考えています。  環境影響評価手続を住民参加とか情報公開を徹底していくことによって、本来開発してはいけない場所、貴重な生態系がある場所であるとか、災害や水源、災害発生の危険がある場所、水源地というようなところの、何というんでしょう、共通理解というようなことも起きていって、本当はそれは法で規制を、今度は別の法律で規制を掛けていくというようなことになってくるんですけれども、そういう規制の必要性についてもきちんと意見交換や議論ができる場になるというふうに思っているので、そういう方向で環境影響評価手続を検討していってほしいというふうに考えています。

伊藤孝江 公明党

○伊藤孝江君 ありがとうございます。  次に、アセス図書の公開に関係して、阿部参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  今日いただいたこの資料の中で、十一ページ、アセス図書についてというところで、審査委員が数年で変更になる可能性があり、必ずしもアセスについての知見が豊富ではないことから、過去のアセス事例を参照することが必須であるということに言及をされているんですけれども、これは今回の改正とどんなふうにつながるものなのか、あるいは今回の改正とは特に関係なく申されていることなのかというところで、ちょっと詳細御説明いただければと思うんですが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) アセス図書の公開自体は、現状でも、先ほどちょっと御紹介いたしましたが、そういった環境支援ネットワークというところで公開されておりまして、図書が、今回法改正で図書の公開というのが明示されると、できるだけ長い期間とか、あるいは国の方できちんと公開の手続が幾つかできるようになるので、もちろん今は努力していただいてできるだけ多くの事業ということで挙げてはいただいているんですけれども、そこがスムーズになるということで、私がむしろそこで書かせていただいたのは、アセス図書自体が公開されていることによって、審査委員の方が、特に、国の方もある程度替わりますけれども、地方の審査委員の方は任期がありまして、数年で交代になります。そうすると、専門的なことは非常によく御存じなんですが、アセスメントの手続とかあるいは中身、ほとんど御存じない先生方が結構多くいらっしゃいまして、国の方でも意見交換とかをいろいろやってしているんですけれども、まずはアセス図書を見ていただくことによって、実際にどういうことが行われていて、これに沿ってどういう意見を出したらいいかというところに非常に参考になりますので、何もないと出ません。  幾つかは見れるんでしょうけれども、やはり過去からどういう経緯だったかというのが閲覧できるというのは非常に利便性が高いんではないかということで、そこに書かせていただいております。

伊藤孝江 公明党

○伊藤孝江君 ありがとうございます。  今の阿部参考人の御説明でもあったんですけれども、現状では、例えば、じゃ、その公開をされていないもの、一か月で一般には見れなくなる形になりますけれども、審査委員になった方も同じように見れなくなるものなのか、審査委員の方は、またきちんとした手続を経て、踏んで、きちんとこれまでの調査についても確認をすることができるのかという点についてはどのようになっているんでしょうか。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 審査委員については、審査対象のアセス案件については、図書を渡されてそれを審査しますし、審査後もそれは閲覧できます。もちろん審査委員の方が見たいと言えば多分見れるとは思うんですけれども、過去のものについては、公開していないと、どんな図書があってどんな審査が行われていたのかというところが分かりませんので、ここはやはりきちんと公開されていると非常に利便性が高いということで意見を述べさせていただきました。

伊藤孝江 公明党

○伊藤孝江君 ありがとうございます。  室谷参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  現状のそのアセス調査に関しての懸念のところで、図書の虚偽記載とか、調査が不適正というのか、きちんとできていないとか、きちんと載せていないというようなことも含めて不備があるということに言及をいただいているんですけれども、これまで、その調査結果の隠蔽というのは今回のレジュメの中でも御紹介もいただいているところなんですが、この虚偽記載というようなことも含めてあったのかどうか、また、それがどんな影響があったのかというところで御存じのところがありましたら教えていただければと思います。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 虚偽記載については、虚偽記載とかというようなことについては、結局、中で調査をしている人が自分の書いたのと違うと言わなければならないので、それは守秘義務の関係だとか、何かそういうことでなかなか表に出にくいんですけれども、でも、住民の相談を聞いたりいろんな相談を聞いたりする中でそういう事例というのを幾つか私自身は聞いたことはありますし、さらに、環境影響評価図書が公開されて、準備書が調査の結果になりますけれども、そこが公開されたときに、かなり調査内容が不十分だ、地域の専門家が調べていたものと違うというような指摘は各地の住民ないし専門家の意見の中で指摘をされているということになるかと思います。

伊藤孝江 公明党

○伊藤孝江君 ありがとうございます。  時間ですので終わります。ありがとうございました。

串田誠一 日本維新の会

○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一です。  今日はどうもありがとうございます。  三名の方々にまずお聞きをしたいと思うんですが、景観についてお聞きをしたいと思っているんですけれども、風力発電は一九八〇年から比べると高さが十倍ぐらいになっていると。電力の発電量が変わらなければこれに該当するというようなこともありまして、高くなってしまったときに、バードストライクだとかですと物理的に何羽衝突したとかという、そういうことが出ると思うんですけれども、風景の場合には、誰がこれは環境に良くないというようなこと、そしてその基準は何かというような、例えば時代劇を作っている人はロケができないよとかそういうようなことは言うかもしれないんですけれども、この環境評価におきましては、これは環境を壊しているよねというようなことを誰がどういう基準で決めたらいいのかというのを三名の参考人はどのようにお考えになっているのか、阿部参考人からお聞きしたいと思います。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 景観について御質問がございました。  景観につきましては、今委員の方言われたように、非常に基準がないということでなかなか曖昧になりやすいということで難しいところでございます。  まず、今の環境アセスメントでどういうことが行われているかということだけ述べさせていただきますと、まず、大きくなると、一基一基の風車が大きくなるということについては、見えの大きさの指標というのがありまして、それの数値を大体事業者さんは出してきます。それからもう一つは、それだけでは実際の風景の中でどうなっているのかというのが分かりませんので、事前事後でのフォトモンタージュというのを作っていただいて、これを住民説明会のときにも必ず提示していただいて、住民の方からいろいろな意見を聞くという手続になっております。  ただ、やはりフォトモンタージュを見ても、風車が林立するのに対してどう感じるかというのはやはり人によって違って、なかなかそこは基準というのは難しいんですけれども、まずは客観的に、大きく見えるか、どう見えるかというところで今のアセス手続は進んでいるというところが現状でございます。  確かに、どういった基準を求めていくのかということは、諸外国の例も含めて、今後検討していかなければいけない課題ではないかというふうに私も考えております。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 大変難しい問題ですね。これ多くの場合は、モンタージュ出して、結局余り影響がないような表現になって終わってしまう場合が多いんですね。これは見せ方もありまして、リアリティー高いように見せる場合と、それから、かなり遠方から見て、そうすると余り目立たなくなりますよね。そういう見せ方をして問題ないという言い方をしますので、なかなか難しいんですよ。  それで、私たちの昔の研究なんですが、結局、やっぱり人々の判断がどうかということで、そうすると、そういうアンケート調査みたいにうまく組み合わせると、個々の一人一人の意見じゃなくて全体としてとか、そういうようなことでやるような仕組みもできなくはないんですけど、今はそこまで手間掛けていませんよね。だからなかなか難しいです。  ただ、そういう絵をしっかり見せて、みんなで議論する場が生まれれば、おのずとして方向は出てくると思いますよ。例えば、それは基本的には、その造る前の状況と比較してどれだけ大きく変化したかですよね。その変化の程度がよく分からないから指標化しますけど、数字だけで決まらないですよね。だから、それはやっぱり一緒に見て議論することによって決まっていくと思います。  現状としてはそういうプロセスがないので、なかなか景観の問題は扱いにくいですね。ですから、特別重要な景勝地の場合には大体意見が一致しますけど、そうでない場合なかなか難しいと思いますね。だから、しっかりした議論をする場といいますか、そういう意味あることができるような場をつくることは大変大事だと思っております。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 景観については、景観法という法律があって、各自治体、景観法に基づいて条例規制を掛けているというような、そういう場合がございます。  風力発電についても、例えば、今、離岸距離二キロ程度のところで十メガワットを超えるような風力発電を建設するともう海辺の風景というのは一変しますし、メガソーラーについても、福島県の福島市であるとか奈良県の平群町であるとかというような、地域の人が愛する歴史的な山の緑に大きなメガソーラーが造られて、それが景観の問題として問題になっているというような、そういう事例もあります。  そういう中で、どうやって景観利益を守っていくかということなんですけれども、でも一応、景観利益というのも法律上、景観法で守っていこうというような方向で進められている利益であるので、きちんと地域の人がどういう景観を守りたいかというようなことを議論して、地方自治体が条例の中でどういう景観を守っていくかというような、その景観法の手続の中でそれを反映をさせていくというようなことが必要になってくるのではないかというふうに思います。  メガソーラーの開発については、景観法で対応をしている、あっ、景観条例ですね、景観条例で規制をしている自治体というのもございます。  以上です。

