令和七年四月十七日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 四月十五日 辞任 補欠選任 越智 俊之君 石井 準一君 四月十六日 辞任 補欠選任 石井 準一君 臼井 正一君 加田 裕之君 古庄 玄知君 四月十七日 辞任 補欠選任 古庄 玄知君 自見はなこ君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 青山 繁晴君 理 事 小野田紀美君 梶原 大介君 川田 龍平君 串田 誠一君 山下 芳生君 委 員 臼井 正一君 尾辻 秀久君 古庄 玄知君 自見はなこ君 武見 敬三君 鶴保 庸介君 中田 宏君 青木 愛君 三上 えり君 伊藤 孝江君 高橋 次郎君 浜野 喜史君 山本 太郎君 ながえ孝子君 国務大臣 環境大臣 浅尾慶一郎君 副大臣 環境副大臣 小林 史明君 大臣政務官 農林水産大臣政 務官 山本佐知子君 環境大臣政務官 五十嵐 清君 事務局側 常任委員会専門 員 金子 和裕君 政府参考人 警察庁長官官房 審議官 大濱 健志君 農林水産省農村 振興局農村政策 部長 神田 宜宏君 林野庁林政部長 清水浩太郎君 林野庁森林整備 部長 長崎屋圭太君 国土交通省大臣 官房技術審議官 岸谷 克己君 環境省大臣官房 地域脱炭素推進 審議官 大森 恵子君 環境省自然環境 局長 植田 明浩君 環境省環境再生 ・資源循環局次 長 角倉 一郎君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第二七号)(衆議院送付) ─────────────
環境委員会
発言 207
○委員長(青山繁晴君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、越智俊之君及び加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として臼井正一君及び古庄玄知君が選任されました。 ─────────────
○委員長(青山繁晴君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省自然環境局長植田明浩君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青山繁晴君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(青山繁晴君) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野田紀美君 今回の法案で緊急銃猟の対象になる危険鳥獣というものが政令で定義されて、熊とイノシシであるというふうに承知しておりますけれども、鹿や猿も鳥獣被害は多数報告されております。その中で熊とイノシシを特出しする根拠というものをお示しいただきたく、危険鳥獣による近年の人的被害の件数を共にお答えいただければと思います。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 本改正法案において緊急銃猟の対象となる鳥獣は、人の日常生活圏に出現した場合に人の生命又は身体に危険を及ぼすおそれが大きいものとしております。 令和五年度の鳥獣による人身被害の発生件数、人数につきましては、熊が百九十八件、二百十九人、イノシシが四十七件、六十五人となっており、いずれも人身被害リスクの高い鳥獣であることから熊とイノシシを危険鳥獣として定めることを想定しております。 なお、人の日常生活圏での銃器使用は、生活環境の保全の観点から可能な限り抑制的であるべきとの考えから危険鳥獣は必要最小限とする方針であるところ、御指摘の鹿や猿については熊やイノシシに比べて人身被害リスクが小さいことから危険鳥獣とはしない想定であります。
○小野田紀美君 単に鳥獣被害だけを考えると、まあ地域にもよりますけど、鹿が被害が多いところもあれば、猿の被害が、果物を取っていったりするのもあるので、今回の危険というふうに扱うのは、やはり人身の被害があるという根拠があっての数限られた鳥獣に限定しているということを改めて理解させていただきました。 今でも危険鳥獣が出てきたときにはそれ対応しているんですけれども、今の対応で足りないところがあるから今回法律を改正するわけですけれども、具体的に今何が足かせになっていて、これで何ができるようになるのか、法案の意義を改めてお示しください。
○副大臣(小林史明君) 現行の鳥獣保護管理法では、住居集合地域等における銃猟、人や建物等に向かってする銃猟等を禁止をしております。熊等の出没によって現実、具体的に危険が生じ、特に急を要する場合には、警察官職務執行法による命令により応急的に銃猟が実施されております。このような中で、例えば熊等が建物に立てこもった状態で膠着状態である場合というのが現行法では対処はできません。 本法案では、このような背景を踏まえて熊等の銃猟に関する制度を見直し、人の日常生活圏に熊等が出没した場合に、地域住民の安全の確保の下で銃猟を可能とするものであります。この法案によって、熊等が人の日常生活圏に侵入する事態に対し安全かつ迅速に対応することが可能となり、国民の安心、安全の確保に資するものと考えております。
○小野田紀美君 まさに最近も熊が三人の人にけがを負わせて長期間立てこもっているということがあった中で、今の中では建物に向かってはできない、それを迅速に対応するというのは必要な法案だと思っております。 特に熊の被害多い時期ってありますけれども、繁殖期の五月、六月だったりとか、あと特に多いのが冬眠前の十月、十一月に多いというふうにもデータが出ておりますので、これ公布から六月を超えない範囲で施行というふうになるので、急いでこれをやって自治体が即座に対応できる状況をつくらなくてはならないなと改めて思います。 その中で、銃器を使用した鳥獣の捕獲、これを銃猟というふうにいうんですけれども、具体的に何を使って行うのか。例えば麻酔銃だったりとかいろいろなものがあると思うんですけど、その含む、射程距離であるとか、あとコストであるとか、そういったところはどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 鳥獣の捕獲等に使用する銃器は装薬銃といいまして、ライフル銃、散弾銃といった、火薬が燃焼する際に発生するガスの圧力で弾丸を発射するもの、それから空気銃、空気等の圧力を利用して弾丸を発射するもの、あとは麻酔銃、空気等の圧力を利用して麻酔薬の入った投薬器を射出するものに分類ができます。 有効射程距離でありますが、銃の種類によって様々ではありますが、一般的に、ライフル銃で百メートルから三百メートル、散弾銃で四十メートルから百メートル、空気銃で約三十メートル、麻酔銃で数メートルから数十メートルと言われております。 また、銃のコストにつきましても、素材等によって様々でありますが、一般的に、ライフル銃では数百円から千数百円、散弾銃で数百円、空気銃で数十円、麻酔銃で、投薬器と麻酔薬とを含めて数万円と言われております。
○小野田紀美君 かなりその銃の種類にもよって異なるというのも分かりましたけれども、これ、今回はその全てが使えるようになるというふうに判断しているのを聞いておりますけれども。 なかなか、視察に行ったんです、我々、今実際に熊を対応していらっしゃるところに行ったんですけれども、さっきおっしゃったように、麻酔銃の射程が数メートルから数十メートルということで、かなり近づかないとこれが撃てないというのは危険が生じるということをおっしゃっていらっしゃいました。また、実際にライフル銃というか、それ持ってみたんですけど、相当重いんですよね。相当重いので、これずうっと持ったまま狙いを定めて待っているというのも本当に大変だなと思いまして、これも対応しなきゃいけない。この後、質問させていただきたいと思いますが。 コスト、これもちょっと問題だなと思っていて、麻酔銃に関しては一発数万円とかいうふうにおっしゃっておりました。これもほかのライフル銃だともっと安く数十円とか、ここに、環境省のサイトに狩猟の魅力まるわかりフォーラムというのがありまして、そこでいろいろなコスト、これぐらいやるんだったら掛かりますよと書いているんですけれども、例えば射撃用散弾だったらさっき言ったように五十円とか、スラッグ弾だったら三百円とかいうふうに書いてあるので、やはりそのコストの面を考えたときも、何が適切なのかという、この使う道具に関してもこれからもうちょっとその研究を進めていかなければいけないなというふうに思います。 麻酔銃は、撃った後にその麻酔が効くまでにやっぱりしばらくうろうろするので、近くまで近寄った上で撃って更にその時間が置くというのは、結構撃たれたら気が立ってしまうので、非常にここも危険を伴う仕事をしていらっしゃるというふうに現場の方はおっしゃっておりました。 その上で、今、一番最初のときに、特に人に危害を加える急を要するときに警察官職務執行法によってこれを撃てるようなのが今これからはもうちょっと迅速にできるようになるとおっしゃったんですけれども、この警察官職務執行法による命令を待つ待ち時間、ここに今時間が掛かっている、待機しなきゃいけない時間はどれぐらい掛かっているのか、それで法案によって迅速な対応ができるならそれを改めて確認したいなと思うので、今掛かっている時間の平均とかがもし分かれば教えてください。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。 令和六年中、熊等が出現したため、警察官職務執行法第四条第一項の規定に基づき警察官がハンターに命じて駆除した事例を確認いたしましたところ、一一〇番通報などにより警察が熊等の出現を認知してから駆除までに、おおむね二時間から三時間程度を要していたところでございます。
○小野田紀美君 大体平均が二時間から三時間ということで、長い場合は九時間とかそれぐらいに至った例もあるというふうに聞き及んでおりますので、そこがさっき言った銃の種類にもよるんですけど、二時間、三時間、ずうっとあの重たい銃を持って、逃がしちゃいけない、何かしなきゃいけない、どうしようってやっているのは本当に大変だという現場の御苦労を考えれば、これが迅速にできるようになるというのは非常に重要なことだというふうに思います。 今回、法案の中で、あっ、その前にこれも聞いておこう。 今、今回いろいろ話す中で、銃弾の質、鉛のものとかがいろいろあるんですけど、今、鉛のものだといろいろ毒素を出すから余り使わない方がいいんじゃないかというふうにも言われていまして、この銅とか、その毒性がほかのところに影響が及ばないものを、銅の弾を使おうというふうに話もあるそうなんですけれども、これもコストが二、三倍になるというふうに聞いておりますので、これがちょっと次の次の方につながっていくんですけれども。 緊急銃猟を実施できる狩猟免許を受けた者であることそのほかの適正に緊急銃猟を実施するため必要な経験、技能及び知識を有する者として政令で定める要件を備える者というふうに法案の方には書かれているんですが、この人材ですね、コストを掛けられることもそうですけれども、人材が今どれぐらいいるのかというところを是非教えていただきたくて、これも地域によってかなり差があるというふうに私は聞いております。この人材の現在の数であるとか対応できる人材の数、そして分布、そしてまた、その人材の今後の育成についてはどのように考えられていますでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 御指摘のとおり、緊急銃猟の委託を受けるハンター等の技能要件は政令で定めることとしており、その内容は検討中であるため、要件を満たす人数を正確にお答えすることは難しいところでありますが、全国で銃猟の狩猟免許所持者は約九万人おり、そのうち熊の銃猟の経験を有するハンターは少なくとも三千人程度いると認識をしております。そして、これらの方々の活動拠点は、主には熊の出没が多い北海道や東北地方等に多い傾向にあると認識をしております。 このような状況を踏まえまして、環境省では、短期的には、クマ人材データバンクを立ち上げ活用することにより、経験を積んだハンターの情報を共有し、経験豊富なハンターが少ない地域もカバーできるようにするとともに、中長期的には、必要な地域に熊の銃猟が可能なハンターが確保されるよう、大学等と連携し、鳥獣保護管理に関する統一的な専門カリキュラムによる若手人材の育成支援等を行い、人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
○小野田紀美君 三千人いらっしゃるのが、でもやっぱり固まっているというのは結構難しいところで、この前視察に行ったところも、なかなか周りに麻酔銃で対応できるような専門家とか知見を持った人がいないので、遠くから呼び出されても行ってあげられないとか時間が掛かるということで、対応ができかねるというようなお話も聞いていました。 その上で、銃の種類にもよるんですけど、例えば麻酔銃をお勧めされると、麻酔銃をしっかり扱えるように、一人でも任せられるようになるにはもう五年じゃ利かないみたいなこともおっしゃっていたので、本当に人材育成というのは時間が掛かるんだと思います。これに対して、その活用バンクも、これからクマ人材の活用バンクもつくって人材育成をしていくということであるんですが、そもそも、最近、猟銃の免許を持っていらっしゃる方々が、割に合わないといってもうこの対応をしないというような例も多々起きております。 これは決してハンターさんを責められることではなくて、命懸けなんですよね。動物って、本当にどういう状況で襲ってくるか分からない、すぐ襲ってくるかも分からないし。それに対応が、特に熊なんて、私もちょっと、熊の対応に関しては「ゴールデンカムイ」でしかちょっと知らないところがあるんですが、撃ってちゃんと致命傷になる場所が少ないとか、ここを、額を撃ってもそこは骨が硬くて撃たないでおこう、確実に仕留められる場所というのをすごく限られている中で、本当にそこを狙って短い射程のもので撃っていくというのはかなり危険が伴うのに、これの日給だったりとか、そこに対してお支払いできる対価というのが物すごく少ないと。 これも自治体によってばらつきはあるのかとも思うんですが、この辺りをしっかりサポートしてあげなければ、やれるようになりましたよ、誰がやるの、誰もいませんでは法案をせっかく作った意味がないので、まずは人材育成をすることとともに、人材さん寄ってきてくださいといったときに、ちゃんとこれをやっても、まあ割に合うという言い方もあれですけれども、やれるなと思えるだけのちゃんとお支払ができる状況がなければ人材は育成に参加してくれないと思うので、実際に対応される方への資金面のサポートとか報酬の面に関してはこれからどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 今回の緊急銃猟に関する捕獲従事者の日当、経費等が市町村等において適切に支払われるよう、環境省の交付金等で対応できるようにしてまいりたいと考えております。
○小野田紀美君 交付金を出しても、それがちゃんとその日当に、色の付いたお金ですか、それ。ちゃんと熊のこのやつに出してくださいというお金の交付でいいんですかね。
○政府参考人(植田明浩君) 委員御指摘のとおり、日当、経費等のために交付金ということであります。
○小野田紀美君 そこの基準を是非、今、大体平均これぐらいでやっているからこれぐらいの交付金でいいだろうではなくて、今現在のその報酬自体が割に合わないと言われているので、命を懸けて実際に活動していただく、しかも高齢化も進んでいる中で本当にしんどい思いして対応されていらっしゃる方々、何キロもの銃を持ってという方々がやれるだけの交付金の確保というものをしていただきたいですし、それを、実際に現場の人たちの声も聞きながら、都度都度、物価も上がっていきますし、改定していただきたいと思うんです。 この環境省の狩猟の魅力まるわかりフォーラムに、空気銃の場合、弾以外、ほかにもガンロッカーが必要だったりというので、大体始めるのに九万三千五百円以上掛かると。猟銃の場合が、弾以外のいろんな医師の診断書とかも含めて十四万四千八百円以上掛かるということも踏まえて、こういった初期に掛かるお金に関してもその交付金というのは使えるように考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 ハンターのまさに初期の準備に掛かる経費というのは明示的には交付金の対象ということにはしておりませんけれども、いずれにしても、準備をしてそこで対応するときの経費には、ハンターの負担がないように考えていきたいと思っております。
○小野田紀美君 まだまだ未定なことが多いからなかなか答えづらいところもあるかと思いますが、ここしっかり手当てしないと、法律だけ作っても機能しないということで、是非しっかりと、強めの、高めの玉を投げていただけたらというふうに強くお願い申し上げます。 その上で、三十四条に、都道府県知事に対する応援の要求、これ応援を求めることができるってあって、それに、応援に対して対応していかなければならないというふうにあるんですけど、応援というのは具体的に何に当たるのか。人なのか、そういった薬、麻酔の中の薬なのか、弾なのか、警備なのか、こういうところ。で、今被害が出ていなくて、そういう応援を要請されても、うち知見ないのでできませんみたいな、道はいいのかもしれないけど、都府県があるというふうにも思います。ここに対して、国としてどういうことを準備しなさいとかサポートしていく御予定でしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 本改正案においては、市町村職員のみでは十分に緊急銃猟の対応ができない場合に、市町村長から都道府県知事に対して応援要員の派遣を要請できることとしております。具体的には、通行制限、禁止措置の実施への支援、緊急銃猟の実施に当たっての技術的助言などの補助的な行為で応援を得ることを想定しているところであります。 また、御指摘のように、現時点で人の日常生活圏での熊出没対応をしたことがなく又は経験の少ない地域もあることから、都道府県に対しても、ガイドラインの作成や説明会の開催等により、改正法案の円滑な運用等に向けて適切に助言してまいりたいと考えております。