串田誠一 日本維新の会

○串田誠一君 室谷参考人にお聞きをしたいんですが、いただいた資料六に絶滅のおそれのある地域個体群という、四国のツキノワグマについてありました。  九州は二〇一二年に熊の絶滅宣言が行われて、四国もあと十数頭ということで絶滅の危険が迫っているわけですけれども、この中で、一九七八年からずっと、二〇一八年ですか、生息が確認されたのがこの図でなっているのと、あわせて、風力発電の計画というのがあるんですが、この写真から見てどういうような、まあ動いていることは分かるんですけれども、この設置場所とツキノワグマの生息に関する危機というのは、どういうような形でこれが説明できるのかを教えていただきたいと思います。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 四国のツキノワグマについては、元々はもっと広い範囲、愛媛県の方にもいたとされているんですけれども、今、最後に残った生息地が高知、徳島県の県境の標高千メートルに近いような一帯というふうにされています。ツキノワグマについては、捕獲禁止になってからもう数十年が経過しているんですけれども、数が増えないということになっていて、その背景として、四国は人工林率が六割を超えていて、かなり人工林が進んでいて、もう生息地がそもそも十分ではないというような関係にあります。  むしろ、ツキノワグマの保護政策としては、生息できる環境を増やしていこうというような、そういうことがある中で、今ある風力発電は、ツキノワグマが確認された、生息が確認された時期に掛かっているというようなものでしたけれども、もうもっと真ん中の方に計画をされた事業は中止になりましたけれども、風力発電施設もあって。この図を見ると、ただでさえ狭められていて、もっと大きな範囲で保護をしていかないといけない地域に大きな開発が掛かっているというようなことになると思います。  風力発電を建てると大きな道を造るので、熊をかえって里へ押し出すというような、そういうことも起こってくると思います。動物も道ができれば道を使って里に下りてくるということになるので、そういう悪影響もあると思います。

串田誠一 日本維新の会

○串田誠一君 阿部参考人にお聞きをしたいんですが、これもすごく難しい問題になるのかなと思うんですけれども、図書公開における配慮事項ということで、資料では十二ページに書かれているんですが、希少種については公告縦覧の際も原則位置情報などは公開されていないということで、これ公開されていないいろんな理由があると思うんですけど、一つは、やっぱり希少種の位置が分かることによって見に行く人とか採取する人がいるとか、そういうようなことも出てきてしまうのではないかと。だから、ここに、結果の開示も必要と思われるというところで、無条件に開示していくわけではないのかなというふうに読ませていただいたんですけれども、これについての阿部参考人の説明をいただければと思います。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 済みません、ちょっと記述が少し言葉足らずだったかもしれないですけれども、希少種については、今委員の御懸念のとおり、公開されてしまうと、乱獲されたり、あるいは巣の場所が公開されて人が集まってしまったりということで営巣放棄をしてしまったり、それからいなくなってしまったりというような懸念があるということで、基本的には国でも自治体でも公開しないという方向になっております。  それで、そのデータを公開した方がいいという私の意見ではなくて、実際にはその希少種にどういう影響があったのかとか、そういうことが集約されていることでいろいろ次のアセス事業に生かせることがございます。  ちょっと例で挙げさせていただいたのは、今、洋上風力で、今後、事後調査とかでいろいろな調査結果が出てくると思うんですけれども、何分、分かっていないことが多いですので、そういったデータを集約して、そのことによって次の事業のときに配慮してもらう。例えば陸上風力でも、国の方の研究事業でいろいろ過去に、いろんな風車、個別の風車の地点の情報は明らかにしないですけれども、どういったところで当たりやすいのか、あるいはどういった場合に当たりやすいのかというのを分析していただいた結果が報告書になっております。  こういうものが国できちんと公開されていると分かりやすいということで、情報は出せませんけれども、そういった情報は、是非、国の方で集約して分析して出していただきたいという趣旨で書かせていただきました。

串田誠一 日本維新の会

○串田誠一君 大変よく分かりました。  原科参考人にお聞きをしたいんですが、戦略的環境アセスの件なんですけれども、二〇二七年、私の地元の神奈川県で国際園芸博覧会というのが開催されることになっておりまして、是非とも成功してもらいたいなというふうに思っているんですが、愛知の花博が戦略的環境アセスで成功したということで、そういう意味では、この二〇二七年の国際博覧会も同じような手法というものを採用してほしいなというふうに思っているんですけれども、どんなことが考えられるのかということと、ちょっと勉強不足なので、環境アセスと戦略的というのが付くというのがどう違うのかというのも説明を加えていただけると有り難いです。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) ありがとうございます。  愛知は、愛知万博ですね、二〇〇五年の国際博覧会ということで、愛・地球博ってやりました。これは、当時、その博覧会招致するときに、環境をしっかり配慮すると約束したんです、国際約束。それで仕組みはつくった。アセスはなかったですから、ただ法制化と並行しておりましたので、アセス法の仕組みも先取りしようということで、大変意欲的に取り組んでくれたんですね。ですから、さっきも申し上げたように、公衆協議もしっかりやったと。そのときは世界が注目したので、世界中からいろんな意見出たんですよ。それにちゃんと応えたんですよね。そんなプロセスでございました。結構、紆余曲折あって苦労はしたんですけど、まあいい成果が上がりましたね。  それで、まさにその花博、これも同じような格好でやっていただきたいので、私はこれ、でも二七年というとすぐ先だから、もう事業スタートしているでしょう。だから今からアセスというわけにはいかないんですが、だけど、事後調査とか、そういうものをしっかり組み合わせてやっていただくといいと思いますね。ですから、今から工事中のモニタリングとか、それから事後の調査をやっていただく。  それから、この事前のチェックがどうなったか。これはどうなんでしょう、その横浜の場合は。横浜ですよね、これ。これ、アセスやってないんじゃないですか。やりましたか。私は横浜市民なんだけど知らない。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

串田誠一 日本維新の会

○串田誠一君 ごめんなさい。  詳しくはよく分かりませんが、やっているんじゃないかなと。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 日本の考え方だと、一時的なそういう事業に対しては通常やらないんですよ。だから、大規模なものを造ったりして、残すものはやるんですけど、博覧会って壊しちゃうでしょう、なくなっちゃうでしょう。だから、愛知万博も日本の仕組みでは対象にならないんですけど、さっきも言った国際約束があったのでやったんですよね。だから、法アセスの対象じゃないんだけどやったということですね。  だから、横浜はどうだったか、私も確認できていないんですが、ひょっとしてやっていないかもしれない。もしやっていれば、それを使って事後調査でしっかりフォローすればいいですが、まず評価書があるかどうか確認していただいて、それがあれば次の段階へ行けると思いますね。  ありがとうございます。

串田誠一 日本維新の会

○串田誠一君 大変ありがとうございました。

浜野喜史 国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。今日はどうもありがとうございます。  まず、阿部参考人にお伺いいたします。  御説明をお伺いしていて、とにかく効果的な実効性ある環境アセスメントであるべきだと、こういう御説明だったと私は理解したんですけれども、そういう観点でいくと、ハラタニ参考人が主張されておられるその環境、済みません、簡易アセス……(発言する者あり)失礼しました、原科参考人が主張されている簡易アセスについても御賛同されているのかなというふうに私は理解したんですけれども、御見解をお伺いできればと思います。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 御発言は挙手をして、指名を受けてからにお願いします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 簡易アセスについては、簡易アセスというのは、正確には環境影響評価法の手続よりも簡単な手法で事前にいろいろ検討するということになるかと思います。簡易アセスというのは、制度上どうやって入れていくかというような議論は、ちょっと私についてはいろいろ検討事項はあるかなと思っているんですけれども、例えば、今、先ほど説明させていただいたのは、二種事業のスクリーニング制度というのがございまして、こういうところに少し簡易アセス的な考え方を入れていったら効果的ではないかというようなお話をさせていただきました。  その他、小規模な事業で第二種事業未満のものについて、今、自主アセスというのを事業者さんが主体になって行っております。そういったところにでもうまくこの簡易アセスというような取組を入れることができれば、先ほどのような重点化、簡略化というようなところにはつながっていくんではないかということで考えております。そういったところには効果的なのかなと私は思います。

浜野喜史 国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 ありがとうございました。  次に、原科参考人にお伺いいたします。  御説明の中で、アセスは規制ではなく事業者の自主的環境配慮を促す仕組みであるという御説明があったんですけれども、これは、現行法が既にこういう仕組みなんだという御説明なのか、こうあるべきなんだという主張なのか、その辺りを解説をいただければと思います。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 大変大事な質問をいただきまして、ありがとうございます。  現行法がそういう考え方で作られております。ですから、これ枠組み規制的手法という我々分類していますけど、規制ではないんですね。だから、手続をしっかりやってもらえれば、それによっていい方向に行くだろうと、誘導型な手法でございます。

浜野喜史 国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 もう一問、原科参考人にお伺いいたします。  戦略的環境アセスメントについてお伺いしたいんですけれども、説明いただいた資料の中に、政策というその側面においての戦略的環境アセスにおいて、政策、計画も全て対象であるんだけど、しかし適用例は少ないという記述があるんですね。ということは、導入しているんだけれども実際は使われていないということなのかなというふうに私は理解したんですけれども、説明をいただければと思います。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) まず、政策段階で環境配慮というのは大変難しいんですね。これはテクノロジーアセスメントがなかなか難しいのと同じようなことがありまして、具体の形が見えてこないということであります。  それで、基本的には、このアセスメントの仕組みは、昔の、一九六〇年代に始まったテクノロジーアセスメントの手法がベースなんですね。ですから、どんなインパクトがあるかをまず予測評価して、そして意思決定していく、こういう仕組みなんですね。ですから、そういう意味では、意思決定ということですから、政策の意思決定にも使えると、あるいはより具体化した計画にも使えると。計画のプランという段階でプログラムはありますからそれぞれの段階で使えるんですが、だんだん具体化していく方が予測評価しやすいですよね。だから、事業、英語でプロジェクトと言いますけど、その段階は明確なので、これはもうできるというので環境アセスメントができたんです。  ですから、政策というのはそもそも難しいので、そういう仕組みを持っている国は少ないんですけれども、ただアメリカの場合には、最初から政策も対象にするという考えで始まりました。実際は、今申し上げたように難しいので、余り適用例はないんですよね。だから、結局、計画のやっぱり具体化しますから、その段階でやるというのが世界の主流でございます。ということで、この私の資料でありますように、NEPA、アメリカの制度は当初から政策、計画も全て対象にしていると、しかし適用例は少ないわけですね。  あと、ほかの国は、オランダもそういう政策段階のやっております。私、放送大学で環境アセスメントの授業を、三つのシリーズがありまして、十数年やりまして、その当時、番組でも紹介したんです。オランダの例では、例えば廃棄物の処理問題とか、そういう廃棄物政策ですね、政策段階でやった例があります。でも、それもやっぱり今日本で考えるようなアセスメントと違うので、大きな方針というか枠組みを決めるような段階ですから、結果は、通常我々イメージしているアセスメントとは違ったものになっております。

浜野喜史 国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 ありがとうございました。  これで最後の質問にさせていただきたいと思うんですけれども、室谷参考人と阿部参考人に同じ質問をさせていただきたいと思います。  室谷参考人から、再エネ電源が引き起こしている全国各地の様々な問題を説明をいただきました。  私は、根本的にはこういう問題は、Sプラス3Eの考え方に立たずに、再エネ電源を主力電源化するというような誤った考え方に立ってエネルギー基本計画を決めていることに由来するということではないかなというふうに私は理解しているんですけれども、室谷参考人、そして阿部参考人の御見解をお伺いいたします。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) エネルギー計画をどう立てていくかというのはすごく難しい問題で、私自体も専門ではないんですけれども、今の再生可能エネルギーの推進、あと立地の誘導みたいなような政策を見ていると、もうとにかく再エネの比率を増やすということを前提に、多少のもう規制緩和なり住民の犠牲はやむを得ないというような状況になっていると思います。  もう全国で起こっている実態というのは、多少の犠牲ではなくて、かなり大きな、その地域に住み続けることができるのかというような根本的な犠牲になっています。住民の生活、あと生物多様性保全があって、それと両立する形での再生可能エネルギー推進が必要で、そこをとにかく比率を高めるというためだけに犠牲にしてはいけないというふうに考えています。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 私は、生物多様性保全と気候変動対策というのはやはり非常に重要な問題だと思っておりまして、やはりCO2対策は国を挙げてやっていかなければいけないと思っております。  ただ、再エネだけ増やせばいいかというと必ずしもそうではございませんで、やはり再エネ電源がたくさん系統に流れてくれば電源も不安定になりますし、その分、調整電源も必要になります。そういうところでも、脱炭素、例えば火力発電での脱炭素も進めていかなければいけないし、再エネといっても、風力とか太陽光とか地熱、いろんなところをバランスよくやっていかなければいけない。国では、再エネだけを主流というよりは、やはりエネルギーミックスという考え方に基づいてバランスよい電源構成を進めることによって、やはり気候変動対策と安全保障面もいろいろ対応、エネルギー安全保障の面も対応できるんではないかということで、私は基本的にそういう考え方で進めるべきだと思っております。  ただ、それでも日本が達成しなければいけない再エネ導入量というのは現在まだ足りていないというところがございますので、やはり国としては再エネの導入拡大というのは進めていかなければならなくて、その際には、やはり自然環境との問題、非常に大きい問題が出ておりますので、やはり立地誘導のための政策、これはもうアセス法に限らず様々な法律によって進めていかなければならないということを考えております。  以上です。