○小野田紀美君 通行規制とかは、いろんな事件、ほかのことでもできると思うんですけど、まさにこの技術的助言というのは、そこが知見がなければできないものなので、助けて、無理ですになったら、これまた条文の意味がなくなってしまうので、ガイドラインや説明会、しっかりしていただきたいと思います。 東京都といったら熊なんて関係ないと思うかもしれないんですけど、東京都も西の方は出てきますし、私も学校が高尾にあったので、キャンパス内にイノシシうろうろしていましたし、そういうところで、東京の都庁の方の中心にいる人は、えっ、いるみたいなところがあるかもしれませんけど、市町村、苦労していらっしゃるところはそこで対応し切っていて、余り県や都と連携できていないところもあると思います。ここしっかりやって、条文が機能するようにサポートをよろしくお願いいたします。 最後に、一般国民への啓発というのは、私はすごく重要だと思っています。この鳥獣の法案をやるときにいろんな御意見がありました、熊をそんな危険視して撃っちゃいけないとか。思いもすごく分かるんです。 基本的に一番大事なのはすみ分けで、それぞれの山の暮らし、村の暮らし、そこにお互いがちゃんと線引きをして交わらなければ事件は起きないわけで、森をしっかり整備して、熊やイノシシが中で暮らして外に出てこないようにするというのは非常に重要なんですけれども、今現在、じゃ、それができるかといったら、今現在すぐできるものではない。自治体によっては、出てこないようにというのか、こっち来たら駄目よみたいな、ばれるよって、草刈ったりとかいろんな対応しているところもあるんですけど。大体、農林関係で聞いたことありませんかね。隣の村でイノシシの対策しっかりしてイノシシ出んなったら、その隣の市町村ですごい出るようになって、こっちに持ってくるなというようなことが起きる。だから、これってオールでやらないと、一か所だけがやったら結局そこから出ていってよそのところで被害が広がるだけなので、市町村によって境界線ないですからね、そのイノシシたちや熊が移動するのは。 だから、そこは是非、ここだけが頑張ればいいとか、理想論は分かるんですけど、それだけやっていればこの被害が収まるということではないというのも啓発をしていただきたい。 余り言いたくはないんですけれども、我々田舎の人間というのは、本当に日々生活と命を懸けてこの問題に立ち向かっているんですね。私も田舎の人間なので、うちの実家の前は本当に鹿の親子が道路の、狭い道路普通に歩いていますし、イノシシだってよく畑に、あっ、また入ってきやがったみたいなのでおりますし。そういうふうな中で、どうしても都会の人は、動物園の中とかにいて、おりの中と外で世界が分かれた状態で動物と向き合っている感覚が多い方がいて、そうすると、人間様の感覚から動物も守ってあげましょうという気持ちも分かるし、私も動物基本的には大好きなので、それが熊だろうが、イノシシだろうが、蛇だろうが、ゴキブリだろうが、命あるものを自主的に奪いたいとは思わない、できればすみ分けて暮らしたいと思っています。 そんな中でも、我々田舎の人間は、命の糧である農産品を荒らされ、実際の命が危険にさらされってなると、これはもうおりの中と外で、あらあら熊さん、つぶらな瞳ですねと言っている場合じゃなくて、同じリングに上がっているんですよ。だから、もう同じ生活圏、同じリングに上がって、はい、ファイト、カンってやられているときに、ちょっとかわいそうなんでなんて言っている場合じゃないので、是非ここは、都会の人間の人たちにも我々は同じリングで命を争っているんだということを分かっていただいて。何か、いろんなところに対策をしたらクレームを入れるとかいるじゃないですか。秋田県知事はガチャンですと言ってくれましたけど。 これもリテラシーとして、都会の理論で田舎の同じリングで戦っている者を観客がちゃあちゃあ言うないうのを是非リテラシーとして入れていただきたいというのと、あともう一つは、必要以上に恐れ過ぎというのもあって。これは、熊は大変ですよ、だけどイノシシや鹿なんて、我々からしたら普通にその辺におるんですよ。おるのに、視察に行ったときに鹿が工場の隅に座っていましたというのを見て、ああ、鹿がみたいになっているのにびっくりして、いや、おるじゃろ鹿はという。だから、学校とかでも今まで動物に、野生動物に接したことない人が極端に、イノシシです、退治してくださいとか、鹿ですって電話してきたら、自治体はパンクします。なので、どういう状況で動物がどれぐらいの距離にいたら、それはそっと見て見ぬふりをして見なかったことにしてお互い終わりにしようねとか、この野生動物との向き合い方というのも、もうちょっと野生動物と接したことのない都会の人間にも教えていただきたいと思います。 そういうリテラシーに関して、どのような今後の教育を考えられていらっしゃいますでしょうか、是非お答えください。
○副大臣(小林史明君) 岡山県内くまなく回っていらっしゃる委員だからこその問題意識だというふうに思っております。 御指摘のとおり、やっぱり全国的に、熊、イノシシ、アライグマ含めて、様々な鳥獣の生息分布が広がっていますので、多くの国民の皆様それぞれが当事者になられる、そういう時期になってきていると思っています。 ですので、環境省では、特に人身被害のおそれが高い熊について、人里に出没した場合の対応や人里に出没させないための対応策をまとめたクマ類の出没対応マニュアルを作成するとともに、パンフレットなどを作成して自治体等に配布をしております。また、外来生物法に基づく特定外来生物であるアライグマ、ヌートリアなどについても、リーフレットやチラシを作成して普及啓発に努めています。 鳥獣の生息地域、地域によって大きく異なりますので実情を踏まえた普及啓発が重要だと考えていますが、環境省として考えているのは、やっぱり動植物全体含めて、我々、自然資本に支えられて豊かな生活を送れているという前提があると思いますので、このストックをしっかり生かしていくということと、一方で、やっぱり人の命を守るというのは非常に重要なわけですから、この危険な部分にはきちっと対処していくということを全体、バランスを見てやっていくことが重要だと思っていますし、自然環境ってどんどん変わっていっているので、おっしゃっていただいたように、危機感が共有できるよう、これぐらい分布が広がっているんだというところもしっかり周知しながら啓発をやっていきたいと思っております。 ありがとうございます。
○小野田紀美君 ありがとうございます。 うち、ヌートリアも困っておるんで、挙げていただいてありがとうございました。 何ていうんでしょうね、人に危険があるものもそうなんですけど、普通の縄とかでわなとか掛けているのもかわいそうと言う人おるんですよ。だけど、田舎の人間は、都会の皆さんが口にする野菜をそのイノシシたちから守って一生懸命育てている。こういうところも、自分が見えない範囲で命のやり取り、生活のやり取りをしている人たちがいるということも考えていただけたらと思います。 私の今の秘書さん、岡山の秘書さんが、ずっと東京で暮らしとった人が急に去年移住してきてくれて地元の秘書になってくれたんですけれども、挨拶回りをして、こっち、岡山に来て一か月もたたないうちに、行った先で、軽トラにちょうどイノシシをくくり付けて、捕ったばかりのイノシシをくくり付けていて、血だらけで大きなイノシシがブキーといって暴れているのを見て、女の子なんですけど、固まったんですね。彼女にとってイノシシとか動物は動物園で見るかわいらしいものだった、動物も大好き。だけど、そのとき、彼女が偉いなと思ったのは、目に涙を浮かべながらじっと耐えて、しっかり逃げずに見たんです、それを。で、帰った後に、目が合ったんです、イノシシとって、本当につらそうな思いをされていらっしゃったけど、でも彼らがこうやってイノシシと戦ってくれているからお野菜とか食べれるんですよねというふうに、そういうふうにちゃんと理解をしてくれた。 だから、動物を愛する人間にとって、私だって動物は大好きなので、そういう命の現場、目が合って苦しんでいる動物を見ると、何でこんなことになってしまったんだというつらい思いはありますけれども、それでもやはり、そこに生活があり、人の命があり、それをすみ分けという大前提を進めていくとともに、今そこにある危機には、そこに都会の議論を、都会の正義を振りかざさずに、そこで暮らして同じリングで戦っている人たちの気持ちに立って、この法案をしっかり通して実効性のあるものにしていただけたらと、一、地元でイノシシや鹿とともに暮らしている小野田としては、心の底からお願いを申し上げたいところでございます。 しっかり頑張っていきましょう。よろしくお願いします。
○三上えり君 会派、立憲民主・社民・無所属の三上えりです。 本日は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 令和五年には、熊による人身被害の人数、過去最多の百九十八件、二百十九名が被害に遭われ、うち死者は六人にも上りました。人里近くに住み着くいわゆるアーバンベアの出没、そして被害は近年後を絶ちません。アーバンベアと聞きますと何だかかわいらしいようなネーミングにも聞こえるんですけれども、実際は、山から下りて市街地周辺に生息、出没する熊を指します。 私の地元であります広島県廿日市市内中心部でも熊被害が報告されたところでございます。夕べも熊のニュース見ました。昨年十一月には、秋田市のスーパーにツキノワグマが侵入して従業員の方に被害を負わせ、二日間にわたり店内にとどまるという。なぜ、一刻もこれ何とかできないかと皆さん思いながら長い報道を見ていたと思います。そして、先日、盛岡市内の住宅街でも木に登っているツキノワグマが捕獲されました。これも時間を非常に要しました。長野では、熊に襲われた三人が重軽傷を負い、これ、家に熊がガラスを破って入って家にいた人を襲うという、これまた非常に大きな被害でした。記憶に新しいニュースがたくさんございます。 日本には二種類の熊が生息しております。一つは北海道のヒグマ、もう一つがツキノワグマ、九州や四国の大部分を除きまして、本州で生息が確認されています。ツキノワグマ、これめったに人は襲わないそうなんですよね。しかし、学習能力が非常に高いということで、イノシシですとか鹿といった動物を食べてこれ餌だと認識すると、人を襲う可能性が出てくるということなんです。 今年はドングリが豊作でした。出産の増加で、冬眠明けの母熊が小熊の餌を求めて活動を活発化させているのではないかと危惧されています。令和六年度の熊の人身被害、この鳥獣被害の状況を教えてください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 令和六年度の熊による人身被害の発生件数は、速報でありますけれども八十二件で、被害者数は八十五人となっております。
○三上えり君 既にそういう状況なんですけれども、これ令和六年度、前年の令和五年度から大きく被害は、まあ今のところはそういう被害数なんですけれども、令和六年度の熊類の出没、人身被害の状況、これ分析をお願いできますでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 令和五年度と令和六年度を比べて分析をいたしますと、令和五年度は、特に東北地方において秋の主要な餌であるブナやナラなどのドングリが大凶作となり、九月以降、熊が餌を求めて人里まで行動範囲を広げたことが大量出没や人身被害の増加につながったものと考えております。 令和六年度は、令和五年度と比較して、秋にドングリの並作や豊作が多かったことが報告されております。このため、熊が餌を求めて人里まで行動範囲を広げることなく本来の生息地内にとどまり、多くの被害が発生する秋に人と熊の遭遇の機会が減った結果、人身被害が減少したものと考えております。
○三上えり君 では、大変気になる今年度、今年の被害状況、今後の見通しをお願いします。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 ブナやナラなどのドングリの今年の結実状況は、現時点では把握は困難でありますけれども、今後、ドングリの開花情報を収集し、その結実状況を予測することで、関係省庁や都道府県等に対して熊に関する出没予測などの共有を図っていきたいと考えております。
○三上えり君 その辺り、自治体への周知も是非しっかりとお願いしたいと思います。 多くの地域において熊類の分布域、これ拡大しているんですね。一方で、九州ではツキノワグマは絶滅をして、四国では環境省のレッドリストにおいて絶滅のおそれのある地域個体群とされ、地域によって分布、そして生息状況がもうばらばら、非常に異なっています。 熊類対策を講ずる前提として、国内における熊類の生息状況、そして個体数、定期的にこれ統一された手法で把握していくということが大変重要だと思います。現在、熊類の生息状況のモニタリング、そして個体状況の推計はどのように実施されているのでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 熊の生息状況として、平成十五年と平成三十年度の比較で、分布域自体が、ヒグマは一・三倍、ツキノワグマは一・四倍に拡大しております。 個体数でありますけれども、ヒグマの個体数は、北海道による令和四年の推計の中央値で約一万二千頭とされています。ツキノワグマの個体数につきましては、個体数推計が行われていない地域もありますことから、全国的な推計は困難な状況にあります。一方で、ツキノワグマが恒常的に生息している三十三都府県のうち、推計を行っている二十二府県の個体数の推計の中央値を単純に足し合わせますと、約四万二千頭となっております。
○三上えり君 今の御報告ですと、確実に個体数というのは増加しているという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) 個体数でありますけれども、個体数の増加の状況でありますけれども、生息状況につきまして、各都道府県で推定個体数について、その推定個体数の増減傾向を出している十道府県のうち八道府県が増加傾向としております。このことから、全国的にも熊の個体数が増加傾向にあると考えております。
○三上えり君 であれば、これからなんですけれども、各地域におきまして人と熊の空間的すみ分けということがこれから大変重要になってくると思います。国として、より積極的に自治体が行うモニタリング等をこれ支援すべきだと思うんですね。つまり、ここは人が住めば大丈夫、熊がすめば大丈夫というか、熊と人がきっちりとすみ分けをしていくということを自治体任せにこれがなっているのではないかということを自治体から声を聞いております。 環境省の対応方針を伺います。 環境省では、都道府県等における鹿やイノシシを含む野生鳥獣の捕獲数等のデータを一元的に収集、整理するために、平成二十九年度から捕獲情報収集システムを運用しています。これ、科学的、計画的な鳥獣の保護管理のために捕獲情報の収集、共有、大変これ有効なんですけれども、この捕獲情報収集システムの開発と運用、これまでどれぐらいの予算額、都道府県、市町村における利用状況をお伺いします。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 環境省では、都道府県等が収集する鳥獣の捕獲情報等を一元的に収集、管理することを目的として、平成二十九年度から御指摘のとおり捕獲情報収集システムを運用しておりますが、これまでの開発と運用に要した予算額は、令和七年度予算を含めて十年間で約五億円となっております。 鳥獣保護管理法に係る事務の多くを都道府県が担当していることもあり、都道府県の利用状況につきましては、これまでに全都道府県が本システムを利用しております。また、市町村の利用状況については、年度によって変動がありますけれども、近年は約二割の市町村がこのシステムを利用している状況にあります。
○三上えり君 ありがとうございます。 このシステムについては多くの都道府県が利用しているということです。 そして、もう一つありまして、鳥獣の目撃・出没情報、人身被害、捕獲に係る情報を入力して関係機関や近隣自治体で情報共有できる目撃・出没情報等収集システムがございます。こちらは余り利用されていないと聞きました。さらに、市町村については、これどちらも、いずれもほぼ利用されてないということなんですけれども、これはなぜ、これほどまでに利用されて、活用されてないのかということです。お伺いできますでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 これらのシステムは、都道府県等が保有する鳥獣の捕獲情報等を一元的に収集、管理するとともに、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可や狩猟者登録等の各種申請手続について本システムを利用して効率的に処理することにより、自治体担当者の事務負担の軽減を図るものであります。 市町村における利用率が低い理由につきましては、鳥獣保護管理法に係る事務が都道府県から市町村に権限移譲されていない場合や、既にエクセルなどを活用した自治体独自の情報処理システムが確立されている場合があることなどが考えられます。 今後、本システムの利用に係る自治体担当者向けの研修や教材を充実させるとともに、鳥獣保護管理法に基づく各種手続のオンライン化に向けた検討を行うことなどにより、本システムの利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
○三上えり君 ですから、このシステムはこれから更に自治体に向けてしっかりと情報共有をして周知を徹底していきたいというお考えなのでしょうか。もう一度お願いします。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 繰り返しになりますけれども、本システムの利用に係る自治体担当者向けの研修や教材を充実させるなどでしっかりと周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○三上えり君 せっかくつくったこのシステムですので、しっかりと被害を防ぐための活用を求めます。 続いて、改正案の内容について伺います。 本改正案では、人の日常生活圏に出没した鳥獣を一定の条件を満たす場合に銃による捕獲ができるようにする緊急銃猟、これが定められたということが大きな改正です。緊急銃猟の対象となる緊急鳥獣として、熊類のほかにイノシシを対象とする方針です。 私の地元広島県では、イノシシによる農作物の被害額、全国三位となっております。中山間地へ行きますと、住民の方から、イノシシの数の方が住民より多いよね、何とかしてやと、これ本当にもうよく聞かれるんですね。 全国的にこれ、人の日常生活圏への出没、そして人身被害、全国的にはどのような状況にあるのか。人身被害の実態と、イノシシを危険鳥獣とする必要性について伺います。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) お答えいたします。 危険鳥獣は、人の日常生活圏に出現した場合に人の生命又は身体に危害を及ぼすおそれが大きいものとしております。 イノシシは、イノシシによる人身被害の発生状況は、令和五年度において四十七件発生し、被害者は六十五名です。令和三年度は、令和四年度には被害に遭われて亡くなられた方もおりまして、人身被害リスクの高い鳥獣であることから、イノシシを危険鳥獣として定めることを想定しております。
○三上えり君 今大臣からもお言葉にありましたこの危険鳥獣なんですけれども、衆議院でも議論になりました緊急銃猟の対象とするこの危険鳥獣、この名前なんですけれども、これが適切であるかどうか、ほかの名称は検討されなかったのか、改めてこちらの委員会でも伺います。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 今回の改正案では、国民の安全、安心を確保するため、人の日常生活圏における緊急銃猟制度を創設することとしております。 この緊急銃猟の対象となる鳥獣は、現に人家周辺での人身被害が多数確認され、被害を受けた際には重症化のリスクが高い鳥獣を想定していることから、本法案において危険鳥獣という名称で定義することは適当だというふうに考えております。
○三上えり君 小野田議員からもありますけれども、私たち共に暮らさなければならないという中でこの意見については賛否様々ございますので、引き続きの御検討をお願いしたいと思います。 危険銃猟の実施主体となる市町村においては、実施体制の整備、実施の判断、そして万が一事故が発生した場合の補償、これ備えるべき課題が山積しております。かつ、適切かつ迅速な対応も求められております。現場責任者の負担がこれ過大となるということですよね。 国として、市町村に対して技術的、予算的、人員面含めた実効性のある支援を行うことが不可欠であると考えますが、具体的に教えてください。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) お答えいたします。 本法案において緊急銃猟の実施主体は市町村でありまして、円滑かつ安全な実施に向けた支援は重要であると考えております。 このため、環境省では、支援実施の体制も含め、事前準備から捕獲後に至る各段階における必要な対策や、対策情報や留意事項を網羅的にまとめたガイドラインの整備、あるいは説明会の開催などの技術的支援を行うとともに、交付金による都道府県を通じた市町村への財政支援を進めていく考えであります。 また、本法案では、都道府県に人的支援を要請できる規定も設けているほか、警察とも住民の退避、誘導等について連携しつつ、地域の関係者が安全かつ円滑に対応できるよう、政府全体で丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○三上えり君 とにかく自治体任せにならないように、国が最大限の支援をできるようお願いします。 緊急銃猟においては、実際に銃による捕獲を行うこと、これ地元の猟友会の会員といったハンターに委託するということが想定されます。従来、市街地等で熊を銃で捕獲しなければならない事態が発生した際には、警察官職務執行法等に基づく応急措置として対処されてまいりました。銃の発射に伴う責任、これ不明確であった。 今回創設される緊急銃猟では、ハンター自身の責任が問われることは決してないということを確認したいと思います。これ、これまでも大きく取り上げられてきた問題です。責任の所在についての考え方を改めて明確に御答弁お願いします。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 緊急銃猟は、市町村長が主としてハンターに委託して実施することとしておりますけれども、銃猟を行うことの決定やそのための安全確保措置など、緊急銃猟の実施の責任はあくまでも市町村長にあり、委託を受けたハンターが責任を負うものではありません。また、委託を受けたハンターには腕章等を着用していただき、市町村長からの委託であることを明確にした上で、物損や万が一の人身事故が生じた場合には、ハンターではなく銃猟を委託した市町村が補償や賠償を行うことについて制度的に担保をしております。 こうした制度の内容については、今後作成するガイドラインにおいても周知し、ハンターの皆様に安心して御協力いただけるようにしてまいりたいと考えております。
○三上えり君 ありがとうございます。ハンターに責任を全て負わせることがないよう、強くこの点は申し上げたいと思います。 現状ですけれども、ハンターがボランティアで出動しまして、必要な機材等も自費で準備しているケースがほとんどだと聞いております。これボランティアじゃない、命を懸けた本当に捕獲ですので、補償金ですとか奨励金、日当といった手当、支払われる場合があるんですけれども、これ一概に比較できないんですけれども、私、表を見させてもらったので、これ千円から、一頭千円から十万円まで、この幅は何なのかというぐらい千差万別なんですね、全国によって。 環境省の検討会でも、手当の支給の在り方ですとか負担の改善について指摘はされています。この点について、政府の認識と御対応をお聞かせください。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 御指摘の検討会の取りまとめでは、捕獲者への手当について、出動に応じた手当の支給を検討することとされております。この点、例えば熊の出没対応に関するハンターへの報酬については、熊の生息状況や出没状況等の地域の実情を考慮した上で、自治体において設定されるものと承知をしております。その上で、環境省としては、農林水産省と連携し、必要に応じて交付金や特別交付税措置による財政支援を行っております。 また、本法案の緊急銃猟についても、捕獲従事者の日当経費等が市町村において適切に支払われるよう、環境省の交付金等で対応できるようにしてまいりたいと考えております。加えて、今後策定予定の緊急銃猟のガイドラインにおいて、こうした財政支援を積極的に紹介するとともに、自治体においてハンターに適切に手当が支払われるよう周知してまいりたいと考えております。
○三上えり君 重ねて、ハンターがしっかり報われるような対応、対策をお願いいたします。 さて、本改正案ですけれども、緊急銃猟の制度を創設するものであることから、どうしても銃による、このハンターのことが関心が集まりがちになるんですけれども、捕殺について、熊の保護管理において、捕獲に偏らない総合的な対策が求められています。人と熊の空間的なゾーニング、すみ分けが基本だと。 このゾーニング管理を進めるためには、ハンターだけではなくて、熊の生態等に関する専門的知見、これを有する野生動物管理の専門家、この専門家の確保と育成が大変重要であると考えます。政府はこの取組についてどのように考えていらっしゃるか、お願いします。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 鳥獣被害対策を含む鳥獣の保護管理を効果的に進めるためには、これらを実施する自治体等において高度な技能や知識を有する専門的人材の育成、確保が重要であり、環境省では支援を進めているところであります。 具体的には、自治体職員向けに科学的、計画的な鳥獣の保護管理に関する研修を毎年実施しているほか、大学等と連携し、鳥獣保護管理に関する統一的な専門カリキュラムによる若手人材の育成支援等に取り組んでおります。さらに、自治体が独自に進める人材確保、育成に係る取組について、交付金による財政支援を実施しております。 引き続き、専門人材の確保、育成のための支援を実施してまいりたいと考えております。
○三上えり君 本当に、それぞれ専門家ですとか専門的知見を持っている方々、職員が配置されるということが理想ではあるんですけれども、現状では、一都道府県当たりの専門的知見を有する職員の平均数なんですけれども、四、五人、四人から五人ということが今の現実です。ばらつきも見られます。 熊類は行動圏が広く、複数の都道府県にまたがって分布しているわけで、熊にとっては県境の概念はございません。専門家の育成を進めると同時に、地域個体群ごとに広域連携をして専門家の知見を活用できる体制を整備する、活用することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、地域個体群ごとに、隣県同士など広域に連携をして、熊の保護管理を進められるような体制構築をすることは重要と考えております。 環境省では、令和六年八月から、指定管理鳥獣対策事業交付金によって都道府県による熊対策の財政的支援を行っており、支援対象には複数の都道府県によって構成される広域的な協議会を含むこととしております。 具体的には、広域的な保護管理方針の策定、広域的な保護管理のための研修会の開催、技術向上、育成に向けた必要な取組を支援対象としております。 引き続き、専門家の知見を活用しつつ、地域個体群を対象とした広域的な熊の保護管理を支援してまいりたいと考えております。
○三上えり君 その件について御提案申し上げます。 資料を御覧ください。 地元広島県では、令和五年に、県が専門事業者の協力を得まして、県域で効果的な鳥獣被害対策に取り組む全国初の中間支援組織である一般社団法人広島県鳥獣対策等地域支援機構、これ通称tegosを設立しました。広島弁で、てごうする、手伝うという意味なんですけれども、非常に効果が、これ全国、皆さん、議員の皆様、地元に帰って是非こういった例を挙げていただきたいんですけれども、議会などでも。一つのことじゃなくて、例えば農家に、対象動物ごとに防護柵の設置の仕方、こういうふうに設置したらいいんですよと、写真にあるんですけれども、とか、草刈り、こういったこと、ここ草刈らないといけないよといったメンテナンス、鳥獣を寄せ付けない予防策、まあ柿が実って、実った柿が放置されて熊が下りてくるということがたくさんあるんですけど、そういった様々なアドバイスを行っております。 現在、県内十市町を対象に専門職員を、このように皆さんりりしく写真に写っていらっしゃるんですけれども、配置しております。こうした支援組織の設立、都道府県レベルで全国初ということでございます。こうした地域地域にとにかく密着した支援というのが全国各地で行われればいいんじゃないかなと思っております。 このtegosの取組についての所見、そして鳥獣保護管理の担い手確保、育成に向けた今後の取組をお聞かせください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 委員御指摘の一般社団法人広島県鳥獣対策等地域支援機構、通称tegosの取組につきましては、県と市町が連携をし、鳥獣被害対策に係る専門人材の広域的な育成確保に取り組んでいる先進的な優良事例と承知をしております。 環境省では、必要に応じて隣接する自治体が連携をし、専門人材の育成確保に広域的に取り組んでいくことは重要と考えており、地域の実情に応じた自治体の人材確保、育成に係る取組について、交付金により支援をしております。 引き続き、農林水産省を始め関係機関とも連携をして、必要な人材確保、育成に係る支援を進めてまいりたいと考えております。
○三上えり君 ありがとうございます。 野生鳥獣については捕獲後に、これちょっと話がまた変わるんですけど、ジビエのことをお伺いしたいと思います。 ジビエとして利用することが地域課題の解決、そして地域振興に寄与すると今注目をされています。フランス料理では鹿は高級ですし。ただ、捕獲した鳥獣を、血抜きであったり、本当にその専門家でないと、その後の利用するという、命をいただくということに非常に難しいということも皆さん承知していらっしゃると思いますけれども。 農林水産省の統計によりますと、令和五年度のジビエ利用量二千七百二十九トン、これ前年度比三割増しとなっているんですね。増えています。このうち六割が食肉として利用される一方で、三割ペットフード、今これも注目されているんですけれども、ペットフードとして利用されています。 この利用方法についての今後の見通し、そして利用に当たっての課題と対応についてお聞かせください。
○政府参考人(神田宜宏君) お答えいたします。 鹿やイノシシなど野生鳥獣による農作物被害が深刻な中、農林水産省におきましては、農作物被害の防止対策を推進してございますが、捕獲した鳥獣をジビエとして有効活用する取組も重要と考えております。 捕獲鳥獣のジビエ利用量は、先ほど委員から御紹介もありましたが、平成二十八年度の千二百八十三トンから令和五年度には二千七百二十九トンと約二倍に増加をしておりまして、先般閣議決定をされました食料・農業・農村基本計画におきましても、二〇三〇年のKPIとしてジビエ利用量四千トンを掲げ、ジビエ利用の拡大を進めていくこととしております。 ジビエ利用のうちペットフード利用につきましては、令和五年度の利用量が八百六十六トンと、ジビエ利用量全体の約三割を占めていることに加えまして、食用には利用しにくい部位を有効活用できることから、食肉処理施設の廃棄コストの削減にもつながる取組であると考えております。 ジビエのペットフード利用を推進するため、農林水産省におきましては、鳥獣被害防止総合対策交付金におきましてペットフードの加工製造設備の整備や商品開発等への支援を行うほか、食肉処理施設向けにペットフード製造のためのマニュアルを作成し、周知を行ってきたところでございます。また、ペットフード原料の供給元が多様化している状況を踏まえまして、ジビエペットフードの原料供給から製造、流通に至るまでの品質確保が図られるよう、ガイドライン等の策定に取り組んでいくこととしております。 これらの取組を通じまして、ジビエのペットフード利用の拡大を推進してまいりたいと考えております。
○三上えり君 こうした肉を処理するこの施設も各自治体が考えておりまして、そういった施設への補助制度であるとかそういった支援もこれから積極的に考えていっていただけたらと思います。 人の生活圏に侵入した熊というのは駆除せざるを得ないんですけれども、何とかほかに人間と熊が共に共存できる方法がないのかということも議論でございます。 鳥獣保護管理に限った話ではありませんけれども、これからその点について、大臣、どのようにお考えであるか、お聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) お答えいたします。 人の生活圏に出没した熊に対しての対応というのは今のこの法律の中で適切に対応していきたいというふうに考えておりますが、同時に、人と熊の生活圏を分けて、しっかりと熊は熊の生活圏の中で生活をして、生活というか、そこに存在してもらうというのが一番適切な方法だろうというふうに考えております。
○三上えり君 私たち自身も、生活ごみであるとか放棄果樹、これも大きな問題で、熊が誘引されるようなものは撤去すると、そしてそこに住んでいる人たちに教育する、啓発するということも大切でございます。法案名に鳥獣の保護と書かれていますけれども、殺処分を可能にするものだけにならないように保護もしっかりとお願いして、こういった取組を共に進めさせていただけたらと思います。 質問は以上です。
○高橋次郎君 公明党の高橋次郎です。どうぞよろしくお願いいたします。 これまでの質疑と重なる部分もありますけれども、くれぐれもよろしくお願いいたします。 まず、本日審議している鳥獣保護管理法案や、令和六年にまとまったクマ被害対策施策パッケージといった総合的な施策を進める中で、今後、少子高齢社会、また人口減少社会が更に進展して、里山や田畑を維持するのが非常に困難な状態になる十年後、二十年後の日本において、森林や奥山、そして境界線となる里山、人の生活圏がどのように変化し、どのような社会になっていくのか、パッケージをまとめた環境省、農林水産省、林野庁、国土交通省、警察庁は、それぞれが頭の中で構想するのではなく、違うイメージを描くだけではなく、具体的な言葉にして将来のイメージを共有すべきであると考えます。 大臣の思いも含めて、その中心を担う環境省のお考えをお示しください。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 高橋委員からは大変重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。 熊対策は、人と熊とのすみ分けを図るという考えの下、捕獲だけでない総合的な対策を講じていくことが重要であります。具体的には、追い払いや誘引物管理などの人の生活圏への出没防止や、広葉樹林への誘導といった生息環境の保全整備などを着実に進めることに加え、今御指摘ありました十年、二十年といったスパンで見れば、人口減少や高齢化が一層進む中で、デジタル技術の活用が鍵になると考えております。例えば、自動撮影カメラと携帯電話のネットワークを活用した出没情報の共有、人家周辺に出没した場合のドローンによる追い払いや追跡等が考えられ、このようなICTを活用した対策についても環境省の交付金の支援対象としております。 デジタル技術の活用を含め、様々な対策により、中長期的に人と適切なすみ分けが行われ、人と熊とが共存していくことができる社会を実現を目指し、引き続き関係省庁と連携して取り組むとともに、こうした将来ビジョンについて様々な機会を捉えて情報発信を進めてまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 では、引き続き、マニュアル、またガイドライン、法律の運用について確認をさせていただきます。 法案が成立した後、全国の自治体職員が現場を運営することになります。自治体職員の負担軽減のため、今後作成するマニュアルについては、例えばですけれども、タイムラインとか行程表といった形で、捕殺する時間をゼロ秒、若しくはこの基準点として時間軸、また出来事軸に沿った分かりやすいマニュアルを作成してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 環境省が作成するガイドラインには、事前準備から捕獲後の対応に至るまでの各段階における必要な項目や留意事項等を網羅的に整理して示す予定であります。改正法の円滑な実施には事前の訓練や緊急銃猟の実施手順を分かりやすく示すことが重要と考えておりまして、ガイドライン作成の際には委員御指摘のような点も十分参考にしてまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 また、今後運用に当たっては、マスコミ対策、また個人のSNS対策が非常に重要だと考えております。捕殺された姿やおりに捕まった状態が発信をされると、見た人はかわいそうという感情が生じるのは当然だと思います。一方、被害に遭われた方や地域住民からすれば、自分の身体に危害を加えられたり、農作物の被害などの実害があります。近年見られる過度な反応ではなく、国民の冷静な議論のためには一定の制約が必要だと考えております。 また、法律施行後、最初の時期はマスコミの取材が殺到する可能性もあります。市街地であればなおさらそういったことが過熱する可能性があります。ハンターを主人公にして、どのように撃ったのかとか、熊と対峙したことなどが報じられることによって、SNS上で炎上したり、個人が批判にさらされる可能性もあります。この炎上からハンターや自治体職員を守ることも実施自治体の役目となります。 どのような対策を考えているか、お示しください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 まずは、国民の皆様に熊が人の日常生活圏に出没した際の危険性や対応の必要性について御理解いただくために、ホームページやSNSを通じて、科学的見地から必要な情報を丁寧に発信してまいりたいと考えております。 また、改正法案の中では市町村長が避難の指示や通行制限の措置を行うことができるとしておりますけれども、この対象は住民だけでなく報道機関も含まれており、緊急銃猟における安全確保のため、銃猟の現場に人がみだりに立ち入ることがないようにしております。 安全かつ円滑な緊急銃猟に向け、取材への対応も含めて、避難や通行制限の考え方と具体的な手順について、ガイドラインや研修等の実施により、適切に市町村に解説してまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 更に確認させていただきます。市街地でこの射撃等が行われる可能性があります。そうした観点から、市街地での対応を想定した訓練について確認をさせていただきます。 ハンターや自治体職員の負担が非常に大きいことを考えると、この想定した訓練について、例えばですけれども、夜間など見通しの悪い時間帯にも訓練を実施すべきではないかと考えますが、御見解をお示しください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 緊急銃猟を実施する事態が生じた際に、安全確保を含め、必要な対応を円滑かつ迅速に行うためには、事前準備をしっかりしておくことが重要であります。そのため、環境省が作成する緊急銃猟のガイドラインでは、事前の訓練等についても夜間での対応を含めた実際に想定される内容を記載することとしており、この内容に応じて事前に準備しておくことを推奨してまいりたいと考えております。 加えて、財政面においても、地域においてしっかりとした事前の準備が行えるよう、訓練等に要する経費について交付金等で支援できるようにしてまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 それから、先日、全国農業新聞で拝見したんですけれども、農林水産省の事業に鳥獣対策優良活動表彰というものがあります。農林水産省のホームページでも確認しましたが、野生動物に対して、生息環境管理、侵入防止対策など効果を発揮している事例が紹介をされています。先日、我が党の伊藤孝江議員の質問にもありましたが、日本熊森協会のような形でこの対策を練っている、そういった事例があります。 環境省も野生動物に対する被害を防止するための取組を進めておりますけれども、こうした取組、成功事例をもっと積極的に、捕殺の前にこういった取組をしているということをもっと積極的に発信すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、熊対策は、人と熊とのすみ分けを図るために、生息環境管理や侵入防止対策など、捕獲に偏らない総合的な対策を進めていく必要があり、各地で実施されている優良事例を取りまとめ、横展開していくことは有効と考えております。そのため、環境省が作成した熊出没対応マニュアル等において、熊の追い払いの研修、集落ぐるみでの柿の木やごみ対策、通学路沿いの緩衝帯整備などの優良事例の紹介を行っているところであります。 引き続き、各地の取組事例の収集に努め、マニュアル等において紹介するとともに、都道府県との連絡会議や自治体担当者向けの研修会など、様々な機会を捉えて優良事例の周知に努めてまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 さらに、実際の猟銃を進めるに当たって、状況によっては手負いの熊が暴れるといった事例が、可能性も考えられます。ハンターや自治体職員の身を守るための装備についてどのように考えているか、教えてください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、出動したハンターや自治体職員が熊から身を守るため、適切な装備が重要であると考えております。環境省が作成するガイドラインではヘルメットや防護盾を始めとする必要な装備について記載することとしており、この内容に応じて事前に準備しておくことを推奨してまいりたいと考えております。 財政面においても、地域においてしっかりとした事前の準備が行えるよう、こうした装備等の購入経費も含め、交付金等で支援できるようにしてまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 さらに、市街地で射撃が行われた場合に、熊の背後にある施設などに被害が生じる場合があると思います。こうした被害が生じた場合の補償についてどのように考えているか、教えてください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 緊急銃猟の結果として物損が生じた場合には、被害者側から市町村長に対して本法案に基づく損失補償規定により請求を行うことが想定され、市町村が補償することとなります。 