浜野喜史 国民民主党・新緑風会

○浜野喜史君 ありがとうございました。終わります。

山下芳生 日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  お三方、ありがとうございました。  まず、原科参考人に伺います。  原科先生の論文、戦略的環境アセスメントの導入に向けてを拝読いたしますと、事業アセスの限界として、一つ、事業実施段階では保全対策が限られる、二つ、計画自体の見直しが難しい、三つ、累積的影響への対処ができないことを挙げておられます。その上で、事業よりも上位の意思決定段階での環境配慮の必要性が明確になった、それが戦略的環境アセスメントの導入で、個別事業の位置、規模の検討段階で行う日本型環境アセスメントは、国際基準の戦略的環境アセスメントとは言い難いと述べておられます。  そこで伺いますが、それでは、この国際基準の戦略的環境アセスメントを日本で導入するためには何が必要だとお考えでしょうか。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 大変大事なポイントですね。計画段階という表現使っているのであたかも上位計画のように誤解しますけど、今、配慮書が、これ事業アセスですから、事業の計画段階なんですね。SEAは上位の計画ですから、これは対象が違いますね。これは先ほど申し上げたように、その政策決定の手続自体を、基本の構造を変えないとこれは難しいと思います。  ということで、二〇〇六年から二〇〇七年にかけて環境省が設けたSEA検討会では、それぞれの国の関わる計画のプロセスを全部分析したんですよ。私、ワーキンググループ、これを担当しましたので覚えておりますが、なかなか難しいですよ、本当に。だから、個別の、日本の計画決定のいろんな手続がありまして、それを詳細に分析しなきゃいけないんですが、ともかく、そういうプロセスで情報公開がとても遅れたんです、いろんな段階で。だから、国民の意見を出しようがないとかありまして、そこのところの構造を変えないとなかなか先へ行かないです。  一つ可能性がありそうだったのは実はエネルギー問題で、三・一一の後、政府がそういうエネルギー検討会議を始めたでしょう。ああいうようなプロセスをいろんな公的な計画の中でやれば、これは生まれてくると思います。ポイントは、通常のアセスメント、文書をベースにやりますけれども、それだけではなくて、会議の場を構成して、いわゆる熟議です、熟議をするような格好に進めていけば、これは可能性あります。  例えば、廃棄物処理施設の立地の問題を長野県でやりました。もう二十数年前です。当時は田中康夫知事なんですけど、それを私、頼まれてやりましたけど、そのときは本当に公開の場で議論したんですよ。そうしたら、最初はもう反対反対って大将が、エビデンス、データを基に、データを公開して、そして議論したんですよ。そうすると、一方的に議論できなくなっちゃうんですね。で、事実関係が分かってきますと、そうすると反対派の大将が、いや、これ造る必要全くないと言ったんですけど、だんだんだんだんデータ分かってきたら、やっぱり処理しなきゃいけないものは残るんだと、どんなに頑張っても。そうすると、最小限、これこれの施設は造らないかぬということで、最後にこう言ったんです。最後といっても十回目ぐらいかな、一桁の回数のときに言いましたね、施設の必要性は否定しないと言ったんです。造ってもいいとは言わないんだけど、そういう言い方したんですよ。つまり、理解が進んだんですよね。  だから、そういうのが政策段階のアセスメントです。だから、政策段階で十分情報公開して、そのデータをベースにして議論していくと。その議論も公開でやることなんですよ。  このときに大事なことは、私、ハイブリッドモラルと言っているんですけど、メンバーをハイブリッド、一つは専門家ですね。でも、専門家だけでやっては駄目なんです。ステークホルダー、もう一つはいろんな組織の代表ですよ、このハイブリッド。そうすると、アセスというのは科学性と民主性が大事です。合理的で公正な判断をするためには科学性が必要です。まず合理的、科学的分析、だけどみんなの意見が必要ですから、民主的な手続、この両方を含む。そのためには、科学専門家の意見が出ること、それからいろんな人の意見ですね、価値判断が入って、それも意見出ること、このハイブリッドの視点でそれがうまくいきます。  それでやったので、結局、反対派の大将までオーケーと言ったので立地まで行ったんですけど、その後、いろいろややこしいことがありまして、そういうところへ行きまして、それがいいモデルになってほかにも使われまして、実はさっき申し上げた愛知万博のときにもそのモデルを適用してもらったんですよ。そうしたら、それもやっぱり専門家とステークホルダー、うまくいきましたね。計画が改良できたんですよ。そして、さっきお話ししたような結果になりましたので、だから、政策段階の環境アセスメントというのは、通常の文書のやり取りだけではなくて、たくさん会議の場を設けて、しかもそれを公開でやることです。  二十数年前やりましたけど、そのときは、私、約束してもらったんです、引き受けるときに、この会議は全てテレビで放送してくれと。で、地元のテレビ局が毎回入ってくれていた。そうすると、県民がみんな注目するわけですよ。それみんなが見ているから、おかしな議論はできないですね。だから、反対派の大将も、やっぱりデータに基づいた議論していけば、一方的な議論をしなくなった。だんだんまとまってきまして合意形成できたと。  こんなことでございますから、政策段階のアセスメントというのは、そういうようなことで、通常のこれまでのアセスメントとちょっと考え方を切り替えるとより効果的だと考えます。

山下芳生 日本共産党

○山下芳生君 ありがとうございました。  もう一問、原科先生に伺いたいと思いますが、さきの論文で、今言われたことなんですが、環境アセスメントとは科学性と民主性であると、合理的な判断には科学的な分析が必要であり、公正な判断には参加が保証されなければならないと。大変納得いたしました。  米国の国家環境政策法に基づく環境アセスメントの核心部分は代替案の検討と市民の参加だとよく言われますが、この日米の比較で日本はどこを見直せばよいとお考えか、特に代替案の検討という点で、いかがでしょうか。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 御発言は挙手をなさって委員長の許可を得てからお願いします。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) これはとても難しいんですけど、ただ、今のお話の例がありますから、やれないことはないんですよね。結局、あの長野県の例は、首長、田中康夫知事がそういうことをやってくれたおかげでいったんですね。だから、そういう首長の判断があれば結構できますよ。だから、そういった事例をだんだん積み重ねることがとても大事だと思いますね。日本でやったことないから、やっぱりそれは、できるかはみんな心配しますよねということなんです。  アメリカの場合も、随分長い民主主義の手続の歴史がありまして、例えばこのNEPAを作るときには、民主党、共和党、それぞれ随分議論したんですよね。だから、議会、しっかり議論するんですよ。それによって中身がだんだん詰まってきたんですよ。この制度、あたかも民主党がつくったように思いますが、実は共和党の政権ですよ。ニクソン大統領が一九七〇年一月一日にサインしたんですから。ですから、双方が歩み寄ってつくるのがそういう仕組みなんですね。そういった風土が日本でもできないとなかなか難しいとは思いますけど、ただ、さっきみたいな例も地域ではできていますから、そういうものを参考にすれば私は可能性があると思います。  そこで、これから我々は考えるべきは、例えば国会の議論、委員会はもっと議論してくださいよ、熟議。一方的に説明して、後という格好じゃなくて、本会議でも本当は議論してもらいたいですね。そういうしっかり議論するようなカルチャーに変えていかないと、社会はなかなか変わっていかないと思いますね。だから、国会自体が変えていただく。例えば、先ほども言いました、参議院で是非目的を、第一の目的を、六文字削除ぐらいは今回皆さんで議論して変えてもらいたいですね。そういうことがあれば社会変わっていきますよと思います。

山下芳生 日本共産党

○山下芳生君 続いて、室谷参考人に伺いたいと思います。  添付していただいている、日弁連のメガソーラー及び大規模風力発電所の建設に伴う、災害の発生、自然環境と景観破壊及び生活環境への被害を防止するための意見書では、温対法に基づく促進区域の設定の際に、住民と十分に情報を共有する機会を設けた上で住民参加の手続によって住民との事前協議を行うことを義務付けるべきであり、それなしの配慮書の手続の省略はされるべきでないと明記されております。大事な観点だと思いました。  そこで、二点質問させていただきます。  一つは、この住民との事前協議、これは原科先生からも協議ということが非常に大事なんだというふうに意見陳述でありましたが、この住民との事前協議とは、日弁連の言うところのこの事前協議とはどういうものなのか、どうしてそれが必要とお考えなのか、これが一点です。  二つ目に、私は、計画段階配慮書手続では、先ほども申しましたが、位置等の異なる複数案の検討の義務付け、その際にも住民参加と協議というものが環境アセスメントの実効性確保のために極めて重要だと考えますが、いかがでしょうか。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 住民との事前協議というのは、住民参加を図る上で重要だというふうに日弁連も位置付けています。  促進区域の設定というのは、いわゆるゾーニングであります。誘導をしていくというような場所と、あと、逆に避けていく、ここは造らないというような場所についても考えていく過程で住民の意見が十分反映されていなければ、思いもしなかったところに発電施設ができて、自治体の中なので生活環境に重要な影響を及ぼすというような中で、やっぱり協議ということを入れていくことというのは必要不可欠なことであるというふうに考えています。  今の環境影響評価法の手続であれば意見は言えますけれども、言いっ放しで、それが反映されたかどうかというところまで住民は関与できないというようなことになっていますけれども、環境影響評価法でやるかどうかは別の問題として、きちんと住民の意見に対してこういう検討をしましたというようなことをきちんと事業者が協議する場が不可欠だというふうに思っていて、それは議員がおっしゃるとおり、早い段階でそういうことをしていくというようなことが必要なので、その環境影響評価の配慮書が出るようなタイミングで説明会というのは行われていますけれども、もっと幅広く住民の意見を反映させるような、そういう手続を条例等によって補完すべきであるというようなことも考えています。