補償の際には市町村が契約する保険の活用を想定しており、その保険料等の経費については環境省の交付金等で対応できるようにしてまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 更に確認させていただきます。 熊の駆除においては、七年前、北海道の猟友会の砂川支部長の男性が、砂川市の要請に応じて出動し、警察官の命令に従って発砲をした。ただ、その事例において、住宅の方向に発砲したということで、裁判で猟銃所持の許可を取り消されたという事例が生じております。 環境省として、ハンターを守る方策、どのような考え方で方策を考えているか、教えてください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 まず、その砂川事件でありますけれども、二〇一八年に北海道砂川市でハンターがヒグマに発砲をしたところ、鳥獣保護管理法で禁止する建物への発砲に当たるとして、同法に加え銃刀法違反となり、銃の所持許可取消処分をめぐりハンターが北海道公安委員会と係争中の案件と承知をしております。 本法案に基づく緊急銃猟であれば、建物に向かって行う銃猟を禁止する鳥獣保護管理法の規定の適用除外とすることとしており、したがって、銃刀法に基づく銃の所持許可も取り消さない、取り消されない仕組みとなっているため、同様の事案は起きないと考えております。 その上で、緊急銃猟は市町村長が主としてハンターに委託をして実施することとしておりますけれども、銃猟を行うことの決定やそのための安全確保措置など、緊急銃猟の実施の責任は市町村長にあり、委託を受けたハンターが責任を負うものではないということを周知してまいりたいと考えております。 環境省としては、ガイドラインの作成や研修等の実施により、緊急銃猟の判断基準及びその運用方法について丁寧に自治体に説明してまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 先ほどからの議論もありましたが、今後、ハンターの高齢化、またなり手不足が懸念をされております。法律を作ったとしても、実効性がなければ絵に描いた餅というような形になります。なり手不足対策として、例えばですけれども、退職自衛官の方に地元猟友会に入っていただくなどの可能性も考えられるかというふうに思います。 このなり手不足対策について環境省はどのような対策を考えているか、教えてください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 まずは、ハンターの現状として、狩猟免許所持者の総数は、平成二十四年度に昭和五十年以降最低の十八万一千人を記録した後は増加に転じ、令和二年度は二十一万九千人とやや増えております。特に、二十代から三十代の若い世代で狩猟免許所持者が増加しているところであります。 環境省では、平成二十六年度から農林水産省と共同で、御指摘の自衛隊退職者等で組織をされた公益社団法人隊友会の総会等において鳥獣被害防止活動への参加や狩猟免許の取得を呼びかけており、その結果、狩猟免許の試験日等が県の隊友会の広報紙に掲載をされ、自衛隊の退職者が捕獲の現場で活躍している事例もあるやに聞いております。 今後とも、防衛省や農林水産省と連携をして、自衛隊の退職者も含めた鳥獣の捕獲に関わる人材の育成、確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございます。 最後の質問になりますけれども、先日、参議院の環境委員会として宮城県に調査に行った際に教えていただいたんですけれども、熊は、森林、山から川を伝って、川沿いを伝って人の生活圏に出てくるケースが多い、比較的多いということで、陸前落合駅近くの市街地を視察をさせていただきました。 国交省には、河川の増水をチェックするための防災カメラが設置されております。これらのカメラを更新する際に解像度の高いカメラ、今だんだん、もう技術どんどん進展しています、解像度の高いカメラを導入し、また、更に台数も増やして熊の移動が監視できるようなシステムを導入してはどうかというふうに考えます。 さらに、既に成立した土地改良法にもスマート農業に対応する基盤整備事業というのがあります。この基盤整備事業では、無線LANの基地局を、この農地を、何というんですかね、管理するために無線LANの基地局等を設置することが盛り込まれていますけれども、ここに二十四時間対応の監視カメラを設置してもいいんではないかというふうに考えております。 せっかく税金を投入するのでありますので、国交省とか農水省とか縦割り的な考えを排除して、何かこの前レクで伺ったときは国交省も農水省も余り乗り気じゃなかったような感じを、イメージを受けたんですけれども、例えば、今はできなくても、十年後、二十年後、ICTの技術やAIなどのテクノロジーが更に進化すれば、森林や奥山、境界線となる里山、人の生活圏をしっかりとゾーイングし、動物の移動も管理できるような可能性があります。 冒頭、御答弁いただきましたけれども、将来のイメージがしっかりしていれば、野生動物の保護と管理、そして国民の命と暮らし、生活、安心、安全を守ることが並び立つというふうに考えております。人間と熊の共生は可能であると考えております。環境省が先頭に立ち、縦割り行政を排し、各省庁の予算をかき集めて、かき集めた施策を実施する知恵の発揮のしどころであります。 政府の取組と大臣の決意、確認したいと思います。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 御質問ありがとうございます。 熊による人身被害を未然に防止し熊との共生を図る上では、御指摘のとおり、AI技術と、そして監視カメラの活用を含め、デジタル技術の活用が重要と考えております。 例えば、富山県におけるAI技術と自動撮影カメラを活用した熊の出没監視の取組は、本年三月、第四回Digi田甲子園で内閣総理大臣賞を受賞するなど、先進的かつ有効な取組の代表例であると考えており、他県の自治体でも活用が始まっていると承知をしております。 環境省では、このような新技術の活用を含め、自治体が実施する熊の出没情報の収集、提供等の取組について、今後も交付金を活用し、支援を進めてまいります。 引き続き、関係省庁と連携して、人口減少、高齢化に対応した熊対策に係るDXを推進するとともに、新技術の社会実装に積極的に取り組んでまいります。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 AI関係の状況についてお答えを申し上げます。 近年、各地で自動撮影カメラやAIを活用して熊の出没情報の収集や提供の試みが進んでいると認識をしております。 例えば、先ほど大臣からありましたけれども、富山県では、近年急増している市街地への熊出没対策として、令和三年から、自動撮影カメラで撮影された画像をAIが解析をし、熊の出没を早期に自治体が把握する監視システムの構築を進めており、現在、富山県内の九自治体で導入が進んでいると承知しております。 さらに、令和六年度には、環境省の熊緊急出没対応業務において、富山県内で国土交通省や県が道路や河川のために設置をしている監視カメラの画像から、AIが熊の検出ができるかどうか実証実験を、実証試験を始めたところであります。 引き続き、関係機関が連携をし、新技術を活用した熊の監視システムの構築に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋次郎君 ありがとうございました。また、大臣、御答弁、本当にありがとうございます。 将来のイメージしっかり持って、今後、十年後、二十年後、日本の社会をイメージした上でこの法律が安全に、また着実に実施されるように期待をし、また応援をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一でございます。 いろいろと質問も重なってまいりまして、広島の件も御紹介いただきました。長野県でもツキノワグマの保護管理計画というものが作られているということでございますので、御紹介をいただけますでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 長野県では、ツキノワグマに関する管理計画を定め、その計画に基づき同県の熊の管理を進めていると承知をしております。 この管理計画では、科学的かつ計画的な保護管理によりツキノワグマと人との緊張感ある共存関係を再構築し、ツキノワグマの個体群の長期にわたる安定的維持や人身被害の回避及び農林業被害の軽減を図ることを目的としています。計画では、県内の熊の生息数を推計し捕獲上限数を設定するとともに、熊の主要な生息地、熊との緩衝地域、人間の活動が活発であり、熊を防除、排除を行う地域の三つに分け、それぞれの地域に応じた管理方針を設定し、きめ細やかな管理を目指しているのが特徴であります。 長野県では、このように、当該計画にのっとって適切に熊の積極的な管理を実施していると承知をしております。
○串田誠一君 人と熊とのすみ分けというものをしっかりされているのかなというふうに思いました。 この有害捕殺以外の方法というものも質問予定していましたけど、たくさん答えて今までいましたので質問ちょっと飛ばさせていただいた上で、わなに入ってしまったことについて質問させていただきたいんですが、宮城県でもわなを視察をさせていただいて見てまいりましたが、わなに入った後の熊というのは危険鳥獣ではなくなるという理解になるんでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 熊は、現に人家周辺での人身被害が多数確認をされ、被害を受けた際には重症化のリスクが高い鳥獣であります。このことから、法案においては、人の日常生活圏に出没、出現した危険な状況に限って銃猟を行うことができる緊急銃猟の対象鳥獣を表すものとして危険鳥獣の名称を用いております。 したがって、人の日常生活圏でない山野における錯誤捕獲の熊であれば緊急銃猟の対象となることは想定されておらず、危険鳥獣という名称を用いる必要はないと考えております。
○串田誠一君 結論から言うと、市街地でわなに入った後も危険鳥獣という名称のままになっているということになるのかなと思うんですけれども、今回の改正法の三十四条の二を見ますと、緊急猟銃、銃殺をすることができる事例の場合というのは、このような形で銃殺をしない限りは捕獲することが困難な場合にできるんだというふうに記載されていると思うんですよ。そうすると、わなに入っている状況というのは、生命、身体に対して危険を及ぼすこともないわけですし、麻酔銃で捕獲、安定にさせることもできるわけですから、この三十四条の二には該当しなくなるという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 人の日常生活圏でわなに入っている熊でありますけれども、これはやはり、特に名称を付けて呼ぶという必要性があるかどうかは別にして、そのわなに入っている熊をどう呼ぶかという意味では、危険鳥獣という名称を用いることとなると考えております。
○串田誠一君 私聞いているのは、三十四条の二で緊急銃猟をすることができる要件としては、緊急銃猟をしない以外は捕獲することが困難な場合と書いてあるわけですよね。もう既に捕獲されているわけですよ。そうすると、この前ちょっとショッキングだったのは、宮城県で視察を行ったときも、わなに入った後、そのわなの外から撃つというようなこともおっしゃっていたので、これはこの法案ではできないということに条文上にはなるんじゃないですか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 検討会あるいは法案の法制局との調整の際も、事例としてわなの中の、市街地にいるわなの中の鳥獣について、今は、現在の法律では、市街地の中でありますので、その止め刺しというのが禁止をされております。そうなりますと、そこから対応する者の、対応する市町村なりその対応する者にどうしても、わなに掛かっているとはいえ危険が及ぶ可能性が高いということもあって、この法律の改正の中で、その市街地にいる熊の対応、そこを、今禁止をされている、わなの中にいてもいなくても銃で撃つということに対して今回適用の除外をするということと理解をしております。
○串田誠一君 法案を離れて議論するというのはあったのかもしれませんが、条文上には、この緊急銃猟をしない限りは捕獲すること等が困難な場合かつと書いてあって、もう既に捕獲されているわけですよ。これ条文上には、完全に文言と抵触するんじゃないですか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 緊急銃猟には当然麻酔を使う場合と普通の銃を使う場合もありますけれども、いずれにしましても、わなに入っていることをもってそこから危険鳥獣という定義が外れるわけではなく、市街地にいて危険のおそれが多いものを危険鳥獣として今回指定をいたしますので、その市街地の熊については、この法律では適用が除外をされて、そういった止め刺しも含めて可能になるということは法律上、条文上明確であるというふうに我々としては認識をしております。
○串田誠一君 今完全に論点ずらしているんで、危険鳥獣になるという、なったままであるというのは分かりましたよ。わなに入った後も危険鳥獣であるというのは分かりましたが、緊急銃猟することができるというのは三十四条の二項に書かれているわけですよ、明確に。そのときに緊急銃猟しない限りは捕獲等することが困難な場合と書いてあるんですから、もう既に捕獲された後というのはこの条文に該当しないじゃないですか。
○政府参考人(植田明浩君) 法的な話で申し上げますと、わなを用いて捕獲をする場合、わなに入っていることをもって全ての捕獲が終了をしているということにはならないものですから、その捕獲の途中段階という解釈であります。したがいまして、その後の止め刺しも含めてこの法律の中での対象となっているというふうに考えられます。
○串田誠一君 全くちょっと理解できないんですが、わなに入ってもう逃げられない状況になっているのであれば、緊急銃猟するんじゃなくて麻酔で何か眠らせた後に放獣するなりなんなり、いろいろと今まで環境大臣も、あるいは長野県の事例、広島の事例もあるわけですから、なるべく捕殺をしない方法というのもある中で、こういう危険である場合にはというこの法案があるという中で、三十四条二項、明言して、捕獲等をすることが困難な場合って書いてあるのに、もうわなに入って、あるいは頑丈な格子のある箱に入っているような状況のときにはもう捕獲されているわけですよね。 そうすると、それに対してどうするのかと条文上に明言してあるんだったらまだ議論をしますけど、捕獲する等が困難な場合って、もう捕獲されているわけですから、これに完全に抵触すると思いますよ。
○政府参考人(植田明浩君) お答えを申し上げます。 法律上は、先ほど申し上げたとおり、まだわなの中に入っているだけでは捕獲をしておりませんので、途中段階でありますので、法律上は、このわなの中に入っている熊に対しても銃猟ができるということは法律上は明確であると考えております。 ただ、そうはいっても、一方で、実態としてはいろいろな方法で、捕殺をせずに、そこからの止め刺しをせずに対応できる方法ももちろん選択肢としては御指摘のとおりありますので、そういったところは、実態としては選択肢含めて幅広に考えていきたいと考えております。
○串田誠一君 ほかのくくりわなも質問する予定になっているんですが、そういったような場合はまだ趣旨としてはあるんでしょうけど、箱に入って完全にほかにももう移動もできないような場合にも捕獲のまだ途中というのは、日本語としては理解しにくいのかなと。法律上の文言の中で捕獲等をすることが困難な場合と入っているときに、頑丈なものの中に入っているのにまだ捕獲の途中だから撃ってもいいというのは、これは条文上の文言からすると、私は非常におかしな規定に、というか解釈になるのかなというふうに私は思います。 水掛け論をしていてもしようがないんですが、この条文上は明確にこう書いてあるわけですから、この条文上に従って施行していただいて、わなに入った場合には麻酔銃を使うなりなんなりというようなことの選択肢も考えていただかないと、緊急銃猟ができるというままに殺していくというのはやめていただきたいというふうに思います。 次の質問なんですが、錯誤捕獲というのが問題になっているんですけれども、この錯誤捕獲というのをなくしていくためにはどうしたらよろしいでしょうか。
○副大臣(小林史明君) 意図しない熊の捕獲、いわゆる熊の錯誤捕獲については、ニホンジカやイノシシ等による鳥獣被害対策の強化が必要となる中でこれらを捕獲するために設置したくくりわな等によって生じると認識しております。 これをなくすためにどうするかというと、例えば、鹿のみを誘引するように、牧草を乾燥して圧縮した飼料であるヘイキューブを利用するといったような誘引方法の工夫ですね、果物とか使っちゃうと熊も来ちゃうということなので、誘引方法を変えましょうと。あと、熊の生息地をまず避けてわなを設置しましょうと。あと、熊が掛からないようなわなの形状を用いることが考えられておりまして、現在、鳥獣保護管理法の基本方針等において都道府県に対してこうした対策の実施を事業実施者へ指導するよう求めているところでありまして、引き続き対策の徹底に取り組んでまいりたいと思います。 先ほどの質疑の補足なんですけれども、わなに入ったからって静かになっているわけではなくて、この暴れている熊に対して、じゃ、何か注射打てるのかというと、これは相当危ないわけですね。それも、麻酔銃を撃って、それで眠らせて放獣するということはこれは別に選択肢としては全く阻害してないので、決して放獣しちゃいけないということではないです。 そういう意味でも、多分先生の意図は、この法律の中でちゃんと反映されて、その現場現場で判断をされるものだというふうに御理解いただければと思っています。
○串田誠一君 いつも通告もなく答えていただけて大変有り難く思っているんですが、ただ、今のお話の中で、わなの中に入っていることに関して暴れるというのはそのとおりだと思うんですけど、暴れても出られないようなわなであれば、これは捕獲というんじゃないかと私は思うんですよ、日本語として。そういうようなことができないときに緊急銃猟をするんだというようなことを法律で作っているのに、わなに入ってでも、まだこれは捕獲とはいっていないから撃っていいんだというのは、これは条文の日本語としては行き過ぎではないかということを言わせていただいているわけでございます。 次に、くくりわなについて、先ほどちょっとお話もありましたけれども、大変残酷なわなでありまして、足首を取れたりとかそういうようなこともあるので、このくくりわなについての使用というものもしっかり規制をしていただきたいんですが、ここは熊の今回取り上げられていること多いんで、くくりわなに関して、熊がこれに捕獲されてしまうようなことがあるんですけれども、これを避けるためにどうしたらいいでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 そのくくりわなによる錯誤捕獲、あるいは錯誤捕獲後の鳥獣の損傷、こういったところを防ぐためには、まず猟具の工夫として、くくりわなの使用に当たって、捕獲個体の損傷の軽減や速やかな放獣ができるよう、締め付け防止金具やより戻しの設置を義務付けるとともに、箱わなの上部に脱出口を設けるなどを推奨しているところであります。 さらに、錯誤捕獲された鳥獣を速やかに放獣ができるように、基本方針において、わなの見回りを適切に行うよう求めているところであります。
○串田誠一君 今諸外国もいろいろなことを検討していて、今AIですぐに間違った鳥獣であるかどうかという判断もできるような仕組みをしたりとか、すぐに解放することができる仕組みをつくったりとかするんですが、非常にそういう意味で費用が掛かるということが一つの難点になっているんですけど、ここはやっぱり命を守るという意味で、そういうようなところにしっかりと予算を掛けていただくというようなことをお願いしたいと思うんですけれども、まずは、くくりわなを、そういったようなわなではない方法を検討していただきたいというふうに申し上げたいと思います。 先ほどほかの方の質問の中でもう非常に大事なところを、ちょっとハンターのことについてもお聞きをしたいと思っているんですが、今、宮城県に行ったときの、視察に行ったときも大変もう本当にたくさんの勉強させていただいたんですけれども、警察官職務執行法というものの運用が、なかなか時間が掛かるし認めてくれないと。先ほどの委員の質問も、ほかの委員の方もあったので、そういったようなところでこの法案というのは生きてくるんだという話なんですが。非常に難しい、ハンターは、非常にそこの部分、これから直面する難しい問題が出てきて、警察官職務執行法でお願いはしたけど、時間が掛かるのでハンターにお願いをするということであるとすると、この法案の前提としては、職務執行法の適用場面とこの法案で適用される場面というのが明確に区別されているというようなことの説明を受けてきたんですよ。 ところが、今の説明だと、職務執行法がなかなか時間が掛かるのでこちらのハンターにやってもらうということになると、人の生命、身体に対して跳弾というのは大変危ないことですよね。御存じのように、跳ねてどこに行っているのか分からない。これを市町村長が判断できるのかというのも前回の質問させていただいたんですが。そういう場面の中で、市街地で撃ったこともないようなハンターが今度は指示を受けて撃つようになったときに、警察官職務執行法では時間が掛かるからハンターになるということは、今度、明確に分かれているのではなくて、本来ならば警察官職務執行法で警察官の指示によってハンターは撃たなきゃいけないのを市町村長の指示によって撃つことになるのではないかという疑問があるんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えいたします。 委員御指摘のところは逆でありまして、基本的には、この法案改正後には、基本的にはこの法案の緊急銃猟の、熊が市街地に出てきたときにはこの緊急銃猟の制度でまずは対応を進めるということになります。 先ほど時間が掛かるということがありましたけれども、あれは、例えば秋田県の事例もそうですけれども、スーパーマーケットに立てこもったような場合には、本来であれば、緊急銃猟の制度が施行していれば、緊急銃猟の制度でスーパーマーケットのところを対応をすれば二日も三日も掛からずに対応できたところが、この警職法で対応するとなると、具体的に熊が例えば襲いかかっているような状況でないと命令が出ませんので、二日以上あるいは一週間以上掛かってしまうということもあるという時間の長さを御説明したところであります。 したがいまして、今後の改正法ができた後は、この緊急銃猟の制度で基本的には対応いたします。いたしますが、その準備をしている、例えば準備をしている最中に、この緊急銃猟制度の安全確保の準備をしている最中に熊が、見張っています、見張っているときに熊が急に襲ってきた、その監視員に襲いかかったというような状況であれば、その安全確保がまだな状況ではこの緊急銃猟の制度は発動はできませんので、その襲いかかっている状況をもって警職法を発令していただくという事例はまだあり得るという意味で申し上げているところであります。
○串田誠一君 今みたいにすっきりと分かれればいいんですよ、例えばスーパーマーケットに立てこもっている場合にはこの法は緊急銃猟の対象だと。ただ、そのスーパーマーケットから出てきたときには、これはもう立てこもっている状況ではないから警察官職務執行法でやってもらわなきゃいけないんだというようなことを瞬時にしてできるのかどうか。それだったら警察官職務執行法も同時に申し込んでおかなきゃいけないとか、そんなふうにきれいに分けられるような状況になっていて、ハンターが責任を負わない、あるいは市町村長が責任を負わないようなことが果たしてできるのかどうかと大変私は疑問に持ちつつ、時間になりましたので終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 まず、環境大臣にお伺いをいたします。 鹿やイノシシ、熊などの獣類の生息数が増加し、農林水産業、地域交通などに大きな被害が出ております。 二〇一四年に改正されました鳥獣保護管理法における鳥獣の生息数を適正な水準に減少させ鳥獣の生息地を適正な範囲に縮小させるという目的の下、政府は、指定管理鳥獣である鹿、イノシシの生息数について、令和五年までに平成二十三年度水準からの半減を目指しておりました。しかしながら、鹿の減少ペースは停滞をしており、令和十年度までに目標達成時期を延ばしたところと承知をいたしております。 獣類による被害は深刻であることも踏まえ、危機感を持って捕獲事業の強化などを進めていく必要があると考えておりますけれども、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 近年、ニホンジカ、イノシシ、熊等の鳥獣について、生息数の増加や生息域の拡大により、農林水産業や生活環境、生態系への被害が深刻化しております。 ニホンジカ、イノシシについては、環境省と農林水産省において令和十年度までに個体数を半減する目標を策定し、両省が連携し、自治体の捕獲強化や人材育成等を交付金により支援しております。また、ニホンジカについて、令和六年度から高密度地域の捕獲に係る補助率を引き上げ、令和七年度は国立公園等での管理強化を行うなど、進捗状況を見ながら対策強化を進めております。 また、熊については、環境省では、令和六年四月に、集中的かつ広域的に管理するための捕獲等の管理ができるよう指定管理鳥獣に指定し、都道府県が行う被害防止等に係る取組を交付金により財政支援を可能としたところであります。 鳥獣被害対策を進めていくためには科学的かつ計画的な鳥獣の保護管理に係る体制確保が必要であり、引き続き、農林水産省や自治体等と連携しながら全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 関連をいたしまして、獣類と列車の衝突事象についてお伺いをいたします。 獣類と列車の衝突事象は全国的に増加をしており、JR北海道における鹿と列車の衝突件数は、二〇〇〇年代では千百件程度だったものが二〇二三年には三千件を超過するなど、激増をしております。 JR北海道が顕著ではありますが、JR東日本における山梨県内の中央線、JR東海の身延線、JR西日本の山陰線、JR四国の土讃線、JR九州の日豊線など、全国の路線で事象が増えております。獣類と列車の衝突事象は、大幅なダイヤ遅延を引き起こすなど、地域の輸送サービスに大きな支障を来しております。 鹿生息数の適正水準の維持は国や自治体の責務であることを踏まえ、衝突事象削減に向けては、決して事業者任せにせず、国と自治体が積極的に関与していくべき問題であると考えておりますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えをいたします。 鹿の個体数を管理するということにつきましては、委員御指摘のような列車と鹿の衝突による輸送障害の減少といった鉄道分野への効果にとどまらず、他分野にも大きな効果があるというふうに認識しております。そのため、例えば、環境省において自治体が実施する鹿等の捕獲事業について財政支援を行っていると承知しております。 国土交通省におきましては、列車と鹿などの動物の衝突による輸送障害の減少に向けまして、鉄道事業者が実施している対策について事業者間で情報共有する場を設けております。 以上でございます。
○浜野喜史君 関連してお伺いいたしますけれども、獣類と列車の衝突事象の被害について、事業者へのヒアリングなどを通じて実態調査を行っている自治体もあるというふうに承知をいたしております。 その上ででありますけれども、自治体間の横串を刺す観点から、国が中心となり、対策の検討も視野に入れた戦略的な実態調査を行っていくべきと考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えをいたします。 鉄道事故等報告規則に基づきまして、各鉄道事業者は、運休や三十分以上の遅延といった輸送障害が発生した際には、国土交通省地方運輸局に概要を記載した届出書を提出することとなっております。このため、列車と動物が衝突し、これによる輸送障害などが発生した際には、各鉄道事業者から国土交通省地方運輸局にその概要が報告され、国土交通省においては、総件数を取りまとめの上、公表しております。 なお、各鉄道事業者においては、こうした情報等を踏まえた必要な対策が行われているものと承知しております。
○浜野喜史君 今の関連でお伺いするんですけれども、輸送障害が起きた場合については報告ということなので、それが起きていないような衝突事象について把握されておられるわけじゃないと、こういう理解ですか。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えをいたします。 繰り返しになりますが、運休や三十分以上の遅延といった輸送障害が発生した場合は報告の義務がございますが、そうでない場合には必ずしも届出の義務はございません。ただ、鉄道事業者におきましては、鉄道事故等報告規則の報告対象であるか否かにかかわらず列車と動物の衝突について把握しておりまして、この状況を踏まえ、必要な対策を実施しているものと承知しております。
○浜野喜史君 さらに、関連してお伺いをいたしますけれども、特に被害が大きい鹿への対応につきまして、政府は都道府県向けのガイドラインにおきまして、鹿が木や草を食べ尽くすことで土がむき出しになり崩れやすくなって土砂災害につながるなど、人々の生活にも影響することを分かりやすく示すとともに、地域別に目標を立てて、被害の大きい場所で優先的に捕獲に当たるなどを追記するよう検討しているというふうに承知をいたしております。 このガイドラインに鹿と列車の衝突事象など交通に関する獣害の影響を盛り込んで、国と地方自治体に鹿衝突事象の多発について認識を持ってもらう必要があるというふうに考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 ニホンジカの列車等との衝突事故の影響は重大と考えております。ニホンジカの管理計画策定のための都道府県向けガイドラインにおいても、列車等の衝突事故が増加しつつあることや、管理の目標や指標の例として交通事故の減少や件数などが考えられることはお示ししているところであります。 御指摘を踏まえまして、今後、列車との衝突による交通被害の発生状況や影響について関係省庁から最新の情報を収集し次回のガイドラインの改定に盛り込むとともに、都道府県が策定する管理計画において、被害の発生状況に応じて管理の目標や指標として適切に設定されるよう、都道府県に対して周知してまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 前向きにお答えをいただきまして、ありがとうございます。 その上で、次回のガイドラインのその制定というタイミングはいつ頃ということなんでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) ガイドラインの策定は今年度から検討を始めまして、策定が成るのは来年度の夏頃と考えております。
○浜野喜史君 その改定期に是非先ほど申し上げたような事象を盛り込んでいただければ有り難いと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 関連して更にお伺いしますけれども、獣害対策に向けた財政支援につきましては、環境省における指定管理鳥獣捕獲等事業費と、農林水産省における鳥獣被害防止総合対策交付金の二種類があると承知をいたしております。環境省は、指定管理鳥獣であるニホンジカとイノシシについて都道府県が行う捕獲事業に対して支援をしており、農水省は、市町村が中心となった地域ぐるみで行う柵の設置や追い払い活動、捕獲活動やジビエ処理加工施設の整備など、農林水産物への被害防止に向けて支援をしているというふうに承知をいたしております。 一方で、獣類と列車の衝突事象などの輸送被害を減らすための対策については、国交省からの支援はなく、多くをJRなどの民間事業者の自己負担で対応しているというふうに認識をいたしておりますけれども、この認識で間違いないか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えをいたします。 列車と動物の衝突による輸送障害への対策は、これまでより各鉄道事業者が主体となって取組を進めているところでございます。例えばJR北海道では、侵入防止柵の設置や、犬の鳴き声や電子音などを鳴らして鹿に逃走を促す装置の設置等を実施しております。 国土交通省としましては、こうした各鉄道事業者が実施している対策について情報共有する場を設けているところでございます。
○浜野喜史君 その上でお伺いしますけれども、公共の移動輸送を担う鉄道事業者の役割は地域にとって大変重要であるというふうに認識をいたしておりますが、獣害対策は必要不可欠であります。鉄道部門に対しても必要な財政支援を行っていく必要があるというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えをいたします。 国土交通省では、鉄道の安全な輸送の確保を図ることは最も重要な課題と認識しております。これまでも、木枕木のPC枕木化や高架橋への鋼板巻きによる耐震対策、コンクリートによる隣接斜面の補強等による豪雨対策などの防災対策等を推進するため、財政支援を行ってきております。 一方、動物の個体数を管理するという点からいえば、委員御指摘のような列車と動物の衝突による輸送障害の減少といった鉄道分野への効果にとどまらず、他分野にも大きな効果があると思っております。そのため、繰り返しになりますが、例えば環境省において必要な財政支援を行っていると承知しております。 国土交通省においては、列車と動物の衝突による輸送障害の減少に向けて、各鉄道事業者が実施している対策について事業者間で情報共有する場を設けるなど、引き続き鉄道輸送の安全確保に向けて必要な取組を行ってまいります。
○浜野喜史君 もう極めて渋い御答弁ということなんですけれども。 情報共有をしっかり図っていただくということは大事なことで、どんどんやっていただいたらいいと思うんですけれども、やはり財政支援も国土交通省において検討ぐらいはしていただいてもいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えを申し上げます。 国土交通省では、安全対策や災害、防災対策等を推進するための財政支援を行っておりますが、これは、地震や豪雨などの災害や老朽化に伴う鉄道施設の被害を防止すること、これによって乗客乗員の安全の確保が最も重要であると考えているためでございます。他方、動物と列車の衝突により列車が脱線した事例は、少なくとも平成二十六年度から令和五年度までの十年間において発生はしてございません。 国土交通省としましては、必要な鉄道輸送の安全な確保に向けて、引き続き必要な取組を進めてまいりたいと考えます。 以上でございます。
○浜野喜史君 これでこの件は終わりにしますけれども、要は御説明としては、鉄道運行に関して決定的に安全上は問題が出ないようにというようなことについては財政支援はするんだけれども、それ以外については、多少その運行に支障が出るぐらいで乗客の安全にも関わらないようなものについては財政支援まではできないと、こういう説明ですかね。
○政府参考人(岸谷克己君) お答えを申し上げます。 鉄道につきましては、鉄道事業者が運賃収入を得て事業を行っているものでございますから、運賃収入を基本として整備、運営することを基本的な原則とさせていただいております。その上で、特に鉄道事業の安全確保のために必要な取組に対しまして国土交通省としての支援をしているということでございます。
○浜野喜史君 この件はもうこれで終わりますけれども、鹿と列車の衝突事象がやはり全国で多発しているということは事実であります。事業者任せにすることなく、政府においても更なる対策を是非検討いただくことを強く求めておきたいと思います。 その上で、最後の質問になりますけれども、獣害対策について、環境省と農水省で縦割りと、対策については縦割りとなっており、例えば、予算措置の規模が大きい農水省の支援の下で実施している地域ぐるみの対応について環境省が直接関与することは難しいと考えております。問題の本質は増え過ぎた鳥獣を適切に管理し対策を講じていくということであり、鳥獣の保護管理や生態系の維持は、まさに環境省の所管と理解をいたしております。 獣害対策に向けては省庁横断的な対応が不可欠と考えておりまして、その統括的な役割を環境省が担っていくべきと考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 お答えの前に、恐縮でございます、訂正ですけれども、先ほどの答弁で鹿ガイドラインの更新の時期を来年夏と申し上げましたけれども、もう少し早くて、今年の末にも策定をしたいというふうに考えております。訂正をさせていただきます。 そして、お答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、鳥獣の科学的、計画的な保護管理を推進し、農林水産業や生態系、生活環境への被害を低減するためには、農林水産省を始め関係省庁と密接に連携して取り組んでいくことが重要と考えております。 現在でも、制度的には、鳥獣保護管理法に基づき環境大臣は全国的な鳥獣の保護及び管理の方向を示した基本指針を定めるものとされており、都道府県知事は基本指針に則して鳥獣保護管理事業計画を定めるものとされております。また農林水産省、また、農林水産大臣や市町村長は、鳥獣被害防止措置法に基づく基本指針や被害防止計画の作成に当たり、鳥獣保護管理法に基づく基本指針や鳥獣保護管理事業計画等と整合を図るとされております。 このように、環境大臣が作成する基本指針に基づいて関係機関による各種鳥獣施策が進められているところであり、引き続き、農林水産省を始め関係省庁と連携を図りながら鳥獣保護管理行政を推進してまいりたいと考えております。 済みません、度々、二度目の訂正、申し訳ありません。ガイドライン、鹿ガイドラインの更新でありますけれども、七年末と申し上げましたが、今年度の末でございました。申し訳ございません、訂正をいたします。
○浜野喜史君 これで質問は終わりますけれども、くどいようですけれども、鹿と列車の衝突事象はもう全国的に多発をいたしておりますので、環境省、それから国土交通省、そして農水省、しっかりと連携を取って獣害対策をしっかり行っていただきますことを求めて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(青山繁晴君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(青山繁晴君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、古庄玄知君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(青山繁晴君) 休憩前に引き続き、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 私からも、鳥獣保護管理法改正案について聞きます。 熊が市街地へ出没することが増え、熊による人身被害は、二〇二三年、百九十八件、二百十九人と過去最多を記録し、六名の方が亡くなっています。現状では市街地での銃猟は、同法三十八条に基づき禁止されています。例外的に市街地での銃猟は、警察官職務執行法第四条に基づいて、人の命や身体に危害を及ぼし緊急に対処が必要な場合に限り、警察官の命令によってのみ可能となっております。 資料一を御覧いただきたいんですが、これは秋田県内の住宅街に熊が出没したときの写真です。写真のように熊がぽつんといる場合、警察官職務執行法で対処できるんでしょうか。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。 警察官職務執行法第四条第一項におきましては、警察官は、人の生命又は身体に危険を及ぼすなどの危険な事態がある場合であって、特に急を要する場合においては、その場に居合わせた者等に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置を命ずることができることとされているところでございます。 委員お示しの写真のみでは警察官職務執行法第四条第一項の規定に該当する場面か否かを申し上げることは困難でございますが、例えば、周囲に人がおらず、人の生命や身体に危険を及ぼすおそれがない場合などは警察官職務執行法第四条第一項の規定に該当せず、警察官がハンターに猟銃等を使用して熊等の駆除を命じることは困難であると考えるところでございます。