山下芳生 日本共産党

○山下芳生君 複数案の検討ってどうでしょうか。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 許可を求めてから、許可を得てからにしてください。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) はい。  複数案の検討についてですけれども、複数案の検討というのはすごく重要で、一応今の環境影響評価法の中でも複数案を検討するというようなことになってはいますけれども、実際に本当に細かく検討をされているかというとそうではなくて、当初のものから変更される場合はありますけれども、でも、事業の回避をすべきかというようなことの、そこも含めての検討というのは十分されていない事例というようなところがほとんどで、ここに住民の意見を反映させていくというのは、先ほど申したように極めて重要だと思っています。

山下芳生 日本共産党

○山下芳生君 阿部参考人に伺いたいと思います。  阿部参考人の既存資料を活用した火力発電所における陸域動植物の簡易な影響評価手法を拝見いたしました。主な成果として、火力発電所の立地特性として、低地や沿岸域に位置していたと、周辺環境の大部分は工場と水域であり、植生自然度の高い環境の占める割合は僅かであったと、こうした立地特性を踏まえた評価対象の絞り込みを行うことでアセスの効率化や簡略化が期待できると述べておられました。  そこで、火力発電所がなぜ低地や沿岸域に位置しているのかといいますと、それは、タービン蒸気の冷却が発電所の復水器で行われると。その冷却に海水や河川水が用いられるからであって、この温排水が魚類などの遊泳動物、底生生物、動植物、プランクトン、それから干潟、藻場、サンゴ礁などに重大な環境影響を与えるということは知られております。  そうした海生生物へのアセスの効率化や簡略化が期待できる研究というのはあるんでしょうか。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 私は陸域が専門ですので、一応陸域の方で分析した結果をまとめさせていただきました。  海域につきましては、アセスの手続としては、温排水については、きちんと温排水の拡散範囲を調べて、その中にどういった生き物がいるかというのを調べて、過去の事例を引用してきて、何か影響が出そうな温度範囲なのかどうかというのを詳細に調べていただくというプロセスは行っております。  これは、やはり長い期間を掛けてこういった手法が確立されてきておりまして、まだまだ分かっていない知見というのは確かにあるんですけれども、アセスの中でできる範囲というのはある程度年限等も限られておりますので、かなり努力をして、あとは自主的なモニタリング等もされて、どの程度影響があるのかというのを調べてきております。  分析結果でいうと、やはり都市部が多いですので、都市地域に温排水が出てくる影響ということで、そんなに自然の豊かなところということでは大部分はないんですけれども、それをどう簡略化していくのかというのは、実は私のいろいろ検討した結果では難しいんではないかなということは少し考えております。本来はこういったところも簡略化すべきなんだろうなとは思っているんですけれども、ただ、大きくその温排水の範囲が変わらないとか現状と全く影響の範囲が変わらないというようなそういったケースについては、何らかの簡略化の方向というのも検討できるんではないかとは思います。

山下芳生 日本共産党

○山下芳生君 終わります。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎と申します。  先生方、貴重なお話、ありがとうございました。  まずは原科参考人にお聞きしたいと思います。  先ほどもお話が出ましたけれども、二〇二〇年に「環境と公害」という雑誌で発表された環境アセスメントと公共性、この論文において、世界標準のアセスが満たすべき項目として三点挙げられたと。環境情報へのアクセス、意思決定における公衆関与、プロセスのチェック機能ということなんですけれども。そして、この論文を発表された二〇二〇年の当時の段階で、日本のアセス制度はこれら三つの全てを満たしていないと評価をしておられました。  これら三項目は今回の改正法案で満たされることになりましたでしょうか、それとも満たされていないでしょうか。その理由などもお聞かせいただければと思います。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 前進はしたと思いますけど、満たされたというのはなかなか難しいと思いますね。特に情報公開は、さっき何度も申し上げたけど、まだ十分じゃないと。ようやく今回アセス図書の公開が継続になされるので、一歩進みましたね。ただ、早期の段階ではまだまだ十分でないと思います。特に計画案の公開は遅いんですよ。先ほど複数案の検討という御質問ありましたけど、まさに計画案の情報公開を渋るので、複数案の検討がなかなか進めないんですよ。  これ、アセスメントの考え方は、元々の方法論だと、システム分析という方法、これが基本なんですね。システムスアナリシスというのはこの意思決定を支援するシステムですから、いろんな案、A案、B案、C案、これ代替案、英語でオルタナティブと言いますね、そういう代替案を比較検討して、一番いいものを選ぼうと、こういう考えなんですよ。  だから、アセスの場合には、提案行為と英語で言っていますけど、ある事業をやりたいと、そうすると、その事業と比較して、もっと環境を配慮した形をA案のほかに考えると。それから、その行為をやらなかった場合、ノーアクション、だからゼロオプションも入れるんですよ。そういうのを比較して評価するんですね。ところが、そういういろんな案を本当は事業者は考えているんだけど、それを早期に公開しないのでなかなかうまくいかないというか、ですから情報公開というのはなかなか難しいですね。  それから、参加に関しても、さっき申し上げたように、十分に意見交換の場が持たれないと。でも、これも進みました。昔、説明会もないようなこともありましたけど、だんだんそういう機会は増えましたから進んではいるんですけれども、まだ十分ではない。ただ、法の仕組みではなくても地域地域でいろんな事例が出ていますから、そういったものを参考にすればもっと進めることができると思いますね。特に、意見交換会という概念の場をつくっていただくと随分参加が進むと思います。  それから、司法との連動は、まさに異議申立て制度、これももう国際協力分野でやっているわけですからね。しかも、すばらしいパフォーマンスですよ。だから、是非これ、異議申立て制度は入れていただきたいと思いますね。ですから、これは十年後と言わずに五年後を目標に、これまでの経験を生かして法制を進めていただきたいと思って、あっ、法の改正ですね、お願いしたいと思います。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 ありがとうございます。  もう一問よろしいでしょうか。  原科参考人は、二〇二三年に「環境と公害」という雑誌で発表された戦略的環境アセスメントの導入に向けてという論文において、事業段階の環境アセスメントでは、一、事業実施段階では保全対策が限られる、二、計画自体の見直しが難しい、三、累積的影響への対処ができないという三つの問題が存在するため、アセス先進国では事業よりも上位の計画段階や政策段階でのアセス、すなわち戦略的環境アセスが既に実施されていることを御指摘されています。  戦略的環境アセスメントを法律で規定することは、一九九七年、アセス法成立時の附帯決議にも示された宿題だったはずなんですね。けれども先送りです。そこから約三十年経た今日においても、今回の改正法案にも盛り込まれていません。このような戦略的環境アセスメントの法制化をめぐる状況を、日本における環境アセスメントの第一人者、原科参考人がどう評価されているでしょうか。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 御発言は許可が必要です。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 済みません。手を挙げてしゃべる癖が付いていないので、済みませんでした。  そうですね、これは難しいんですよね。二〇〇六年か七年に環境省がつくったSEA検討会、これでかなり議論しまして大分問題が明らかになって、しかも共通のガイドラインを作るまで行ったんですよね。法制化にもそれは反映するところまで行ったんですけど、ブレーキが掛かっちゃったんですね。だから、これは本当に難しいと思うんですけど。  ただ、本当に世界はそういうことをやっていまして、実は国際協力分野では国際標準の仕組みになります。JICAは、改定ガイドライン、二〇一〇年に作りましたけど、そこではマスタープラン、つまり上位の計画段階のSEAやっています、導入しました。だから、日本の仕組みでできないわけじゃないんですけど、どういうわけか国内の仕組みは遅れているんですよね。  だから、これがどうなのかという、更に皆さん一緒にちょっと分析して検討していただきたいんですが、私は、これはやる価値があるし、日本の組織だってやっているところあるわけだから、できないわけがないと思うんですね。だから、まずそういうことは、重要な分野からでも始めていただきたいと思いますね。  その前に、まず、こういうアセスメントとかが本当に社会的に効果あるということを国民が学習するためには、幅広くアセスメントを経験するように、簡易アセスメントですよ。中国は年間四十万件、五十万件やっていますから。アメリカが十万件、日本は最近、百前後、昔は二十件ですからね。だから、アセスというものに接触する機会がとても少ないんです。これが、簡易アセスだから事業者もやるの簡単ですから負担感ないですよ。でも、それによって、いいことをやっている事業者は評価されます。SDGsですよね、評価されますよ。だから、プラス両方あるんですよね。そういう社会に変わっていけば、その上でSEAに進むことができると思いますけどね。  だから、そういうふうに、まずは事業アセスの改善を更に進めていただいて、併せてSEAの導入を考える。ただ、考えるばっかりで五十数年やっているわけですから、しかもガイドラインまで作ったのにこれがポシャったんだから、もう一回あれを見直してやってもらいたいと思います。だから、十年後と言わず、五年後を目標にやってください。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 ありがとうございます。  三年越しの宿題さえもクリアできないまままた法改正ということに関しては、本当に政治のていたらくをおわび申し上げます。  引き続き原科参考人にお聞きしたいです。  二〇二四年、「環境法研究」という雑誌で発表されたSDGsと環境アセスメント、簡易アセスメントの導入が持続可能な社会への道を開くという論文において、アメリカの国家環境政策法のアセスメントと日本のアセス制度を比較されています。  その上で、アメリカのアセスは、規模にかかわらず連邦政府の行為全てを対象にしており、連邦政府の意思決定が行われる様々な行為が対象となる、開発事業だけではなく、上位の計画や政策まで幅広い、日本の環境影響評価法では土地の改変や構造物の建造に限られているのとは大きく違う。中略です。米国では人間行為が対象なので、例えばオスプレイの飛行訓練もアセス対象となる、その結果、アメリカでは、人々の懸念に応えて、国内での飛行訓練は延期や中止になったとのことです。  参考人が論文にお示しいただいた例にもあったようなオスプレイの飛行訓練などもアセス対象となるような、政府の行為を対象とした環境アセス法の改正法案とするには、例えばどういった条文が盛り込まれる必要があるとお考えになりますか。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) それはちょっと難しいと思って、具体的な条文は私きちっと考えていないんですけど、言いたいことは、そこまで行かなくても、とにかく一つは、意思決定への関与ということが大事なポイントでございまして、対象行為はそこまで行かなくてもいいかもしれません、広げていけばいいということで。大事なことは、政府が予算を使うわけですから、その意思決定しますよね、それに対して国民がしっかり見て、そして意見を出して、その国民の声に応えてもらうという、こういう考え方が必要なんですね。アメリカはそういう民主主義の長い歴史がありまして、そういう背景の下でできたのがNEPAですから、日本とは随分違いますので、一気にそこまで行きません。  だから、そういう意味では、条文までは考えていなかったんですけど、だから、とにかく意思決定へもっと、オーフス条約にあるように情報公開して、市民、住民参加して、そして、おかしければブレーキ掛けられるように司法との連動という、そういう仕組みに持っていかないかぬと思います。  その意味では、一番みんなが分かりやすい問題、エネルギー問題、エネルギー政策、これは結構みんなが関心持って参加してくれますから、まずはそういった分野から政策段階の、あるいは計画段階のアセスメントやっていくことが私は実際に可能だと思っております。十数年前にそういった試みはありましたよね。その場合にも公開の議論でやっていったでしょう、市民が参加して。まさに、ああいう仕組みをやればいいアイデアが出てくると思います。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 ありがとうございます。  附帯決議というかなり、法的拘束力はないけれども非常に重要なものに対して、三十年間、事実上放置されているという現在を考えるならば、済みません、オスプレイというものに関して、政府の行為まで縛るということまではかなりハードルが高いので、まずは一歩一歩進めていくべきだという御意見だと思いますけれども。  参考人の方から何か御意見があるようなので。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 今、政策で、もう一つは土地利用です。土地利用計画に対し、これも身近な問題ですから、これが物すごい重要です。  つまり、今、規制緩和規制緩和で容積率の緩和とかがありまして、どんどんどんどん都心にビルが建っていくでしょう。その結果、首都にどんどんどんどん人口が集まってきて、首都直下型地震が起こった場合に大変リスクが高い状況になってしまいました。東京の二十三区の密度はとても高いんです。ニューヨークの二倍、三倍ですから、物すごい高いんですよ。だから、地震が起こった場合に大変なことになりますので、そのとき、どうしてこういうことが起こったかというと、土地利用規制変えるときにしっかりした政策アセスメントやっていないので、審議会で短い期間で決めちゃうんですよね。  だから、ここに政策アセスメントを入れれば、計画段階ですね、だから土地利用計画においてアセスメントやれば、これは変わっていきます。そういうSEAやれば、本当に持続可能な社会つくる方向に行きますね。  今、全国の、地域分権化と言っていますけど、全国の国土全体を均衡ある発展というのであれば、東京にこれだけ集中するような構造を変えなきゃいけないんです。今、逆を行っているでしょう。土地再生って二〇〇〇年頃から言い出しまして、どんどんどんどん土地利用を緩和してきたんですよ。そうすれば、そこにどんどん東京、立地しますよね。だから、地方から東京にどんどん吸収されちゃう。  それで、その構造を変えるというのは、やっぱり政策や計画、問題になるんですよね。それで、国民がそれにアクセスするには、計画アセスメントしっかりやる、SEAをやることによって私は変わっていくと思いますね。これ大変重要なところだと思います。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 ありがとうございました。  続いて阿部参考人に。  政府は、電力会社が一つの原子炉の廃炉を決めてほかの場所に新規で原子炉を建設する場合もリプレース認めるという方針を示しています。原発については、そもそも廃炉に数十年掛かるわけですから、同じ場所での建て替えは基本的に不可能です。事実上は原子炉の新増設であり、このような新増設に対してリプレースと認めてアセスを緩和することは、アセス制度の骨抜きにつながり、許されるものではないと考えております。  建て替えに際するアセスメント規制緩和の対象に原発を除外しない今回の法改正というのは私は間違っているんじゃないかなというふうに思うんですけれど、阿部参考人の御意見聞かせていただいていいですか。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 今回、火力発電所のリプレースと、それから最近少しずつ増えている風力発電所のリプレース、紹介させていただきました。地熱発電所についても三件ほどアセス法でのリプレースあるんですが、残念ながら、原子力に関しては、これまでにリプレースという建て替え事業の案件がございません。ですので、参考にできるような情報がなくて、恐らく委員言われたようないろいろ懸念事項等あると思っております。  今後、政令でどこまでをリプレースと認めるのか、風力でも恐らく、別の尾根に建てるような事業ではリプレースとは認められないというようなお話ししたと思いますけれども、そういった形でいろいろ定められていくと思いますので、原子力につきましては、いろいろ御専門お持ちの方、いろいろ専門家の方いらっしゃると思いますので、そういうところで十分に議論をして、そこら辺の懸念が生じないように検討していく必要があるかなと思っております。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 リプレースという名を借りた新増設ということが行われることが非常に懸念であると。当然、解体していくまで、廃炉にするまでがとてつもなく時間が掛かるということを考えるならば、風力などとは比較できるものではない。風力であるようなものであるならば尾根を変えてということの発想はあるかもしれないけれども、原発に関しては、完全にその場所、その近くでは無理な話ですから、これはそもそものものから除外しておくというようなことを考えておかなければいけませんけれども、これが前に進めば当然政令ということになってしまうと。政令に関しては私たち手を付けられないという状況なので、少し悪質な私は進め方ではないかなというふうに懸念をしております。ありがとうございます。  続きまして、室谷参考人にお聞きします。  これ、住民説明会の対象範囲が非常に狭いであったりですとか、現行の環境アセス行政における地域住民や自治体のアセスのプロセスへの参画の在り方についてという意味でお聞きしたいんですけれども、洋上風力の推進区域設定などでは、アセスに地元住民、自然保護団体が参加できていないという批判もある。環境アセスメントに地域住民の参画を保障するには、どのような法整備必要でしょうか。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 住民説明会に関してはかなりいろいろな問題があって、環境影響評価法ではないですけど、再エネ特措法でもかなり範囲が狭いというような問題であるとか、地域住民しか認めないということで身分証の提示を求めるというようなこと、あと、専門的な話になるのでどうしても専門家のアドバイスというのは必要で、専門家を同席させて説明を聞くというようなことは不可欠であったりもするんですけれども、そういうことももう事業者の裁量に任せられているというような中で、住民としてはきちんと得たい情報を質問をして得られないというような、そういう問題が生じています。  特に、洋上風力については、特別法が制定されたことによって、自治体の主張はその協議会の中に入るんですけれども、住民自体はその協議会の中に反映できないので、説明会はされるんですけれども、その意見が反映される、その計画に当たって、そういう法的な地位を住民は有していないということになります。  風力発電についても、その他の事業においても、やっぱり住民の生活にかなり影響を及ぼす開発が環境影響評価の対象になるということなので、環境影響評価法でするのか条令等でするのかは別として、きちんと住民の意見を反映させるようなことを明記をした制度というようなことが必要ですし、住民説明会でも、その事業者の恣意的な判断によって本当に狭い住民しか……