○山下芳生君 この写真だけでは判断できないが、周りにこの状況で人がいなければできないということですが、そういうことでどのような弊害が起きているんでしょうか。具体例を紹介していただけますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 現行の鳥獣保護管理法では、住居集合地域等における銃猟、人や建物等に向かってする銃猟等を禁止をしております。このため、熊等の出没により現実、具体的に危険が生じ、特に急を要する場合には警察官職務執行法による命令により応急的に銃猟が実施されておりますが、例えば熊が建物に立てこもるなど、秋田県の事例でショッピングセンターに立てこもった事例が最近でもありました。そして、膠着状態にあるような場合では、現行法では対処することができずに、地域住民が長期間にわたって不安な夜を過ごすなどの問題が生じております。 本法案では、このような背景を踏まえ熊等の銃猟に関する制度を見直し、人の日常生活圏に熊等が出没した場合に、地域住民の安全の確保の下で銃猟を可能とするものであります。
○山下芳生君 秋田市では、市町村職員から警察官に対して発砲の提案をしたけれども、緊急事態と判断されず発砲命令が出されずに、その後、捕獲作業に当たった捕獲者が繰り返しかみつかれたりひっかかれたりして、指先を欠損するなどの重傷を負ったという例もあると承知しております。 現状では、警察官職務執行法を適用するかどうかは現場の警察官の判断になります。今回の法改正は、熊などによる人身被害を未然に防ぐ観点から、一定の条件を満たした場合に限り、市町村長の判断で市街地の銃猟を可能とするものになります。それによって、ハンターが市街地でライフル銃を発砲する機会が増えます。ハンターからは、事故が起こった場合、責任を負わされるのではないかとの不安の声も出されています。 こうしたハンターの声にどう応えるんでしょうか、環境大臣。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 熊等が人の日常生活圏に出没した場合には、地域の関係者が連携して対応することが不可欠であります。その中でも、ハンターの皆様に安心して対応いただくことができる環境整備が重要であり、制度の検討に当たってハンターの方々の御意見もいただいてまいりました。 緊急銃猟は、市町村長が主としてハンターに委託して実施することとしておりますが、銃猟を行うことの決定やそのための安全確保措置など、緊急銃猟の実施の責任は市町村長にあり、委託を受けたハンターが責任を負うものではありません。また、委託を受けたハンターには腕章等を着用していただき、市町村長からの委託であることを明確にした上で、物損や万が一人身事故が生じた場合には、ハンターではなく銃猟を委託した市町村が補償や賠償を行うことについて制度的に担保することとしております。 こうした制度の内容については、今後作成するガイドラインにおいても周知し、ハンターの皆様に安心して御協力いただけるようにしてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 市町村に全ての責任を負わせていいのかと。国もしっかり責任を持つべきではないでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 今回の改正案における緊急銃猟の制度は市町村長が責任を持って判断をするということになっておりますけれども、そもそも、やはりこの鳥獣政策自体がこれまでも地方自治体の責任において、あるいは対応において行われてきたところもありますのと、今回の緊急銃猟のような場合は、緊急に対応をするということ、その地域の地形でありますとか熊の生息状況、その他の野生生物の生息状況も分かった上で対応をする必要がありますので、市町村長にそこの判断を委ねているところであります。
○山下芳生君 損害保険の保険料の交付金、保険料を交付金で支援するということがあるというのは聞いてはおりますけれども、今おっしゃったように、より広い意味で国の責任を果たしていく必要もあると思います。 私、猟友会の皆さんからいろいろ話伺ったんですが、趣味で狩猟を行っている方々の集まりというのが多いです。しかし、これ先ほどありました、北海道砂川市でヒグマを駆除した男性が住宅の方向に発砲したとして、北海道公安委員会から猟銃を所持する許可を取り消されて訴訟になっているということもあります。 環境省の検討会での議論でも、今回の改正で一般の趣味の狩猟者に非常に重たい業務を担わせるのかという話にもなりかねないと懸念の声も上がっておりますので、改めて国として責任を負うことが大事だと思います。 次に、猟友会として出動するハンターの方々への日当の問題について聞きます。 法案では、市町村長は緊急銃猟を委託して実施させることができるとされております。家畜の牛を何頭も襲った熊、OSO18がいた北海道の猟友会、標茶町支部長からお話を聞きましたが、標茶町では半日出て六千円といいます。支部長は、お金の面でいえば、支部長という立場で若い人に出てくれとは言えない、それだけの保証はできないからなんですよと言われました。これは、働いている人がこっちに出たら、こっちの方が報酬が低いわけですよね。熊がスーパーに入り込んだ秋田市では、半日で三千三百円と、今年度は四千円に引き上げるそうですが、自治体も引き上げたくても予算がないということがあるようです。 熊による被害の予防、警戒、駆除に当たる猟友会の皆さんからは、命懸けでやっているんだと、熊と対峙する精神的な負担感もあるんだと、ハンターの任務に対する報酬が余りにも低過ぎると言っておられました。 環境大臣、ハンターへの報酬は国がきちんと保証すべきではありませんか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 熊の出没対応に関するハンターの報酬については、熊の生息状況や出没状況等の地域の実情を考慮した上で、地方公共団体において設定されております。 その上で、政府としては、環境省と農林水産省において、必要に応じ指定管理鳥獣対策事業交付金や特別交付税措置による財政支援を行っております。また、本法案の緊急銃猟についても、捕獲当事者の日当、経費等が市町村において適切に支払われるよう、環境省の交付金等で対応できるようにしてまいりたいと考えております。 引き続き、関係省庁が連携し、地域の実情に応じた必要な支援に取り組んでまいります。
○山下芳生君 ハンターの任務に、非常に重い任務に見合う報酬にするために国の責任を果たしていただきたいと思います。 私、この質問する上で、非常にこれやっぱり悩ましいんですね。これまでは、撃てという、そういう方向での質疑でした。しかし、やっぱり、本当にそれでいいのかということをやはり考える必要があると思うんですが、熊の市街地への出没がなぜ増えているのか、ここからやはり考えないと駄目だと思いますが、環境省、原因は何だと考えますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 熊が人里に出没する要因には、秋の主要な餌であるブナやナラなどのドングリが凶作により不足し、熊が餌を求めて人里まで行動範囲を広げたことが大きな要因の一つとして考えられております。特に、令和五年度は、岩手、秋田、宮城、山形県で八月以降の熊の出没件数が増加いたしましたけれども、その要因の一つとして、東北地方においてブナやミズナラなどのドングリが凶作となり、餌不足になったことが考えられます。
○山下芳生君 二〇二三年にドングリの木の実が減少した、極めて減少したということが一つの原因だということは私も聞いております。ただ、それだけなのかということも考える必要があると思います。 熊は警戒心が強い動物だと言われております。クマ類保護及び管理に関する検討会が出した被害防止に向けた対策方針では、ヒグマやツキノワグマの出没要因で共通して指摘されているのは、林業従事者や狩猟者の減少によって森林内で活動する人口が減り、熊が森林内で人に追われる機会が減少することで人への警戒心が薄くなり、集落周辺まで分布が拡大していることが共通して指摘されております。 資料二は、林業従事者数の推移を示したグラフであります。一九八〇年の十四万六千人から二〇二〇年には四万四千人と、長期間減少し続けています。なぜ林業者がここまで減っているんでしょうか。
○大臣政務官(山本佐知子君) お答えいたします。 日本の林業従事者の長期的な減少傾向は、まず、木材価格の下落等により採算性が悪化した中、森林所有者の経営意欲の低下が生じました。そのために林業生産活動が停滞してきたこと、そして二つ目に、林業従事者の平均所得が全産業平均と比較して約百万円低く、また、労働災害発生率が全産業平均の約十倍であることなどが要因と考えられます。 このため、農林水産省としましては、所得向上と労働安全確保が必要と考えています。そのために、まず高性林業機械の導入、また路網の整備による林業経営体の生産性を上げ、そして収益力の向上を図るということ。次に、緑の雇用事業等による新規就業者の確保やスキルアップ。そして三番目として、林業労働安全衛生研修や労働安全衛生装備、装置の導入などへの支援を実施しています。 これらの取組を通じまして、林業従事者の確保を図ってまいりたいと思います。
○山下芳生君 今お答えありました木材価格の下落ということが、ただ、じゃ、何でそんなになったのかといいますと、やはり、木材の輸入自由化を進めた結果、安い外国産材が入ってきて国産材の供給が減少し、国内の林業が低迷を余儀なくされたというのが根本原因だと思います。そういう意味では、林業、国内林業の再生に向けて国産材の活用などの支援を強めることも熊出没対策にとって重要になるんだという観点で当たっていただきたいと思います。 本来、奥山に生息する熊が人里に下りてくるのはなぜか。資料三も見ていただきたいんですが、農村では、農業を仕事にしている基幹的農業従事者が、二〇〇五年に二百二十四万一千人いましたけれども、二〇二〇年には百三十六万三千人ということで三九%減少しています。農家が減ることで耕作されない農地が増えると同時に、農地周辺の草刈りなどが行われなくなることで山と人里との見通しが悪くなると。がさやぶというんだそうですが、がさやぶが広がって熊から人の姿が見えにくくなって、熊の警戒心が薄れる要因の一つとなっていると。 大臣、農村から農家が減って、熊の生息地と人里との境界が曖昧になっていることも熊が人里に下りてくる一つの要因ではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 熊が人里に出没する要因については、ドングリが凶作によって餌不足となることのほか、今御指摘がありましたように、農村がある中山間地域における人口減少や高齢化が進展し、耕作放棄や里山利用が減少するなど、人間活動の低下も要因の一つと考えられます。 熊対策は人と熊とのすみ分けを図ることが重要であり、令和六年四月に環境省、関係省庁との取りまとめでまとめましたクマ被害対策施策パッケージに基づき、人の生活圏への出没防止のための追い払いや、放任果樹等の誘引物の管理への支援、針葉樹と広葉樹が混じり合った森林や広葉樹林への誘導といった熊の生息環境の保全整備など、捕獲に頼らない総合的な対策を進めてまいります。
○山下芳生君 私は、山村や農村の疲弊を招いた政治の責任は極めて重いと思います。本当に重いと思います、この面でも。猛省すべきだと思うんですが。 農業は、食料を生産し、美しい景観を守るとともに、野生動物と人間との境界を保つという大事な役割を果たしていると思います。熊と人とのすみ分けが大事だと言うんだったら、農業、林業の再生に力を入れてこそだということも強調しておきたいと思います。 ちょっと時間が余裕ができたようなんで、私、三月三十日にNHKの「ダーウィンが来た!」が、この熊の問題、東京農工大の大学院、小池伸介教授らの研究グループ、チームの研究を追っかけて、捕獲した熊にGPSと首輪型カメラを付けてその行動を秋田で詳しく追いかけるという調査研究が放送されておりました。 やはり、熊の生態をしっかり把握するということが大事だということなんですが、まだ途上だと思いますが、分かったこととして、今この人里に出てくる異常な行動の背景には、山の中での深刻な食料不足があったと。先ほど言われたように、熊の主な食べ物であるドングリ類、ブナ、ミズナラ、コナラなどの実が、二〇二三年、東北各地でほとんど実らなかったと。ドングリの実が少なかったため熊は十分な栄養が取れない、秋は冬眠前に体重を増やす大事な時期だが、それが難しい状況。山にいても飢えてしまうため、やむを得ず町へ移動するしかなかった、つまり熊が町に出てくるのは、生きるために仕方なく行動しているという面が熊から見ればあると。こうした事実を知ることが、熊と人との距離感を保つ上で非常に重要であるという指摘でした。 食べ物はなくなり、生きるために仕方なく町に来ているんだと。人間の出すごみ、生ごみ、果物の臭いなどが熊を引き寄せてしまっているということもあると。熊との距離を考えることは人間の暮らしそのものを考えることにもつながるんだという指摘でしたけど、やはりそうだと思います。熊が、人里に下りてきた熊にどう対処するかということももちろん大事ですが、下りてくる原因を究明して、いかに共生するかということも考えなければ、これはもうイタチごっこになるというふうに思います。 最後に、外来生物、クビアカツヤカミキリの防除対策交付金について聞きます。 クビアカは、梅、桃、桜などの樹木に寄生し、最悪の場合、木を枯らす外来生物であります。奈良県は吉野千本桜など桜の名所で有名ですが、さらに、川沿いの桜並木や公園、世界遺産である平城宮跡にある桜が観光資源の重要な柱となっています。 資料四、五にその被害の実態とクビアカの生態について書いてあります。資料五は、奈良県天理市内のクビアカの桜被害の実態であります。 このクビアカがいる木の根元には、いるあかしとして、フラスと言われる幼虫のふんと木くずが混ざったものが出現します。ここに出現しているとおりなんですが、この付近では、桜が二十本ある中で、もう十七本の桜の木がこういう被害に遭っているそうです。 クビアカが見付かった樹木の伐採や駆除などに環境省の特定外来生物防除等対策事業交付金が使われているんですが、いち早く対策に乗り出したい自治体からは、交付金が下りる七月まで待っていられないと、対策が遅れれば被害が拡大するとの声が上がっております。 環境省、交付金が下りるのを待たずに自治体が直ちに対策を取れるようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 御指摘の特定外来生物防除等対策事業におきましては、原則として交付決定に基づき事業に着手するものとしておりますが、地域の実情に応じ、事業の効果的な実施を図る上で緊急かつやむを得ない事情がある場合は、交付決定前着手届を提出することにより、交付決定を待たずに事業に着手することが可能となっております。 令和六年度では、全百三十二事業のうち六十七事業において交付決定前着手届が提出され、交付決定前に事業に着手されております。 引き続き、地域の実情に合わせて適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
○山下芳生君 知られていないようなので、そういう声が出たので、是非周知いただきたいと思います。 終わります。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。 野生鳥獣による農作物の被害額は、平成二十二年の二百三十九億円よりは下がってきていますが、高止まりが続き、令和五年では百六十四億円、令和に入ってからでは最大の被害額。資料一。被害全体の約七割が鹿、イノシシ、熊、猿によるもの。 資料二、三。熊類の出没件数は、近年一万数千件から二万件前後で推移。二〇二三年四月から十二月の熊出没件数は二万三千六百六十九件、過去最多を記録。市街地への流入も問題に。 環境大臣、この状況に対処することには抜本的な対策が必要だと考えますか。はいかいいえで結構です、お答えください。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 今回審議をいただいております法案においては、人里に熊やあるいはイノシシが出てきた場合に銃猟ができるようになるということで、そうした対策に取り組んでいるものと承知をしております。
○山本太郎君 抜本的な解決という部分ではないと、今回の改正はということだと思うんですね。 鳥獣被害の拡大、広域化の原因については政府もちゃんと理解していて、資料四。例えば、十年前、平成二十六年度食料・農業・農村白書で、既に鳥獣被害拡大の原因を指摘。農山村の過疎化や耕作放棄地の増加、狩猟者の減少や高齢化、里山や森林管理ができていないことなどが主な原因として指摘されていると。 問題は、これら根本原因を解決するためにどのような政策を打ち、その実効性を保障するためにどれだけのリソースを投入してきたかということです。 環境大臣、今回の鳥獣保護管理法改正で根本原因に対処できるとお考えになりますか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 今回の鳥獣保護管理法の改正というのは、今私が申し上げましたように、市街地において一定の条件の下で銃猟ができるという法案であります。また、あわせて、先ほど来答弁しておりますように、人と熊とのすみ分け、こういったこともすることによって対策を打っていくものと承知をしております。
○山本太郎君 今回の改正とこれまでのもので根本原因に対処できるとお考えであるということでいいですか。イエスかノーかで。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 繰り返しになりますが、人と熊とのすみ分けということについては、これまでも取り組んでまいりましたし、これからも取り組んでまいります。
○山本太郎君 お答えになりません。 市街地の周辺に耕作放棄地が増え、自然と人間の生活圏の間にあった里山や森林が管理なしに放置されることで野生鳥獣の活動領域が拡大し、そのまま市街地にも流入するようになった。農水省も十年以上前から指摘し、環境省としても、熊などの野生鳥獣の活動領域と人間の生活圏の間にバッファーゾーンを設ける対策を提案していると。 資料五。例えば、環境省のクマ類保護及び管理に関する検討会が取りまとめた対策方針、令和六年二月では、人と熊類の空間的なすみ分けを図るため、人の生活圏と熊類の生息域を区分するゾーニング管理を実現させ、その維持を推進すると方針を示しております。 資料六。現状、熊類が生息する地域のどれくらいの都道府県でこのようなゾーニング管理が計画に盛り込まれ、実際に運用されていますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 熊は三十四都道府県で生息しておりまして、そのうち二十二道府県が特定計画を作成しており、そのうちゾーニング管理が記載されているのは二十一道府県、ゾーニング管理を実施しているのは十七道府県となっております。
○山本太郎君 熊類が生息する三十四道府県のうち、ゾーニング管理を実施しているのはその半分の十七道府県のみ。さらには、ゾーニング管理を実施している県でも、各財源や人員不足の問題が制約となって十分な対策が講じられていない実態が見えております。 資料七。例えば新潟県胎内市では、NPOが熊を呼び寄せる放置された柿の採取に取り組んでいると。同NPOの代表者によれば、木一本分の実を取り終えるのに三人掛かりで一時間弱掛かる、木を伐採するにも一本数万円から数十万円の費用が必要だが、補助制度があるのは一部自治体に限られると。 資料八。秋田市農地森林整備課の担当者は、熊が人里に近づかないよう草刈りを実施している。ただ、学校周辺や人身被害が起きたところが中心。人手や予算の問題もあり、より広い範囲で行うのは難しい。 資料九。東京農工大学大学院小池教授は、長野県軽井沢での緩衝地帯の取組を好事例として紹介しつつ、予算や人員の足りない自治体では難しいと指摘する。きめ細かい分だけお金も掛かり、熊対策をできる人材も用意しなければならないので、そこまで野生動物にお金を掛けられない自治体も少なくないという現実もあります。 そもそも、どの地域にどのぐらいの数の熊が生息していて、どのような行動範囲で活動しているのかなど、基本的な科学調査を行わない限り実効性のあるバッファーゾーンの構築や運用はできません。捕獲を強化するにしても、対象地域の熊類の生体数を正確に把握していなければ、適切な数の捕獲、管理はできない。しかし、全ての都道府県で定期的に十分な規模での生息状況調査が行われているわけでありません。 資料十。このことは、多くの専門家や自然保護団体が指摘してきました。個体数の調査はこれまで都道府県が独自に行っており、調査年度はまちまちというのが実態と言えます。北海道、酪農学園大学の教授は、道内の出没件数、農業被害面積は正確に把握できていないのが実情ですと、有効な対策にはしっかりと現状を把握することが不可欠ですと、これまでの調査の不足を指摘されています。NPO法人日本ツキノワグマ研究所の代表は、実態が分からないまま捕獲し過ぎると絶滅のおそれが出てくるとも指摘。 これら、バッファーゾーン構築やその前提ともなる科学的調査に十分な予算、人員は付けられているんでしょうか。環境省は、昨年四月十六日、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律、鳥獣保護管理法の省令を改正。絶滅のおそれのある四国の個体群を除いて、熊類を指定管理鳥獣に指定。これによって、熊対策に対しても令和六年度から指定管理鳥獣対策事業交付金が使えるようになった。予算は付けていますとおっしゃるんでしょう。金額を確認させてください。 令和六年度指定管理鳥獣対策事業交付金の熊対策の、熊だけ、熊対策分についてお聞きします。例として、近年、熊の市街地出没が問題となっている北海道。環境省、北海道に対して、出没時の体制構築メニューの交付金額、専門人材の育成メニューの交付金額、それぞれ幾ら付けていらっしゃいますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 環境省では、御指摘の交付金により、令和六年度は北海道に対して、出没時の体制構築メニューとして約十五万円を交付しております。また、専門人材の育成メニューについては二百万円を交付しております。
○山本太郎君 熊出没時の体制構築に使える金額は、これは北海道全体でいいですよね、北海道全体で一年間十五万ですよ。北海道全体で一年間十五万円。何回も言って済みませんね。 環境大臣、これ、広大な北海道を考えて、一年間十五万円でできる熊出没時の体制構築ってどんなものでしょうね。これ率直に言って余りにも足りなさ過ぎると思うんですけど、そう思いませんか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 出没時の対策ということについては、それぞれ様々な要望も含めて対応をしているものというふうに考えておりまして、今のところ、それぞれの要望に対しては満額交付をしているものというふうに承知をしております。
○山本太郎君 北海道全体で十五万円でいいと、自治体からこれは要求があったということなんですか。それは、それも当然、金額というのは十五万円程度しか出せないかもしれないというようなやり取りがあった後なんじゃないんですか。違うんですか。十五万円という金額が向こうからぴたっと出てきたということですか。イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 実は、この交付金の対象に熊が含まれるようになりましたのは昨年夏からでございます。事業検討に要する時間、事業の実施時期等を踏まえまして、年度内で実施可能でありました事業について、北海道においても精査の上、要望されたものと思われます。
○山本太郎君 環境省自体が非常に予算という意味では、私は、何だろうな、差別されていると思っているんです。ちゃんと予算付けてもらっていないと思っている。そういうことは当然、市町も分かっているわけですよね。自治体も分かっているわけですよ、環境省に幾ら言ったって出てくる金額知れているだろうなと。十五万円でとてもじゃないけど、これ北海道全体で手当てなんて無理ですよ。 資料十三。人手不足が指摘される中、熊対策の専門人材の育成に北海道全体で一年間で二百万円だけ。これ、二百万円で専門人材、雇えますか。一人雇うことも不可能ですよ、これ。 環境省は、先ほどの熊対策方針でゾーン管理のような高度な生態系管理を求めながらも、そのための予算や人員の増強にお金を出すことはかたくなに私は渋ってきていると。金がないんだから出せないということかもしれないけれども、私は渋ってきているという部分もあるんだろうなと思うんです。そのことが、鳥獣流入防止であったりとか農産物の被害防止を含む生態系管理のための人的リソースの減少を、これ逆に言ったら加速させてしまっている、これを認識させなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。 これ、「都道府県における鳥獣の保護及び管理に関する専門的知見を有する職員の配置状況について(概要)」、令和六年四月一日現在に基づいて、一都道府県当たりの専門的知見を有する常勤職員の数は何人でしょうか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 全国の都道府県において、鳥獣保護管理に関する専門的知見を有する常勤職員は、職員数は百六十九名と承知しておりまして、一都道府県当たりでは三・六名となります。
○山本太郎君 三・六人でこれどうやって対応していけというのかという話だと思うんですよ、鳥獣被害に対してね。 専門人材育成の必要性というのはもちろん十分にお認めなんですけれども、環境省の交付金としては一年間最大二百万円しか予算を付けていない。これ、制度として人材育成、人材補強を支援する方針は示すけれども、実際に専門人材を雇えるように自治体に必要な財源を与えない、こういったことが、私、環境省の何か常套手段みたいになってしまっているんじゃないかな。もちろん、元々金がないからしようがないじゃないかということあるかもしれないけれども。結局、こういうことがいつもの方法ということになっていないかなというふうに思うんです。 二〇一四年成立の鳥獣保護管理法では、各自治体が鳥獣保護管理員を任用して対策を強化できるようになりました。資料十四。この鳥獣保護管理員とは、鳥獣保護区の管理、鳥獣に関する各種の調査など、鳥獣保護管理事業の実施に関する業務を補助する職員、鳥獣の保護管理や狩猟制度についての知識、技術及び経験を有するとともに、鳥獣の保護管理への熱意を有する人材を選定し、都道府県の非常勤職員として置かれることになっている。 この鳥獣保護管理員は、法成立から、法が成立してから現在で約十年でどのくらい増えているんだろうかということなんですけど、資料十五。平成二十六年度、全国で二千九百八十一人であったのが、直近、数字で確認できる令和二年度では二千五百七人に減少。これ、そもそも鳥獣保護管理員を任用できるようになったといっても、正規のフルタイムという形での人員増強ではないんですよね。 資料十六、十七。例えば新潟県では、多くても月に二日勤務という契約で日額六千四百円。愛媛県では時給約千円などの条件。これで自治体の人手不足、抜本的に解決できるはずもないんです。 この鳥獣保護管理員とは別に、農水省所管の鳥獣被害防止特措法に基づき、市町村は、捕獲、防護柵の設置といった実践的活動を担う鳥獣被害対策実施隊を設置することができるという話らしいんですけれども、資料十八。しかし、この実施隊員、やはり任期付きの非常勤待遇で、隊員の勤務は月三日以内、年間三十日などと限定する自治体もあると。隊員自体の高齢化、なり手不足が問題になっている地域もある。自治体の人手不足はやったふりだけの対策で、放置され続けてきたと私は言えると思います。 近年の鳥獣被害高止まりや熊類出没件数の増加は、このような人員増強をけちってきた、お金を掛けようとしない環境行政が引き起こしたものだと私は思っています。 環境大臣として、そういった御認識はありますか。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 適切に必要に応じて対処をしてまいったという認識を持っておりますので、そうした認識は持っておりません。 また、今御指摘ありました鳥獣保護管理員とかあるいは鳥獣被害対策実施隊という方々は、別の仕事を持っていただく中で大変地域の様々な活動に協力をいただいているものと認識をしております。
○山本太郎君 余ったお時間でちょっと許したときにお手伝いいただけませんかということで、この問題解決できるのかという話ですよ。先ほど言ったとおり、三日間だけでいいんですとか、年三十日で結構でございますということでこの鳥獣問題是正できるんですかいうたら、無理ですよ。専門的人材であったりとか常勤でという形でしっかりと補強していくということを考えなきゃ。先ほど、適切にというお答えをなさったけど、適切ではないからこのような状況、拡大を続けて、町出てくるやつを撃とうかという話になっているわけでしょう。 今回の法改正で、警察の命令がなくても市町村長の決定で市街地での発砲が可能になり、発砲になる物損などの責任をハンターではなく自治体が負うことになる。これにより、ほぼボランティアで市街地に出没する熊などに対峙する猟友会関係者の負担を軽減するものであると。 これは、科学的個体数調査やゾーニング策を十分に強化せず、市街地に出てきてしまった熊を撃ちやすくしますという事後処理の規制緩和にすぎないんですね。一番必要な対策にはほとんどお金を掛けず、撃ちやすくしました、ハンターの皆さん、よろしくお願いしますと言っているにすぎない。 実際、今回の法改正については、猟友会関係者や専門家、根本的な問題点を指摘されていますよね。資料十九。市街地で発砲の責任を問われ、猟銃所持許可の取消しを受けた北海道のハンターの方。市街地での捕獲は法改正だけで簡単に実現するわけではない、対応できるハンターの選抜や養成がより重要になってくるのではないかと指摘。 資料二十。昨年末、旭川市で開かれたヒグマの駆除についての会議では、猟友会のハンターからは、法改正後は自治体の職員が発砲の判断を下すとされているが、専門知識のない職員が判断できるのかといった質問も出た。 資料二十一。先ほどのツキノワグマ研究所の代表は、高齢化が進むハンターに市街地での対応を任せ続けるのは難しい、国や県は自治体職員が捕獲に当たる公務員ハンターの育成を進めることも重要だ。 資料二十二。駆除をしやすくするために制度を微修正するんじゃなくて、このような抜本的な対策をやってくださいというのを私からお願いをいたします。まず、国の予算でNPOや研究機関に委託して、まず熊類の生息地全てにおいて定期的な個体数調査を実施すること。そのような調査に基づいて、各自治体において鳥獣対策に取り組む専門人材を十分な数、公務員として雇用すること。人間の生活圏と鳥獣の生息地の間のバッファーゾーン構築と運用を公共事業として長期的に各地で続けること。以上を環境大臣に求めたいんですよ。 今渡したペーパーに何か答えありますか。またちょっと趣旨の近い感じで全く的外れな答弁いただくのやめていただきたいんですよ。 こういった今言ったような公共事業を地方で実施することで、雇用創出、経済効果も見込まれるんです。これって石破総理が重視する地方創生ということの目玉政策にもなり得るんじゃないですかね。 これ、環境省として効果を試算し、鳥獣問題の抜本的対策に取り組むためということで総理に御提案いただきたいんですよ。御提案いただけませんか。いかがでしょう。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 今御指摘いただいた点について、順番に回答をしてまいります。 一点目の個体数調査については、熊は地域ごとに生息数や生息状況が異なり、地域に応じた精度の高い情報を収集するためには、地域の実情に詳しい自治体が調査を行うことが有効であると考えており、環境省としては、ガイドラインによる技術的支援や交付金による財政支援に取り組んでまいります。 二点目の自治体における人材確保については、交付金による財政支援に加え、科学的、計画的な鳥獣の保護管理に関する毎年の研修会の開催や、大学等と連携した鳥獣保護管理に関する統一的な専門カリキュラムによる若手人材の育成支援等に特に取り組んでまいります。 また、三点目のバッファーゾーンの構築と運用については、関係省庁が連携して策定しているクマ被害対策施策パッケージに基づき、人の生活圏への出没防止のための追い払い、放任果樹等の誘引物の管理、緩衝帯の整備等への支援に取り組んでまいります。 引き続き、各地域で効果的かつ適切な鳥獣保護管理が行われるよう、自治体の声をよく伺いながら、環境省として必要な対策を進めてまいります。
○山本太郎君 それぞれの自治体にしっかりと調査してもらえるように交付金でもやっていきますよということですけど、これ、該当する自治体に対して十分な調査ができるだけの十分な予算って付いていないでしょう。付いているんだったらみんなやっているでしょう。若手を育成していきますということに関しても、育成できていないじゃないですか。どうしてですかといったら、先ほどのような雇用体系があるから。だから、お時間あるときに手伝ってもらえませんかという、心ある人しか呼べないわけですよ。 だから、何が足りないんですかといったら、圧倒的に予算が足りないんですよ。その現実が分かっていながら、効果的そして適切に、これまでのようにと言われても、全く意味を成さない。だから、次のステップに進まなきゃ駄目なんです。私が今お願いしたようなことを地方創生の目玉としてもやりましょうよということを総理にお声掛けいただきたいんです。 次のペーパー要りませんから、後ろの人、余計なことしないでください。 総理にお話をいただけますか、この件。鳥獣問題、大変でしょう。人に被害あったら駄目でしょう。大臣、総理に直接言っていただけるかいただけないか。 そのペーパーは必要ない。
○委員長(青山繁晴君) 時間が過ぎておりますので、お答えは簡潔に願います。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 一点補足をさせていただきますと、先ほどの十五ページにありました資料で、令和元年から令和二年に二千八百九十人から二千五百七人に減っておりますが、そのうちの一部は地方公共団体において常勤の職員として代わっている者ということでありまして、実態上は多少は常勤の職員も増えているということも補足をさせていただきたいというふうに思います。 加えて、御提案についてはしっかりと承ってまいりたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(青山繁晴君) 時間です。(発言する者あり)いや、もう時間が過ぎております。(発言する者あり) 今、委員長として仕切りました。時間が過ぎております。
○ながえ孝子君 愛媛県選出のながえ孝子です。 今回の法改正は、緊急対応として必要度は高いと考えます。その上で、病気に対症療法と原因療法必要なように、今回、近年になって熊やイノシシ、何で人里に出てくるようになって害を与えるようになったのか、根本的な原因を究明し対策を講じなければ、イタチごっこですよね。それで、なぜという問いから始めて、捕獲、駆除に偏らない総合的な解決策を探るように質問をさせていただきたいと思います。 一問目は重なっているので、ちょっと飛ばさせていただきます。 ある野生生物の専門家の指摘なんですけれども、熊などが人里に出てくる機会を減らすためには、本来の生息地である森林の環境を改善して、熊に対する環境収容力を上げていく必要があるというんですね。 この環境収容力とは、ある環境において、そこに継続的に存在できる生物の最大量ということを指します。ですから、原因療法の一つは、森林の環境を改善してこの環境収容力を上げていくように努力をすることということになります。ですが、残念ながら、最近、風力発電ですとか太陽光発電ですとか、再エネの施設建設のため無理な森林の開発というのも進んでおりまして、森林が荒れる、つまり環境収容力を減少させる一つの要因ともなっています。 私も再エネは増えてほしいと、拡大していくことを望んで願ってはおりますけれども、でも、そのために、長年保全されてきた例えば保安林の指定が解除されて森林の伐採や造成が行われるケースが増えているというのはとても心配なことです。このような動きに対して、環境団体ですとか地域住民、あるいは森林関係者などから批判と懸念の声も確かに上がってきています。 それで、資料一をまず御覧ください。そもそも保安林とはどういうものなのかという林野庁の資料ですね。水源涵養ですとか土砂災害の防止のため、公益的機能を持っているので、木の伐採ですとか土地の形質変更を本当に厳格に規制している森です。 林野庁へ確認をさせていただきたいんですけれども、保安林というのは国民の命や生活を守るために重要な大切な森ですか。シンプルにお答えください。
○政府参考人(長崎屋圭太君) お答えいたします。 保安林は、水源の涵養や災害の防止といった森林の公益的機能の発揮が特に要請される森林について森林法に基づいて指定するものでございまして、国民の生命、生活を守るために重要な森林であると認識しております。
○ながえ孝子君 ですよね。そのとおりです。 ですから、資料一をもう一度御覧ください。なので、わざわざ伐採制限掛けています。ですから、それでは損失が起こるじゃないかというので、それも補填するようになっています。そして、土地の形状も変えないように、切ったら植えてくださいよということで植栽も義務付けられています。しっかり守っているんですよね。 ですが、最近、その国民の命や生活を守るために大切な保安林が解除され伐採されるというケースが増えてきました。資料二を御覧ください。裏面になります。実際、保安林が解除されているケース、これ赤で囲った風力のところがすごく多くなっているんですよね。 それに拍車を掛けるように、第七次エネルギー基本計画に、最初はこの保安林の解除に係る事務を迅速に実施するという表現が盛り込まれました。ですが、これは資料三を御覧ください。いろんな環境保護団体ですとかNPOから批判の声、やめてくださいという声が上がりまして、パブリックコメント、そういった声を受けて、最終的にはこの保安林の解除に係る事務を迅速に実施するという表現は削除されました。 その代わりに、資料四、これ第七次エネルギー基本計画ですね。その中には、赤線引かせていただきました、保安林の解除に係る事務を迅速に実施するの表現の代わりに、国土保全及び環境保全の観点を前提としつつ、保安林について、ポジティブゾーニング推進の方向性を踏まえた対応を進めるという表現が盛り込まれました。ポジティブゾーニングですから、要は、ポジティブですから、ここは適地ですから、ここに積極的に風力ですとか太陽光ですとかこういったものを設置していきましょうという意味ですね。推進地域と言ってもいいかと思うんですけれども。 それで、保安林について、そのポジティブゾーニング推進の方向性を踏まえた対応を進める、ちょっとよく意味が分からないんです。何かかゆいところに手が届きそうで届かないような表現になっているので、林野庁に確認をさせていただきます。保安林を再エネ施設のポジティブゾーンにするんですか。
○政府参考人(長崎屋圭太君) お答えいたします。 本年二月に閣議決定されました第七次エネルギー基本計画におきまして、陸上風力発電につきましては、委員御指摘のとおり、国土保全及び環境保全の観点を前提としつつ、保安林について、ポジティブゾーニング推進の方向性を踏まえた対応を進めるとされたところでございます。 これの点でございますけれども、森林法に基づく保安林の解除は、公益上の理由により必要が生じたときは、その部分につき保安林の指定を解除することができることになっておりまして、例えば道路ですとか鉄道、電気通信やガス事業などが公益上の理由に該当いたします。 発電事業につきましては、設置の際の公的な関与の観点から、一定規模以上の原子力や水力、火力、地熱発電のみを公益上の理由に該当するものとしてきたところでございますけれども、ポジティブゾーニングを推進するとの今回の基本計画の方向性を踏まえまして、地方公共団体に認定された地域脱炭素促進事業計画に従って行われる陸上風力発電事業であれば公益上の理由に該当すると見直したところでございます。 なお、保安林の解除に当たりましては、その土地以外にほかに適地を求めることができないこと、転用に係る土地の面積が必要最小限であること、そして、転用に係る保安林の指定の目的の達成に支障が生じないように代替施設の設置等が措置されることといった要件を全て満たす必要がございまして、これは公益上の理由に該当する案件でありましても具備すべき要件でございます。 以上でございます。