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) はい。  入れないというような説明会しかできないのであれば、もう法で規制してしまうということもあり得ると思います。

山本太郎 れいわ新選組

○山本太郎君 終わります。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 愛媛県選出の議員で、ながえ孝子と申します。  今日は、三人の参考人の皆様、本当に有益なお話をいただきまして、大変勉強になりました。ありがとうございました。  まず、そうしましたら、原科参考人にお伺いをしたいんですが、異議申立て制度の必要性を熱弁されました。ああ、確かになと思いましたし、例えばJICAという国際舞台で活躍する組織はもう異議申立て制度もある、戦略アセスもちゃんとやっているということで、やっぱりそういう、それが組織の意思決定に取り込められないと、やっぱり世界で伍していけないんじゃないかなというような感想を持ったんですけれども。  前回の改正時にも、この異議申立て制度、議論にはなった、だけれども見送られたという経緯があったということなんですが、盛り込まれなかった経緯といいましょうか理由など、御存じでしたら教えていただけませんでしょうか。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 挙手をお願いします。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) そこまでは詳しく私はフォローしてないので前回の法制化の議論に対しては私答えられませんが、ただ、JICAの制度づくりを私ずっとやりましたので、それで異議申立審査役というのを十年間やりました。だから、その点では、国際協力面では経験があります。  これは、異議申立て制度を導入することのメリットは何かといいますと、事業を行う主体が、大変、環境配慮、前に進むんですよ。つまり、異議申立てが入っちゃうと、きちんとしたアセスやらないと先へ進まなくなっちゃうでしょう。だからブレーキ掛かる、ブレーキ。だからそういうことに対応するようになるんですよね。今の仕組みは異議申立てができないので、少々おかしなことがあっても先へ進んじゃうんですよね。だから、まさに結果が決まっている、結果に合わせるアワスメントなんて言われちゃうんですけどね。ですから、異議申立て制度の意義は本当にそこにあります。  その結果、JICA、さっき申し上げたんですが、二〇一〇年に制度が始まりまして、十年間ずっと審査役やってきましたけど、たった二件です、問題発見。異議申立てはたくさん出るんですよ。でも、そのたびにJICAの担当者がしっかり対応するんです。そうしますと、きちんとした対応しますから問題が解決するんですね。問題が残ったものはフォローアップしなきゃいけないので、登録するんですよ。レジスタードしたのはたった二件、十年間で。同じ十年間、世界銀行の成果見ましたら、五十件あったんです。世界銀行はJICAの事業規模全体の二・五倍ですから、だから、事業規模で割り算すると、それでも年二回になるでしょう。そうすると、年二回対年に〇・二回、十倍ですよ。これはJICAが本当にきちんとやったおかげだと思っております。  だから、そういう効果がありますのでこれは是非入れるべきだし、世界中はそういうことやっているのにどうして日本やらないのかということですね。裁判でやるというのは、本当にもう手遅れになっちゃいますから現実的じゃないですよ。だから、司法的制度との連動ということで異議申立てを入れると、そうすると、審査過程がしっかりしていればこれ大丈夫です。本当に実績あるんですから、これね。夢のような話じゃないんですよね。だから、それ是非、それを参考にしていただきたいと思いますね。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 その意識の醸成という点で簡易アセスの導入のお話もされまして、私も日本でアセス制度というのも少し広まってきたかなと思っていたんですけれども、やっぱりアメリカなどと比べるとこんなに違うんだというのは改めて、本当にまだまだこれからなんだなと思いました。  やっぱり、そういった簡易アセスの中でいろんなコミュニケーションが取られていくことで、やっぱり自然環境を守るとかそういったものが社会の合意として育っていくんだろうなということを思ったんですけれども、この簡易アセスが国によっていろんなやり方をしているようで、ちょっと私、イメージが湧かないので少し詳しく教えていただきたいんです。  スコーピングの段階の説明や話合いでチェックを済ませるのかなと思っていたんですけれども、アメリカの流れを見ますとそうではなくて、その前のスクリーニングの段階でやるということなのですが、その辺、どういうふうに住民を入れてコミュニケーションを取っていくかというのを教えてもらってもいいでしょうか。(発言する者あり)

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 発言は挙手をなさってからにお願いします。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 今お話しになったようなことでございまして、ちょっと私の資料の四というところですね、こういう図がありますね。これを見ていただくと、連邦政府は、簡易アセス、スクリーニングにつなぎますね。それで、今、実は日本の配慮書段階のやり方、結構、簡易アセスに似ているんですよ。つまり、簡易アセスは既存資料だけを使います。だから、新たな大掛かりな調査要らないんです。だからやりやすいんですよね。  大事なことは、計画情報を公開することによって、まず人々が信用してくれるというのかな、考えてくれるんですよ。そこで既存情報を基に情報を提供して、特に計画案、A案、B案、C案という複数案を出すことによって、どういう配慮をしてほしい、これが分かるんですよね。これが大変大事なんです。  ということで、私が先ほど申し上げた経験で言いますと、実際には三か月程度で終わりましたね。事業規模四十億円でコストは五百万ぐらいですか、だから〇・一%程度ですね。だから、普通の事業者にとっては本当に、もう十分負担できます。しかし、その結果、地域の方々が大変理解してくれますから。  ですから、限られた情報で、今手に入る情報を使ってつくるのが簡易アセスです。そこで、先行するアセス図書がどんどん蓄積されていれば、環境情報がもうありますから、それ活用できるわけですよ。だから、そこと連動しまして、そのことによって非常に簡便で、しかも事業主体が環境配慮を前向きにやっていれば、それをみんなが見てくれますから、これこそSDGsなんですよね。情報公開がベースですから、SDGsは。だから、TCFDとかTNFD、みんなこれ情報公開がベースですから、これが一番大事なところですね。  だから、簡単なチェック。例えばです、新国立競技場の計画、あれ、私、最初、NHKのニュースでぱっと見たんですよ。三十秒ぐらいしか映らない。さっと見たら格好いいんですよね、いいなと思ったんですよ。ところが、後でこの絵をしっかり見たら、あの大きさは明治神宮絵画館に比べてめちゃくちゃバランス悪いんですよ。絵一枚見ただけで、あっ、これは駄目だと思いますね。だから、その程度の情報でもいいんですよ、極端に言えば。そういう考え方ですね。つまり、既存のデータをベースにして分かりやすい情報を伝える、それによって判断できますよ。そこでしっかり対応していれば、一般の人は分かります。  それで、いろんなところで反対運動出ますけど、経験少ないから過剰な要求するんです。たくさんやっていれば相場観が分かるので、余りめちゃくちゃな要求しなくなるんですよ。私は長野の経験でそう思いましたね。きちんとやっていればめちゃくちゃな要求しません。本当は反対派の大将は本書いているぐらいの人ですから、その人が公開の場で分かったと言ってくれたんですよ。だから、たくさん経験することによって、みんな、そんなにおかしな議論は出てこないと思いますね。だから、簡易アセスは本当に役に立ちます。是非これは入れてもらいたいですね。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 お聞きしていると、住民側が鍛えられるのだなというふうなことを思いました。みんなでやっぱり、いかにこの環境、生物多様性とか配慮しながらやっていくかということを我々が学ばねばならぬのだなということも思いました。ありがとうございます。  そうしましたら、室谷参考人にお伺いをしたいんですけれども、虚偽記載などへの罰則の必要性のお話もされました。今の環境アセス、これをもう少し力のあるものにしていくためには、ほかにも強化の必要を感じられる点というのはございますか。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) 虚偽記載の罰則を適用することが目的ではなくて、やっぱりそういうことはしてはいけないんだというルールを明確にするというような意味でそういうことが必要だというような、そういう趣旨ではあるんですけれども、どうしても事業者の主体のアセスで、事業の先行きにも関わってくるというようなそういうことになると、その事業者が実施する調査というのをきちんと適正に判断ができる、それが正しいものであるのかというような判断ができる枠組み、適切に調査がされて環境影響が評価をされているのかというようなところの評価をきちんとするべきだというふうには考えていて、そういう過程で、一応今の環境影響評価法でも自治体が意見を述べたり環境省や経済産業大臣が意見を述べたりというようなことはあるんですけれども、その過程で第三者の関与をさせる仕組みというようなことも検討が必要じゃないかというふうに考えています。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 ありがとうございます。  それでは、三人の参考人の方々に同じ質問、お答えをいただけたらと思うんですけれども、現在の環境アセス制度、環境アセス法もあるんですけれども、実際、深刻な影響を自然環境に与えてしまう、生物多様性を損なうというような開発を止められないという事案が結構出てまいりました。室谷参考人からもたくさん事例を挙げていただきましたけれども、実際、環境をしっかり守れるアセスにグレードアップするためには何が必要だと思われますか。たくさん問題点はあろうかと思いますが、少し絞ってお答えをいただければと思います。そうしましたら、阿部参考人、原科参考人、室谷参考人の順でお願いをいたします。

阿部聖哉 一般財団法人電力中央研究所副研究参事

○参考人(阿部聖哉君) 確かに、実際にはアセス制度自体は事業を止める制度ではありませんので、やはりそういった案件も出てくるかなと思います。ものについては、今、例えば林地開発許可制度とかほかの制度によって、このアセスは規制ではありませんので、規制法の中でこういった事業は避けてくださいということはできるかと思います。  ただ、規制法が掛けられる範囲というのは、例えば自然公園ですとか保安林ですとか、そういう具体的なその規制が、土地の規制を掛けられるような対象だけですので、必ずしもその自然環境豊かなところに土地的な規制が全て掛かっているかというと、そうではございません。  そういう中で、もちろんそれが、土地の規制が掛けられればそれはそれで良いことだとは思うんですけれども、なかなか難しい面もあるのかなと思っておりまして、その中で、私は、アセス制度はやはり止められないということを委員おっしゃったかと思いますけれども、実際には、アセス制度があることによって多くの事業が、もう配慮書を出す前の段階でいろいろな意見が出て諦めたり、それからアセス手続の中で大幅に基数を削減したり、あるいはその結果、コスト的に見合わなくて実際には中止になったりというような事例も実際にはかなりございまして、そういう中で、じゃ、それでは十分救えないものについてどうするかということは今後議論していく必要があると思いますけれども、私は、今の土地規制、それからアセス制度の中で対応できるところは、今、中では十分対応しているんではないかなと考えております。  以上です。

原科幸彦 東京科学大学名誉教授/千葉商科大学前学長

○参考人(原科幸彦君) 自然環境を守るという立場でいいますと、個別の事業の段階でやるだけでは十分ではないというのは確かにそうですね。もちろんそれぞれ効果はありますけど、ただ、土地利用の問題が一番、大変大きいものですから、そういう意味では、やはり戦略的環境アセスメント、土地利用計画に対して行うことは大変重要なことだと思います。それによって、例えばさっきの累積影響に対応するのにゾーニングの問題でも解決できますし、だから、これはもう本当にエネルギー政策考える上でも大変重要なので、導入を是非急いでいただきたいと思います。  そういうことが、上位計画ですからいろんなアイデアありますね。そのときに、最初に申し上げた科学性と民主性ですよ。だから、科学的分析をしっかり踏まえて、民主性、いろんな声を聞いて、それを踏まえて進めていかないといけないと思います。  さっき虚偽の問題ありましたけど、虚偽と言わなくても、間違ったデータでもどんどん先に進める場合があります。これもやっぱりブレーキ掛けなきゃいかぬですね。  明治神宮外苑の再開発、この事例では、世界イコモス、これはユネスコの世界遺産の諮問機関ですね。これ日本の、日本イコモスってありますね。そこの専門家が調べて科学的調査やりまして、データを何度も出したんです。二十回以上出したというんですね。全て受け付けてくれなかったんです、都がね。  そういうことではこれ、科学性もくそもなくなりますね。だから、これは取りも直さず、きちんとした情報を提供したら、それを受け止めるような制度にしていかなきゃいけないと思いますね。そうすれば自然環境を守ることできます。そのときに、専門の科学者だけじゃなくて、地域の住民も地域のことよく知っていますから、そういったものは、単なる価値判断じゃなくて、地域の人が知っている知見もどんどん集積できるので、幅広く集めると。環境影響評価法を制定するときに決めたことは、幅広く環境情報を得るということで、関係地域住民という縛りをなくしたんですよ。これはとてもいいことですね。だから、その発想でやってくれれば、どんどんいい方向に行くと思いますね。  以上でございます。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 一分前ですので、簡潔にお願いします。

室谷悠子 全国再エネ問題連絡会共同代表/弁護士

○参考人(室谷悠子君) はい。  現在、森林で計画されている風力発電とかメガソーラーについては、そもそもその計画自体が生物多様性保全、水源保全とか災害防止の観点から不適切だという場所で実際アセスが行われているというようなことがたくさんあります。  そういう意味では、原科参考人言われたように、戦略的アセス、そもそもどこに造るんだという考えが重要なことと、ゾーニングという考え方が必要になってくると思います。本来造るべきでない場所という合意形成を進めていって、それを法規制に生かしていく。日本の法規制、そういう意味で、圧倒的にここを開発すべきでないというところを守る法律が少ないという、なのでアセスの中で問題が指摘されても止められないというようなことになっていて、それを住民が泣き寝入りしているという状態なので、そこを制度に生かしていくということが必要であると考えます。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 ありがとうございました。

青山繁晴 自由民主党

○委員長(青山繁晴君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言お礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #356 観測 2026-06-06 04:22 JST
    改ざん検知用の値 f968f4c6…983386 (未計算)

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#1854 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
57ef6754…cd6246

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