○ながえ孝子君 大変丁寧な御説明をいただいたので結局よく分からなくなってしまいましたけれども、要は、保安林に再エネ施設を造るポジティブゾーニングはオーケーだよということだと私は理解いたしました。 そもそも保安林は、災害から住民を守るため、貴重な水源を守るため、まさに国民の命を守るために手を加えることを制限している森です。国民の安心を保つ森と言ってもいい、その保安林だと私は思っているんですね。 それで、資料五を御覧ください。 ですから、それを、その森を伐採するときには、本当に、今御説明もいただきましたように、やむを得ない場合に限るよと、厳格な手続の下、安心を担保するような代替手段を必ず講じて認めるということになっています。 ですが、それを、再エネ開発は絶対やっぱり森を切って、それから変わるんですよ、土地の形状は。そのポジティブゾーニングするのはやっぱりおかしいと思うんですね。再エネは代替地もあります。あるいは、代替方法というんでしょうか、代替策もあります。ですが、一旦その森は、長年大切にされてきた森が壊されると、その周辺の生態系を含んで本当に取り返しの付かないことになります。生態系全体のバランスを崩す。熊も人間も生態系の頂点に乗っかっているわけですから、どこか一つの歯車が狂うと、その害が必ず出てきます。それは今日明日出るものではないかもしれませんけれども、子供、孫、孫、ひ孫の代になって出てくるという大変恐ろしいものだと思いますけれども、それから近々には災害リスクも高まりますよね。そういった面があるので、私は、ポジティブゾーンどころかネガティブゾーンにしなきゃいけないんではないかと思っているんですけれども。 それで、環境を守る浅尾大臣、ちょっとお聞きをいたしますけれども、保安林をポジティブゾーンにするというのはいかがですか。私はネガティブゾーンだと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) 環境省では、地域との共生を前提に、地域の再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限活用する観点から、地域温暖化対策推進法に基づき、地方公共団体が地域の協議会等で合意形成を図り再エネ促進区域の設定等を行う、地域脱炭素化推進事業制度の活用を推進しております。 当該制度において、再エネ促進区域は環境に影響を及ぼすおそれが少ないと見込まれる場所から定めることを旨とするとされていることに加えて、保安林に関しては、その指定の目的の達成に支障を及ぼすおそれがないと認められる場合に限り区域に含めることができるものとされています。 環境省としては、引き続き、当該制度の活用に当たって、保安林の指定の目的を十分に踏まえ、地域の合意を図った上で適切に判断するよう地方公共団体に対して助言してまいりたいと考えています。
○ながえ孝子君 生態系や自然や環境を守る大臣なんです。もう一歩踏み込んで御発言をいただきたかったなと思っているんですけれども。 それはさておきまして、林野庁は、保安林解除のためのマニュアルというものも作っております。 それによりますと、風力発電を造る場合に保安林解除は必要になります。保安林を解除するのは、ただ風車の敷地部分だけなんですよね。なので、風車を建設するためには、建設用の作業用道路を取り付けなければなりません、必ず必要になります。でも、作業道路は保安林解除しなくていいということになっているんですね。つまり、本来工事が制限される保安林のまま道路工事は行われることになるということなんです。これがそもそも私はおかしいのではないかと思っているんです。 実際、森林の伐採面積というのは、道路の方が大きいです。ちょっと例を挙げますと、面積、風車の敷地は大体三十メートルから五十メートル、縦横なんですね。そうすると、千五百平米、風車を十基設置するとしますと一万五千平米、一・五ヘクタールぐらいなんです。これに対して作業道路を付けるということになりますと、大体始点から考えて六キロから十キロの道路が必要となります。道路幅は、車道部分が四メートルとしますと、その路側のところを考えまして五メートル、それを五メートル掛ける一番短い六キロで計算すると三万平米ですから、三ヘクタールということになります。実際は山の斜面、のり面処理しますので、その部分も加わってくるということで、これより多くなるということなんです。 ですから、林野庁に改めてお聞きしたいんですけれども、保安林解除されていないんだけれども作業用道路取付けのために形状変更されてしまった保安林というのは、面積はどのぐらいなんでしょう。
○政府参考人(長崎屋圭太君) お答えいたします。 保安林内に施設を設置する際に、例えば作業道といった森林の施業及び管理に必要な施設を設置する場合や、小規模な施設、例えば面積が〇・〇五ヘクタール未満で切盛土の高さが一・五メートル未満、そういった点的な施設を設置する場合には、保安林を解除するのではなく、作業許可で設置することを可能としております。 こうした作業許可による風力発電施設の設置は令和元年度の実績で百七十九件ございますけれども、このうち、委員御指摘の管理用の作業道がどれぐらいあるか、あるいは面積についてどれぐらいかというのは把握しておりません。
○ながえ孝子君 そうなんです。分からないんですよ。なので、どのぐらい伐採されたか分からない、言ってみれば、無軌道に作業道が造られ森が破壊されている可能性もあるということなんですよね。 私の地元の愛媛県でも、保安林が解除されて風力発電が設置され、その周辺住民の方、麓の方ですね、土砂崩れを心配した住民とあつれきが起こっているケースがありまして、この場合、風車の敷地の六倍近い土地が作業用道路として伐採工事がされています。保安林解除はされていません。問題なのは、この取付け道路の工事は保安林解除していないので代替措置がされないということが問題なんですね。 ですので、資料五を御覧ください。 保安林解除が必要な場合は、必ず森の果たしている命や暮らしを守るため、その役割を代替する施設を造りなさいよということが決められています。でも、保安林解除をしないで作業道路が設置されると、解除手続を取っていないので代替施設は不要ということになります。だから、解除手続をちゃんとやっていれば、災害へのリスク管理として設けられるであろう災害防止の、土砂災害防止のための側溝ですとか排水施設ですとか、そういったものは設けられません。道路から斜面へ水は垂れ流しです。流量検査もされません。ですから、住民の皆さんの不安というのは大変大きいものがあると思います。もちろん植栽、植林の義務もありませんということなんです。 ですから、風車敷地より何倍も広い森林を伐採してしまう作業道路、やっぱりちゃんとした代替措置といいましょうか、それをやらせるためにも保安林解除が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(長崎屋圭太君) お答え申し上げます。 作業許可によって保安林内に作業道を開設したり、あるいは小規模な施設を設置したりするということについてでございますけれども、これは、保安林は森林として極力維持していくことが基本であるという考え方の下で、こうした小規模のものにつきましては、解除とせずに作業許可とすることで、行為に係る森林の区域を引き続き保安林として機能を維持、発揮させるということを目的としたものでございます。
○ながえ孝子君 それは後々森林に返すということですか。
○政府参考人(長崎屋圭太君) そのとおりでございます。
○ながえ孝子君 ちょっと説明が変わってきたなと思っています。 以前は林野庁は、これ林道として後々使うから要らないんだよという説明をしていたと思うんです。林道というのは、元々森林計画にちゃんと書いていなければ要件として認められません。なので、作業用道路として付けられたものは森林計画には載っていないわけですから、林道とは呼べないということになっています。 そうすると、今度は、後々森に返すから、道として使わないからという御説明なんですね。必ず森林に返してくれるんですか。
○政府参考人(長崎屋圭太君) 作業許可についてでございますけれども、例えば施設の設置目的が終わった場合、植栽によらなければ森林に返らないという場合は、作業許可をする際の条件として、きちんと植栽してくださいといった許可を付す場合もございます。 いずれにいたしましても、考え方といたしましては、作業許可に関わるものについては後々森林に戻すという考え方でございます。
○ながえ孝子君 では、風力発電、太陽光パネル、必ずメンテナンスが必要です。それが行き渡らないと、これまた周辺の住民の皆さんの不安が増します。 メンテナンスのための道路はどうするんですか。
○政府参考人(長崎屋圭太君) 再エネ発電施設の管理に係るメンテナンスにつきましては、それぞれの発電事業者において適切に行われると思っております。
○ながえ孝子君 これ、幾らやっていてもちょっと水掛け論になりそうなので、この辺りで、ちょっと時間もあるので。 要は、それは勝手に事業者がやってくださいということなので、そこ道路付けるとなったらまた同じことの蒸し返しだと私は思うんですけれども、じゃ、次に行かせていただきます。 私は、一切山に再エネ施設造ってはならないと思っているわけではありません。ですが、ドイツがやっているんですけれども、太陽光パネルの再エネ施設であろうとも、森林を伐採して設置をするならばその六倍の面積を植林しなければならないというルールをきちんと作って規制をしているというところがあります。言ってみれば、保安林解除も必ず植栽、代替のものを求める、植栽が義務付けられていますので、一定の役割を果たすと思っているんですね。ところが、道路については、それをわざわざ手続をクリアして早く進めようということですから、本当に残念でたまらないんです。 それで、浅尾大臣、お聞きをしたいんですけれども、やっぱり国民と命を環境を守る環境大臣として、こんな荒っぽい保安林解除の流れというのを止めていただきたいんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) お答えいたします。 その前に、先ほど私の答弁の中で地域温暖化対策推進法と発言した部分は地球温暖化対策推進法の誤りでありますので、訂正をさせていただきたいと思います。 その上で、保安林の解除に関する手続等については、森林法を所管する林野庁において、森林の公益的機能の発揮の観点から適切に判断されるものと認識をしております。 森林は国土の約七割を占めており、我が国の生物多様性保全や気候変動対策の観点からも、その適切な保全管理が図られることが重要であると考えています。具体的には、生物多様性保全の観点では多様な生き物が生息、生育する場として、気候変動対策の観点からは森林吸収源対策としてそれぞれの機能を発揮させるため、保護地域の指定や適切な森林整備等を進めることが重要であると考えています。 環境省としても、引き続き、農林水産省と連携して、森林を含む生物多様性の保全に努めてまいりたいと考えています。
○ながえ孝子君 今、日本では多くの種が絶滅の危機を迎えております。深刻な状態です。生物多様性は低下の一途をたどっています。それは大臣も心配をされているかと思います。 そのためにいろいろ我々もない知恵を、あっ、私はない知恵を絞りながらですね、皆さんはある知恵を絞りながらいろんな対策を講じているところでもあるんですけれども、自然界のある種が絶滅してしまいますと、生態系全体の歯車が回らなくなります。ですから、種の絶滅を防いで生物の多様性を維持しなければ、その頂点に乗っかっている我々は大変危ういということになります。 ですので、熊たちだけではなくて、私たちのためにも、こうやって森林が無軌道に伐採されて生態系が失われるなんてことがないように、是非、浅尾環境大臣には御尽力をいただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(青山繁晴君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について川田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川田龍平君。
○川田龍平君 私は、ただいま議題となっております鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対し、立憲民主・社民・無所属及び日本共産党を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 鳥獣保護管理法は、生物多様性の確保などに寄与する観点から、鳥獣の保護管理などを図ることとしておりますが、その対象は鳥類又は哺乳類に限定されております。また、本法律案では、緊急銃猟の対象鳥獣を危険鳥獣と称することとしております。 一方、世界目標である昆明・モントリオール生物多様性枠組を踏まえ、我が国においても二〇五〇年の自然と共生する社会の実現に向けた取組を進める中で、人と自然との共生、人と動物との共生の理念に沿う、よりふさわしい用語に改める必要があります。さらに、生物多様性の保全に向け、野生動物を広く保護管理の対象とすることも求められます。 本修正案では、第一に、人の日常生活圏に限らず対処が必要と解釈し得る危険鳥獣の用語を、人の日常生活圏に限定する緊急対処鳥獣に改めることとしております。 第二に、本法の附則に、政府は、本法の公布後速やかに、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律等における鳥獣の用語の見直しについて、野生動物を用いた用語とする方向で検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとするとの検討条項を追加することとしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(青山繁晴君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山本太郎君 れいわ新選組を代表し、本改正案について、原案、修正案共に反対の立場から討論いたします。 本改正案は、市街地に出てきた熊を撃つ際のルールを変えるだけ。市街地に出てきた熊をハンターが撃つ際に警察の命令は要りませんよ、物損事故等に際しては市町村が責任を負いますよというルール変更。市町村側が全ての責任を負う形になり、うまく機能するのか懸念されます。危険な駆除作業を、大した報酬も支払わずに猟友会関係者に丸投げする体制も見直そうとはしない。何より、そもそもなぜ熊の市街地流入が増えたのか、根本的な問題に対処する意図が全く感じられない内容の改正になっています。 環境省の有識者会議も、鳥獣被害増加の背景に耕作放棄地の拡大や里山保全の衰退を指摘。そして、人間の居住地と山林の間にバッファーゾーンを構築するなどの取組の必要性も繰り返し指摘してきました。環境省は、そのような取組も支援している、予算を付けていると言うが、全く金額も人員も足りておりません。なるべくお金を掛けずに小手先の制度変更で済ませようとする環境行政を続けてきたから、鳥獣被害の拡大は止まらない。この事実を直視し、鳥獣対策の最前線にいる自治体に、常勤の専門職員の拡充や長期的な里山保全、耕作放棄地対策できるように十分な予算を付けるべきです。そのような自然環境保全事業を公共事業とし各地で長期的に続けることで、地方での雇用創出、住民の定着にもつながる。地方創生を掲げるなら、真っ先にやるべき政策ではないでしょうか。 野党の修正案も、疲弊する地方の財源や人員不足に直球で手を打つものではなく、用語の変更を求めるだけになっていることが非常に残念です。附帯決議には、鳥獣管理に関わる人材の育成、確保、バッファーゾーン構築に係る予算確保を求める項目はあります。しかし、残念ながら、附帯決議に盛り込むだけでは実効性のある政策変更は全く期待できない。野党第一党は、本来、これら附帯決議の項目を法律本体に盛り込む修正案を出すべきだと思います。 残念ながら、与党も野党も、なるべくお金を掛けないで、やっているふりのできる政策で落としどころを探る、そんな癖がしみ込んでしまっている。この姿勢では、問題の是正どころか、一歩前進も難しい。 以上の理由から、本案、修正案、附帯決議、全てに反対いたします。
○委員長(青山繁晴君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、川田君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青山繁晴君) 少数と認めます。よって、川田君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青山繁晴君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、川田君から発言を求められておりますので、これを許します。川田龍平君。
○川田龍平君 私は、ただいま可決されました鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員ながえ孝子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、危険鳥獣の銃猟の安全対策に万全を期するため、市町村を始めとする関係者に対して、現場での迅速かつ適切な判断が可能となるよう、本法の内容を関係法令との関係も含めて十分周知するとともに、関係省庁で連携して安全かつ効果的な出没対応に関するガイドライン等の作成や研修の実施等の支援を図ること。また、危険鳥獣の出没時の連絡体制及び対応方針の事前調整や実地訓練の定期的な実施について必要な支援を行うこと。 二、本法の円滑な運用とともに、危険鳥獣の捕獲等に当たっての担い手への必要な経費が確保されるよう、地方公共団体に対する財政支援の充実に努めること。 三、狩猟者の減少・高齢化等を踏まえ、鳥獣による被害防止に向けた捕獲体制を強化するため、専門的技術を有する認定鳥獣捕獲等事業等に従事する者の更なる技術向上及び育成について、積極的な支援を行うこと。 四、クマ対策については、捕殺だけではなく、人の生活圏への出没を未然に防止することが重要であることから、生息状況把握のための適切なモニタリングの実施を始め、クマの生息環境の整備や保全、人とクマがすみ分けて共存するためのゾーニング管理などの出没抑制対策に関係省庁で十分連携を図りつつ取り組むこと。また、これらの取組を進めるため、野生動物管理の計画・立案等を担う専門人材の育成・確保を進めること。 五、捕殺による被害対策の効果は限定的で、クマ等による人身被害の予防や野生動物との軋轢の根本的な解決には、防護柵等による被害防除や誘引物除去、犬を活用した追い払いの実施など、人と野生動物とのすみ分けのための環境整備がとりわけ有効であることから、地域が効果的に取り組めるように支援策を整備し、必要な予算を確保すること。 六、くくりわな又は箱わなによる錯誤捕獲は、意図せぬクマの捕殺や野生動物に不必要な苦痛を与えることにつながるおそれが大きいことから、錯誤捕獲の発生防止対策を検討すること。 七、捕獲等を行った野生鳥獣の有効利用について、より安全な提供による消費者の安心の確保を図りつつ、その円滑な流通を促進するための環境整備等必要な措置を講ずること。 八、令和十二年度までに鉛製銃弾に起因する鳥類での鉛中毒の発生をゼロとすることを目指して令和七年度から鉛製銃弾の段階的な使用規制が開始されることを踏まえ、その影響についての科学的知見も踏まえつつ、非鉛製銃弾の使用の促進を図る取組を進めること。 九、森林、里地里山、河川など、野生動物の生息環境の整備・保全と生態系ネットワークの構築・維持を進めるため、ネイチャーポジティブの取組を一層強化すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(青山繁晴君) ただいま川田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青山繁晴君) 多数と認めます。よって、川田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、浅尾環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。浅尾環境大臣。
○国務大臣(浅尾慶一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存であります。
○委員長(青山繁晴君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青山繁晴君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十三分散会
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